【感想・ネタバレ】こわい本5 執念のレビュー

あらすじ

裕福な家に生まれたものの、母が亡くなり継母に育てられためぐみ。なぜか幼いころからずっと蝶が怖くて仕方なかった。父に連れられ母の墓参りのため別荘へ行くが、なぜがとても怖い。別荘は母が死にめぐみが産まれた場所だった。めぐみを嫌う祖母、そしてそこには壮絶な過去があった……心理的恐怖を描いた「蝶の墓」。田舎で暮らす小野さつきとかんなの姉妹が、おばあちゃんから村に伝わる民話的な奇妙な話を聞き、それが現実の事件につながっていく怪異譚の「ヘビおばさん」。楳図がかつて暮らした奈良県五條市や生まれ故郷の和歌山県高野町、幼少期を過ごした奈良県曽爾村などの風景と伝説が織り込まれた牧歌的要素の強い怪奇ファンタジー「山びこ姉妹」シリーズの第2弾。 ある日、おかねが渕で巨大なうわばみの姿となった女性にさつきとかんな姉妹が遭遇する。ある日、友人の家に遊びに行った二人は、友人の家に新しく迎えられた継母に会い……。【巻末特別企画】横尾忠則対談! 楳図かずお自身による作品解説&解題充実。書下ろしエッセイは清水崇監督!

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Posted by ブクログ

「蝶の墓」と「ヘビおばさん」収録。
「ヘビおばさん」の時はまだそれほど絵が怖くない気がして、あまり怖がらずに読めるかな、と思いました。その認識は甘かったか……やっぱり怖いわ。真相がそっちだったというのもまた怖い。
「蝶の墓」、良いなあ。なぜ少女が異様に蝶を恐れるのか、という謎解き部分にぐっと惹かれます。蛇だの蜘蛛だのに比べると、恐怖の対象としては蝶の方が謎めいているし。何より読者は見ていても怖くないし(笑)。どんどん彼女が追い詰められていくサスペンスも見事だし、恐れていた蝶の正体もミステリ的でとても素敵でした。

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2021年11月30日

Posted by ブクログ

蝶の墓
相変わらず美少女。
いつの時代も男と女の関係はどろどろだ。
黒の大きな蝶がベッドにいる姿なんて初めて見た。
執念はその人の命が絶えない限り、いつまでも続きそう。

ヘビおばさん
ここでも出てきた、楳図かずお先生のヘビの話!
おばあちゃんが持たせてくれた、
蛇のきらいなタバコのヤニが包まれたもの。
冬子を救う、さつきとかんなちゃんの姉妹が可愛い。
かんなちゃんがうるしにかぶれたか顔、可愛い。
ヘビおばさんでは、美少女がドアップなシーンが多くて、瞳が綺麗で良かった。

特別寄稿で、映画監督の清水崇さんが、
楳図かずお先生が
〝読み易く、誰にもわかり易い恐怖から、人間の精神に切り込んだ深層心理の恐怖、果ては時間と世界の繋がりを、人の意識/無意識で創造される幾重もの構造と展開で描き出す楳図かずお作品〟と書かれており、最もだと思った。
そして最後に、
〝〝こわい〟とは何なのか?こうした何か一つの事に向き合ってこられた楳図先生のような方の時点は多種多様で、〝怖さ〟に関する近しい分野ですと、怪談でお馴染みのいながわじゅんさんも実に人間臭い方だったりします 
勿論多くの楳図かずお作品群に表れていますが、結局はそれは、人間を観ること。世界を観ること。自分を見つめること。に繋がっている気がします。〟

楳図かずお先生の作品は、
私が今まで見てきた、霊的な恐怖ではなく、
何よりも人間の心にあるものだった。
今でも仲良くしてくれる友人が、 
その友人は戦争映画は怖くて観れないけど、
ホラー映画はフィクションだからか観れると言っていた。
そしたら、数年前に、戦争映画観れるようになったんで。と言ってたことを思い出しました。

今回の対談は横尾忠則さん
横尾忠則さんは漫画家になりたかったらしい。
影響を受けたのは、江戸川乱歩の青銅の魔人の挿絵を描いた、山川惣治。
南洋一郎の密林物が好きで、鈴木御水。
楳図かずお先生は、手塚治虫。
お二人、作品を生み出すにあたって、
右脳や左脳、直感、理性など、普段共通する感覚でものづくりをされているんだなぁと思った。

楳図かずお先生の対談話はどれも興味深い。

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2025年10月13日

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