植木雅俊のレビュー一覧
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これは極めて重要な1冊だ。
特にフェミニズムにとって、重要な思想の歴史になるだろう。
古くは中村元師の翻訳があり、早島鏡正師のものがあり、そういう先人の成果をしっかりと踏まえたものだ。
この翻訳は読みやすいし正確だし、素晴らしい。
後半の、テーリー・ガーターを説明している文章も分かりやすい。
翻訳と、説明と、★★★★★
なぜ岩波文庫じゃなくて角川だったんだろう?とにかく、素晴らしい本だ。
ただし、筆者は法華経信者で、このような学問的にも重要な仕事を、法華経の正当性を語るための材料として使おうとする時だけは、偏狭なカルト信者の本性をむき出しにする。
そこがキモチ悪いので、マイナス★1点。
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Posted by ブクログ
ネタバレP58で、子どもを生き返らせる薬を捜している母親に対し、釈迦が『芥子の実をもってきなさい。ただしその家からは一人も死者を出したことのない家でなければならない。』と諭すと、母親はいくつもの家を訪ね、どの家でも死者がいたことに気が付き、死という事実を受け止め、自身でその悲しみを乗り越えるしか道はないと。体験するシーンがある。このシーンで身内の死に悲嘆にくれ号泣する人や、叫ぶ人がいる外国の事を思い出した。その点日本ではそのような過激な指向性は薄いなと感じた。やはり根底に仏教が流れているのだろうか
?薄知の私では計り知れないと感じた。
第二章では中国語に関する内容が書かれている。漢文では書きえない -
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著者は仏教研究家の植木さん。サンスクリット語の仏典を読み解き中国、日本へ伝わった仏教の誤解といったことが主テーマかと思い興味深く読んだが、そんなに興味を惹かれる所は多くなかった。
印象に残ったのは、釈尊が弟子から「世尊の教えはサンスクリット語に翻訳して伝えた方がよいのではないでしょうか」と尋ねられ、「その必要はない、その地域の言葉で伝えなさい」と答えたこと。そしてその通り、アジア各地ではその地域の言葉で伝えられたが例外は日本で、漢訳のまま受け入れて、大和言葉に翻訳されることはなかったとのこと。したがって多くの人はお経を聞いてもいみがわからない。お経というとわけのわからないものの代表格になって -
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サンスクリット原典の厳密な解釈にもとづいて『維摩経』や『法華経』の現代語訳を手がけてきた著者が、サンスクリット語・パーリ語原典と漢訳経典、さらに日本における漢訳経典の受容の諸相について検討をおこない、仏教の思想がどのように変容していったのかということを、さまざまな事例を紹介して解説している本です。
著者の翻訳のしごとを通してあらたに明らかになった事実の紹介が中心となっており、さらにそこから展開されたインド・中国・日本の比較文化論的な内容の議論が示されています。「仏教、本当の教え」というタイトルから、初期仏教の思想的核心を掘り下げていくような内容を期待した読者は、肩すかしにあったような気分にな -
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NHK 100分de名著 より。植木雅俊 「仏教本当の教え」
変容した日本の仏教をインド仏典から見直した本。タゴール、諸法実相、常不軽菩薩 の話は 面白い
タゴールの思想「アジアは 文化によって 一つでなければならない〜仏教によって実現されていた時代があった」
タゴールが見出した 仏教の現代的意義
*徹底した平等
*迷信、占いを徹底して排除
*西洋的な倫理観を説かない〜神対人間ではなく、人間対人間の中で倫理観を説く
諸法実相
*諸法=あらゆる物事、現象、実体
*実相=ありのままの姿、実在、普遍的実在
*インドは実相が重視→日本は諸法が重視
*諸法から実相を見、実相から諸法を見る
法華 -
Posted by ブクログ
全体としては興味深く読み進めることが出来ましたが、推論の域を出ていない内容も多々見受けられた印象。言語の壁による誤訳はもちろん、仏教を受容する側の文化的・政治的背景などによって、異なる解釈がされることも必然です。
ブッダが何を教えたかったのかも重要ですが、その言わんとしたところが、人々の人生にどのように活かされてきたのかが重要なんだと思います。その辺りは筆者も認識されていて、すべてを否定している訳ではありません。
ひと口で仏教と言っても、日本人が考えているよりもはるかに複雑なんですね。初期仏教をはじめいろいろと学んでみたいと思いました。