植木雅俊のレビュー一覧

  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳
    師匠と弟子のやりとりで比喩に対して比喩で確認するみたいなことがあったりで、謎が深まるミステリー要素もある。シャカの死後に起こった出来事も踏まえてシャカに集約し、数百年かけて成立していった経典が、後世の私たちに伝えたかったシャカの真意とは?
  • ほんとうの法華経
    これまでにない法華経の解釈や解説。法華経が長い間読まれ継がれてきたのは、その時代に相応しい解釈がなされてきたからではないだろうか。植木先生の「本来の自己に目覚める」という読み方こそ、今の時代になって最も相応しい読み方なのでしょう。
  • 法華経とは何か その思想と背景
    法華経にある火事や出戻り息子の話をただの教訓話的なものにしか考えていなかったが深い意図があることが分かった。仏教の成り立ちからなぜ法華経が出てきたのかどのような内容なのかが書いてあり正直いうと植木先生のサンスクリット版法華経そのものよりもこちらのほうが読みやすかった。
    本書の意図とはずれるだろうが植...続きを読む
  • NHK「100分de名著」ブックス 法華経 誰でもブッダになれる
    初期仏教の小乗と大乗の対立の中、それを乗り越えるために編まれたという法華経を誰がどのようにして広めていくのかというのが法華経の内容のあらましで、二重構造のようになってブッダへの道を説いているという。それは常不軽菩薩のように何物にも軽んじず軽んぜらず、真の自己の尊さに目覚め、それによって他者も同等であ...続きを読む
  • サンスクリット版全訳 維摩経 現代語訳
    ◯初期大乗仏教の経典とされているが、既に原始仏教の経典(スッタニパータ)よりも、はるかに思想的には練られている印象。
    ◯空の思想などは、まさに原始仏教の考え方(執着を捨てる的な)を発展しているように感じたが、ただ、スッタニパータを読んだ時ほど、自己の生き方について得るものがあるというか、衝撃を受ける...続きを読む
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解
    仏教はインド、中国、日本と伝えられてきてどのように変容して受け入れられたのか。現在の日本の仏教とインドで発生した仏教との違いがよく分かる。またそれは、それぞれの国の人々の性質にもよったようである。
  • ほんとうの法華経
    教条的にならず、精神を汲み取り、テキストを解釈していく。対談、それも和やかなものでなく、鋭く切り込み、応答する形のため、図らずもテキストの読みが深くなっている。ちょくちょく日蓮の言葉に及ぶが、彼がいかに法華経、釈迦の精神を深く汲み取っていたか、興味深く読めた。

    テキストがにごるというか、後の時代か...続きを読む
  • 仏教学者 中村元 求道のことばと思想
    書評

    『仏教学者 中村元 求道のことばと思想』

    植木雅俊著

    角川選書 定価1,800円+税

    “本物の思想家”の学究の歩み 鮮やかに描き出す


     卓越した専門性を持ちながらも万学に通じた「本物の思想家」は、百年に一人か二人、存在する。中村元もそうした「本物の思想家」の一人である。古代インド哲...続きを読む
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解
    おススメ本。古代インドで成立した仏典が、漢訳され、さらに日本の僧侶がそれを解釈するという過程で、いかに誤読や誤解がなされたかを、各テキストを丁寧に比較して検証。形骸化した「葬式仏教」への痛切な批判。
  • 仏教、本当の教え インド、中国、日本の理解と誤解
    ジュンク堂池袋本店で購入しました。
    2011年12月1日。

    読み終えました。2011年12月9日。

    お薦めです。
  • 日蓮の手紙 ビギナーズ 日本の思想
    「100分de名著」を見て原書を読みたくなった。340通ほど残っている日蓮の信徒への手紙の中から25通が収められている。訳者の言葉どおり「人生相談あり、生活指導あり、激励あり」の手紙。日蓮というと国家主義者の印象が強かったが、人情深い方なのだと印象が変わった。宮沢賢治や石橋湛山、本阿弥光悦等が帰依し...続きを読む
  • NHK「100分de名著」ブックス 法華経 誰でもブッダになれる
    宗教についてなので内容は難しかった。
    でも、100分de名著で扱ったものなので
    概要を学ぶ上でわかりやすかった。

    経典とは、なにか説法集や
    生きるための指南書みたいなものだと
    浅く思っていたけれど、
    仏教の変遷とその在り方への批判、
    よりよい在り方を目指した戒めも含めた
    もりもりの内容なのだと理解...続きを読む
  • 法華経とは何か その思想と背景
    法華経がどういうものなのか初めて知った。法華経の教えの概要はもちろんのこと、法華経が小乗仏教・大乗仏教の分裂や対立の中で釈尊本来の教えに返るべきことを説くものとして成立した歴史的背景、そしてその教えには平等の精神など現代的意義があることなど色々学びがあった前から思ってたけど釈尊は宗教家というより哲学...続きを読む
  • 法華経とは何か その思想と背景
    サンスクリット原典から独自に翻訳を果たした著者が「原始仏教に還れ」というメッセージを旨とする法華経の思想を解説。
    法華経がどんな内容かということにとどまらず、本来の仏教とはいかなるものかということについて、実に示唆深い内容だった。人間を超越した仏を崇拝するのではなく、人間として自らが善い行いをして仏...続きを読む
  • 法華経とは何か その思想と背景
    法華経は名前はよく聞いても中身はそんなに知らなかった。この本は仏教の研究者が法華経について成り立ちや人々に与えた影響、概略の中身などについてまとめたもの。法華経が書かれた当時の仏教思想などについても触れられており、そもそものブッダの教えやインドでの仏教というものについても知ることができた。
  • 法華経とは何か その思想と背景
    執拗にこれまでの誤訳を指摘している。
    法華経が生まれた歴史的背景についても詳しく、法華経の論理を一貫した視点から説いている。

    『シンガーラの教え』の「夫は妻に五つのことで奉仕せよ」に感動した:1.妻の自立を認めよ。2.妻を尊敬せよ。3.妻に宝飾品を買い与えよ。(財産を持たせろ)4.妻を軽蔑するな。...続きを読む
  • 法華経とは何か その思想と背景
    上座部≒小乗仏教もゴータマ死後、「ブッダ絶対視・唯一無二論≒『神格化』」「女性差別」「教団維持の自己目的化」などの在世当時からの逸脱をしていた。
    「大乗興起」とは、ブッダの真意に立ち還れという教団の内部変革運動であったことが法華経原文から読み取れる、とする。
    なぜ紀元前5世紀頃の「枢軸時代」に相次い...続きを読む
  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳
     著者はサンスクリッド語などを勉強して仏典を正確に訳すことでより正確な内容を把握しようと熱心に研究されている。仏典と真摯に向き合う姿勢に感心する。
     なかでも、文中に「法華経」とすればいいのに、「白蓮のように最も優れた正しい教え」と自身の訳を繰り返し使っていて大変気に入っていることがうかがえる。
     ...続きを読む
  • ほんとうの法華経
    最近原始仏典を読み始めたのだけれど、なぜか法華経も気になって、積読してたこの新書を引っ張りだした。

    話がサクサク進むので、入門向きではないです。あと分厚い。
    法華経の内容はざっくり予習でいいけれど、まずは仏教の歴史を一通り頭に入れた上で読んだほうがわかりやすい。

    実際にお経の本文から、この部分は...続きを読む
  • サンスクリット版縮訳 法華経 現代語訳
    ◯訳のおかげで、読みやすくなっているとはいえ、解説が無いと理解が難しい内容。しかし、お経について知る機会はあまりないため、大変興味深かった。
    ◯維摩経は物語としての展開がある分、頭に残りやすいが、法華経は難解な思想書の様相であり、お経特有の繰り返しや、過剰な賞賛によって本質も取りにくい。

    ◯法華経...続きを読む