あらすじ
寒気に包まれた檻の中で鮫島は意識を取り戻した――。自殺した同僚・宮本の七回忌で、鮫島は彼の故郷へやってきた。故人の旧友・古山をはじめ、古山の妹・栞、麻薬取締官・寺澤、不良警官の上原、バーのママ・平良マリー……、多くの人々と出会った。そして、その夜、拉致された。誰が何を目的に鮫島を狙ったのか!? 底知れぬ闇が広がる! 新宿から遠く離れた見知らぬ街で、孤立無援の闘いに鮫島は身を投じる。
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Posted by ブクログ
これは、番外編と言っていいでしょう。
舞台は新宿ではなく、自殺した同期の宮本の故郷で全てが始まり終わる。
そもそもは鮫島が拉致監禁された。理由は不明。
鮫島を助けるために宮本の親友・古山が動いたが、鮫島の解放と引き換えに彼が捕まってしまう。
古山を助けるため、鮫島は走る。
地元で手広く水商売をしている古山、彼を調べていた麻薬取締官、鮫島を見張っていた地元警察、そして地元の暴力団。
狭い地域で密接に交差するこれらの関係。
いったい何が起こっているのかわからないまま、宮本と古山の友情のために走る鮫島に胸が熱くなる。
人が死に過ぎて、死んで欲しくない人までも死んじゃって辛いけど、これは男の友情の物語なのです。
いつもの新宿鮫とはテイストが違うけど、これはこれで好き。
Posted by ブクログ
鮫島のことを知らない数多くの人たちが当然のように鮫島に協力するなんてことは、本来なら現実感がなくて置いてかれそうになるけど、それをさせない鮫島のスター性。彼ならば皆が彼のために尽くしてもおかしくない。灰夜という題名はこの物語にとても合っている。