あらすじ
「彼の者の名を『花矢』と言う」
季節は、如何にして齎されるのか?
その問いに人の子らはこう答える。
「四季の代行者」が神々より賜りし権能で春夏秋冬を大地に巡らせるからだと。
では朝と夜は? 同じく人は告げる。
「巫の射手」が空に矢を放ち、その矢が朝と夜の天蓋を切り裂くのだと。
黎明二十年、島国『大和』の北端に位置する大地エニシに一人の少女がいた。
姓に神職を冠す巫覡の一族の末裔、代行者と同じく神の御業を担う者。大和に朝を齎す「暁の射手」その人だ。
少女花矢は今日も民に紛れ学舎に通う。
傍に美貌の青年を従える彼女が、大和にただ一人の『朝』だとは誰も知らない。
花矢と弓弦。少女神と青年従者の物語は、いま此処から始まる。
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春夏秋冬代行者シリーズの中で一番涙が止まらなくなったお話でした。
今までは代行者と護衛官を取り巻く環境はあまり良いと呼べるものではなく、家族仲もさほど良いイメージを持っていませんでした。ご両親に良い印象を抱いていたのは、葉桜姉妹くらいでしょうか。
ただ今回は花矢ちゃんのご両親、弓弦くんのご両親、どちらも素敵な優しい方だからこそ苦しくてたまりませんでした。
弓弦くんのお母様の気持ちも想像しただけで胸が痛くなりますし、花矢ちゃんのご両親の気持ちも分かります。
世界や運命への不条理に、懸命に、泥臭く足掻きながらたったひとりの大事な人のために命すら差し出せる覚悟を見せる花矢ちゃん。とても立派でした。
ラストはもう涙で本が濡れないようにするのが大変でした。ふたりには幸せになってほしいなと思います。
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カクヨミに出てからずっと読みたかった暁主従の物語!!
弓弦を守るため奮闘する花矢たちを最後のページまでずっと応援していた。
神事を行えない花矢の代わりに輝矢がやればいいという発送はなるほどと思った。
飛行機や車といった乗り物が発達した現代だからこそ出来たんだよなと感心した。
海外の代行者の話も出てきて興味深かった。
読んでいて疑問に思ったのは、なぜ輝矢はエニシへ移動しなければいけないのか。
竜宮岳で朝の天蓋を打ち落とせばいいじゃんと思ってしまった。
霊脈を使うから回復するのに一日空けなくてはいけないのか?その部分がずっと謎だ。
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読み終わった瞬間、崩れ落ちそうになった。
今までのような激しい戦闘ではなく、静かで苦しい戦いだった。
息を詰めて読み耽ってしまうほど。
朝をもたらす暁の射手と彼女を慕う守り人。
相手を大切に想う気持ちは同じでも、双方のベクトルが違っているからもどかしい。
我慢しようと思ったけれど、堪えきれずに泣いてしまった。
この少女神を取り巻く愛と成長の物語を、祈るような思いで読んだ。
このシリーズ最高すぎる。
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再読。暁の射手とその守り人のお話。2人とも優しく、強いけれどまだ若い。周りの大人達がその弱さと優しさを理解して支えてくれる人ばかりで温かいなあと思う。私達が生きている世界とはちょっと違う世界線のお話だけど、固定観念を破って挑戦することや、日常が当たり前に在ることに感謝することなど優しい目線で日常の大切なことを描いている作品
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今回は大和に朝を齎す「暁の射手」巫覡花矢とその守り人・巫覡弓弦の物語。
切なくて苦しいけど、優しくもあり温かい。
撫子ちゃん、竜胆、輝矢さん、慧剣、狼星、凍蝶。
四季の代行者と黄昏の射手それぞれが協力して花矢と弓弦を救うところに感動しました!!
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朝を招く現人神花矢と守り人弓弦の不器用で温かくて優しすぎる物語。大和の民のために尽くしている神々が2人のためにと奔走する姿に胸を打たれ、優しい神々のお陰で訪れる朝夜と四季が愛おしくなる。人のために行動する神様が幸せでありますように。
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四季の代行者と巫の射手の共同戦線、上手くいってよかった。困った時に助け合える仲間がいるっていいな。そういう時に手を貸してあげられる人になりたいと思う。
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このシリーズの主従たちは本当に尊い
今作の朝の神様の物語
この主従たちもやはり尊い主従であった
今作の主人公は朝を齎す暁の射手、巫覡花矢ちゃんとその主従である巫覡弓弦さん
2人のすれ違いはもどかしい!
お互いがお互いを必要としているにも関わらず、傷つけたくないという思いから本当の想いは伝えず、傍を離れさそうという言葉を放つ
花矢ちゃんの胸に燻る罪悪感、その感情は読んでいて本当に苦しくなる
花矢ちゃんは被害者なのに、全て自分が悪いのだと
弓弦さんを家族から奪ったこと、自分に縛り付けてしまっていること、彼の将来を奪っていること
弓弦さんはそんなこと思っていないのに、そんなすれ違いに心が痛む
そんな2人かお役目を全うしたあと、災禍に見舞われる
土砂崩れに巻き込まれ、花矢ちゃんを守った弓弦さんは生死を彷徨う
弓弦さんの家族へひたすらに謝る花矢ちゃんのシーンが苦しくて苦しくて、泣いてしまった
花矢ちゃんが悪い訳では無いのに、全て自分のせいにして自らを貶める花矢ちゃんの姿は本当に悲しい
自らの死を渇望する姿は痛々しい
1つ、弓弦さんを救う方法を思いついたあとの動きが凄い!
夜の神様、秋の神様、冬の神様の快進撃!
それぞれの主従の良さが良く現れていて、読んでいてとてもワクワクしてしまう
特に夜が魅力的だ
子犬のような大型犬のような慧剣くんの盲目的な主への愛がもう好きになってしまう
こんなに愛されたら絆されてしまうに決まってるだろー!って
神様たちの協力の元、無事に弓弦さんは救われる
朝の主従の再会には、ポロポロと嬉し涙を流してしまった
シリーズの中では私は1番泣いた気がする
今作では、巫の射手の生活や特徴が垣間見れる
個人的には四季の代行者よりも辛く感じられる
命を狙われることは四季の代行者よりも少ないとはいえ、毎日往復4時間ぐらいの山登り
天気や季節なんて関係なく365日朝と夜を灯す
逃げることは許されず、人間以上の身体になっている事で怪我などすぐに治るから自殺すら難しい
四季の代行者は死のうと思えば死ぬという逃げ道があるから、そういった部分が巫の射手なら本当に苦しく感じるかもしれない
朝の物語、本当に素敵でその分苦しかったけれどやっぱり素敵な作品だった
季節が来ること、朝や夜が来ることに感謝したくなる
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とある国の四季、朝夜を司る神々とその従者の物語も3作目。今回は朝主従が主人公。序盤で起こる大きな事故に巻き込まれた従者のために主人が奔走する。四季、朝夜の神という舞台設定が本当に美しく面白い。朝の神のために夜の神が協力を惜しまなかったり、そこに四季の神の協力が入る。そしてこの作者全ての作品に言える「何があっても強く生きる」を感じれる。いつもの両見開き2ページ分のあとがきももう少し頑張ってみようかなと思えるメッセージを作者から受けれます。
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暁の射手、花矢ちゃん回!
もっと遊んだりわがままを言いたい年頃だろうに、自分の守り人の事を最優先で考えてる花矢ちゃん泣く( ;ᯅ; )
四季の神様たちもそうだけど、選ばれるだけあってみんな周りに優しくて自分に厳しいよね。
今回はそんな人達の相手最優先故の挑戦も見れてよかった!いつも誰かのために行動してるのに、さらに頑張るってかっこよすぎ…!
普段のレギュラーメンバーの出番は少なかったけど、射手守り人ペアが大活躍で楽しかった!
いつも朝と夜をありがとう˙ᵕ˙
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春夏秋冬代行者
花矢様つらい
でも学校にも行って役目も果たして偉いよ
154p暗狼事件後の話か!
177p花矢様よく気づいた!
地すべりやばい弓弦よく手を離さなかったよかったドキドキした
187pえっ弓弦まじかよ花矢様を守るためとはいえ守護者だから良き判断かもしれんけど...
220pそうだよね巻き込まれて花矢様を優先して生き残れる方が奇跡だ
つらい選ばれし神代行も守護者も
390pよかった弓弦も復活できて
人脈もあって両親と離れることでわかることもあるよね悪いことばかりでは無いけど孤独にさせるのは間違ってるよ
良かった復活した夕弦と再会できてスオウさんイラスト見た時うるっと来ちゃったよ
よかった
素敵なイラストありがとうございますスオウさん
Posted by ブクログ
代行者(神)と守り人の関係がとてもよく分かる巻である。
神様達を近くに感じさせられる巻でもある。
雛菊とさくら達の話はこのあとも書かれるのでしょうか。
改めて、ページの使い方が上手いと思った。
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面白かった。5冊読んでしもたねぇ。これで、現人神6+1人に護衛と守り人の話が出そろった。
本作では暁の射手の相方が死にかけて、秋が活躍するんだが、死にかけた原因は土砂崩れ。守り人を助ける作戦に色々みな奮闘する。春の舞や夏の舞に比べて、短いし、戦闘もなく、大人しい。黄昏の射手コンビが非常においしい。設定がとても良いので、次回作も大変期待している。
Posted by ブクログ
ピュアーーー!
不器用すぎるくらいお互いのことを思いすぎるのはこの作品の特徴だけど、何気にここまでお互い好きな主従は初パターンか。
今回は主人公を取り巻く人たちが良かったな。
両家の親とかみんな思いやりに溢れて、でも人間らしい一面があってとても良かった。
あと、黄昏の輝矢さんが飛行機に乗って旅ができたのがよかったー!
そして凍蝶がやっぱりカッコ良い。
2023.4.30
71
Posted by ブクログ
朝の神様に選ばれた少女とその従者の物語。
射手が空に矢を放つと、朝と夜を迎えることが出来る。そんな神業を与えられた少女:花矢と従者の青年:弓弦。
ただの女子高生が「暁の射手」に選ばれて、子どもらしさもありつつも、大人にならざるを得なくて周りも助けてくれる大人が居るので、悲壮感はあまり漂わない気がします。
主従2人の関係性がじれったい…最後は泣きそうになりながら読み続けてしまいました。
「春夏秋冬代行者 夏の舞」を読んでから、読むことをオススメします!
※私は夏の舞(上)しか読めてなかったので、話が少し付いていけなかった
Posted by ブクログ
今回は国に朝を迎える矢を撃つ暁の射手のお話。かなり単独の話で、前回までの登場人物たちは話の脇役として出てくる。暁の射手は女子高生で、神様になったのは10歳の時。守り人との関係が今回の話のメインになるのだが、やはりこの作者は特殊な状況や能力を持つ人たちとその世界観を作り上げて、極限での愛を表現するのが上手い。あり得ない世界なのに、今回もどっぷり浸った。愛に泣ける。ある事件が起こり、それを解決する時に、これまでの登場人物達がたっぷり出てきて、その後が想像できて楽しめた。あと、射手の能力の権限とか、仕事の意外な抜け穴とか神様世界のしくみに触れられていたところも面白かった。
Posted by ブクログ
前回の主従と同じように互いに好意を抱きながらもすれ違う所は同じでも、まったく違う主従となっていて、どのように関係性が変わるか気になって一気に読めた。
Posted by ブクログ
暁の射手と守り人のお互いを大切に思い合う様子がだれだれと続いていたら急転直下、守り人の生命の危機。その後の代行者や黄昏の射手たちの協力体制は素晴らしい。
結果は分かっていてもほっとしました。