【感想・ネタバレ】“夕顔” ヒカルが地球にいたころ……(2)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

野村美月さん版の源氏物語といったシリーズの第二巻。
一巻の「葵」を読んでから今まで、こんなに間が開いてしまって
久しぶりに読みました。今回の女主人公は「夕顔」に対応する
夕雨ちゃんという女の子。

源氏物語の女君の中でも、好きなのは夕顔・朧月夜・玉鬘と
いう私には、まず楽しみにしていた一冊。

果たせるかな「葵」よりもこちらのほうがずっと好きです。

家族が離散して、学校でいじめられたことをきっかけに
引き篭もっていた少女、夕雨。

彼女は水の中を思わせる青と透明の世界を愛する
儚い女の子。

彼女は主人公の是光くんの親友、幽霊のイケメン、
ヒカルくんとは、孤独と静謐を分け合った友人でした。

彼女の世界は儚く美しいけれど、ずっとそこで生きてゆくことは出来ません。

外へ連れ出すことを、生前ヒカルくんは心に決めていたのに
同じく閉じた世界の安息を愛する彼には、それは困難でした。

ひっそりと閉じた時の中で淡い青と白に守られ咲く、幻の花。
それは美しいけれど、いずれは消えてしまう。

私はこのお話、夕雨ちゃんがヒカルくんの友達だったこと
案外大事と思っています。
どの人にも深くひとときを愛したヒカルくん。
恋でなく、安らぎでつながった二人だったからこそいいって。

是光くんが、単なる共生関係のような友情や、
箱庭的な愛でなく、本物の熱い初恋の情熱を傾けた時
初めて夕雨ちゃんの世界は、崩壊するのではなくて
外界へと繋がります。

是光くんもまた、自分の心に潜むやわらかな部分を
初めて自覚して、恋に落ちるのですが。

なんとなく美少女にふらついているのではなくて
自分の意志で恋をし、彼女を愛して、別れてゆく。

そこがいいな、と思いました。

その時目にした雨の中の光景は、本当に瑞々しくて。
安易にヒカルくんの恋人として書かれていなかったことで
二人の初恋が際立ちます。

なんて清冽で、印象的なくちづけ。
なんて切ない別れ。

ヒカルくんは今回、あまり何もしていないように見えますが
是光くんの中にも、ヒカルくんと同じように、花の美しさを
愛でるような繊細さがあることを、ただ淡々と語ることで
読者に示しています。

是光くんが、ヒカルくんに誘導されて恋するのでは
このお話は意味が無いのではないかと思うのです。

彼が語る繊細な世界を、一見がさつに見える是光くんも
恋を通して感じ取ることで、是光くんは自分で
未知の自分に知り合うことになるのです。

扉を開けて新しい世界を知ったのは、
夕雨ちゃんだけではなく是光くんもでした。
それが彼らを、より心優しい、強いひとにしてゆきます。

いわばその変化が歌われるべきメロディなら
ヒカルくんは、その伴奏者。

ヒカルくんの仕事は、だから見守ることと、
一緒に雨の音を聴くこと。

雲間から差す光を、一緒に喜んであげること。

アクティブではありませんが、彼もまた、大事な物語の
主役の一人です。

そして、この静かな世界に颯々とした清涼感を
与えているのは、帆夏ちゃんの是光くんへの
かわいい恋ですね。

彼女がいることで、このお話は、異界の物語じゃなく
身近な世界の青春小説になってる気がします。

彼女みたいな子も、必要なのですよね。うん。

0
2014年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きだから。
大好きだからこそ、前を向いて歩いていく。

そんな夕雨と、それを精一杯応援する是光。
この二人の想いに心打たれました。

次会うときは笑い上戸に

いいお話でした。

0
2011年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ2巻目です。
今回は怨霊とかあるのでちょっぴりホラーというかミステリーや推理要素もありつつ話は進んでいきます。

ところで思ったんですが、だんだんぼっちではなくなりそうな予感がしてきた是光ではありますが、ヒカルの二の舞というか第二のヒカルになりそうで怖くなってきました。
だって、まぁしょうがないのかもしれないけど、男がでてくるのは今回一人新キャラでてきたけど後はヒカルだけですよ?主人公合わせても3人。
しかもヒカルは幽霊っすよ!??
生きた友達はできるんですかね?(汗)と不安に思ってきました。
いや可愛い女子は大好物なんで全然構わないっちゃ構わないんですけどね。

うん、ヒカルがハーレムなのは元ネタからして仕方ないんだけど
なんか是光が今度はだんだんハーレムになるのかしら?とww

あ、男の新キャラね。私的に本編読んでていけすかねー野郎だな。と読んでいたんですが、最後のおまけ?を読んでちょっと変わりましたw
意外と好きになれそうですww

前巻同様に青春友情恋と切なさ、でも最後は優しくほっこりできるような読後感です。
きっとこのシリーズは
優しいさよならをあげたい。この一言なんだと思う。

さて続きはまだでていませんが、でたら買って読みますとも。

0
2011年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

待ちに待った2巻。今回は引きこもり系美少女・夕雨のお話。

今回もヒカルの約束を果たすため是光が奮闘。しかしヒカルは内容を教えてくれないばかりか全然ヒントもくれないくて・・・是光の不器用だけど突っ込んでいく姿に今回も感動させてくれる。
最初は是光に対し怖がっていた夕雨も次第に打ち解けて、最後の雨の中のシーンとか・・・ラスト切なすぎるよ(いろんな意味で)。

次第にヒカル周辺の事、とりわけ闇の部分が明るみになってきたが、その先はもっと深い闇だった。ヒカル自身の事についてはまだまだ先になりそう。

そして、一番最後に葵さん登場で次巻何かありそう。帆夏にも動きアリで・・・!?でも帆夏はこのままだと前シリーズの某K吹さんと同じ事になりそうで心配。

次のメインはロリなのか。文学少女にも無かったタイプだから超期待。

0
2011年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価:☆4

ヒカルが地球にいたころ、第二巻。


今回は第二の心残りの少女、とある事情で引きこもりになってしまった夕雨がターゲット。
気になってしまったのは、ヒカルがあまり是光に干渉しなかったこと。
是光はきっかけとしてはヒカルのために動いているはずなのに、当のヒカルは猫と戯れたり花の薀蓄を言うだけでほとんど何もしないという・・・。
理由も一応あるんですが、ちょっと不自然に感じたかな。ヒカルの性格なら是光には隠し事しなさそうなものだけど。

是光が夕雨にガチで惹かれていくのは意外だったw
これからも1巻につき一人の女性を救うみたいな感じで進んでいくんだと思うんだけど、是光の恋愛模様がどう動くかは気になるね。


帆夏をからかって頬染めさせたくなるというヒカルの意見には超同意であります!
ホイホイ女を変えてる(ように見える)是光に対しても怒りながらも結局心配の方が勝る帆夏が好きすぎるw

巻の最後では驚きの引き!
頭条さんのシスコンっぷりには笑ったw
次巻が楽しみ。

0
2014年05月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ヒカルシリーズ2巻目。

雨、海、氷砂糖など個人的に好きなキーワードがたくさん出てきたので、物語の雰囲気としては“葵”より“夕顔”のほうがすきでした。
夕雨ちゃんが好みの女の子っていうのもありますけどね(笑)こういう儚げで危うい子が結構好きです。“文学少女”の千愛ちゃんとか蛍ちゃんとか。
夕雨ちゃんが恋を自覚するシーンが印象的です。文章から音が聴こえてくるようで美しさを感じました。

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2014年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

物語りの前半は、引きこもりの夕雨になぜヒカルが引かれて、手もださないまま通い続けていたのか、イマイチ理解できず、しかも母子家庭になったのに、子供を置いて母親が外国へ行ってしまうというシチュエーションもピンとこなくて、??だったが、途中から、野村美月らしい、どろどろとした世界が見え始めたところから物語りに引き込まれ、今回の山場である怨霊退治のシーンは感動的でした。まさかゴルフバックの中に傘が隠してあったとは!しかも是光自身の判断でそこまで暴くことを判断したとは驚きました。成長しましたね。でも是光くん、モテすぎです。帆夏に告白され、葵はもうメロメロ。もちろん夕雨も。このまま第二のヒカルになってしまうのでしょうか……。

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2012年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家庭環境、いじめ、引きこもる不幸な少女。
少女を閉ざされた空想の世界からつれ出すために、少年は孤独な戦いを繰り広げる。
少女漫画のようなべたべたな展開に少々ついていけない部分も感じながら読み進めました。
雨の公園や遊園地など、このシリーズでは一貫して可憐なシチュエーションを演出していくのかもしれません。

雨の似合う可憐な物語……といいたいけれど
ミステリ仕立てで怨霊なんかも出てくるから、
綺麗という前に全体的な印象が暗いです。
バックに幽霊がいるせいか解決の仕方も強引な気もする。

少女の恋の相手など、前作からは展開が変わってきましたね。

学校での悪霊騒ぎというのは文学少女で慣れてしまったのか
この展開の仕方は焼き直しのような印象が。。。
悪い話じゃないけれど、あまり心には残らなかったかな。

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2012年01月09日

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