【感想・ネタバレ】ドリフターズ(6)のレビュー

あらすじ

関ヶ原戦中に異世界に迷い込んだ島津豊久は織田信長や那須与一と共に漂流者としてエルフやドワーフを仲間に加え国盗り中。一方人類廃滅に向けて着々と進軍する黒王軍は漂流者を追い詰める画策に出る!?歴史上の英雄たちが繰り広げるヒロイックバトル激動の第6巻!

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関ヶ原の戦の最中、突如として異世界へと送り込まれた島津豊久。エルフやドラゴンなどもいるファンタジックな異世界に、豊久だけでなく「ドリフターズ(漂流者)」と呼ばれる歴史上の偉人たちが集う。そして始まる異世界での国奪り。
途方に暮れたくなるほど荒唐無稽な設定に「ぬおっ」と思いながら、戦闘描写の迫力やテンポの良い展開にグイグイ引き込まれる。そしてなんと言っても、ベタ塗りを活かした画風がスタイリッシュで堪らない。
登場人物たちは各国の偉人なだけあって、キャラ立ち具合もハンパない。私のイチオシは早々に登場する織田信長from本能寺。頭のキレが鋭く、残酷で、そしてお茶目で割と世話好き?なキャラクターが、いい親父すぎる!
テンコ盛りで、スタイリッシュで、とにかくマンガ性ビンビンの作品です。
2016年には、アニメ化も決定。ますます熱い展開が期待されそう。(書店員・牛肉)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ウルトラおもろいです。はよ、7巻、出してほしいなあ。まあでも、1巻から6巻までを、時折ふと読み返すだけでも、ウルトラおもろいので、既に大満足ですけれどもね。

でも、近い未来?いやいや遠い未来?見事にこの「ドリフターズ」も、多分絶対見事に終わるんでしょうけど、見事に完結したならば、きっとその時は、めっちゃんこ嬉しいんだろうなあ。

しかしまあ、平野耕太。なにが素晴らしいって、この人。多分、多分なんでしょうけれど、「この俺の描く漫画は、絶対に、途轍もなく面白いに決まっている。俺が描くんだから当然だろこの野郎」って気持ちで、この作品を描いている気がするんですよ。平野先生、もし違ったら、ゴメンナサイ、、、なのですが、僕は、そう感じるのです。違ったらマジでゴメンナサイ。で、その、途轍もなく傲岸不遜な気持ちが、間違いなくマジで真実である、ってところが、ホンマに素敵。

自分自身が心から満足する作品を創造して、それを、本人以外の他人も、心から満足して受け取ることが出来ている関係性?な気がする。この作品はマジで。

いやしかし、もう一切の留保も何もなく、この作品は圧倒的に素晴らしい、って思う作品を読むことができる幸せさよ。それって読書する人の、最高の幸せよねえ。もう、ホンマに愛しい作品ですよこれは。ああ、シミジミと続きが読みたい、、、ホンマ読みたい。

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2020年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

豊久と信長と与一の関係が好き過ぎるのでうっかり泣いてしまった第6巻。

お豊がドラゴンを自分のモノにする辺りまで笑ってたんですけどね……信のために命捨てようと思ってたんだねと思うと泣けてきた……
ハンニバルの目を覚まさせるシーンとかホントたまらん。
てかハンニバルのじーちゃんとドワーフのおっちゃん達がお豊の事を坊って呼ぶのが可愛がってる感じがして好きだったんや…ドワーフ大好きよ…涙無しには…

ところでそんな豊の命を拾って帰ってくれそうな土方さんには期待しかありません。
さくっとドリフに寝返って豊久と仲良く殴り合う毎日を過ごそうよ土方さんきっと幸せになれるよ。

ラスト直ー!続き早く出して下さい…!!

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2019年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ついに始まる大戦、おそらくはその緒戦だろう一戦が収録された6巻である。
 関ケ原に近似した決戦地を前に、紫の危惧をよそに再び捨てがまらんと覚悟を決めた豊久。彼の壮絶な死戦がいかなる結果を生み出すのかは、次巻に譲ることとなる。

 それにしても、さすがは平野耕太と言わんばかりの戦争模様である。前半の互した戦いぶりと、後半の戦略面で叩き潰される物語は素晴らしく展開している。
 そして、その中で、敵の戦略目標を壊す特攻の凄まじさ、それゆえに心をかき乱される先軍大将の混乱は激しくエモーショナルである。
 この地に集う新選組がいかなる選択を取り、どんな結果をつかみ取るかは、着々と仕込みが進むローマ・カルタゴ組の躍進とともに期待を持って待ちたいところだ。

 文句なしに星五つの素晴らしい一巻である。
 刊行ペースを除けば、言うべきことは一つもない。

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2019年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はるあき可哀想…っ!!
(「そうそう、こうでなくっちゃ」と思っていたりはするw)

紫さん、そうは仰いますけど他に選択肢がありますか、と。
誰かがやらなきゃならないから、豊久は運命を選んだに過ぎないんじゃないかなぁ…。
いや、戦い抜いて死ぬ事に意味を見出してしまっているのは間違いないので、与一が思うように「そのつもり」があったのは間違いないだろうけども。

ただ、負ける気では戦ってないし、裏切りが戦場の常と分かっていたとしても、止められはしないと思っていたのでしょう。
だから「その時どうするか」を考え、「捨てがまり」をためらわずに務める心境が出来てたんじゃないですかねぇ。

…と、思っても、それを受け入れるには辛い程度に豊久は魅力的なわけですが。

そしてその前に生き恥を晒すことに慣れている土方。
なるほど、これは歯がゆい。剣を合わせることもままならないくせに、何の悔いもなく死んでいこうとしているなんて。人の気も知らずに。

いやぁ熱いなぁ、熱い。色々たまんないですね。

…決戦、って言ってたけど、そもそもまだドリフターズ、全員集まってないしね?
まーだまだ先はあるぞー、たーのしーいぞー。

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2018年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最高だった。

冒頭、紫が言う「さだめなどない」という台詞が全体を貫いている。それは生前最期の役割を、自らの宿命なのだとして再び繰り返そうとする豊久を諌める台詞なわけだが、また一方「駒」であることを辞めつつあり、与えられた使命より自らの生き様を選ぼうとする土方を指す台詞でもある。もっと言えば、化物と対比する形で「ただの人間」たちが自らの意思に基づいて戦い、生き抜いていく様を描く、『HELLSING』にも通ずる平野漫画の哲学でもある。いい。これは人間の漫画だ。人間が「生きる」漫画だ。だから豊久はここで死んではいけない。

黒王軍との大きな衝突ということで、魅せる画が多くて平野節をたっぷりと味わえた点でも最高だった。攻めてくる黒王軍が初めて目に入ったときの見開きと、豊久が関ヶ原と同様しんがりを務めたところで現れる、「ドリフターズ」のタイトルコールが入った見開きが今回のベストページ。

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2018年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時代ごとに早々変えがたい死生観や倫理観というものがある。現代の私達にとって「死にに行く」という行為は、その後ろにどれだけのプラスアルファや利益が合理的にのっかっていても「素晴らしい」「良いことだ」とは思えない。どれだけ合理的・功利的に説明されても、現代の私達にはそういった行動は心の奥底で感情のブレーキが入ってしまうのだ。

私なんぞは性根が捻くれているので、ヒーローの誰かが自分を犠牲にして誰かを助けにいっていても、どうしても心の隅で「こうすることによってこの物語が盛り上がるのだな」とかそういったことを考えてしまう、そう考えてやっと感情のブレーキを少し意図的に外してそのヒーローを称賛することができるのかもしれない。

命をかけて助ける相手が恋人であったり、何よりも息子・娘であった場合、私達の感情のブレーキは外れやすい。それは現代でも誉れのある行為であり、誇り高き、愛のある行いであるとこれは割合素直に思える。

ただ私達の国では直近の歴史上、「団体のため」「顔も知らない皆のため」「全体のため」「部族のため」そして何よりも「お国のため」に命を捨てることへの倫理的ブレーキがかかるようになっている。特に「お国のため」は最強のブレーキだといえるのではないだろうか。よっぽどクドクド説明しても、合理性を説いても、何か私達の心がそれを素直に褒め称えることに強くブレーキをかける。

それは時代劇や大河ドラマですらそうで、明らかに現代と価値観が違う時代のドラマであっても、あえて女性を活躍させてみたり、命を捨てて戦おうとする人を倫理的に説き伏せてみたり、時代設定でいえば多少不合理とすら感じてしまう程に私達はこの時代感のズレとブレーキをなんとかして別の問題にすり替えようとしてみたりします。

この物語でも、せめて目の前に最愛の娘の命でも天秤にかけてくれればもっともっともっと単純に私達のブレーキを外せるはずなのに、この作品ではそれが一切ない。一切の錯誤無く、彼は「死にに行く」のだ。この6巻を読んで欲しい。これは現在日本人の最大の倫理的ブレーキを完全に超越している。「死にに行く」彼の背中を見て私は何の言い訳も濁りもなく心の底からこう感じてしまった。

なんてカッコイイんだろう

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2018年11月30日

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