あらすじ
元公卿の華族・春日井正親の第3夫人・蝶子が「かわせみ」に逗留することになり、るいの留守を預かる千春は大いに緊張する。思いのほか気さくな華族夫人に、胸を撫で下ろしたのもつかの間、常客の鼻つまみ者・銀三の案内で、築地居留地に出向き、賭事に興じているという。夫人の本当の狙い、その意外な正体とは? 表題作「華族夫人の忘れもの」ほか、千春が麻太郎の出生の秘密を知る「西洋宿館の亡霊」など、明治のかわせみ第2弾となる全6篇を収録。
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『西洋宿館の亡霊』はファンにはたまらない一篇。偶然にも東吾の遺書を読んで麻太郎の出生の秘密を知って驚愕する千春。途中、東吾の名前も出てきてワクワクするなというのが無理な展開に。
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『御宿かわせみ』新シリーズの第二弾。
東吾さんも源さんもいない「かわせみ」には慣れないけれど、若者たちも頑張っています。るいさんが完全に脇役になってしまったのがさみしい。
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私はこのシリーズ好きです。
でも、こればかりは飽きるかもしれないと思って、本屋で手にしたのを棚に戻してきました。
寝る前やちょっとした細かい時間などに気軽に読めるので、手元に一冊あってもよかったかとも思います。
時代小説に出会って、この江戸から明治になる時代に結構惹かれます。新・御宿かわせみは江戸から東京になった街で宿屋や医者、商人などが織りなす庶民の物語です。大政奉還した将軍や政権を握った天皇も、また明治維新政府になくてはならなかった有名な志士にさえも、何の影響も受けない本当に庶民の目から見た時代の流れがとてもしなやかに描かれていると思います。
時々出てくる「旧幕時代」という言葉が、あの江戸幕府が終結し、様々な過程を経てたどりつた明治という時代を、大きな変換期という歴史として学んだ私を拍子抜けさせました。
庶民から見れば、何も大きく変わりはしなかったかのように生活を営みながら、時代が大きく変わったことで抱えた不幸を心にとどめて、新しい時代の中でどう生きていくのかを模索している若い世代のパワーが、読んでいて気持ちを前向きにさせてくれるのだろうと、このレビューを書きながら思いました。
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やっぱ、江戸の東吾さんいないと物足りない。千春ちゃんが麻太郎の出生の事実を知ってしまった…。つらいよね〜 あぁ、しかし、遺書まで出てきて、もぅやはり帰らぬ人なのか
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御宿かわせみシリーズの続編。
明治時代を舞台にかつてのかわせみの面々の成長した姿が描かれています。
表題作含め6編収録
前シリーズ「御宿かわせみ」のエピソードをしっているとさらに面白い作品も掲載されています。
できれば、前シリーズからどうぞ
江戸から明治へ移る時代を生きた人物と彼らをとりまく環境の変化から起こる事件の数々は非常に面白い。
☆4個なのは、前シリーズを読まないと、はてな?と言う部分がありそうだから。
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シリーズ追いかけ再読。新・御宿かわせみ2巻、表題作『華族夫人の忘れもの』かわせみに逗留する華族夫人・蝶子は思いのほか気さくな人柄だが、かわせみの客に誘われ築地居留地で賭事に興じて千春を心配させる。果たしてその正体は?江戸篇最終巻で麻太郎に絡んだ新内流しの娘・お蝶が華族夫人となり再登場!かわせみの困った客をきりきり舞いさせちょぴり恩返し。『西洋宿館の亡霊』麻太郎出生があっさり描かれ肩透かし。ここまで読んで明治の流れで今までの「御宿かわせみ」人情豊かな情景雰囲気がバッサリなくなって残念。
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「かわせみ」に逗留する華族夫人・蝶子は、気さくな人柄だが、常客の鼻つまみ者・銀三の案内により、築地居留地で賭事に興じて、るいの留守を預かる千春を心配させるー。果たして蝶子の正体とは?
ほか、千春が麻太郎の出生の秘密を知る「西洋宿館の亡霊」など明治のかわせみ第二弾となる全六篇。
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小学校時代、なぜか好きだったテレビシリーズの御宿かわせみ。文庫で読み始めて、もう20年近く?新シリーズになり、東吾さんは行方不明、畝さんは亡くなって、子供たちの代になって二冊目なのだけれど、なんとなく殺伐としている。扱う事件はそんなに変わっていないのに、そういう印象になってしまうのは、おなじみだった東吾さんの軽口とるいのやきもちとか、お吉のおせっかいとかそういう本筋とは全然関係ない、マンネリだけれども、ほっとする部分がなくなってしまったからだろうな。今回も、もう、東吾さんはいないんだな、と感じさせるエピソードがあり、知ってる人を失ってしまったような気持ちになり、胸がしめつけられた。私はつくづく変化に弱い人間だなあと思う。サザエさんやちびまる子ちゃんみたいに時間を止めて、ずーっとマンネリでいつまでもつづいて欲しいのだな。なんでも。