妖怪が見える少年・夏目が、祖母の遺品の「友人帳」を架け橋にして妖怪たちと心を通わせていく模様を描いた物語です。
妖怪をテーマにした作品は数多くあれど、「夏目友人帳」ほど優しい物語を、私は見たことがありません……!
祖母・レイコの残した「友人帳」は、レイコが妖怪たちと勝負をして、負けた妖怪たちがサインをしたもの。そのサインには契約の意味があり、契約の解除を願う妖怪たちに名前を返していくことにした夏目は、ボディーガードの「にゃんこ先生」と一緒に彼らと触れ合っていきます。
幼いころから、人には見えないものが見えていることで周囲から気味が悪いと言われていた夏目は、妖怪を避け、関与しないように生きてきました。そんな夏目が、友人帳を通してはじめて妖怪たちに向き合うことで、少しずつ、考え方を変えていく様子には、まるで自分の子どもが少しずつ友達を増やしていくような、そんなやさしい気持ちになって嬉しくなります。
名前を返したときに判明する真実は、ちょっぴり切ないことが多いですが、決して悲しい結末ではなく、じんわり心が温かくなるような、そんな物語ばかりです。
ぜひ暖かいお飲み物をお供に、じっくりお楽しみください。
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Posted by ブクログ
妖と人は恋をすることができないのが悲しかった
見えてこそ繋がることができるのであって見えなくなれば、今まで通りお互いに触れ合うことすらできんなんて悲しい以外に何もない。
友人帳が取られたり、蛍が出たり
コラムはサイン会の話で、あとがき等も含め、活字で丁寧にかかれる方です。
妖が見えなくなり、人間の愛する結婚相手が見つかる人と、名取さんの再登場等も良かったです。
ヒナがかえる巻末のエピソードも良く、読んでいる私がこの作品に慣れてきたのか、心に沁みる話が多かったようで、10話が今までのベストでしょうか?
試し読みでも良質な作品に遭遇できると、やはりとても嬉しいです。
巻末の
毎回巻末に作者の作品の思いが書かれているのがとても好きです。
ニャンコ先生はどんどん可愛く、夏目はどんどん活動的になってきます。
黒もいい
黒ニャンコがめちゃかわいいもっと先生と遊ぶシーンなどみたかった。そして蛍の恋のお話は、とても切なすぎて涙がとまりません。
Posted by ブクログ
夏目読みなおし3冊目。
3巻は黒にゃんこ先生ことリオウさまと紅緒、ホタルちゃん、的場一門七瀬さん、最後に辰未のたまちゃん、という豪華ラインナップ。
泣ける話という感じではないですが、やっぱりたまちゃんの話は趣深いです。再登場、ないのかな。
黒にゃんこ先生はうちではティッシュケースとして存在しております。
Posted by ブクログ
ど1話ずつ完結で色々な妖が次から次へと出てきますが、どの妖も人に裏切られながらも人を恨んでいなかったり、見てもらえなくてもそばにいてくれたり、とても心優しいです。人間だから妖というくくりではなく、ひとそれぞれの個性や考え方として描かれているところがとても素敵です。
第11話では名取さんも再登場します。自分にできることを見つけたいと言う夏目君。名取さんが、痣が左足にはいかないということ話をしてきます。「それが気持ち悪い」という一言に、名取さんが今まで一人で抱えてきたものを考えさせられます。どういうことなのかと聞いた夏目君に何か答えようとしたしたのに、遮られて話せないところが気になります。
七瀬さんが夏目レイコのことを訪ねてきて、今まで祖母について夏目君に尋ねてきた人がいないと言うモノローグも辛いものがあります。もう一人で戦うことはないと言われて人を信じてもいいのだろうかと手を震わせる夏目君が切ないです。
今回の妖封じでは、柊が左腕に文字を書いてくれていなければ相当危なかったと思うのですが、全てが七瀬さんの企みだったというのも苦しいもです。同じように妖を見る人に会えたらいいのにと思っていた夏目君が、そんな人間にこそ友人帳の存在を知られてはいけないのではないかと厳しい現実を垣間見てしまいます。
妖に対するスタンスが同じではない名取さんではありますが、その辺りの部分では信用できるのではないかと信じたいシーンでもあります。
Posted by ブクログ
この巻は割と好きなお話だった。
蛍とタマのお話が切なくて好き。
こういう優しくて切ないのがいいな。
個人的に名取さんいらない^^;というか好きでない。