【感想・ネタバレ】魔物が棲む町 物書同心居眠り紋蔵(十)のレビュー

あらすじ

高輪・如来寺に赴任した快鴬は、門前町人たちに地代を課そうとしたが、彼らがいっこうに払わないので公儀に訴えた。ごく簡単な訴訟だったはずなのに、背後に拝領地の売買という、奉行所が裁決を避けてきた容易ならぬ問題が。訴訟を取り下げさせるという厄介事が紋蔵に降りかかる表題作。「物書同心居眠り紋蔵シリーズ」第10弾。(講談社文庫)

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匿名

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「十四の俠客岩吉の本音」
岩吉は定次との決闘がなくなったことにほっとしたようだ。
「独断と偏見と冷汗三斗」
紋蔵の情よりも、今回は上役の方が一枚上手であった。そして安覚さんの方が筋が通っており、情にも通じていた。正論の方が強いこともある。
「親殺し自訴、灰色の決着」
物事は、真実は解明されなくても、誰もが死罪にならない方法をとるのが一番であろう。
「御三家付家老五家の悲願」
犬山の成瀬家が江戸時代に家老扱いであったとは始めて知った。とても興味深い内容であった。
「魔物が棲む町」
お寺の住職が門前町の町人から女をあてがわれて、地代に関する訴えを取り下げるところは生々しかった。魔物とは町人の事であり、住職のことである。Me Too 運動でこういう話も書くこと自体、敬遠される時代になるかもしれない。
「この辺り小便無用朱の鳥居」
市川堂の新しい師匠の青野又五郎の男気あふれる言動が気持ち良い。紋蔵の広い交友関係と好奇心が、手柄に結びつく。
「仁和寺宝物名香木江塵の行方」
上役からの無理難題に対して、少しの手がかりから、解決策をこじ開けていく、筋の巧みさがとても面白い。
「師走間近の虎が雨」
猛女「とら」の、本当の姿は子を想う母の気持ちであった。悲しい気持ちにさせる結びであった。

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2019年11月27日

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