大久保喬樹のレビュー一覧

  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    茶室や純和室の好きな感じが哲学化、言語化された感動を覚えた。平易な文に解説もついて読みやすい。、おまけに、東洋の理想、まで抜粋されていて、大東亜共栄圏に流用されて悲惨な結果になったことまで鑑みるに、偉大な思想が偉大な結果を産まない歴史に思いを馳せる。ソフィア文庫、よいなー。

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    ・老荘思想、自然との一体化、簡素化、不完全さ

    ・若い時は自分好みのものを褒めたが、目が肥えてくると、名人が苦労して描いたものを理解して好むようになる

    ・近松門左衛門

    ・同時代の芸術こそ、真に私たちの芸術であり、私たち自身の反映

    ・心が心に働きかける

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    2025年11月29日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    日本文化にこそ暇を活かす知恵があるのではないかという好奇心で、有名な本書を手に取ることに。岡倉天心の美的表現の数々に圧倒される。これはおそらく新訳をされた大久保さんもすごい。「茶道の本質は不完全ということの崇拝。不可能を宿命とする人生のただ中にあってそれでもなにかしら可能なものを成し遂げようとする心優しい試みが茶道」「利休が求めたのは単なる清潔ではなく美しく自然らしいということ」引用したくなる一節のオンパレード。いやはや奥深き茶道の世界!

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    2025年11月24日
  • 現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    とてもわかりやすい

    まだ途中までしか読んでませんが、文章を彩る日本語の多様さに驚かされています。当時の日本の実情をよく理解できるのみならず、言葉遣いや創作などでも本作は非常に役に立つでしょう。

    #深い

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    2024年02月06日
  • 新訳 武士道 ビギナーズ 日本の思想

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    武士道の定義。武者がその任務において、または日々の暮らしにおいても従うべき規範。
    無形のものであるから一層強く武士の行動を拘束し、心に刻み込まれた。
    戦いにフェアプレイ。やトム・ブラウンの決して小さな子をいじめもしなければ、大きな子に背を向けて逃げ出すこともしなかった。
    武士道が過去の日本の一階級の文化でありながら、現代人にも理解、共感できるような精神的内容のものであること。また西洋社会においても騎士道という共通する性格の文化があったこと。つまり武士道の本質は決して歴史的、民族的に限定された特殊なものではなく、どんな時代、どんな民族にも通用するような普遍的なものであると言う新渡戸の基本的な考え

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    2022年07月10日
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    「和の心」というテーマで展示を作成するにあたり、その核となる書籍として選んでみました。
    「粋だねえ」などと言われ、ある種の誉め言葉として使われる「いき」という概念は、はたしてどのようなモノであるのか、読み終えて、ひとつの定義を知ることができたように思います。
    原著を現代語で読みやすく書き改めてあるので、本論もストレスなく読むことができましたし、著者の主張もわかりやすかったです。

    実体験として、また実生活の中で自分が「いき」に生きることはなかなかハードルが高いのですが、だからこそ(そして「いき」がどのようなものであるかわかったからこそ)「いき」である人やその仕草にあこがれ、尊いものだと認識でき

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    2018年12月11日
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    いき という抽象的で個人的な感覚をここまで概念化させることができる九鬼の手腕に脱帽。感覚的なものを言語化してくれると理解が深まったような気になる。そして、そのことについてもっと知りたくなる。

    いきを本当に理解するためには、人がどう感じているかという、いきな行動の奥に潜む意識を感じようとしなければならない…という旨のくだりはとても心に残った。

    相手の全てを知ることは出来ないと心得た上で、相手を慮る姿勢に、優しさを感じる。


    本書最後の「九鬼の生涯と思想」も内容理解の助けとなった。良書。

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    2018年07月25日
  • 現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記

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    「縮訳」ということで1冊にコンパクトにまとまっている。
    何しろ岩波文庫でも5冊で1セットだから、
    全巻読むには大変な時間を要するが、
    素人がエッセンスを知るにはこの1冊でも充分。
    詳しい感想は後日書きます。

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    2018年04月15日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    ・茶を飲むという日常の行為を、芸術の域にまで高めた茶道。
     ほとんど何も置かれていないままの茶室。室町時代末期~安土桃山時代、千利休によって完成されました。

     明治の思想家、岡倉天心は、茶室と人との関わり、宗教、そして茶室の一輪の花にも注目しています。


     「花を摘むのも手当たり次第ではなくて、心に思い描く芸術的造形にしたがって、注意深く一枝一茎(いっしいっけい)を選ぶものであり、
     もし、必要以上に切ってしまうようなことがあれば、恥じ入るほかはない。
     西洋では、花の展示が、富の見せびらかしの一部であり、つかの間の遊びであるように思われる。

     これら多くの花は、騒ぎが終わった後、どこに

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    2015年02月05日
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    「いき」は日本の独自文化で、男女のつかず離れずの媚態における「逢瀬の美学」である

    人生の50冊 エンジョイライフ ベスト3位

    九鬼周造は2013年における大発見でした。
    なにしろ日本の遊里における男女の媚態を分析して、
    これをフランスで哲学書として成立させるのが、九鬼魔術(マジック)。
    白眉は、欧米の類似の恋愛観と比較しながらも、吉原における男女の機微に日本独特の文化的背景を展開するロジックにある。


    「いき」は武士道の理想主義である「意気地」と
    仏教の脱俗世である「諦観」と密接な内的関係がある。
    さらに、関連諸概念として、上品と下品、派手と地味、意気と野暮、渋味と甘味を挙げ、それらで

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    2014年01月01日
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    クキさんの書いたイキに関するウィキ。とか、つまんない事言いません。

    江戸文化のなかで生まれた「粋」を構造的に分解していく本書。 武士道精神に則る「意気地」が体験を生み、仏教観がもたらす「諦観」が執着を断つ。その狭間にあって、波を乗りこなすサマこそ「粋」という感覚の根幹、というのは大変腹に落ちました。

    本来であれば、粋を言葉で語るという行為そのものが野暮ってなもんですが、あえて才人が挑戦した本書は、日本人が持つ特有の精神世界への扉を打ち立てたのではないかと思います。

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    2013年11月14日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    古都 金沢の、旅の道中で読み進めた事もあり、
    とても味わい深く受け止められた。

    日本を追われながらも、誰よりも強く、
    日本文化の素晴らしさとイデオロギーを
    欧米諸国に対して突きつける天心の
    短くも含蓄ある言葉の数々。

    “謙譲の心で芸術を鑑賞する。”
    鑑賞者の心得を説いた、「芸術鑑賞」の章が印象深い。

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    2013年07月01日
  • 日本文化論の系譜 『武士道』から『「甘え」の構造』まで

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    表題がよくないかもしれない。
    日本文化論の系譜ではなく、一部だ。
    日本文化を他の文化と比較することが、いつから始まったかを述べていないので、系譜は語れない。
    作品の羅列だが、自分にとっては、一連の作品を見直す機会になったのでありがたかった。
    特に、2-3の作品は未読だったので、この際、読ませていただいた。
    作品名:
    日本風景論
    武士道
    茶の本
    遠野物語、山の人生
    古代研究
    雑器の美、美の法門
    風土
    「いき」の構造
    陰翳礼賛
    美しい日本の私
    日本文化私観、堕落論
    縄文土器ー民族の生命力
    日本の思想
    「甘え」の構造

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    2012年03月22日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    偶然につけたNHKのEテレで梅原猛さんのインタビュー放送をやっていた。震災にまつわる話が中心だったが、話の中で度々出ていた言葉が「草木国土悉皆成仏」(涅槃経の言葉から最澄が云い始めた言葉と伝えられるが、真偽のほどは不明)。草木や国土のように心をもたないものでもことごとく仏性があり、仏となりうるのだという意味。この言葉は仏教からの言葉ではあるものの、梅原さん曰く、要するに草木や風物も命があり、自然のなかで生きることにおいて人間と等しく、人間は自然の上に立つものではなく、人間は自然と共生すべきことに帰結するのだと。そこには仏教の思想を越えた自然観、宇宙観があるのだとも。
      このような話を聞いてい

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    2012年03月13日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    先日伊勢神宮に行ってから、日本的な美意識に興味が沸々と。岡倉天心の茶の本が新訳で出ていて、なかなか評判がよろしいらしい。

    茶道の本質は不完全ということの崇拝ーー物事には完全などということはないということを畏敬の念を持って受け入れ、処することにある。不可能を宿命とする人生のただ中にあって、それでも何かしら可能なものを成し遂げようとするこころ優しい試みが茶道なのである。

    この一文に、西洋と東洋の美意識の違いがエッセンスとして凝縮されている。これは美意識のみならず、一神教を軸とする西洋の精神文化の持つ論理、構造性、に対応する東洋からの回答ともいえる。不完全性を受け入れた諦めの先にこそ、軽やかで自

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    2009年10月04日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    こんなに芸術を愛し、日本を愛する国際人がいたとは…!
    戦後において西洋追随ではなく東洋の素晴らしさを忘れず、
    時代に流されなかった天心は立派!
    ただし他文明を差別化した表現が少々気になった。

    芸術の在り方が、あまり納得いかない。
    「芸術とは自分の内から湧き出るものを表現すること」
    って私は思うけど、 彼に言わせると私は
    「近代西洋の自己中心的な考えに染まりきっている」 らしい。

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    2009年10月07日
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想

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    媚態(男女の駆け引き)
    束縛、固定を許さない不安定な関係ながら、だからこそ自由と可能性がある
    媚態を支えるものとして、
    意気地(武士道)
    禁欲性と自負
    諦め(仏教)
    未練、執着から離れる仏教的諦観

    垢抜けて張りのある色っぽさ

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    2025年05月11日
  • ナナメ読み日本文化論 名著25冊で読み解く日本人のアイデンティティ

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    日本文化論や日本人論の名著の要約を紹介した本

    【こんな人におすすめ】
    日本人論に興味がある
    日本文化論に興味がある
     上記に当てはまるけど、長い本を読むのは嫌だ

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    2023年06月09日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    もうかれこれ20年以上前から読みたかったのだがようやくご縁により読むことができた

    元々は「茶の心」は岡倉天心が西洋人に「茶」の精神を理解させるために英文で書いたものだ
    (天心は幼いころから家業の関係で英語に携わることが多く、また語学センスが素晴らしかったようだ)
    そして勘違いしていたが、決してお茶の指南書、概説書ではなく、日本の精神や文化を広めるための書といえよう

    そして天心は詩人であった!
    ユーモアもあり、皮肉も批判もするが、良いものは良いとし、平和と精神文化を追求する
    非常に読ませる文章のセンスに驚いた
    シンプルな言葉で読みやすいものの、真意をくみ取り自分の中で咀嚼するには難解な

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    2023年05月21日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    岡倉天心原文the book oftea 1906年M39米国発表。
    日本の茶道を欧米に紹介する目的だったが日清戦争
    に続き最強ロシアとの戦争1904-1905にも勝利したことにより本書にも注目が集まる。死の術武士道だけではない生の術茶の道を通じての日本の美意識、東洋的と西洋的思考の違いを。解説で恋多き天心さんを知ることも出来ました。

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    2021年07月21日
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

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    岡倉天心(1863(文久2年)~1913年(大正2年)/本名は覚三)は、福井藩士の次男として横浜に生まれ、東大文学部を卒業後、文部省に入り、美術行政を担当する。1886~87年、東京美術学校設立のためにアーネスト・フェノロサと共に欧米を視察し、1890年に東京美術学校(現・東京藝大美術学部)の初代校長に就任。1898年に東京美術学校を排斥され辞職してからは、インド訪遊を経て、1904年以降ボストン美術館の仕事で頻繁に米国に滞在したが、晩年には茨城県五浦に隠遁し、1913年に日本にて永眠。
    子どものときから学んだ英語と、優れた国際感覚をもって、日本・東洋の文化を内外に訴え、本書収録の『茶の本』は

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    2021年01月15日