あらすじ
「育ててもらわなくてもいい。誰かの力を借りなくても、おれは最高のピッチャーになる。信じているのは自分の力だ――」中学生になり野球部に入部した巧と豪。2人を待っていたのは監督の徹底管理の下、流れ作業のように部活をこなす先輩部員達だった。監督に歯向かう巧に対し、周囲は不満を募らせていく。そしてついに、ある事件が起きて……! 各メディアが絶賛! 大人も子どもも夢中になる大人気作品!
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Posted by ブクログ
中学一年生になった巧や豪の日常を描く2巻目。
“永倉豪という男は、だれの内側でも、こんなふうに、見通すことができるのだろうか。”
“おまえは、信じてないのか”
“豪、なんで助けにこないんだよ”
など、1巻よりも巧が豪の内面に興味を持ち、また頼りにしたり大切に思ったりしている描写が増えていて、巧の情緒面の成長を感じる。その一方、思っていることを素直に言葉にすることはまだできない。そのもどかしい描写がとてもリアルだった。
集団リンチの場面はさすがに胸が痛んだ。
色々な壁にぶち当たりながら、巧や豪がこれからどのように成長していくのか、次巻が楽しみ。
Posted by ブクログ
中学校の一学期あたりを描く二作目。
巧と豪のコンビはなかなか言葉にすることができない年頃の子たちの気持ちを表現しているのもあり、もどかしい感じが出ているのが良かった。また、巧の試合は出させてもらうものではなく、出るものだ。と、自分の力を信じて、自分の力で切り開けるようになると信じているのも少年らしく良かった。その対比として冷静で大人な諦めを持っているのが豪というキャラクターなのだろう。
物語の後半では、巧への嫉妬で三年生が事件を起こし、部活は停止処分に。春の大会への出場も見送ることに。今後の部活動と顧問の立ち位置が気になる最後だった。
Posted by ブクログ
くっそ胸糞悪いシーンが多くて多くて
でも先が気になりすぎて一気読みしてしまいました
巧や豪はただ野球がしたいだけなのに周りがそうさせてくれないことに本当にもやもやしてしまいます
この巻で初めて巧と豪が喧嘩してしまいますが、巧の気持ちも豪の気持ちもわかりすぎるくらいわかってしまって終始"いーーー!!!!"とむず痒くなってしまいました
オトノムライの退院後の対応、小町先生がどう頑張ってくれるのか気になりつつ2巻は終了
やっとこ吉貞くん登場で次の巻が楽しみです
とりあえず野球部上級生は本当に反省してほしい!!!!!!心の底から胸糞悪い!!!!!!
Posted by ブクログ
「恐れじゃよ。子供に対する恐れじゃ。中学、高校、。さあ、それ以上はわしにはわからんけどな、そのころの子どもていうのは、ほんまにわけがわからん。それまで全然めだたなんだがやつが、好きな女の子が試合を見にきたという理由だけで、ホームラン三本かっとばしたことがあった。ひと月に十センチ背がのびて、守備範囲が急にひろうなったショートがおった。練習をさぼってばかりおったのに、じつに均整のとれた身体をして、きれいなバッティングフォームくずさなんだやつがおった。まったく、あきれる。こいつはこうだなんて決めつけてしもうたら、たいていあとでしっぺ返しがくる。おまえらの年代はな、そういうもんなんじゃ。怖いぞ、ほんまに」
オトムライは悩んでいるのだ。オトムライの中で巧を試合に使いたいという思いが強く芽生えているにちがいない。だとしたら、すごいじゃないか。大人に頭を下げなくても、うまく折り合おうなんて考えなくても、自分の意志を貫き通すことができるなら、大人、子ども、教師、生徒、支配する者、される者、そんな立場を、自分の持っている力で越えていくことが可能なら、すごいじゃないか。