あらすじ
穢歌の庭で巫女・ユミィに異篇卿・イグニドは語る――あの日、天結宮で起きた真実を。一方、シェルティスは決意を秘めていた――最深部で第七真音律を詠うことを。二人の想いが錯綜する重層世界ファンタジー、完結!
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Posted by ブクログ
最終巻です。
早くこの巻に辿り着きたくて、怒涛の勢いで
ここまでの巻を読みました。
(厳密には1巻と2巻で開きましたが;)
「イリス」での不完全燃焼を受け継ぐ結末ですが、
「イリス」を未読で読んでいたらやっぱり「イリス」と
同じ気持ちだったかもしれませんが、
幕引きはこちらは時代が後なこともありきっちり出来ていると思います。
で、結末ですが、タイトル通り「鏡」が大きなキーに
なってましたね。
表紙の二人の女の子、まぁ想像通りではあったわけ
ですが。そしてユミィに感じていた腑に落ちなさも
ここに納得しました。
で、シェルティスはどうしてユミィしか見てなかったのかなと
思ったのですが、これも「鏡」で腑に落ちました。
個人的解釈ですがそもそもシェルティスとユミィが「鏡」だったのかなぁと。
鏡の向う側をずっと見ていたから同じ側にいた彼女には
気が付けなかったのかな、とか。
鏡の向う側だった鏡を打ち破る物語だったんですね。
ユミィと彼女だけでなく、12巻でレオンや春蕾が相対した相手も
何となく「鏡」を思わせました。
そのシェルティスを鏡の向う側に解放してくれた彼女に
訪れた救いが凄く良かったです。
まさか彼に再会できようとは、ですが、これも
「詠使い」を読んでないと感じられないものなので、
これはずるいかなぁ。
あと、これはこれで蛇足かもですがモニカがもっと暴れると
嬉しかったかも。
意外にも美味しいところをさらったのはエリエでした。
ヒーローヒロインについては文句なしでした。
「鏡」を象徴するかのように1巻とこの本で二人が紡ぐ
歌には興奮しました。
その「鏡の向こう」に触れられるラストは泣けます。
最後の挿絵が凄く良いですね。