あらすじ
葉桜の季節。常連でかまぼこ屋のご隠居・惣兵衛は、女房のお冬に、「あなたのお気持ちは、『ぶり』と思ってたら『かます』でした」と言われ、頭を抱えている。最近は、自分が贈ったかんざしを挿していないことも気がかりの様子だ。一方お高は、想い人の作太郎と寄席に出かけ、帰りに寄ったそば屋で思い出の料理について語り合うが……。かますの一夜干し、あさりのむき身と三つ葉のかき揚げにねぎ坊主の天ぷら、小竹葉豆腐、あずきのぜんざい。常連たちの悩みも新しい客の気持ちも懐深く受け止める、シリーズ第六作。
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Posted by ブクログ
中島久枝「ねぎ坊の天ぷら」、一膳めし屋丸九シリーズ№6、2021.10発行。「かます、ごまかす」「ねぎ坊」「瓜に爪あり」「わさびの憂鬱」の4話。タイトルにもなっている「ねぎ坊の天ぷら」、参りました! 日本橋北詰近くにある一膳めし屋丸九、味わいの深い料理屋です。わさびとかけて、高嶺の花の美人ととく。その心は、つんと来ます!
Posted by ブクログ
「(前略)そりゃあ、知らなかったとはいえ、まがい物を贈ったあたしが悪いですよ
(中略)たかが髪飾りですよ。それがまがい物だったからって、あたしの気持ちもまがい物だったいうのはおかしいでしょ。
真心だの誠意だの、そんなふうにかんざしにいろいろ背負わせたら、かんざしだって困るでしょうよ。」
自分も、物は物だと思ってるので、惣衛門の一言には首がもげる程同意