廣野由美子のレビュー一覧

  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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    ネタバレ

    三宅香帆さんが自分が批評の面白さを知った一冊と紹介しており、興味を持って読み始めた。

    『フランケンシュタイン』を題材にして、批評の手法について具体例を用いて説明してくれる。驚いたのは、フランケンシュタインだけでこれだけ書くことがあり、読み解く事ができるということ。これから読む際、より面白く読むための技法も知ることができたし、小説とはなにかという大きな問題の一端を知ることができた気がする。

    フランケンシュタインは読んだことがなかったが、面白く読めた。ちゃんと読んでからもう1回帰ってこようかな。

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    2025年11月29日
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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    スケザネ読書本から。ひとつの物語を、これだけ多種多様な視点から眺められる事実にビックリ。つまり、読んだ気になるってことは、ここに書かれた一通りを経た上でにしないとってことだな。ハードル高っ。

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    2025年09月14日
  • ミステリーの人間学 英国古典探偵小説を読む

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    廣野先生の文学批評だから、もっとテクニカルなものと思っていたけど、作品に描かれた「人間」を深掘りする。近代英文学史をミステリーに特化して概観してるので、元々造詣が深い人には納得しながら読めるかも。ドイルとクリスティーだけしか読んでない人にはちょっと厳しそう(自分がそうだった)。
    英ミステリーの古典(文学史的には近代なのに、ミステリー史としては古典なのは不思議)を幅広く読みたいと思ってる人には、最適な読書案内かも。

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    2025年04月13日
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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    「シラバス読んだらめちゃくちゃ面白そうだったのにいざ取ってみるとそうでもない授業」みたいな感じだった。例えになってないけど。

    メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして、合計21もの批評理論の立場とその実践例を紹介する本。批評理論を抽象的に羅列されたところで何が何だか分からなかっただろうから、その点では理解の助けになった。
    ただほとんどの批評理論が、小説をより深く理解するためのツールではないように思えた。むしろ自分のイデオロギーの正しさを証明するために小説をダシに使っているようで、率直に言えばこんなことをして何になるのか分からない。

    今までに提示されていない読み方を提示すること

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    2024年11月04日
  • 説得

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    miumiuのsummer readsでもらったものの、さすがに英語では読めなかったので翻訳本にトライ。
    予測してたより分厚く、読み始める前から怯む…
    そしてカタカナの名前が覚えづらい…家族嫌なやつ…読んでも読んでも進まない…などと思っていたが、屋敷を出たくらいから面白くなって順調に読み進めることができた。読みやすい翻訳で注釈も助かる。純粋に恋愛小説として楽しめたと思う。

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    2024年07月17日
  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』

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    〈脱 シンデレラストーリー〉の様々な物語の概要をざっと拾うことができて、色々興味持てたのが楽しかった!

    そもそも物語を読む時に、これはシンデレラストーリーか?とかそういう視点で考えることなかったから、新しい視点が1つ手に入ったなと思います!

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    2024年07月04日
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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    小説「フランケンシュタイン」を題材に小説の読み方について体系的に学ぶことができます。小説のみならず、様々な作品、コンテンツを批評したり分析するのに本書の知識は役に立つと思いますよ。映画とか小説とか読んで考察するの好きな人は読むことをおすすめします!また創作する側の人にとっても学ぶものは大いにあると思います!鑑賞に耐えうる作品を作るには最低限本書に書かれていることくらいは知っておく必要があると思いますね。

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    2024年06月30日
  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』

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    シンデレラからジェーン・エア
    女の幸せってまだまだこれから変わっていくのかも

    ジェーン・エアを読んだのは中学生の時。
    本を握る手のひらがゾワゾワするほど物語に引き込まれたのは初めての経験だった
    今も大好きな小説

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    2024年01月14日
  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』

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    『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はいつ、どのように生まれ、展開していったのか。英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と、そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き、現代における物語の意味を問う。
    半分くらいは未読だったんですが、気になりすぎて読みたくなっちゃった。子供の頃、こんな難しいことは考えずに読んでいたけれど、確かに女性が立ち上がって羽ばたく小説って海外ものが圧倒的に多かった気がする。海外小説にどっぷり漬かっていて、私があまりディズニーにはまらなかったのは、もしかしたら王子様を待つタイプ

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    2023年11月12日
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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    本書がどういう本なのかということについては、筆者が書いた紹介があるので、それを引用しておきたい。
    【引用】
    批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説「フランケンシュタイン」に議論を絞った。
    【引用終わり】

    私は小説をよく読む。本書は、その小説をよりよく、より深く味わうために有用ではないか

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    2023年03月05日
  • ミドルマーチ1

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    サイラス・マーナーの感触が良かったので、安心して手に取ってみたのだが。。。
    結構読みにくい。情報量が多いわけではないんだが、感情移入できないというか。この人の作品は姫野カオルコさんの作品にも通づる、ジェンダー縛りな世の中の生きづらさと戦うことへのアホらしさと大事さを通して「死ぬまでにどんだけ自分に対して頑張れたのかよお前」っていうのがテーマで。頭からっぽな人間に限って表面しか見えないグレーズドドーナツみたいな考えを人に押し付けるが、しかし本質を知っている人間が幸せかと言ったらそーでもないんだよな。

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    2022年06月06日
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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    「批評の教室」で紹介されていた本。「批評の教室」よりも本格的で、教科書的。よりステップアップする人は必読だ。

    小説技巧篇と批評理論篇の二つで構成されている。どちらも、19世紀の英国の小説「フランケンシュタイン」を読解することを通して紹介していく。

    前半では、ストーリーとプロット、語り手、結末など、作り手が仕掛ける技巧がクリアに分かる。後半は、脱構築、精神分析、フェミニズムなど、あらゆる「読み」の可能性が実感できる。

    非常に巧みな、そして親切な入門書だ。もっと早く出合いたかった。

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    2022年02月02日
  • 小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義

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     前著『批評理論入門』は主に批評家視点での読み方であったが、本書では批判的な読み方ではあるが一般の読者寄りの視点での読み方の解説になっている。今回は『ミドルマーチ』が題材。具体的な例を挙げながら解説するのは前著と変わらないが、より社会や経済など広い概念からの批評技法となっている。ただ、やはり批評のための読み方であり、素直に小説を読むことを許してはくれない。
     前著、本書を通して批評的な読み方をみてきたが、どうも言い訳感が拭えない。世の中にはちゃんとした批評家もいるのかも知れないが、自分が書きたくても書けなかった小説を書いているのが悔しくて、批評家という立場を使っていちゃもんをつけて溜飲を下げて

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    2021年08月28日
  • 批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義

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     『フランケンシュタイン』を題材に小説技法と批評の技法を解説。小説技法も批評家視点の技法であって、いやゆる「書き方」ではない。それぞれの技法は具体的な例を挙げながらかなり細かいところにまで踏み込んでいて、批評家の批評技法のネタ晴らしにもなっている。同時に批評のための批評、あるいは小説を批評者の主張を補強するための道具にするための方法でもあり、批評家の発言の胡散臭さの正体が何なのかが理解できたように思う。

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    2021年08月28日
  • ミドルマーチ1

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     主要人物が登場し、いかなる性格で、どのようなことを考えているのか、どんな社会的地位にあるのか、家族関係や財産の多寡はどうなのかといったことが少しずつ明らかになってくる。
     うら若き女性が、かなり年上の学問に打ち込む牧師と短期間で結婚に至るというまとまりが一つ。医学の道に進み、成功を目指して新しい地にやってきた医師を巡るまとまりがもう一つ。
     登場人物の性格が会話のやり取りなどからクッキリと浮き彫りになってくるし、夫婦間、親子間、友人間などにおける認識や気持ちのズレなども実に細かく描かれている。
     19世紀小説に良く見られる、随所に挟み込まれる"全知の語り手"による考察も、

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    2021年05月08日
  • ミドルマーチ1

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    映画を見るような小説である。会話も多く、登場人物も多い。単なる恋愛小説ではない。登場人物の金持ちの老人が死亡するところで終る。最初のページの主な登場人物の欄で大体のあらすじは、わかる。

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    2020年10月06日
  • スタディサプリ三賢人の学問探究ノート(1)人間を究める

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    内容はおもしろかったし、高校生が興味を持つにはとっつきやすい気がするけれど、いかんせん分量が少なく物足りない感じがあったので星3つ。

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    2020年06月03日
  • ミステリーの人間学 英国古典探偵小説を読む

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    英国を代表する推理作家の作品に焦点を当て、
    初期のミステリーの成り立ちがわかる。
    ただ、ちょっと言い回しが難解。
    あ、ねたバレ注意!

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    2017年10月31日
  • ミステリーの人間学 英国古典探偵小説を読む

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    チャールズ・ディケンズ、ウィルキー・コリンズ、コナン・ドイル、G・K・チェスタトン、アガサ・クリスティを中心に取り上げ、イギリスのミステリの古典における人間に対するまなざしのありようを論じた本です。

    「探偵小説とは人間を描くものであり、とりわけ人間性の暗部を描き出すうえで、特殊な方法論を有するジャンルである」と著者は規定し、こうした側面から、それぞれの作家が作品中でどのようなミステリの手法を用いて、人間についての探究をおこなっているのかを明らかにしています。

    ミステリというジャンルが形成されるプロセスとミステリの特徴について一般的に規定した上で、個々の作品に立ち入って議論をおこなっています

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    2016年03月11日
  • ミステリーの人間学 英国古典探偵小説を読む

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    ネタバレ

    フランケンシュタインのほうを面白く読んだのでこちらにも手を伸ばしましたが、こちらはそれほどでもなく。
    結論が人間性への興味ということに尽きている感じで、おそらく多くのミステリー好きにとっては分析と感じられない。あらすじ満載なので、個人的には今から読むのはつらいかも?な古いミステリーを少し詳しく知っておくには便利、という位置づけ。

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    2014年07月31日