大久保喬樹のレビュー一覧

  • 現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記

    とてもわかりやすい

    まだ途中までしか読んでませんが、文章を彩る日本語の多様さに驚かされています。当時の日本の実情をよく理解できるのみならず、言葉遣いや創作などでも本作は非常に役に立つでしょう。
  • 新訳 武士道 ビギナーズ 日本の思想
    武士道の定義。武者がその任務において、または日々の暮らしにおいても従うべき規範。
    無形のものであるから一層強く武士の行動を拘束し、心に刻み込まれた。
    戦いにフェアプレイ。やトム・ブラウンの決して小さな子をいじめもしなければ、大きな子に背を向けて逃げ出すこともしなかった。
    武士道が過去の日本の一階級の...続きを読む
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想
    「和の心」というテーマで展示を作成するにあたり、その核となる書籍として選んでみました。
    「粋だねえ」などと言われ、ある種の誉め言葉として使われる「いき」という概念は、はたしてどのようなモノであるのか、読み終えて、ひとつの定義を知ることができたように思います。
    原著を現代語で読みやすく書き改めてあるの...続きを読む
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想
    いき という抽象的で個人的な感覚をここまで概念化させることができる九鬼の手腕に脱帽。感覚的なものを言語化してくれると理解が深まったような気になる。そして、そのことについてもっと知りたくなる。

    いきを本当に理解するためには、人がどう感じているかという、いきな行動の奥に潜む意識を感じようとしなけれ...続きを読む
  • 現代語縮訳 特命全権大使 米欧回覧実記
    「縮訳」ということで1冊にコンパクトにまとまっている。
    何しろ岩波文庫でも5冊で1セットだから、
    全巻読むには大変な時間を要するが、
    素人がエッセンスを知るにはこの1冊でも充分。
    詳しい感想は後日書きます。
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    ・茶を飲むという日常の行為を、芸術の域にまで高めた茶道。
     ほとんど何も置かれていないままの茶室。室町時代末期~安土桃山時代、千利休によって完成されました。

     明治の思想家、岡倉天心は、茶室と人との関わり、宗教、そして茶室の一輪の花にも注目しています。


     「花を摘むのも手当たり次第ではなくて、...続きを読む
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想
    「いき」は日本の独自文化で、男女のつかず離れずの媚態における「逢瀬の美学」である

    人生の50冊 エンジョイライフ ベスト3位

    九鬼周造は2013年における大発見でした。
    なにしろ日本の遊里における男女の媚態を分析して、
    これをフランスで哲学書として成立させるのが、九鬼魔術(マジック)。
    白眉は...続きを読む
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想
    クキさんの書いたイキに関するウィキ。とか、つまんない事言いません。

    江戸文化のなかで生まれた「粋」を構造的に分解していく本書。 武士道精神に則る「意気地」が体験を生み、仏教観がもたらす「諦観」が執着を断つ。その狭間にあって、波を乗りこなすサマこそ「粋」という感覚の根幹、というのは大変腹に落ちました...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    古都 金沢の、旅の道中で読み進めた事もあり、
    とても味わい深く受け止められた。

    日本を追われながらも、誰よりも強く、
    日本文化の素晴らしさとイデオロギーを
    欧米諸国に対して突きつける天心の
    短くも含蓄ある言葉の数々。

    “謙譲の心で芸術を鑑賞する。”
    鑑賞者の心得を説いた、「芸術鑑賞」の章が印...続きを読む
  • 日本文化論の系譜 『武士道』から『「甘え」の構造』まで
    表題がよくないかもしれない。
    日本文化論の系譜ではなく、一部だ。
    日本文化を他の文化と比較することが、いつから始まったかを述べていないので、系譜は語れない。
    作品の羅列だが、自分にとっては、一連の作品を見直す機会になったのでありがたかった。
    特に、2-3の作品は未読だったので、この際、読ませていただ...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    偶然につけたNHKのEテレで梅原猛さんのインタビュー放送をやっていた。震災にまつわる話が中心だったが、話の中で度々出ていた言葉が「草木国土悉皆成仏」(涅槃経の言葉から最澄が云い始めた言葉と伝えられるが、真偽のほどは不明)。草木や国土のように心をもたないものでもことごとく仏性があり、仏となりうるのだと...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    先日伊勢神宮に行ってから、日本的な美意識に興味が沸々と。岡倉天心の茶の本が新訳で出ていて、なかなか評判がよろしいらしい。

    茶道の本質は不完全ということの崇拝ーー物事には完全などということはないということを畏敬の念を持って受け入れ、処することにある。不可能を宿命とする人生のただ中にあって、それでも何...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    こんなに芸術を愛し、日本を愛する国際人がいたとは…!
    戦後において西洋追随ではなく東洋の素晴らしさを忘れず、
    時代に流されなかった天心は立派!
    ただし他文明を差別化した表現が少々気になった。

    芸術の在り方が、あまり納得いかない。
    「芸術とは自分の内から湧き出るものを表現すること」
    って私...続きを読む
  • ナナメ読み日本文化論 名著25冊で読み解く日本人のアイデンティティ
    日本文化論や日本人論の名著の要約を紹介した本

    【こんな人におすすめ】
    日本人論に興味がある
    日本文化論に興味がある
     上記に当てはまるけど、長い本を読むのは嫌だ
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想

    もうかれこれ20年以上前から読みたかったのだがようやくご縁により読むことができた

    元々は「茶の心」は岡倉天心が西洋人に「茶」の精神を理解させるために英文で書いたものだ
    (天心は幼いころから家業の関係で英語に携わることが多く、また語学センスが素晴らしかったようだ)
    そして勘違いしていたが、決して...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    岡倉天心原文the book oftea 1906年M39米国発表。
    日本の茶道を欧米に紹介する目的だったが日清戦争
    に続き最強ロシアとの戦争1904-1905にも勝利したことにより本書にも注目が集まる。死の術武士道だけではない生の術茶の道を通じての日本の美意識、東洋的と西洋的思考の違いを。解説で恋...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    岡倉天心(1863(文久2年)~1913年(大正2年)/本名は覚三)は、福井藩士の次男として横浜に生まれ、東大文学部を卒業後、文部省に入り、美術行政を担当する。1886~87年、東京美術学校設立のためにアーネスト・フェノロサと共に欧米を視察し、1890年に東京美術学校(現・東京藝大美術学部)の初代校...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    日本がインド、中国の文化を昇華し、そのようなことができたのはそもそも東洋の理念ということが共通だからであるという天心の信念には唸らざるを得なかった。そして、陶器や書画など様々な芸術に茶人の息吹が潜んでいるということから、文化の形成にいかに茶人の業が影響を及ぼしたのか、ということに気づかされた。
  • 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想
    この本では、日本人が持つ美意識「いき」について解説されています。「いき」とは恋愛でギリギリまで相手に接近しながらも相手とはひとつにならないものであり、恋を成就させずに一歩引く。そこには、他人に縛られない武士道の理想主義と、相手との関係を諦める仏教の現世否定が背景にある。

    日本の文化というと室町時代...続きを読む
  • 新訳 茶の本 ビギナーズ 日本の思想
    この本では、茶道を通して日本人の持つ価値観が説明されています。
    茶道では自然との融和や現在の瞬間をとらえる感性を大切にする。それは姿を変えた道教であり禅である。日本ではそれが芸術や宗教だけでなく、身近な暮らしの要素にもなっていることが面白い。