廣野由美子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ありがとうヴィクトリア
というわけで先日読んだ『批評理論入門』があまりに面白かったイギリス文学の研究者として名高い廣野由美子さんおかわりであーる
今回は「探偵小説」
うんうん、それはわいの得意分野でもある
いや、違う
ごめんちょっと見栄はった
得意っていうかただ好きなだけ
だがしかーし!
常々思っていたことを廣野由美子さんが明確に言葉にしてくれたので、大満足の一冊であった
そう、良き「探偵小説」とは人間を描いたものということ
もちろん、誰も見たことのないトリックを探偵と競いながら解き明かすことこそ「探偵小説」の醍醐味だという意見を否定するつもりはない
いやむしろ全くその通りと諸手を上 -
Posted by ブクログ
「小説とは、人物を造形するものである」
イギリス文学の研究家で、京都大学名誉教授の廣野由美子さんによる『批評理論入門』です
廣野由美子さん…なんとなくどっかで見たな〜と思ったら、光文社古典新訳文庫のオースティン『説得』の翻訳をされてた方やないですか、あの翻訳も素晴らしかった
さて、本書ですが、まさに『批評理論入門』です
「小説技法篇」と「批評理論篇」の二部構成となっていて、爆烈面白い
特に「小説技法篇」は小説を読む時に新たな視点や深みを与えてくれる
こんな面白い講義が聞けるなら、わいも京大行っときゃよかったな〜(行こうと思えば行けたみたいな言い方!)
まぁ、だいたいはなんとなく感じて -
Posted by ブクログ
「もう、いいか」とちょっと思いました
ちょっとね
「もう、後は古典だけ読んでればいいか」と、ほんとにちょっと思いました
ミステリーとかも含めてな
「古典と余生」っていう題名で論文書いちゃおうかと思いました
だって間違いないもの
ジェイン・オースティン間違いないもの
はい、イギリスが生んだ恋愛小説の名手ジェイン・オースティンの『説得』です
実はこのあと『高慢と偏見殺人事件』という妖しげなパスティーシュが控えているのでね
読んでみましたよ
ざっくりあらすじ
8年前に母親代わりと慕うラッセル夫人の『説得』により、海軍軍人ウェントワース大佐との婚約を破棄してしまった准男爵家の次女アンが、ひ -
Posted by ブクログ
学生時代、ずっと読みたかったのですが、廃版になってて読めずじまいのままでしたが、光文社が新訳を発刊してくれたおかげでようやく読むことができました。
生きていた時代もテーマも異なるのですが、オースティンと比べてしまうところがあります。
エリオットに出てくる人物は良くも悪くも、もっと世俗的で、複雑な人物として描写されていることが多いように思えます。
そのせいもあって、ドロシアを含めた登場人物のそれぞれの心情や行動に対して共感できる一方で理解に苦しんだり・・・まあでもドロシアに対しては終始理解に苦しむところがあったかもしれません。
いろんな人の人生そのものなんだなと思いました。19世紀のイギリス -
Posted by ブクログ
フランケンシュタイン読んだすぐ後に。
合わせて読んでよかった。
そういうふうに読み取るのかーとか
読者的に読み飛ばしそうなところも
作者としては、いろんな思いで書いてるんだなと
これから、もうすこしじっくり読もうと思った
もう一度読み直して、次から読む時は
心の片隅に意識したい
入門とあるので、この次の段階のものも読みたいなー
あまり専門すぎると難しそうなので。
ただ、
本との相性は絶対あると思う
自分にとって読みにくい本
とっつきづらい本
難解な本
それは、これからも
じっくり読む前に閉じてしまうだろう
それでも読書がただ好きなだけだし
まーいっか。
これ好き!って本に出会うたび -
Posted by ブクログ
廣野由美子の本を探していたら本書に出会った。
この人は、100分DE名著のシャーロック・ホームズ スペシャルに出演していた。で関心を持ったのだ。
京都大学から神戸大学大学院に進んだ経緯が詳しく書かれていて興味深かった。
本書は、YAヤングアダルト向けの内容だ。
儲けものだったのは、松尾豊の生い立ちが読めた事だ。
またディープラーニングに関しての記載があったことだ。
AIに関して漠然と何か凄いものだ。人の仕事が奪われる。
岸田首相が漠然とデジタル社会の構築とか言うけど、アバウトで言ってる本人が分かってるのか。
短い文章ではあるが、人工知能に関して分かりやすい切り口で書かれているので、一 -
Posted by ブクログ
感動のフィナーレをむかえる完結編。濃密な群像劇のなかでジョージ・エリオットが私たちに伝えたものとは何か。
第7部冒頭からリドゲイトの窮状。金銭のトラブルから発生する夫婦喧嘩の描写がリアル。妻に折れざるをえなくなっていく夫の心境の変化が生々しい。
いっぽうフレッドくんたちの三角関係に進展が。誘惑を振り切って紳士の生きざまを貫く牧師の、自らの弱さも強さもすべて打ち明ける潔さ、そしてそこからの恋愛関係の決着に心を打たれた。
お金の相談をしたリドゲイトを冷たくあしらったバルストロードに、ラッフルズが火種を持ち込む。ミドルマーチの良心、ケイレブ・ガースが潔癖な対応をするなか、バルストロードの心に誘 -
Posted by ブクログ
19世紀イギリスの架空都市ミドルマーチ。運命によって翻弄されるいくつもの愛の模様。第5部と第6部を収録。
個人的に共感していたカソーボン氏が悪者になってしまう第5部にガックリ。しかし、彼の気持ちにはやはり共感するものがあり、残念ではあるが仕方なかったとも思う。逆に評価が爆上がりするのが、ケイレブ・ガース。この物語世界の良心ともいうべき魅力な人物像が明らかになり、彼を通じて当時の時代社会背景も見えてくる。また、フレッドとの出来事と絡んでガース夫人の複雑な心境を見事に描き出しているのも読み応えがあるところだ。よくぞここまで微細な心理が書けたものだとひたすらに感心する。また、このガース夫妻の関係性 -
Posted by ブクログ
19世紀イングランドにおける架空の地方都市ミドルマーチを舞台に多彩な人間模様を描く。第3部と第4部を収録。
複雑かつ絶妙に絡み合う人間関係が面白すぎる第2巻。主要となる人物のみならず、脇役やちょっと出のキャラクターにも魅力が満載だが、さしあたり主に気になるのは次の3つの愛のゆくえだ。
1.ドロシアとカソーボンの夫妻、それに関わるウィル・ラディスロー
2.リドゲイトとロザモンド
3.フレッドとメアリ、フェアブラザー?
男性名を使っているが作者は女性なので、不美人でも賢く、強い輝きを放つメアリという人物は作者の自己投影が色濃く反映されているのではないかと想像する(本名メアリ・アン・エヴァンズだ -
Posted by ブクログ
本年ベストの読書体験になる予感がする!!!ヴィクトリア朝を代表する作家、ジョージ・エリオットの最高傑作。
ミドルマーチとは、イングランド中部に設定される架空の地方都市の名前である。本作は19世紀前半、産業革命の影響により、社会に大きな変動が起こっていた時代――資本主義経済や民主体制への移行、その結果として生み出された新たな階級社会、揺れ動く人心の独特な雰囲気――のなかで、二人の主人公を軸に、多層化する人々の生活・心理を幅広く描いた作品である。それぞれの宗教・信条・階級・経済力・年齢・性格などから、当時の社会と人間精神を深くえぐり出している。
知的で美しい人妻・ドロシアと、高潔な理想を掲げる