山野井泰史のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 アルピニズムと死 ぼくが登り続けてこられた理由

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    山野井泰史『アルピニズムと死 ぼくが登り続けてこられた理由』ヤマケイ文庫。

    2014年11月刊行のヤマケイ新書『アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由』に、2023年インド・ヒマラヤのザンスカール無名峰への挑戦記と、南伊豆の未踏の岩壁初登の登攀記録を追記して、文庫化。

    山野井泰史自身による『垂直の記憶』は、圧倒的な高度感とリアリティを伝える素晴らしい登山記であった。また、NHKスペシャルで放送され、書籍にもなったNHK取材班の『白夜の大岩壁に挑む クライマー山野井夫妻』、沢木耕太郎の『凍』も、その活躍や過酷な登山と山からの生還の描写を伝える傑作であった。

    本書は、登山家、アルピニス

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    2025年07月20日
  • ヤマケイ新書アルピニズムと死

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    アルピニズムは失われつつあるのだろうか。
    「どこまでやれるのか」は必要ではないのだろうか。
    _____
    との著者の問い。山以外の部分も含めて著者のような生き方はできないけれど、自分はどこまでやれるのか。なんだか考えさせられますね。

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    2024年06月03日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    沢木耕太郎さんの『凍』を読んで山野井泰史さんのことをもっと知りたくなったので、彼自身の本を読んでみた。
    専門用語が多すぎてその都度Google先生で調べながら読んだけど、「すごい」という言葉以外出てこない。
    超人というより狂人。
    ご本人も何かのインタビューで『僕って山のことを思うともう発狂しちゃうんだよね』みたいなことおっしゃってたけど、ほんと狂ってる。
    山以外のことには無頓着で物欲もない。
    奥さんの妙子さんは山と台所の人。
    とにかく2人が人間として魅力的でした。
    リアリティがある分、『凍』よりも心に深く響いた。

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    2024年05月28日
  • ヤマケイ新書アルピニズムと死

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    尊敬するアルピニスト、山野井泰史さんが語る、それまで死なずに山から生きて帰ってこられた理由。
    出会った仲間の死亡率の高さに驚く。
    彼ほど自分の力を冷静に見極め、山に向かう人はそういないのではないかと思った。
    生きること、生きていることを、よりくっきりと自覚させてくれる本だった。

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    2022年12月31日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    最後のギャチュン・カンは、まるで新田次郎さんの山岳小説を読んでいるような臨場感でした。これが自伝なのが凄いです。「不死身だったら登らない。どうがんばっても自然には勝てないから登るのだ」人間は弱いが故に、山に登るのかもしれませんね。あまり知らなかった山野井さんを垣間見られた一冊でした。

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    2022年08月20日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    あたかも自分が世界の壁を挑戦して生きているような気分にさせられる。
    人生全てを山にかけて生きる。結婚も生活すらも全て。山で過ごしたい、登っていないと生きていけないという価値観も自分ももちあわせている想いそのものだった。
    ギャチュンカン北壁の生還記録。ただ運が良かった訳ではなく、凍傷になろうとも技術を駆使し、残った体力を絞り出しての生還。彼らだから生還したと思った

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    2021年08月22日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    壮絶のひとこと。日本を代表する偉大なクライマーであり、数少ない真の冒険者。こんな人間が時代に一人くらいはいないと世の中つまらない。

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    2020年09月09日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

    購入済み

    極限のクライマー

    ギャチュンカンの出来事は知っていたけど、改めて読むと壮絶すぎて、他のアルピニストが皆ただのハイキングに見えてくる。

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    2020年03月30日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    書くことはあまり好きではない作業とのことですが、このような記録を残していただきありがとうございます。
    挑戦を続ける方の、このような文章を読めることに感謝です。

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    2018年05月03日
  • ヤマケイ新書アルピニズムと死

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    ネタバレ

    「天国に一番近い男」山野井泰史氏の自伝。
    後輩でもあり友人でもある野田賢氏の死をきっかけに、今までの経験をプロアマ関係なく後世に伝えることを目的に書かれた本。

    自分の体験を当時のインタビュー記事や自分の記憶で振り返りながら語っていく。

    その中で印象に残ったところを2つ。

    1、2002年に凍傷でかなりのダメージを受けて指の力が入らなくなり、懸垂ができなくなる。
    そんな状況で山野井氏は「一瞬で子供のような弱い体になってしまったので、一般の人が嘆く体の衰えを感じることがなく、徐々に進歩していると感じることができる人生を再び歩めているのは、もしかすると幸運なのかもしれません。」(要約)

    ポジテ

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    2017年05月21日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    やっぱりちょっとスゴすぎる。読みながら風が強まり、気温は下がり、酸素が薄くなる思いだった。最終章「生還」の後半はずっと鳥肌。まったく大げさでなく淡々と書いているのに、あまりにも恐ろしい状況がリアリティを伴って迫り、そこから生きて帰る信じられない精神力に胸を締め付けられる。こんな世界があって、こんな世界を自分と同じ人間が経験しているんだと。そして今もなお挑戦を続ける。奥さまも含めてまさに彼らこそが子どもたちや我々に夢を与えてくれ、尊敬に値する生き方をしている人だと思う。
    高所恐怖症の私は、なだらかな丘からの絶景をのんびり楽しむことにします。

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    2015年05月31日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    山野井泰史氏は、登山好きな人なら多くの人が知る日本というか世界を代表するクライマー。テレビの情熱大陸で紹介されたことがあり、動画検索してまずはどんな人かを知ってもいいかもしれない。妻の妙子氏も世界的なクライマーであり、夫婦2人で難所にアタックしている。

    夫婦共に、手足の指の多く(妙子氏はほとんど全部)を凍傷で切断しているのだが、特にその原因になったのが、2002年ギャチュン・カン北壁へのアタック。その様子は、沢木耕太郎「凍」にも描かれていた。「凍」で私が印象に残っているのが、8000mに迫らんとする断崖絶壁でロープをブランコのようにして夫婦2人耐え忍んだ情景。

    本書ではその、凍傷で指を失っ

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    2015年01月12日
  • ヤマケイ新書アルピニズムと死

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    自分が登山家になりたいとも思わないが、登山家だったら、間違いなくもう死んでいる。思いつきで行動し、確認はおろそか、著者とは真逆にいるのではと思う。また、著者の極限に挑戦しているからなのだろうか、年齢を積むことでの考え方の違いも見られる。若い時の登山から、指を失ってからの考え方の変化、それでも挑戦する心は失わず、できることを模索する。自分はそんな極限に挑戦する人生は歩んでおらず、でも挑戦することは忘れてはいけないのだと、年末最後の読書で思う。

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    2014年12月31日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    国内最強のクライマー山野井泰史。ギャチュンカンの単独登頂で両手両足合わせて10本の指を失う。その登山を「最高の登山だった」と言い切る彼は、自身の言うように、「山で死ぬことを許された」男だろう。ちなみに同行した奥さんはこの登山で18本の指を失っている。それでもいまだ山に登り続けている。

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    2013年11月19日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    クライマー山野井康史さんのエッセイ

    沢木耕太郎の「凍」のモデル。

    名誉や名声ではなく、真摯に生きることをたんたんと続けている。パートーの妙子との関係も爽やかに描かれている。

    山に登ることのヒリヒリするような感覚が誠実に書かれていて、感動した。とりわけ第七章 生還は、息詰まるような困難な下山の様子に改めて感動した。

    心に残った言葉

    下降するにつれて緊張感が緩みだし、同時に悲しさが湧いてきた。...,,.,.
    はたして人は大きな夢を現実にした瞬間が最も幸せと言えるだろうか。僕は上に向かって前進しているときが、一番幸せのようなきがしてならない。

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    2013年08月09日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    ネタバレ

    沢木耕太郎氏の凍を呼んでから、本人の作へという流れで読みました。
    本人にしか分からない、登攀中の心境などが良く分かり引き込まれました。
    特に引き込まれるのは、やはりギャチュン・カンについての章だった。
    極限の状態でおきた幻覚?のような現象は、山に命をささげるかのような生き方をしてきた山野井氏にしか起こりえないことのような気がした。

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    2013年04月27日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    山野井夫妻の山への純粋な思いが詰まった一冊。私のような俄かクライマー登山好きには到底計り知れない極限世界での体験が凝縮されているが、著者の訥々とした語り口に「孤独と興奮と絶望と冷静さ」がにじみ出ていて読んでて震えが止まらなかった。最近読んだノンフィクションでは群を抜いている。ありがとう、山野井さん。「出来そこないの君たちに僕が正しい生き方を教えてあげよう」という横柄極まりない自己啓発本ではなく、こういう本が多くの人の手に届きますように。

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    2013年04月09日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    世界的なクライマー、山野井泰史さんの山の記録。沢木耕太郎の『凍』を読み、非常に興味を持った。本人の手による文章は迫力があり、臨場感がある。8000m級の山の怖さ、生命の危機、苦難を味わっても、山の頂を目指す精神力には感服する。

    七つの山の記録であるが、レディース・フィンガーの高度感には恐怖を感じた。『凍』でも取り上げられた最後のギャチュン・カンからの生還の記録は、凄まじい。

    山岳小説、登山の記録、ドキュメントは、昔から好きで読んでいるが、その中でも、この記録は迫力と臨場感が群を抜いている。

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    2012年12月11日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    「ソロ」「凍」のモデルになった山野井さんご本人の山記録です。この人の前世はもしかして山?と思ってしまうくらい、山以外の無駄を削ぎ落として生きてこられてます。「普通」に流されたりしない凄く強い人。
    自分が思っていた贅沢、幸せ、価値観を考えさせられます。山野井さんの存在を知れて本当に良かった。

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    2012年08月26日
  • 垂直の記憶 岩と雪の7章

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    世界的なクライマー山野井さんの登攀歴の一部を紹介している本。
    以下の下りが最も心震えた。
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    いつの日か、僕は山で死ぬかもしれない。死ぬ直前、僕は決して悔やむことはないだろう。一般的には「山は逃げない」と言われるが、チャンスは何度も訪れないし、やはり逃げていくものだと思う。だからこそ、年をとったらできない。仮に僕が山で、どんなに悲惨な死に方をしても、決して悲しんでほしくないし、また非難してもらいたくない。登山家は山で死んではいけないような風潮があるが、山で死んでも良い人間もいる。そのうちの一人が、多分、僕だと思う。これは、僕に許された最高の贅沢かもしれない。ある日、突然、山での死が訪れる

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    2012年07月02日