あらすじ
地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に掘る立場である執剣者。初代をつとめたもと面壁者・羅輯に代わり、程心は二代目の執剣者に選出される。だが、それは恐ろしい重圧をともなうものだった。やがて智子の導きのもと程心は思わぬかたちで雲天明と再会を果たす。人工冬眠と目覚めを繰り返し、次々に時空を超えた果てに程心が見たものとは。邦訳版累計部数100万部突破の壮大なる三部作ついに完結。解説/藤井太洋
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Posted by ブクログ
本作を読み終えて感じたのは、圧倒的なスケールの中で、どれだけ合理的に行動しても最終的に待っているのは終わりである、という事実だった。文明は生き延びるために合理的に振る舞い続けるが、それはあくまで延命に過ぎず、結末そのものを変えることはできない。どれだけ強く残酷に生き延びようと最終的には宇宙の終焉が待ち受けている。その点にどこか虚しさを感じた。
それでもなお、物語の中では合理性だけでは割り切れない選択が存在していた。程心は小宇宙に留まるという選択が合理的であると理解しつつも、大宇宙に回帰する選択をえらんだ。もはやそこには人類としての生存責任とは別の価値が確かに存在していることが示されていたように思う。
宇宙は極めて冷徹であり、上位の文明はもはや善悪や優しさといった基準では測れない存在として描かれていたが、その中で人間(程心)は合理に従うのではなく、関係や責任といった非合理なものを手放さない余地を持っていた。
最終的に感じたのは、全てが終わりに向かう中で、それをどう受け入れるかという態度こそが問われているのではないかということである。合理的に生き延びることと、納得できる形で終わりに向き合うことは必ずしも一致せず、その間で揺れること自体に人間らしさがあるのだと感じた。
個人的に一番刺さったのは、小宇宙内で超膜メッセージを眺めるなかで智子が三体と地球を叫び、三人で涙するシーン。ちゃんと人類も三体も生き残る事ができたのだと分かり、以前は敵対していた2つの文明はここでようやく真の共通の喜びを得たと思った。傑作であることに間違いはない作品。
Posted by ブクログ
やっと読み終わった。
Ⅲの最初は雲天明から程心へのヒントと思われる「物語」から始まる。途中何を読んでるのか見失うくらい、中国の昔話が語られる。これが意外と長い。
今度は低次元化という攻撃により、太陽系全てが2次元化されてしまう。いわゆる「地球外生命体」に攻撃されるとかではなく、あっという間に無くなってしまう。
冬眠システムが優秀過ぎて、もう何万年先の未来にも行ける。何でもありだな。
スケールが凄いのは分かるけど、書いてある事が難し過ぎて、chat GPTに解説してもらいながら何とか読んだ。気力があればもう一回読んでみたい。
Posted by ブクログ
1.暗黒森林抑止
暗黒森林抑止がなぜ効いていたのか。そして座標情報が伝わることがなにを意味するのか。この論点に対する理解が進展してよかった。三体星人は移住先を探しているという前提が物語をより面白くする要素になっているし、その点について三体ⅠのVR世界で語られていたというのもよかった。
2.スケール
時間も空間も圧倒的スケール感があってSFからしか摂取できない栄養素を感じた。ディストピア物のような部分も近未来物のような要素も詰まって全部入りって感じ。
3.低エントロピー体
まさか三体星人以外の外敵が登場するなんて思いもしなかったし、そこからの目線の描写よかった。三体星人ですらも下位の存在に過ぎなかった。
4.トマスウェイド
トマスウェイドが良かった。問題を解決するためにすべてを犠牲にして前に進む力強いリーダー。最終的には程心の言う通りに動いて死刑になってしまう。強い信念を感じるが、どんな気持ちで死を迎えたのだろうか。
5.愛情
程心の持っている愛情とは何だろうか。誰も切り捨てない。すべての人を救いたいという程心の理念こそが愛情で、それこそが人類の代表になりえた理由だろうか。しかし世界は愛情をもってしても救えなかった。。。
Posted by ブクログ
読み終わってから放心状態。終わる?終わるの?あと数十ページで…?、最後のページに辿り着き、マジか…しか言葉が出てこない。マジか、程心、うん、そうか…。
下巻は特に物語のスケールが大きすぎてついていくのに精一杯だった。「三体」、そしてⅡの後に、誰がこんな展開を予想できただろうか。いやできません。
物理学難しすぎる。「よく分からないけどそうなるんですね」「うーんつまり光速がキーなんですね!」という具合に割り切って読み進めるしかない。
理解はできなくても小説世界を楽しむ分には問題ないと思う。
程心という主人公は、基本寝ていて人類の転換期にだけ起きているイメージだったが、それはこの物語のスケール上、決まった1人を主人公に据えるなら仕方ないことだった。
読み進めるうちに、そして読み終わった後に、程心は人類の平凡な代表というか、真っ当さ(悪く言えばなよなよしい部分)を背負った主人公だったのかなと思った。文潔や章北海、羅輯のように尖ったキャラクター性や行動はなかった。でっかい宇宙や時間を前に抗って、そして結局は流されていくちっぽけな人間。そのような立ち位置として程心は相応しかったのかも。信念がない分、直面した苦悩の質量は1番だったかもしれない。頑張ったね。情を排し、合理的に動くウェイドとは真逆の存在だった。
太陽系が割とあっさり滅んでしまった時はショックを受けたけど、その後、1800万年時が流れました人類どころか今の宇宙は戦争しすぎて消滅しますしかし生まれ変わります(?)、というスケールのデカさに地球の存在なんて思考の彼方へ飛ぶ。というか宇宙もやってることは地球と一緒ですやん、みんな自分の星で平和に暮らせないのか?宇宙の秩序のため?
個人的には天明視点をもう一度読みたかった。
こんな波瀾万丈だけど孤独な人生の中で、変わらず程心のことずっと想ってたんかな…やっと会えると思ったら気の強い女(AA)(AAは嫌いじゃないです)が待っていたという…。
数奇な人生を歩みましたで賞No. 1は、やはり雲天明では。なんといっても脳みそから復活した男だからね。
色々モヤモヤというより、ここもっと読みたかった〜!な部分はあるけど、三体、とてつもない作品でした。読めて良かったです。
智子の「宇宙は大きいけど生命はもっと大きいんだよ、縁があればまた会えるよ」という台詞が心に残った。
私はⅠ→Ⅲ(上)→Ⅱ(下)の順番で好き。
Posted by ブクログ
上もあっという間で、下もあっという間だった
まさかの太陽系全部絶滅とは
でもそんな絶滅に繋がったとしても、戦争を避けたり人間としての倫理を守る行動は、それは人類全体の選択だったというのはよくわかる
だから多分人類は絶滅しちゃうんだろうな
宇宙は過酷で残酷で真っ暗な世界なのだと描写する
人類なんてちっさい存在だと描写する
スケールの大きな話で面白かった
Posted by ブクログ
とにかく科学要素が難しすぎるが、内容は思いのほか壮大で、乗ってくれば非常に面白い。宇宙の捉え方が特異。直前でプロジェクト・ヘイル・メアリーの映画化を観ていたため、光のSFと闇のSFだ……と思った。
面白いんだけど2のラストで一応の決着を見た部分を3で早々にひっくり返されたときはなんてことを……と思った。なんてことを。一応うまく着地したと思ったのに。
Posted by ブクログ
確かに大ヒットするだけの壮大な物語だと思った。
展開は面白い。ただ、やっぱり長いね…作中作はそんな長くする必要あったかなー、と。
ソフォン退場も都合良く感じた。
ティエンミンと結ばれなかったのは意外だったな。
ルオジーとエイエイは癒し。
Posted by ブクログ
『三体』三部作、完結。読み終えてまず感じるのは、頭が遠くなるような「スケールの歪み」だ。
1. 魔法の正体は「四次元」だった
冒頭、1453年のコンスタンティノープルで描かれた「聖女の魔法」。心臓を抜き取る、鍵を奪うといった非現実的な描写が、実は宇宙に漂う「四次元の破片」による物理現象だったという設定には脱帽した。この「上位次元からは三次元の密室など存在しない」というルールが、後に太陽系を襲う「二次元化攻撃」の絶望感へと直結している。歴史の転換点と宇宙の物理法則を繋げる筆力に圧倒された。
2. 狂気の「階梯計画」から始まったすれ違い
かつての同級生、雲天明の脳を宇宙へ放り出すという「階梯計画」。あんなにも非人道的な計画から始まった二人の関係が、物語の最後であれほどまでに美しい、そして残酷な結末を迎えるとは予想だにしなかった。雲天明は程心を救うために三体文明の中で孤独に戦い、彼女のために「小宇宙」という最高の隠れ家まで用意した。
3. 相対性理論という名の壁
しかし、宇宙の物理法則は非情だ。1600万年という、イメージも湧かないほどの歳月が二人を永遠に引き裂く。再会を誓った遊園地のような星で、結局は別の男(関一帆)と余生を過ごすことになる程心の姿には、言葉にならない切なさを感じる。個人の愛がいかに深くとも、光速の遅延や次元の崩壊という大きな流れの前では、ただ流されるしかない。
総評:
難解な物理学の解説も、読み終えて点と点が繋がった瞬間に快感へと変わる。人類は滅び、故郷も失われたが、最後に彼らが選んだ「質量の返却」という決断に、わずかな希望を見出したい。SFとしての壮大な仕掛けと、あまりに切ない「すれ違い」の物語。間違いなく、一生忘れられない読書体験になった。
Posted by ブクログ
簡単に読み通せるSFではないし、全てを理解できたかと言われたらできていない部分は多い。しかしながら核融合エンジンの炎の色や恒星X…の惑星の色の記述に代表されるように色彩感あふれる世界観がリアルさを醸し出しているように感じられた。色彩の描写しかり、4次元空間や2次元空間の描写などが本当に見てきたかのような臨場感であり著者の頭の中を見てみたいほどであるが、これらを破綻なく訳出した訳者らに心から賛辞を贈らせていただきたい。最後に恋愛小説のエッセンスが垣間見られたのも象徴的で、これだけ壮大な宇宙の物語であっても種の存続というファクターは無視できないという本質的な事実に改めて気付いた。足掛け数年掛けて読んだが、三体世界のロスを感じている。
Posted by ブクログ
なんとか全巻読破!!
3巻の上までは楽しめたんやけど…下になると物理を全く学んでこなかった私には本当にあまりにも理解できなくて悲しかった…笑
序盤は物理学のところは流し読みしてもよかったけど、ここまでくるともうお手上げでございました。笑
もっと楽しみたかったから悔しい。笑
あとシンプルに程心を好きになれへんかった…
2巻までの登場人物たちの方が好きやった。
史強どこいったん!!
ワンミャオは!?
Posted by ブクログ
三体2に比べると、読後感は劣ると言わざるを得ない。
これは2の着地が綺麗に決まっているが故に、それを超えるのは難しいというのが正しいか。
気になった点
雲天明は宇宙に送り出される直前、自分を顧みなかった人類(社会)や大した考えもなく、自分の思いも知らず、安直に自分を候補にした程心を恨んでいたように思う。
でも、その後登場する彼は善意の人になっていて、その変遷は描かれていない。
ここがずっと喉に引っかかった魚の小骨のようになっていて、最後まで解消されなかった。
もしかして二次創作側で描かれるのか??でもそれって同人だよね?
伏線を全て回収しろというような野暮は言わないが、やはりモヤっとした感覚はある。
程心の最後の独白で「私は普通の人生を選べなかった」というようなことが述べられるが、ズッコケてしまった。
「お前の意志でえらんだものもあったろ!!」という気分になった。特にPIAに属するところ、前述の雲天明を選んだのは他ならぬ程心の選択であって、それを「普通の人生を選べなかった」という形で片付けてしまうのは苛立ちすら覚えた。
程心については超人ルオジーに比べて、実際の人に近いキャラクター描写がされていると思うが、どうしても身勝手さが目について感情移入ができなかった。そこが二巻に比べて三巻の読後感の悪さにも繋がっているように思う。
一点、気づきであったメモ。
光速宇宙船でプレゼントされた恒星系に移動する時、「約58時間で着く」というシーンがあるが、⚪︎光年離れてるんだから年単位の時間がかかるんじゃないの??と思っていた。
⚪︎光年というのは光速で移動しているものを観測している側基準の時間であり、光速で移動している側の時間ではなく、⚪︎時間という話になるのかと気付かされた。