【感想・ネタバレ】ピアノの森(24)のレビュー

天才vs秀才の因縁の対決、という鉄板の構図で、ピアノの世界でしのぎを削る若者たちの青春を描いた「ピアノの森」。
1998年から連載開始された本作は、途中、休載や連載誌の廃刊などを挟みつつ、2015年に完結。
平成20年には第12回文化庁メディア芸術祭漫画部門大賞を受賞、2007年にはアニメ映画化、2018~2019年には2度にわたってTVアニメ化もされるなど、各メディアでも大きな話題となった作品です。つまり、押さえて損なし!

物語は、主人公2人の少年時代からスタートします。
東京から、どこか昭和の名残を感じさせる田舎街に越してきた雨宮修平(あまみや・しゅうへい)。
高名なピアニストを父に持つ彼は、生まれたときから父の跡を追ってピアニストになるべく、英才教育をほどこされてきたエリートです。
そんな彼が転校先の小学校で出会った一ノ瀬海(いちのせ・かい)は、修平とは正反対の過酷な環境で育った、学校イチの問題児。
しかし、海はピアノを習った経験もないのに、誰も弾くことができない森の中にあるグランドピアノを自由に弾きこなす、というとてつもない才能を持つ少年だったのです。
そんな天才が放っておかれるはずもなく、やがて周囲の大人たちの思惑が絡み、海と修平の長きにわたる因縁の関係が始まります――。

自由奔放なピアノで、関わる人すべてを虜にしていく台風の目のような海。
そんな海のピアノに惹かれつつも、自分の歩むべき道を見誤らないよう行動を律して淡々と結果を出していく修平。
まるでモーツアルトとサリエリのような関係の2人が、互いに切磋琢磨しながら世界をまたにかけ、ピアニストとして、人間として成長していく疾走感あふれる物語に、ページを繰る手がとまりません!

アツイ感動を求めているなら、絶対に期待を裏切らない本作。
クラシックに興味がないという人も、曲や作曲者のイメージがわかりやすく表現されているので、抵抗なく入れるはず。
漫画を読んで曲に興味を持ったら、ぜひ劇場版アニメや、TVアニメシリーズで映像や音楽を補完するのもおすすめです!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

照明が消えたアクシデントに動じることなく、海は自分のピアノを弾く。
海のピアノはオーケストラと観客を、森からさらに広大な平野へと導く。
海はついに世界への扉を開く。

0
2014年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンクール会場で聴いているかのように入り込んでいました。
森で弾いていた頃のカイが思い出され、愛おしく胸が詰まりました。
良い演奏でした。
終わりが近づいているんですね…

0
2014年07月02日

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