あらすじ
博奕打ちの親分・仁吉が殺しの指図をした疑いで、大番屋にしょっぴかれた。ところが仁吉は強請りたかりも一切しない気性のさっぱりした男。腑に落ちない紋蔵は、仁吉を取り調べている北町臨時廻りの弥三郎に探りをいれるが……。見当違いをやりながら、ついには真相を明らかにする“窓際同心”捕物帖第5弾。
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Posted by ブクログ
目次
・早とちり
・老博奕打ち
・金吾の口約束
・春間近し
・握られた弱み
・呪われた小袖
・列女お久万
・伝六と鰻切手
ああ、これもまたシリーズの途中作品だ。
しかも時代小説。
時代小説は少年マンガ並みに関数を重ねるものがあるので要注意なのだけど、これは既刊が10冊くらいだからまあいいか。
物書同心って知らなかったけど、要するに役所に必要な文書を書くことと、その整理・保管が仕事のようなのです。
だから前例主義の江戸時代、取り調べをするのにも、刑を申し渡すにも、過去の例を調べたりするのも仕事のうち。
意外にきっちり法整備されている江戸時代に目からうろこでした。
巻を追うごとに時間も流れていく設定なので、こういうのはやっぱり最初から読まなくては。
なぜ居眠りという二つ名がついているのか。
奇病のゆえらしいが、それはどんな病なのか。
上司、同僚、幼馴染に家族。いろいろ気になる。
面白かったのは「伝六と鰻切手」
江戸時代もやはり鰻は高級食材だったらしいけど、いや、だからなのか、加盟店ならどこの鰻屋でも使える鰻切手という商品券のようなものをもらった紋蔵に、なぜか付きまとう伝六という要領のいい男。
口八丁手八丁の伝六に翻弄されているうちに、家族に鰻を食べさせるために隠し持っていた鰻切手がとんでもないことに…。
難事件を解決するだけではなく、してやられる主人公というのもなかなかに面白いものだ。