あらすじ
グラゼニ=“グラウンドには銭が埋まっている”!! 下は240万円から、上は数億まで。格付けが、年俸によって完全に決められている超格差社会・プロ野球。凡田夏之介(ぼんだ・なつのすけ)は高卒でプロ入りした8年目の中継ぎ投手。左腕でサイドスローという一風変わった武器と、全球団の1軍選手の年俸をソラで言えるという不思議な特技で、厳しい世界を必死でサバイバる!
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Posted by ブクログ
全巻読破。年俸面に大きくスポットが当たった異色のプロ野球漫画。
1巻は読み切り形式。常に年俸にまつわる話で異色ぶり全開。主人公は主人公のくせに結構な小物。2巻以降は主人公夏之介以外の選手や球団関係者の給与の話にもおよぶ。さらに結婚や家族といった人生設計の話にも関わっていく。中盤以降はまた夏之介に話のメインが戻り、プロとして開花したり、個人としてもチームとしても調子が良かったり悪かったりとぐいぐい読ませる展開になる。後半は一気読み。
過去編がちょいちょい挟まれることで伏線を張りながら次の話ですぐに回収していくような作りになっているのも面白い。過去編と現在編で人間関係が結構変わっていて、その経緯を過去と現在で比較しつつ、2つの時間軸から探っていける。険悪な関係の2人がお互いに人間的に成長して和解していく過程を見るのもいい。
年俸の話をする以上、チーム事情による人事事情もドラマになる。選手側から見た年俸の話があれば、球団から見た年俸の話もあるわけで、それが人の運命を大きく変えたりもする。
話の中で、いろいろな人が才能開花する瞬間がある。どのキャラも人間味があってなんだかんだ好感が持てるので、その瞬間は読んでいて嬉しくなる。
Posted by ブクログ
やっと読みました。スポーツものは好きだけど、学生時代から始まってどんどん強くなるっていうストーリーとは違い、プロとはいえ微妙な立場の凡田さん。グラゼニっていうのは、本当だし、プロの人たち、そんなこと意識してるのかなと思うけど、この視点が面白い。プロっていうのは、生きていくためにお金稼がないといけないからね。凡田さんは、8年目だけど、これから上へいくのだろうか。
Posted by ブクログ
「ドカベン」、「タッチ」、「大きく振りかぶって」などなど、野球マンガの名
作は沢山あります。
そして、そのどれもがだいたい高校生を主人公にしたものですよね。
個性豊かで魅力的なキャラクターや恋愛要素も含んだ青春も野球マンガの魅力です。
特に今のような高校野球の季節になるとついつい読み返したくなるものです。
しかし!
今回ご紹介する「グラゼニ」は一味違います!!
だって、こんなにも「銭」のことを全面に押し出した野球マンガを、私は初めて
見ました!
この物語は「グラウンドには銭が埋まっている」という言葉に導かれて始まります。
だからマンガのタイトルは、「グラゼニ」なんですね。
このマンガの魅力は何といっても「普通の野球選手」を主人公に据えたところに
あると思います。
プロ野球選手というとても夢のある職業を、ここまでリアルに描いているところ
がとても面白いです。
ご飯を食べていくために野球に全力になるその姿は、とても切実なものであり、
プロ野球選手に限らず多くの職業とも共通しているのではないでしょうか。
その描写が、とても遠い世界のように感じるプロ野球という華々しい場所を、身
近な世界に引き付けます。
そこが本作を読んでいてとても引き込まれる場面ではないでしょうか!
それと個人的には、自分よりも年棒が低い相手にはとことん勝負強くなるってい
う主人公・凡田のキャラクターには笑ってしまいました!(笑)
とにかく!
このマンガを読んだ後にプロ野球を見ようものなら、きっとまた違って見えるは
ずです!!
巻末の凡田の高校生時代の話も面白いですよ☆