あらすじ
これはこれまで小説を愛してきてくれた人へ、そしてこれから小説の世界に一歩踏み出す人へ贈るプレゼント。何気なく読んだ物語が、ふと目にした一行が、意外な言葉ひとつが、人生を大きく変えるかもしれない。現代を代表する7人の作家が「夏」をテーマに書き下ろした、驚きと切なさ、怖さと美しさ、何よりとびきりの面白さを詰め込んだ奇跡の一冊。さぁ、あなたの人生に小説という選択肢を。
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豪華だった!
『コンビニ兄弟』のスピンオフや『六番目の小夜子』の前日譚!
一番好きだったのは梨木香歩さんの作品かな。ずっとその場所にいた松の奇跡、というと大袈裟だけど、ずっとその場所で家族のこと、子ども達の事を見守ってくれていた。まつぼっくりがくれた踏み出す勇気がよかった。
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大長編を読み終わったような心満たされる1冊。個人的には「真実のトランク」と「見越しのマツ」に心捕まれたのですが、最初から流石の伊坂先生も、ここで重い話を持ってくる米澤先生も、伝説の季節の恩田先生も大好きでした。爽やかな夏を体験させてくれた江國先生と町田先生もめちゃくちゃ最高です!
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錚々たるメンバー7人による「夏」をテーマにした短編集。
本当に贅沢すぎます。
町田そのこさんは『コンビニ兄弟』のスピンオフ。恩田陸さんは『六番目の小夜子』の前日譚。
『六番目の小夜子』は若かりし頃に読んだはずなのに、すっかりストーリーを忘れていて、そうそうこういう感じだったと思い出し、町田さんの作品では、あの人のことかと嬉しくなり…。
伊坂さん、江國さん、梨木さん、宮部さん、米澤さんとそれぞれ持ち味を出した「彼、彼女らしい」作品だった。
どれが一番好みだったかと聞かれたら、全員好きな作家さんなので悩んでしまうけど、米澤さんかなぁ。梨木さんのもよかったなぁ。
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「ウッドペッカー荘事件」伊坂幸太郎
やられた。
そんな仕掛けだったとは。
共を想う気持ちに胸をぐっと掴まれて、じわじわと余韻に包まれる。
そしてあまりにもスキルフルな短編。
伊坂さん天才。
これ読んで次の日伊坂さんの長編買いました。
夏といいつつ物語上の季節は春ってところが、最後の作品と繋がりがあってお見事。
「二つの宇宙」江國香織
ずーっと気になってて初めて読む江國香織さん作品!
まあ、夏の夕方だって、ほんとうは永遠ではないん
だろうけどね
良い。良すぎる。
夏は日が長いから夕方が長いことと、大学生の刹那だけど当時は永遠と思えたあの時間を重ね合わせてるんだ。
20代はずっと続くと思ってたけど、過ぎてしまえばあっという間で。大人になりたかったけど気付いたら戻れないことの方に痛みを覚えている。
若いときは恋人とか家族とか、それが本当に世界のぜんぶ。それを二つの宇宙って言ってるのかな。
うまいな〜
「真実のトランク」宮部みゆき
バーの日常の話かと読み進めると、なんとSF。
びっくりさせられた度No.1でした。SF好きなので嬉しみ。
記憶が全部なくなった時何が残るのか。
それを顕にするから真実のトランクか。
自分には善か悪か、どちらが残るのだろう。
「きっとあの日の光と同じ」町田そのこ
一夏の恋が実は何年も経って結ばれるという、
王道ラブストーリー。
花火やアイスなど夏の描写がとても素敵だった。
「無明」米澤穂信
急に温度が下がったような作品。
暑い。暗い。救いがない。
特に読んでるこちら側に、命を奪う容赦ない暑さが滲み出てくるような描写が印象的。
最後の最後で判明する母の愛だけが最後の一筋の光。
「見越しのマツ」梨木香歩
ちょっとファンタジー。
「伝説の季節」恩田陸
進学校に通う高校生の物語!
大好きな夜のピクニックと同じ世界観!
セルフオマージュなのかな?
手紙とか転校生とか親友とか、重なるキーワードが多かった。
物語の最後に兄弟の名前として秋や冬が出てくるところがこの短編集の最後に相応しく、
夏を堪能したような気になって本を閉じた。
思えば最初の伊坂さんの作品は春が舞台だった。
これも仕掛けなのかな。
見事な並び。
大大大満足の一冊でした。
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新潮文庫の「今年の100冊」50周年記念企画。日本文学に疎い自分でも知っている錚々たる作家陣。どれも面白過ぎて震える。誇張ではなく。背表紙にある「小説の世界に一歩踏み出す人へ贈るプレゼント」は偽りではない。これは一歩踏み出したが最後、引き摺り込まれます。
自分は現代日本文学はほとんど読んでこなかったので、新鮮な目で読めたことも良かったと思う。以下敬称略。
中でも個人的に好きだったのは宮部みゆきだけれど、怪奇小説が好きなのでフェアではないかも。短編ではあるが背筋が凍る思いをして痺れた。ホラーを理解してないと描けない描写。大作家の迫力がある。
あとは、江國香織と梨木香歩の日常からちょっとはみ出た可笑しみは、幸せな余韻も含めてとても好きだ。何でこんなに瑞々しいのだろうか。
江國香織の作品は当時の自分を思い出した。彼女と祖母。どちらももういない。でも素敵な思い出。
梨木香歩の小説も、今住んでいる場所で似たようなことがあり(松ではなく柿の木だったが)、それだけに感情移入して読めた。本作が本書で一番笑った。
伊坂幸太郎は、学生時代に何冊か読んだだけだったが、こんなところまで行っているのかと驚いた。ネタバレしたくないので言及は控える。是非読んでほしい。
米澤穂信の作品からは「本格」という言葉が想起された。「人間」の上に社会の仕組みを積み重ねて行くことで醸し出される重厚感。短いページ数で社会問題の重みもきっちり描いていて、この本のテーマ以上に社会的な役割まで考えられているのではないかと頭が下がる思いがした。
町田そのこは、37才のおじさんが読むにはどうしても照れがある。奥手の恋愛。好きですけど。ジャンプよりサンデーですから(?)。
全体でみてもバラエティに富んでいてバランスも良いと思う。どの作品から読んでも良いし、編集を信じて最初から読んでも良い(私は最初から読んだ)。
恩田陸はスピンオフ作品らしいが、読んでなくても楽しめた(もちろん読んでた方が楽しめるかもしれない)。逆に伊坂幸太郎はスピンオフかと思っていたが違うらしい。ホームズ形式の応用のようだ。
読み終わってみると、日本人にとって「夏」は多くの意味を持つのだなと感慨深い。珠玉のアンソロジーでした!
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とっても贅沢なアンソロジーだった
お目当てだった恩田陸は関根春・高校3年生の夏の話
思わず象と耳鳴りを引っ張り出してきた
二番目の津村小夜子、六番目の頃にはすっかり伝説というか、それこそ地霊そのもののような掴みどころのない存在になっていたけど、三番目の頃にはまだ若くして亡くなってしまった女の子の面影が濃厚で、そこから続いてきたサヨコ伝説は当初は弔いの気持ちが大きかったのかもなと思ったり
伊坂幸太郎はいつもサイコーだ
アンソロジーの最初に配置されてていきなりぶん殴られた思いだった
江國香織と宮部みゆきは、いつまでたっても「もう少し歳を取ったら楽しく読みこなせるかもしれない」という枠から出てきてくれない
自分が成長しないからか
真実のトランクはこのまま長編になりそう
町田そのこ初めて読んだ
とてもすっきり爽やかで読み心地よかった
夏のお題で花火で締めて、とても美しいのではないでしょうか
米澤穂信は黒牢城の時も思ったけど、重厚な語り口が板についてらっしゃる
じわじわと辛くなる話がしこりのように残って後を引く
梨木香歩も面白かった
松を巡る人たちに悪人がいなくてよかった
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贅沢な短編集
一編にしっかりまとめられて「スキ!」ってものから「つづきを読みたい!」って思わせるカタチで締めくくられてるもの。「あっ!」って思わせてくれる展開のもの。
読む人によって感想は様々であるはずなのでその意味でも偏りの無い好みが必ず見つかりそうな短編集だと思った。
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本当に最高すぎるプレゼント!新潮文庫の100冊の50周年記念で全編書き下ろしの短編集。なんて贅沢。中高時代に読んできた錚々たる作家陣と、まさにその時代にお世話になった新潮文庫の100冊…本の発売を知った瞬間にこんなにわくわくしたの、いつ以来だろう。中高時代に通った夏の本屋の雰囲気を思い出したり、久々に読むことができた作家さんがいたり、普段あまり読まないアンソロジーを味わえたり、最高でしたーー
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茹だるような暑さに息が苦しくなる夏
何十年経っても煌めくようなときめきのある夏
止まっていた時間が動き出す夏
様々な「夏」をテーマに7人の作家が書き下ろした短編集
『52ヘルツのクジラたち』を読んだ時は前評判の高さからか逆にあまり印象に残らなかったように思っていたけど、今回は読み始めた途端に文章がすっと自分の中に入ってきて1つ1つの表現にわくわくしたり懐かしくなったりしながら読めたことが嬉しかった、町田そのこさんの「きっとあの日の光と同じ」。
背筋がピンと伸びて一見取っ付きづらそうな、それでいて実は好奇心旺盛な一面も…そんな頑固でキュートなお婆ちゃんが魅力的で、登場人物たちのリアルで短い、それでいてちょっとホットなやり取りに居心地の良さを感じる江國香織さんの「二つの宇宙」。
あの作品の…!!アナザーエピソード…!!!
めちゃくちゃテンション上がってにやけながら読んでいた恩田陸さんの「伝説の季節」。
本棚に面陳で飾りたくなるようなデザインも含めて、本当に『プレゼント』のような1冊でした。
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「夏」をテーマに書かれたいろんな作家さんのいろんなジャンルの一冊。私は江國香織さんの「夏×恋愛」のお話が爽やかで、料理の描写も美味しそうで、主人公とおばあちゃんの関係も素敵で、良かったです。
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この執筆メンバー凄い豪華すぎじゃありません!
しかも全編書下ろし、「ここでしか読めない限定」なんて聞いたら手に取るしかないっしょ。
夏をテーマにした短編。青春、ファンタジー、ミステリー、ホラーと多彩なジャンルが楽しめる贅沢な一冊。それぞれの作家さんの持ち味が出てて楽しめました。
特に面白かったのが以下の作品。
町田そのこ 『きっとあの日の光と同じ』
舞台は門司港・テンダネス、なんと、この短編『コンビニ兄弟』のスピンオフだったのでびっくり。
いちごアイスの甘たるさと線香花火の最後の光のような、なんとも遠回りな初恋と友情にグッとくる。
米澤穂信 『無明』
こちらは社会派ミステリー。「生まれ生まれ〜」のフレーズが呪詛のように響く、あの重苦しさと「どうか生きて」のやるせなさは、読後もしばらく心に残り続けます。
恩田陸 『伝説の季節』
本編(六番目の小夜子)を読んでいなくても、あの恩田さん特有の「学校に漂う、どこか不穏な空気感」に呑み込まれる感覚を味わえるのは凄いなと思った。あのラストの境界線が曖昧な感じは、まさに恩田陸ワールドの真骨頂かな。
これからの猛暑には少し冷んやりして丁度良いかも。
『六番目の小夜子』の前日譚なので小夜子ファンの方はぜひぜひ。
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どんな気分のときもどれかは刺さる、名だたる作家の名短編集
恋愛ものが読みたい気分だったみたいで、『きっとあの日の光と同じ』がすごくキュンキュンした…
二つの宇宙もすき
SFとか暗めの人間ドラマは今の気分じゃなかったけどどれもおもしろかった
Posted by ブクログ
新潮文庫の100冊、50周年記念の本。全編書き下ろし。題名はプレゼント。これは買わねばと思って購入。本の装丁も文庫のカバーをはずした時と同じ柄のカバーがかかっていて素敵すぎる。大事に読みたいので、江國香織さんと町田そのこさんの短編を読んでひとまず感想。
江國さんの「二つの宇宙」は、おおまかにいうと大学生二人のひと夏の恋愛のお話かな。主人公悠斗のおばあちゃんがとてもエキセントリック。おばあちゃんエピソードがすごいけど、主人公の悠斗もガールフレンドの茉莉加もだいぶ変わっているので、おばあちゃんのエキセントリックさが悪目立ちせずにとっても面白い話だった。
町田さんの「きっとあの日の光と同じ」は、高校生の恋の行方のお話。子どもの頃からずっと一緒で仲良しの幼なじみに恋人ができて、「あいつが変わっちゃった!」って動揺する主人公。今までバカやってふざけ合ってた友達が急にかっこつけだしたら寂しいよね。ちょうど子どもから大人へ変わっていく時期だから、まさに青春という複雑な心情がとてもうまく表されていて良かった。自分も恋というものをしてみれば、幼なじみの気持ちがわかるかなって主人公が考えて……というお話。途中ここで終わりかなと思ったら、彼女ができて気まずくなってしまった幼なじみとのその後のことにも触れられていて、読後感もほっこりあたたかかった。
人気作家さんだけで構成されているので失敗はないし、「夏」をテーマにした物語が今の梅雨のジメジメを吹き飛ばしてくれるような物語。次は宮部さんを読もうと思う。宮部さんは結構なページ数で楽しみー。
……と、明るい気持ちで次に米澤穂信さんの「無明」を読んだら、重く苦しく考えさせられる話だった。夏のまとわりつくような暑さや息苦しさが思い出されて、なんて苦しくて悲しい話なんだと落ち込んだ。でも、こういう話からいろいろ考えていくことは大切だと思う。空海の「生まれ生まれ生まれ生まれて、生の始めに暗く、死に死に死に死んで、死の終わりに冥し。」という言葉を、お母さんが我が子を守るために決心した時に繰り返しつぶやいていて、読んでいて苦しくなった。このお話の親子に明るい光が灯されてほしいと思った。