あらすじ
地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に掘る立場である執剣者。初代をつとめたもと面壁者・羅輯に代わり、程心は二代目の執剣者に選出される。だが、それは恐ろしい重圧をともなうものだった。やがて智子の導きのもと程心は思わぬかたちで雲天明と再会を果たす。人工冬眠と目覚めを繰り返し、次々に時空を超えた果てに程心が見たものとは。邦訳版累計部数100万部突破の壮大なる三部作ついに完結。解説/藤井太洋
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Posted by ブクログ
たった一人の、世界に絶望してしまった人の虚空に向けたメッセージによって、地球の運命をまさか一枚の紙によって葬ることになるとは誰も想像出来なかっただろう。
壮大なスペクタクルで描かれる二次元攻撃の描写はあまりにも壮大過ぎて頭の中で完全な映像化が追い付かないまま、読み進める手を止められなかった。
人の尊厳は責任を背負うことによって保たれる。
雲天明と艾AAが晴れやかな死を向かえたことを祈る。
Posted by ブクログ
面白かった。前評判に違わぬとてつもないスケールの大きさと面白さだった。
上巻から思っていたのだが、程心は登場から常に傲慢だったと思う。
程心のもたらした結果は常に人類、もしくは程心にとってよくない方向へ進み、その度に後悔を繰り返していたが、結局最後まで傲慢であり続けた。
一方で程心以外の主な登場人物は己の手で道を切り拓き、常に前に進み続けた。
この対比は割と意識して描かれていたんじゃないかと思う。
程心の傲慢さに少しイラッとすることもあったが、きっと自分が同じ立場ならそうするし、傲慢こそが人類が持つ特性なのだと思う。
そう思えば、この三部作の中で一番共感の持てる主人公であったし、一番嫌いな主人公であった。
だが、関一帆の言うようにこれが当然の帰結だったのだろう。
素晴らしい作品だった。
ただ、ラストの展開は何がしたかったのかいまいち分からなかった。
ちなみに今作の一番のお気に入りは雲天明。
Posted by ブクログ
面白すぎる!!物理法則を武器として使う⁉️今の物理法則はすでに歪められている⁉️すごーい
さすがにこれ以上は広がらないだろ、、、と思った話がさらに広がる。そんなことある?
ユンティエンミンの愛の大きさと、直接会うことのなかったチェンシンの運命が切ない。1800万年の間に何があったんだろう。
ジーズーは人類を超殺したけど、チェンシンと仲良くしてて面白い。
ラストも想像が膨らんで素敵だな〜
作者はもっと書けるんだろうけど
Posted by ブクログ
とうとう読み終わってしまった。
本当に面白い三部作だった。
空間的にも時間的にも圧倒的なスケール。
人類を虫ケラに思わせるほど発展した三体文明も、さらに超高度文明にとってみれば変わりない。
そんなわけで一瞬で滅ぼされてしまった。
しかも実行者はその文明内ではヒエラルキーの下位に位置する者らしい。
恒星を破壊する活動は誰でもできるお仕事として扱われている。
物語中、程心にのしかかる責任は半端なく大きい。
太陽系を救うこと、滅亡を受け入れて遺すこと、生き残ること、宇宙を消滅から救うこと。
どれも想像がつかないほどの重みだった。
物語には教訓がつきものだったりするが、三体のスケールはそんなものを吹き飛ばす。
宇宙は冷酷で無慈悲で、経験則なんて役に立たない。
そういう残酷さにゾクゾクさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
読み終わった後の虚無感がすごい。
面白かったが故、終わってしまう物語りへの虚無だった。
スケールが肥大化して創造できるSFの範疇を超えていたが、今まで周りに流されていた程心とその周りの人達との関わりで人類が直面してる危機について読書にも感じ取れるように書かれている。
Posted by ブクログ
ついに完結して、大小宇宙の終わりまで来てしまった。地球基準時間に戻るのに時間がかかりそう。
異世界を想像して、目に見えない物が視覚イメージとなって広がり、脳が気持ちいい。作者さん訳者さんが天才すぎます。
4次元に漂う墓だったり、宇宙人からの攻撃が小さな2次元シートだったり、奇想天外で驚いて笑ってしまう。
すべての物理現象の描写が絵画的で、ゴッホの絵のような太陽系や最後置いてきたアクアリウムが印象に残る。
雲天明と程心が再会してほしかった。彼が生涯をかけてプレゼントしたミニ宇宙まで、最後は手放す運命で悲しい。
Posted by ブクログ
読み終わった。
なるほど、ワイドスクリーンバロックというのはこういうものを言うのかと思う。三体vs地球という対立構造から、人間の間で、あるいは宇宙の間で力関係が生まれ、どんどん展開、変化していく世界観。
「暗黒森林」などの哲学的思考実験も考えせられて、面白い。4次元の「泡」や2次元化攻撃など、次元構造に対する描写も読んでいて気持ちがいい。
一方で、まあ言われているだろうがジェンダー描写はちょっとヤバいかもしれない。地球を破滅させる決断がことごとく葉と程心という女性によって行われ、特に「女性は母性をもっているから決断が下せない」と言いたいのだろうソードホルダーの一節。未来では男性も「女性化」しているが、「ここには決断を下せる本当の男はいない」など、迫力がある。(それでも中国語版からは改善されているという話だが……)
あと、わたくしは個人的には宇宙人と仲良くしたいので、暗黒森林仮説は信じないことにする。
Posted by ブクログ
やっと読み終わった〜
の達成感がすごい
結局ユンテイメイ(?)と再開するラストじゃないのか〜というね
おとぎ話しを紐解くとこ面白かった
空間をねじ曲げて光速出せるっていう発想もだし、おとぎ話しの中の船が海を進む時の超軽量な石鹸を落とすことが光のアナロジーになっているとこも好き
智子は和服だったり迷彩服だったり、地球侵略してきた時と今作ではまただいぶ違う性格の持ち主
Posted by ブクログ
前評判通り2部が1番面白かったけど結末は3部が好きだったな。主人公の女性!美しさ!母性!みたいなキャラ付けが苦痛だったけど、ラストを描きたいがためなのはわかったからもう何も言えない…。恋人でもない同級生から星と宇宙を贈られるキモさと感動の狭間に揺れ続けたけれど、本当に結末が綺麗でよかった。
Posted by ブクログ
上下まとめての感想。昔はもっと高次元で光速も速かったって分かる下りはぞくっとしたし面白かったけど、中盤辺りは描写が多くて読むのにちょっと疲れちゃう。Ⅱが一番好きだったな。童話に伏線があるという構成はすごく面白かったから、そこをもっとたくさん読みたかったとも思う。
Posted by ブクログ
audibleで聴読。
壮大なSFと思いながら読んでいたら、ついに宇宙を作り出したり、時間の概念がなくなったり、人が冬眠して数世紀時間が経過したりと、ハードSFというジャンルになっていて、内容には全然ついていけなかったが、ほえーっ!こんな想像力があるものなんだと驚いた。
SFファンなら楽しく読めるのだろうが、普段読んでいないジャンルなので、文章量と面白さを比較するとコスパが悪いと感じてしまう。
とはいえ、完走した達成感は感じる量があった。漫画版をいつか読んでみたい。
Posted by ブクログ
・とても壮大な話になって読んだあとが少し怖いという感情が残った。
・あの二人は最後まで再会できず、とても悲しかった。もう少しハッピーエンドを求めてしまった。救いがなさ過ぎるように感じた。
・地球がなくなってしまうのは悲しい。
・太陽系を滅ぼすのが紙一枚という斬新な武器。その発想がすごい。
・結局、反人類罪の二人が正しかった。自分を貫くことのすごさ、後からしかわからない正しさを考えさせられた。
・作中を通してルオジーが一番好きだったので、最後まで登場してくれてうれしかった。
・ルオジーのモナリザを見つけた時のそこにいたんだね、それならもっとここにきたのに。という言葉が感動的だった。200年経っても忘れられない人。
Posted by ブクログ
スケールが広く、慣れていない私にとって、分かりづらいところも多々あった。
三体の存在はこれまでよりも薄く、タイトルも三体ではないような印象になった。死神永生っていうのは理解できたと思う。
回帰運動声明の部分は、広げすぎた風呂敷を回収するにしては、主人公たちが素直に行動しすぎていて、何だか肩透かしな感じだった。
三体はⅡが好きだなと思った。
Posted by ブクログ
最初に雲天明の物語の解読から始まったが、そのあたりはあまり共感がなく、中盤あたりのウェイドのやり取りが個人的にしっくり来た。
また、あい・AAのやり取りも好感が持てたが、やはり主人公の考え方はあまり馴染めず、ストーリーの中で疑問に感じてしまった。
一番最後は、壮大すぎて想像力が追い付かない部分があったが、第3章で細かい章の部分を、誰がどういった背景で記載しているか、その部分は非常に面白かった。
Posted by ブクログ
スケールの大きさに驚く!まさか太陽系が二次元に崩落して紙ペラになってしまうなんて誰が想像できるだろう?なぜこんなストーリーが思いつけるのか。作者の桁違いの想像力に敬意を表したい。
特に好きなのは、童話に隠されたヒントを解読する場面と、プラネットブルーに着陸できず途方もない時間が経ってしまうシーンだ。全ての生き物たちと時の流れで隔たれてしまう切なさと言ったら....これがSFの醍醐味だと思う。
ただ、程心のキャラクターは好きになれなかった。愛の象徴だとしても、一辺倒すぎるというか、人間らしい奥行きを感じられない。ウェイドの研究に迷いなく終止符を打つあたりはウェイドの言う通りもう少し考えるべきだったと思うし、心が死んだにしても、もう少し太陽系人類が滅亡してしまったことを嘆き悲しんで欲しかった。あと、ちゃっかりイケメン研究者の関一航といい感じになってるのもなんか納得いかない。星と宇宙をくれた一途な雲天明に心を捧げて欲しかったのだけど。
Posted by ブクログ
四次元世界との絡みをもっと膨らませるのかと思ったらファンタジーな話に。まあ、広大な宇宙からしたら人類とは...となるとそうなるかという感じ。広さもそうだが何万年何億年と言う時間軸を人は想像できない (by ドーキンス) 難しい世界...。
原著は2008年出版(元は2006年頃連載?)の小説。量子もつれで超高速通信?智子(ソフォン)の11次元構造→2次元展開?冬眠(SF定番ですね)?水滴は強い力(相互作用?)で全部結合してるの?推進力は?突っ込みどころは多々あると思われるが、気にしてはいけない。それっぽい物理用語 (10次元宇宙は超ひも理論からかね?) とSF用語が散りばめられているだけでわくわくしつつ、地球人類の性をミクロ/マクロで認識しつつ、最終的には想像もつかないような力 (と言うか2次元紙切れをスッと飛ばせる神のような存在) に畏怖と絶望と悟りを感じつつ、ファンタジーなストーリー展開を楽しむのである。
しかし、長い...。