【感想・ネタバレ】バッテリーVIのレビュー

あらすじ

「おれはピッチャーです。だから、誰にも負けません」いよいよ、巧たち新田東中は、強豪・横手二中との再試合の日を迎えていた。試合を前に、両校それぞれの思いが揺れる。巧と豪を案じる海音寺、天才の門脇に対する感情をもてあます瑞垣、ひたすら巧を求める門脇。そして、巧と豪のバッテリーが選んだ道とは。いずれは……、だけどその時まで――巧、次の一球をここへ。大人気シリーズ、感動の完結巻!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終巻。強豪校である横手二中との再試合まで。
野球をモチーフにしているので、すぐに高校生になって甲子園での活躍を描くシリーズだと勝手に思っていたので、良い意味で凄く裏切られた。
それぞれの少年たちが自分の性格にあった成長を野球を通してしていく物語だった。

0
2023年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

監督、おれの生徒です。
ああと短く答えた。誇らしげな響きが嬉しかった。個人の力量に関係なく、勝敗に惑わされず、なんの条件も負荷することなく、子どもたちを誇らしいと感じることが、指導者としての一歩だ。教え子が、スタートラインに立ったと知ることは、嬉しい。
無条件に、子どもたちを誇れ、尊べ。自分の持っているものを伝え、託し、信じて、限られた時間をともに生きてみろ。そんな機会をあたえてもらって、おまえ、幸せじゃないか、真。
監督、おれの生徒です。
そうだ、おまえの生徒だ。それがわかるようになったか。たいしたもんじゃ。おもえも、ちっとは大きくなったな。正直、羨ましい。

「横手というのは、ほんまにいいチームですね」
「逸材ぞろいでしたな。こういう連中が集まるなんてこと、そうそうあるもんやない。いや、才能とか、、そういうんやなかった、、、そりゃまあ、門脇みたいに特別な子もおりましたが、、そういうことやなくて、みんな、野球が好きで、わたしも長いこと野球部の指導をしてますけど、こんなとことん野球が好きな連中が集まったの初めてでしたな。みんな好きで好きで、、、控えの選手もふくめて、いいチームでした。信じられないような、いいチームでしたな」

唐木恭介は打席に入り、いつもよりかなり短くバットを握った。
(おミズとは)三年間、ずっといっしょに野球をやってきた。守備のうまさも、打撃の巧みさもよく知っている。なにより、自分などおよびもつかないほど頭のいいやつだと思う。なにを考えているのかつかみきれないと嫌うものもいたけれど、唐木は、感心することのほうが多かった。ある意味、門脇よりすごい、何度となくそう感じた。

天才だ逸材だと騒がれ、褒めそやされたこの一年、驕ることも自惚れることもなかったのは、瑞垣がいたからだった。自分よりはるかに優れた人間がすぐかたわrらにいる。誰も気がつかなくても、門脇だけは、そのことを知っていた。それは錨となり、重石となり、門脇にうわつくことを決して許しはしなかったのだ。
俊、おれはずっと、おまえの背中ばっか、見てきたんや。
敬意を、感謝を、心情をなに一つ、まだ伝えていない。伝えきれていない。

0
2022年10月09日

「小説」ランキング