廣野由美子のレビュー一覧

  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』
    とても面白かった。我々はみんな王子様に認めてもらえるシンデレラになれるわけではないが、ジェイン・エアになることはできる。
    自分の運命を諦めない。

    要約がとても上手くて挙げてある本全部読んでみたくなる。
    『若草物語』のジョーがとても好きだったことを思い出しました。
  • ミドルマーチ3
    物語は更に佳境になってきた。カソーボンとドロシアの1年半の結婚生活の結末は?彼が最後にかました内容は?複数の真実を知ったラディスロー、彼は全ての思いを捨ててミドルマーチを去るがその矜持は感服した。リドゲイト夫妻は金銭的窮地に。フレッドとメアリの恋愛は進展、フレッドが借金を背負わせたケイレブ氏との関係...続きを読む
  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』
    ジェイン・エアを読んだ少女たちに与えた衝撃が、世界で赤毛のアン、若草物語、あしながおじさんなどの名作少女小説が生まれる素地となった。
    取り上げられた小説が大好きなものばかりだったので、とても興味深く読んだ。
  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』
    シンデレラのことではなく、シンデレラでは語られなかったそれ以後の小説として、ジェインエア、あしながおじさん、赤毛のアン、木曜日の子どもたちについて、あらすじを含めて説明したものである。
     小説を読まずにその内容がわかるので楽であるし、ジェンダーの視点が獲得できるのでお勧めな書籍である。
  • スタディサプリ三賢人の学問探究ノート(1)人間を究める
    廣野由美子の本を探していたら本書に出会った。
    この人は、100分DE名著のシャーロック・ホームズ スペシャルに出演していた。で関心を持ったのだ。
    京都大学から神戸大学大学院に進んだ経緯が詳しく書かれていて興味深かった。

    本書は、YAヤングアダルト向けの内容だ。

    儲けものだったのは、松尾豊の生い立...続きを読む
  • ミステリーの人間学 英国古典探偵小説を読む
    ディケンズ、コリンズ、ドイル、チェスタトン、クリスティーと5人のイギリスの作家のミステリー小説の評論です。
    英国古典探偵小説は単純なトリックの謎とき話ではなくて、人間の心理や暗部について語る人間性の探究の話でもあるということです。
    シャーロック・ホームズ、ポワロ、ミス・マープル、ブラウン神父の話をま...続きを読む
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義
    この本で紹介している知識(小説技法、批評理論)を持って、今まで小説を読んだことがなかったので、遅ればせながら、それらの視点を自分が得ることができ非常に有益であった。
    題材としてフランケンシュタインの小説を上げているが、恥ずかしながらこの小説を読んだことがなく、本書で初めて、そのあらすじを知った。しか...続きを読む
  • ミドルマーチ4
    感動のフィナーレをむかえる完結編。濃密な群像劇のなかでジョージ・エリオットが私たちに伝えたものとは何か。

    第7部冒頭からリドゲイトの窮状。金銭のトラブルから発生する夫婦喧嘩の描写がリアル。妻に折れざるをえなくなっていく夫の心境の変化が生々しい。

    いっぽうフレッドくんたちの三角関係に進展が。誘惑を...続きを読む
  • ミドルマーチ3
    19世紀イギリスの架空都市ミドルマーチ。運命によって翻弄されるいくつもの愛の模様。第5部と第6部を収録。

    個人的に共感していたカソーボン氏が悪者になってしまう第5部にガックリ。しかし、彼の気持ちにはやはり共感するものがあり、残念ではあるが仕方なかったとも思う。逆に評価が爆上がりするのが、ケイレブ・...続きを読む
  • ミドルマーチ2
    19世紀イングランドにおける架空の地方都市ミドルマーチを舞台に多彩な人間模様を描く。第3部と第4部を収録。

    複雑かつ絶妙に絡み合う人間関係が面白すぎる第2巻。主要となる人物のみならず、脇役やちょっと出のキャラクターにも魅力が満載だが、さしあたり主に気になるのは次の3つの愛のゆくえだ。
    1.ドロシア...続きを読む
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義
    科学としての文学。こういう技法こそ高校の現代文で教えてほしかったよ!
    小説も漫然と読んでるだけでは作者の意図の1/10も汲み取れないのね。もう少し若い時に知っていたらと思うと悔やまれる。
  • ミドルマーチ1
    本年ベストの読書体験になる予感がする!!!ヴィクトリア朝を代表する作家、ジョージ・エリオットの最高傑作。

    ミドルマーチとは、イングランド中部に設定される架空の地方都市の名前である。本作は19世紀前半、産業革命の影響により、社会に大きな変動が起こっていた時代――資本主義経済や民主体制への移行、その結...続きを読む
  • ミドルマーチ4
    最高だった。カソーボン氏が死ぬ際、「ドロシアとラディスローが再婚した場合、財産を残さない」と遺言を残したのは、ラディスローがドロシアにふさわしい人間になろうと自分を磨くためにドロシアのもとを離れるのが、カソーボン氏の財産なしで自分の能力だけでドロシアを養うための準備になっていると考えると、伏線だった...続きを読む
  • ミドルマーチ4
    ついに完結感無量。
    類まれなる心理描写、些細な事実の積み重ね、善意と好奇心がもたらす予期せぬ出来事などミドルマーチは4巻になってざわめく。でも落ち着くところに落ち着いたのでは。フィナーレでホッとしました。

    「私たちにとって物事が思ったほど悪くないのは、人知れず誠実に生き、誰も訪れることのない墓に眠...続きを読む
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義
    『小説をより深く理解し、より楽しむための視点』

    小説のしくみを示した【小説技法篇】、読み方を説いた【批評理論篇】に分けて、『フランケンシュタイン』を様々な視点から徹底的に解剖。うん、『フランケンシュタイン』をじっくりと読み返してみよう…
  • 小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義
    レポートのテーマ設定の参考になる。

    「安全基地」(secure base)の概念はゼミで使えそうだ…
  • 小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義
    『小説を深く読み解くための技法、教養とは?』

    19世紀のイギリス古典『ミドルマーチ』(文庫本で約1500ページの超長編)を題材に、生きる力を培うために有用な物語の読み解き方を紹介する。今まで意識したことのない多くの視点が紹介されていて、これから小説を読むのが、もっともっと楽しくなる、、かも。
  • 小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義
    ミドルマーチを参考に小説の構造や読み解き方をわかりやすく解説している。
    少し前に著者訳の「ミドルマーチ」1巻目を読んでいてとても面白かったので、2巻目から先を読むのがますます楽しみです。
  • 小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義
    フランクル心理学の視点から、エリオット作品を解釈した箇所が素晴らしい。
    まさに『ミドルマーチ』の結びの言葉に直結している。

    フランクルは、ホモ・サピエンス的人間観(知恵ある人間)を成功ー失敗、ホモ・パチエンス(苦悩する人間)的人間観を意味の実現ー絶望の軸で捉えられるという。

    ホモ・サピエンスから...続きを読む
  • ミドルマーチ4
    最後の文章に感動を禁じ得ない。
    「世の中がだんだん良くなっていくのは、一部には、歴史に残らない行為によるものだからである。そして、私たちにとって物事が思ったほど悪くないのは、人知れず誠実に生き、誰も訪れるこのない墓に眠る、数多くの人びとのおかげでもあるからだ」

    中産階級の女性に光を当てた本作の独創...続きを読む