あらすじ
室町時代後半。烏山城主・烏山主水之介は能面の蒐集マニアだったが、ついにはこれぞという面を作らせようと、城下に住む能面師・夜叉面のもとを訪れたが、「けがれた気持ちで面はつくれませぬ」と断る夜叉面。怒った主水之介は夜叉面を切り捨ててしまう。夜叉面の孫で弟子の重太郎は、復讐を誓う。美貌の青年に成長した重太郎は面づくりの支度を始め、自らの顔にのみの刃を当て……。他、恐怖短編時代劇。
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Posted by ブクログ
夢中で読んだ。
楳図かずお先生の解説より。
今までのこわい本シリーズの蛇や異形には目に見えるこわさを、
この狂乱にら、目に見えないこわさを。
僕は、心の闇というのか、「内面にある異形」とでも言えばいいのかな、人間の中にある極端なもの、逸脱したもの、ゆがんだもの、こわさにつながっている、と思うんです。
ほとんどが昔話であり、内乱や飢饉も話に含まれていた。
そして、さらに面白かったのは、
「prints21 No.61」
楳図かずお先生と草間彌生さんの対談なのだ。
その表紙は、楳図かずお先生が草間彌生さんにプレゼントとした水玉の帽子と、楳図かずお先生も横縞の帽子を被っている。
こんなに面白い対談を読んだのははじめてだった。
草間彌生さんは餃子が好きで裸で寝ていることや、
〝オブリタレーション〟自己顕示ではなく自己消滅。
例えば、水玉をいっぱいくっつけて周りと同化して自己消滅しているわけ。と。
中でも興味深かったことは、
草間
水玉をくっつけるとその場所が消滅しますよね。人間は一人では生きていけなくて、大勢とのコンタクトでもって生きていくわけでしょう。それで、地球もひとつの水玉であり、月も太陽も水玉であり、星も水玉であるでしょう。その中にいる私たちも小っちゃな点(水玉)にしか過ぎないわけですよ。
楳図
そうですね。僕思うけど、地球も星も水玉で、私たちも水玉だけど、もっと小さくなって分子までになったら、本当の水玉だと思うんですよ。もっともっと小さくのぞいていくと"ドット"になって、本当に宇宙の基本というか、成り立ちの素のところを草間さんはやってらっしゃる。
ふりそで小町捕物控
ひとみという美女が謎を解いていく。
脳移植。美しい美しいと言われていたが、それは自分の一部のもので、全てを美しくしたい物が、町の美しいものを次から次へと殺していき、最後には脳移植をしようとする話。
次は、姉妹が殺される話だが、恨みを持って無さそうな人が誰よりも恨みを持っていたこと。
最後は、愛したと思っていた人が実は犯人だった。
人喰い不動
復讐のために、ある人間が不動に転身する。
復讐鬼人
直接復讐は出来なかったが、巡りに巡って謎の伝染病が発生し、間接的に復讐が出来た話。
内面
夜叉面の師匠を殺されたことによって、何年もかけて復讐した弟子。
それは、自らの顔を使ってお面を作ることだった。
木の木花よめ
見かけが木の肌のようでも、愛すると誓ったなんだか、内容はとんでもないが、ハッピーエンドの話。きっとまつの木があや姫を手放したくない、重い悪戯だったのか。
悪魔の数式
これのみ、現代の話に戻る。
パンツの話をでは、ぬ〜べ〜でもこんな話があったことを思い出した。
Posted by ブクログ
新版「こわい本」の第3巻は主に60年代に発表された時代物ホラーを集めたもの。
67年に「週刊少年マガジン」に掲載された「人喰い不動」と「復讐鬼人」に2編は他とはかなり毛色の違い劇画色が強い。
巻末に草間彌生との対談も収録。