植木雅俊のレビュー一覧

  • 法華経とは何か その思想と背景

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    法華経は名前はよく聞いても中身はそんなに知らなかった。この本は仏教の研究者が法華経について成り立ちや人々に与えた影響、概略の中身などについてまとめたもの。法華経が書かれた当時の仏教思想などについても触れられており、そもそものブッダの教えやインドでの仏教というものについても知ることができた。

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    2021年05月22日
  • 法華経とは何か その思想と背景

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    執拗にこれまでの誤訳を指摘している。
    法華経が生まれた歴史的背景についても詳しく、法華経の論理を一貫した視点から説いている。

    『シンガーラの教え』の「夫は妻に五つのことで奉仕せよ」に感動した:1.妻の自立を認めよ。2.妻を尊敬せよ。3.妻に宝飾品を買い与えよ。(財産を持たせろ)4.妻を軽蔑するな。5.道に外れたことをするな。

    不軽品の詳細な解説に認識を新たにした。

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    2021年03月22日
  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳

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     著者はサンスクリッド語などを勉強して仏典を正確に訳すことでより正確な内容を把握しようと熱心に研究されている。仏典と真摯に向き合う姿勢に感心する。
     なかでも、文中に「法華経」とすればいいのに、「白蓮のように最も優れた正しい教え」と自身の訳を繰り返し使っていて大変気に入っていることがうかがえる。
     法華経の成り立ちから経典の内容まで、丁寧に解説してくれている。著者が法華経を敬う姿勢の顕れだ。
     「思想としての法華経」「ほんとうの法華経」も合わせて読むといいだろう。

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    2020年09月30日
  • ほんとうの法華経

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    最近原始仏典を読み始めたのだけれど、なぜか法華経も気になって、積読してたこの新書を引っ張りだした。

    話がサクサク進むので、入門向きではないです。あと分厚い。
    法華経の内容はざっくり予習でいいけれど、まずは仏教の歴史を一通り頭に入れた上で読んだほうがわかりやすい。

    実際にお経の本文から、この部分は当時の仏教がこうだったから~ということや、サンスクリット語の原文をいかに訳すべきかなどが具体的に解説されているので面白い。
    「誰でもさとれる!」と言うためだけになぜこんなに長いお経を…?という疑問が、少し解けた気がします。

    鳩摩羅什の訳も日蓮の読み方も、法華経の編纂者たちの意図をしっかり汲んでいる

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    2019年11月26日
  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳

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    ◯訳のおかげで、読みやすくなっているとはいえ、解説が無いと理解が難しい内容。しかし、お経について知る機会はあまりないため、大変興味深かった。
    ◯維摩経は物語としての展開がある分、頭に残りやすいが、法華経は難解な思想書の様相であり、お経特有の繰り返しや、過剰な賞賛によって本質も取りにくい。

    ◯法華経自体に後年付け足しが行われた形跡があるという点については、自らの信仰を正当化する意図なのか、不純な印象を受ける。
    ◯しかし、それら全てを包含し、あまねく法華経を授持する全てのものが救われるとする思想こそは、まさに仏教における宗教改革であり、実に興味深い。

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    2019年10月27日
  • サンスクリット版全訳 維摩経 現代語訳

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    1999年に発見されたサンスクリット原典の翻訳。
    他の維摩経と合わせて読みました。

    他訳との比較もところどころ書かれています、
    おそらく忠実に丁寧に訳されているせいだと思いますが、少々クドイ文章のところもあります。
    辞書的に保存版として置いておきたい本です。

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    2019年10月14日
  • ほんとうの法華経

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    社会学者の橋爪先生が宗教学者の植木先生の法華経の本に色々と質問をする形で法華経を解説したもの。対談方式なので厚い本がすいすいと読むことができた。興味がある内容だったので面白く読めた。しかし、前提知識が無い人には、「最高の仏教入門」とオビに書いてあったが、入門ではないように思う。

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    2018年10月20日
  • テーリー・ガーター 尼僧たちのいのちの讃歌

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    これは極めて重要な1冊だ。
    特にフェミニズムにとって、重要な思想の歴史になるだろう。

    古くは中村元師の翻訳があり、早島鏡正師のものがあり、そういう先人の成果をしっかりと踏まえたものだ。
    この翻訳は読みやすいし正確だし、素晴らしい。
    後半の、テーリー・ガーターを説明している文章も分かりやすい。
    翻訳と、説明と、★★★★★
    なぜ岩波文庫じゃなくて角川だったんだろう?とにかく、素晴らしい本だ。

    ただし、筆者は法華経信者で、このような学問的にも重要な仕事を、法華経の正当性を語るための材料として使おうとする時だけは、偏狭なカルト信者の本性をむき出しにする。
    そこがキモチ悪いので、マイナス★1点。

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    2017年10月15日
  • ほんとうの法華経

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    大乗仏教って、なんか大仰だよね〜。

    というイメージを代表するのが法華経で、苦手な世界。

    このお経は、最高だぞ、と言うばかりで、なにがどうスゴいのか、中身がわからない。
    やたらたくさん、菩薩やら人々がでてくるし、地面から菩薩がでるわ、空中に浮かぶわ、とんでもない数の羅列。。。スペクタクルではあるのだけど、で、結局、なにがいいたいの?みたいな印象。

    という法華経なのだが、この本を読んで、ようやく意味が分かった、気になった。

    要するに法華経は、
    ・だれもが仏になることができる
    ・というか、自分のなかにすでに仏はいる
    ・ブッダも仏であると同時に菩薩でもあって、世の中に仏の教えを伝える存在であっ

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    2017年05月01日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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     P58で、子どもを生き返らせる薬を捜している母親に対し、釈迦が『芥子の実をもってきなさい。ただしその家からは一人も死者を出したことのない家でなければならない。』と諭すと、母親はいくつもの家を訪ね、どの家でも死者がいたことに気が付き、死という事実を受け止め、自身でその悲しみを乗り越えるしか道はないと。体験するシーンがある。このシーンで身内の死に悲嘆にくれ号泣する人や、叫ぶ人がいる外国の事を思い出した。その点日本ではそのような過激な指向性は薄いなと感じた。やはり根底に仏教が流れているのだろうか
    ?薄知の私では計り知れないと感じた。
     第二章では中国語に関する内容が書かれている。漢文では書きえない

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    2016年12月27日
  • ほんとうの法華経

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    法華経のサンスクリットの原典が1837年に発見された.これまでは中国の鳩摩羅什が漢訳したものを我が国では使ってきた.分厚い解説書なので,気になったところを読んだが,難しい.方便品に「輪廻」が出てくる(p96)が,単なる「生まれ変わり」ではないという解説がある.地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天の六つの生存領域(六道)で生死を繰り返すこと,迷いの領域を抜け出せないでいること だそうです.こんな具合に語句の仏教的な解釈が一般に漢字から感じる意味と異なっている事例が多すぎる.何とかしてほしい.

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    2016年05月02日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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    この本きてますね~。
    日本の新興宗教ではなく、インドの原始仏典からいろいろ引出しています。中村元先生に師事されていたようです。
    サンスクリット語、パーリ語満載です。
    仏教=宗教を学ぶと言うよりは、東洋思想の一部を読む感覚です。
    面白いです。

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    2012年05月16日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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    「法華経」-2004-、「維摩経」-2011-をサンスクリット語の原典から完訳した在野の仏教学徒である著者が、インドと中国そして漢訳による仏教受容をした日本における三様の仏教理解を、その誤解も含め、一般向けに解き明かしてくれる。
    第三章「漢訳仏典を通しての日本の仏教受容」における先達者たちの意図的・恣意的ともみえる読替えに関する記述は興味深い。
    道元の「有時」に関する-
    親鸞の「備施等衆生行也」に関する-
    日蓮の「自我偈」や「我実成仏已来無量無辺」に関する-

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    2011年12月05日
  • NHK「100分de名著」ブックス 法華経 誰でもブッダになれる

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    原始仏教から小乗、大乗、法華経の流れ、その中で法華経が意図したものが分かりやすく説明されていた。初めは共感しながら読んだが、後半は知っている内容が多かった。

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    2024年09月19日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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    著者は仏教研究家の植木さん。サンスクリット語の仏典を読み解き中国、日本へ伝わった仏教の誤解といったことが主テーマかと思い興味深く読んだが、そんなに興味を惹かれる所は多くなかった。

    印象に残ったのは、釈尊が弟子から「世尊の教えはサンスクリット語に翻訳して伝えた方がよいのではないでしょうか」と尋ねられ、「その必要はない、その地域の言葉で伝えなさい」と答えたこと。そしてその通り、アジア各地ではその地域の言葉で伝えられたが例外は日本で、漢訳のまま受け入れて、大和言葉に翻訳されることはなかったとのこと。したがって多くの人はお経を聞いてもいみがわからない。お経というとわけのわからないものの代表格になって

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    2024年02月24日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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    サンスクリット原典の厳密な解釈にもとづいて『維摩経』や『法華経』の現代語訳を手がけてきた著者が、サンスクリット語・パーリ語原典と漢訳経典、さらに日本における漢訳経典の受容の諸相について検討をおこない、仏教の思想がどのように変容していったのかということを、さまざまな事例を紹介して解説している本です。

    著者の翻訳のしごとを通してあらたに明らかになった事実の紹介が中心となっており、さらにそこから展開されたインド・中国・日本の比較文化論的な内容の議論が示されています。「仏教、本当の教え」というタイトルから、初期仏教の思想的核心を掘り下げていくような内容を期待した読者は、肩すかしにあったような気分にな

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    2023年01月22日
  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳

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    解説が秀逸。過去に「中身がない」と指摘されたこともなるほどと思う部分があり、納得。歴史的に付け加わった部分が本来の趣旨と違うこともあり、だから評価が混乱しているというのも納得。日本の文化に影響が大きいお経なので、こうして読めてよかった。

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    2021年03月09日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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    著者の意図は立派なものだが、細かな例示がダラダラ続くのでうんざりしてしまう。読む意味はあると思うが、再読はしないだろう。あと、少なくともこの本に中村元の話はいらない。

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    2020年11月06日
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解

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    NHK 100分de名著 より。植木雅俊 「仏教本当の教え」

    変容した日本の仏教をインド仏典から見直した本。タゴール、諸法実相、常不軽菩薩 の話は 面白い

    タゴールの思想「アジアは 文化によって 一つでなければならない〜仏教によって実現されていた時代があった」

    タゴールが見出した 仏教の現代的意義
    *徹底した平等
    *迷信、占いを徹底して排除
    *西洋的な倫理観を説かない〜神対人間ではなく、人間対人間の中で倫理観を説く

    諸法実相
    *諸法=あらゆる物事、現象、実体
    *実相=ありのままの姿、実在、普遍的実在
    *インドは実相が重視→日本は諸法が重視
    *諸法から実相を見、実相から諸法を見る

    法華

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    2018年04月29日
  • ほんとうの法華経

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    2度間を開けてトライしたけど、2度とも挫折。細かいところをつつきすぎてて(厳密?)、私のレベルには合わなかった。対談形式なのでわかりづらいということはまったくないが、法華経って面白いなぁという感じることはなかった。

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    2018年12月28日