あらすじ
そして復讐のときがきた。フレメンの一員と認められたポールは、その超常能力から、預言者ムアッディブとしてフレメンの全軍勢を統率する立場になっていた。ハルコンネン家の圧政とポール指揮下のフレメンの反撃に、惑星アラキスは揺れる。状況を危惧した皇帝とハルコンネン男爵は、軍団を引き連れ、ふたたび惑星へと降り立つが……。映画化・ドラマ化され、生態学SFの先駆けとしても知られる伝説的傑作。
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Posted by ブクログ
ムアッディブとして皆に認められフレメンの指導者となったポールは、スティルガーや再会したガーニーらととも砂漠の民を率い、ハルコンネンへの復讐、バーディシャー皇帝との対峙を果たす。自分の行動が伝説となる事を自覚しながら、未来の聖戦を避けるために行動するポールだが、自らの選択が正しいのか苦悩する。一応本作はこれで完結。本編の後にデューンの生態学・宗教、ベネ・ゲセリットの考察や用語集があり著者が本気で惑星アラキスの世界を作り上げていた事が窺える。フランク・ハーバートの創造した緻密な世界観を堪能させてもらった。
Posted by ブクログ
最近SFに嵌っており読破
ルールというか能力の幅が少し難しかったが、最後まで楽しめた
ストーリーは王道を行くが、その過程にある宗教や環境、恐怖葛藤の読みごたえも良い
不朽の名作を読めて良かった、その時代にこの作品が描けるのは凄い
Posted by ブクログ
映画(前編)を見た後に読み始めた下巻。
下巻は上中巻に比べて展開がダイナミックで読みスピードも自然と早まった。大きく期待を裏切られるような結末ではないが、細かく描かれた世界観にひたってストーリーを追うことや、生態系や権力闘争や宗教に想いを馳せるのを楽しむような作品だなと思った。
上中巻で登場するもあまり正体が明らかにされていなかった人物たちを知っていくのが面白いし、散り散りになったアトレイデス家に属する人々の今も知れて、特にモヤっとする点が残るようなことはなかった。最後の付録も、ストーリーの中では盛り込めなかったであろう背景や用語を説明していて、読みがいがある。
ようやくポールと皇帝が同じ地に立っている場面を見れた(読めた)のは嬉しいポイントだった。
また優生学的な要素(おそらくわざと描いたんだろうが)や女性たちへの認識、帝国の統治など21世紀では良くないとされてることもこの中では当たり前なこととして進んでいくが、それもある意味、異世界にひたれる要素のひとつであるし、ふっと離れて見た時に考えさせられる。
アラキスの生態系については、おぉ〜〜!とワクワクすることが多く、文明はすごいという浅はかな感想しか言えないくらいには、フィクションに科学を取り込んでいて、とても面白かった。
世界観は本当によく作られている…と思う。
Posted by ブクログ
さて。
物語については上巻の方に大体書いたが。
下巻には附録と称して(日本語訳版)、3つの短い文章が載っており、それぞれが作品の世界の重要なファクターの研究という形をとっている。
一つは、デューンの生態学について。また一つは、デューンの宗教について。最後はベネ・ゲセリットについて。
最初の一つには、スピンオフと読んでも良いようなストーリーがある。
いずれも物語には直接描かれてはいない背景の記述で、どんな経緯があってこの物語に至ったのか、を語っている。
加えて巻末には用語集があり、フランク・ハーバードがこの世界をいかに緻密に構築しているかが伺い知れる。
いずれもこの世界をより知りたい読者にとっては興味深い情報だ。