あらすじ
新撰組に加盟してきた伊東甲子太郎(いとう・かしたろう)は、男色趣味を持っていて土方歳三(ひじかた・としぞう)に好意を抱く。しかし、そういう趣味は持たない土方は、伊東を目障りに感じる。一方、新撰組局長だった芹沢(せりざわ)を暗殺した過去に悩み苦しむ山南(やまなみ)は、新撰組に対して抱いている気持ちを、伊東から見透かされて……!?
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Posted by ブクログ
伊東甲子太郎が加入して、新撰組が新たな形へと変わろうとしている変貌期の話。
小さな組織から大きな組織に変わっていくと、小さな組織では取り上げることができた少数の意見はどうしてもないがしろになってしまう。
おまけに、そうやって集めた有象無象をまとめるためには、「規律」も必要になって――。
けれど、その変化を受け入れられない人間はどうしてもどこにでもどんな組織であっても、必ず存在する――
そんな話だったんだと思う。
山南さんの最期。
彼には彼の理想が確かにそこにあって。
けれど、思ったものと違うものになってしまう新撰組を受け入れられなかったのかな――
本人じゃないからよくわからないけど。
何回読んでもこの巻はつらい。
それでもそれが起こってしまった現実だから、この巻のこのラストは、それこそ歴史を変えなきゃ変わらない。
そういうもの。
でもつらいもんはつらいんだよー! って叫ぶだけは自由だからねー……。
ここで山南さんを生かしてしまったら、この話は「歴史をベースにしたもの」ですらなくなっちゃうから、頑張って耐える。耐えるんだよ。
現実ってつらくて厳しくて悲しいものだから。
そして人の最期は必ず「死」だから。
こうも現実をベースにして話を描くと辛い。
ここから先は、悲しみしか生み出さない気がするけど、頑張って耐えます。