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Posted by ブクログ
戦後の大阪で財を成したが 病弱だった子供を育てるために故郷愛媛の田舎に帰って ここでも熊吾流に大活躍する
自然豊か そして人間も彩り豊かで 命を狙う極悪人から 地味豊かに包み込んでくれる善人まで 味わいが濃い そんな中で人が死に生まれる
次巻活躍するだろうと思うとその幼子からも目が離せない
数年の田舎暮らしの後 新しく家を買った場所は大阪梅田の西の方 といえば二つの川が流れる輝さんが昔々暮らした場所ではないか
三巻も楽しみ
Posted by ブクログ
2巻も1巻に引けを取らず面白かったです!
エネルギッシュ、骨太、なんと表現したらいいのか・・・とにかくとても深く、強い作品です。
表現力も豊かでね、
牛殺しのシーンは、夢にも出そうなくらいインパクトが強かった・・・
読みながら怖すぎて手が震えました。
人間は50歳を過ぎても日々成長です!DVの熊吾も少しづつまるくなりました。。
すごくいい本だったけど、子供がいない夫婦についての音吉との会話には私、ちょっと傷つきました。
Posted by ブクログ
五十歳をすぎてようやく授かったわが子は非常に身体が弱かったので、大阪での事業を処分して、故郷愛媛の南宇和に戻った熊吾。
それから2年、伸仁は健康になり、妻の房江もまた田舎の生活になじんでいるようで、このまま南宇和で生涯を過ごしてもいいと思いはじめる熊吾。
しかし、そこに現われたのが、子ども時代の熊吾との相撲のせいで片足に一生残る障害を負った「わうどうの伊佐男」だ。
特別に残虐な極道となった伊佐男の執拗な嫌がらせに、不穏な空気が全編に渡って漂う今作は、しかしなかなか読みごたえのあるものだった。
一年の間に熊吾の周辺にいくつもの死が訪れる。
それは悪いことが起きる予兆のようでもあり、運命の動く転換点のようでもある。
主人公である熊吾は、器が大きく、先見の明があり、情に篤い人間であるが、反面、短気で暴力的な面もあり、一言では言えない複雑な人物造形はとても魅力的である。
第一部で、学のないのがコンプレックスと言っていたが、その割には古典や漢文の造詣も深い。
今は、一人息子の伸仁を無事に成人させることが生きる目標となっている。
南宇和では人々は貧しく、狭い人間社会の中で、息苦しかったり足を引っ張りあったりもするが、最終的には助け合わねば生きて行けないのだ。
熊吾はそれを踏まえながら、故郷の人々に金を貸し、力を貸し、知恵を貸す。
そのことがまた、新たな物語を創り出していく。
いろんなことにけじめをつけて、時間は熊吾がまた大阪に戻ってくる。
波瀾万丈な物語はまだ続く。
仏教では法華経以外の経では、二乗とと女人も成仏を説かなかったのだそうだ。
女人はさておき、二乗とはインテリのこと。
なぜ二条は成仏できないのかについての熊吾の見解。
”インテリは、他人のことに無関心なやつが多い。他人のために自分の心を傾けたり、他人の苦労を思いやって、何かを行動するっちゅうことがない。いっつも傍観者で、そのくせ屁理屈を並べて、自分よりも知識のない人間を腹の底では見下しちょる。まあ、つまりエゴの塊みたいで、そういう手合いは成仏できんちゅうんじゃ。”
最近はインテリじゃなくてもそういう手合いはいるなあ、と思った次第。