あらすじ
そして復讐のときがきた。フレメンの一員と認められたポールは、その超常能力から、預言者ムアッディブとしてフレメンの全軍勢を統率する立場になっていた。ハルコンネン家の圧政とポール指揮下のフレメンの反撃に、惑星アラキスは揺れる。状況を危惧した皇帝とハルコンネン男爵は、軍団を引き連れ、ふたたび惑星へと降り立つが……。映画化・ドラマ化され、生態学SFの先駆けとしても知られる伝説的傑作。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
下巻まで読むと、俯瞰的な視点からこの世界観を捉えられるようになってきた感触があり、同時にどこか既視感を覚えた。この既視感の正体を考えてみると、SF映画『アバター』を観たときに感じたものに近い。
両作品の類似点としては、舞台となる惑星でしか得られない資源を巡る争いに、その惑星特有の部族が大きな鍵を握っているところだと思う。
一方で、両者には対比もある。『アバター』は生態系に多様性があり、惑星そのものが持つ資源や環境の問題に、より強く目線が向けられている。それに対して『デューン』のアラキスには生態系の多様性こそ少ないものの、その分、メランジという資源を巡る政治的な駆け引きがより際立っていた印象を受けた。
SFというジャンルは、舞台となる世界観そのものが物語を形作っていく部分が大きいと思っている。その中でも『デューン』は、設定の奥行きが非常に深い作品だと感じた。
作中で断片的に仄めかされる歴史や、この世界に至るまでの背景がしっかりと存在しているからこそ、目の前で展開される本筋の物語にも厚みが感じられ、より楽しむことができた。このように、本筋とは直接関係しない背景や設定まで時間をかけて描写できるのが、小説という媒体の強みなのだと思う。
Posted by ブクログ
最近SFに嵌っており読破
ルールというか能力の幅が少し難しかったが、最後まで楽しめた
ストーリーは王道を行くが、その過程にある宗教や環境、恐怖葛藤の読みごたえも良い
不朽の名作を読めて良かった、その時代にこの作品が描けるのは凄い
Posted by ブクログ
映画(前編)を見た後に読み始めた下巻。
下巻は上中巻に比べて展開がダイナミックで読みスピードも自然と早まった。大きく期待を裏切られるような結末ではないが、細かく描かれた世界観にひたってストーリーを追うことや、生態系や権力闘争や宗教に想いを馳せるのを楽しむような作品だなと思った。
上中巻で登場するもあまり正体が明らかにされていなかった人物たちを知っていくのが面白いし、散り散りになったアトレイデス家に属する人々の今も知れて、特にモヤっとする点が残るようなことはなかった。最後の付録も、ストーリーの中では盛り込めなかったであろう背景や用語を説明していて、読みがいがある。
ようやくポールと皇帝が同じ地に立っている場面を見れた(読めた)のは嬉しいポイントだった。
また優生学的な要素(おそらくわざと描いたんだろうが)や女性たちへの認識、帝国の統治など21世紀では良くないとされてることもこの中では当たり前なこととして進んでいくが、それもある意味、異世界にひたれる要素のひとつであるし、ふっと離れて見た時に考えさせられる。
アラキスの生態系については、おぉ〜〜!とワクワクすることが多く、文明はすごいという浅はかな感想しか言えないくらいには、フィクションに科学を取り込んでいて、とても面白かった。
世界観は本当によく作られている…と思う。
Posted by ブクログ
さて。
物語については上巻の方に大体書いたが。
下巻には附録と称して(日本語訳版)、3つの短い文章が載っており、それぞれが作品の世界の重要なファクターの研究という形をとっている。
一つは、デューンの生態学について。また一つは、デューンの宗教について。最後はベネ・ゲセリットについて。
最初の一つには、スピンオフと読んでも良いようなストーリーがある。
いずれも物語には直接描かれてはいない背景の記述で、どんな経緯があってこの物語に至ったのか、を語っている。
加えて巻末には用語集があり、フランク・ハーバードがこの世界をいかに緻密に構築しているかが伺い知れる。
いずれもこの世界をより知りたい読者にとっては興味深い情報だ。
Posted by ブクログ
いろいろと残念な下巻。いつの間にかポールはフレメンを掌握しており、フレメンはアラキスのほとんどを制圧している。そこに至る様々な苦闘を期待していたのだが、作者は大きく省略して、それぞれ最も大きな出来事だけを描いている。上・中巻までのどっしりぎっちりした物語進行に比べて、書くのに飽きたような飛ばし方だ。また、スフィル・ハワトはいいとこなし、ガーニー・ハレックはポンコツ化、男爵は4歳児に殺されるなど、ここまでさんざん強キャラアピールしていた面々はほとんど活躍なしに物語が終わる。さらに砂蟲に対する畏怖や神秘もはぎとられ、馬並みの扱いをされてかわいそう。逆にポールはスーパーマン化して負ける感じがしないから、緊迫感が生まれない。私の期待が大きすぎただけかもしれないが、不満の残る最終巻でした。