山野井泰史のレビュー一覧
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山野井泰史『アルピニズムと死 ぼくが登り続けてこられた理由』ヤマケイ文庫。
2014年11月刊行のヤマケイ新書『アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由』に、2023年インド・ヒマラヤのザンスカール無名峰への挑戦記と、南伊豆の未踏の岩壁初登の登攀記録を追記して、文庫化。
山野井泰史自身による『垂直の記憶』は、圧倒的な高度感とリアリティを伝える素晴らしい登山記であった。また、NHKスペシャルで放送され、書籍にもなったNHK取材班の『白夜の大岩壁に挑む クライマー山野井夫妻』、沢木耕太郎の『凍』も、その活躍や過酷な登山と山からの生還の描写を伝える傑作であった。
本書は、登山家、アルピニス -
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ネタバレ「天国に一番近い男」山野井泰史氏の自伝。
後輩でもあり友人でもある野田賢氏の死をきっかけに、今までの経験をプロアマ関係なく後世に伝えることを目的に書かれた本。
自分の体験を当時のインタビュー記事や自分の記憶で振り返りながら語っていく。
その中で印象に残ったところを2つ。
1、2002年に凍傷でかなりのダメージを受けて指の力が入らなくなり、懸垂ができなくなる。
そんな状況で山野井氏は「一瞬で子供のような弱い体になってしまったので、一般の人が嘆く体の衰えを感じることがなく、徐々に進歩していると感じることができる人生を再び歩めているのは、もしかすると幸運なのかもしれません。」(要約)
ポジテ -
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やっぱりちょっとスゴすぎる。読みながら風が強まり、気温は下がり、酸素が薄くなる思いだった。最終章「生還」の後半はずっと鳥肌。まったく大げさでなく淡々と書いているのに、あまりにも恐ろしい状況がリアリティを伴って迫り、そこから生きて帰る信じられない精神力に胸を締め付けられる。こんな世界があって、こんな世界を自分と同じ人間が経験しているんだと。そして今もなお挑戦を続ける。奥さまも含めてまさに彼らこそが子どもたちや我々に夢を与えてくれ、尊敬に値する生き方をしている人だと思う。
高所恐怖症の私は、なだらかな丘からの絶景をのんびり楽しむことにします。 -
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山野井泰史氏は、登山好きな人なら多くの人が知る日本というか世界を代表するクライマー。テレビの情熱大陸で紹介されたことがあり、動画検索してまずはどんな人かを知ってもいいかもしれない。妻の妙子氏も世界的なクライマーであり、夫婦2人で難所にアタックしている。
夫婦共に、手足の指の多く(妙子氏はほとんど全部)を凍傷で切断しているのだが、特にその原因になったのが、2002年ギャチュン・カン北壁へのアタック。その様子は、沢木耕太郎「凍」にも描かれていた。「凍」で私が印象に残っているのが、8000mに迫らんとする断崖絶壁でロープをブランコのようにして夫婦2人耐え忍んだ情景。
本書ではその、凍傷で指を失っ -
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クライマー山野井康史さんのエッセイ
沢木耕太郎の「凍」のモデル。
名誉や名声ではなく、真摯に生きることをたんたんと続けている。パートーの妙子との関係も爽やかに描かれている。
山に登ることのヒリヒリするような感覚が誠実に書かれていて、感動した。とりわけ第七章 生還は、息詰まるような困難な下山の様子に改めて感動した。
心に残った言葉
下降するにつれて緊張感が緩みだし、同時に悲しさが湧いてきた。...,,.,.
はたして人は大きな夢を現実にした瞬間が最も幸せと言えるだろうか。僕は上に向かって前進しているときが、一番幸せのようなきがしてならない。 -
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世界的なクライマー山野井さんの登攀歴の一部を紹介している本。
以下の下りが最も心震えた。
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いつの日か、僕は山で死ぬかもしれない。死ぬ直前、僕は決して悔やむことはないだろう。一般的には「山は逃げない」と言われるが、チャンスは何度も訪れないし、やはり逃げていくものだと思う。だからこそ、年をとったらできない。仮に僕が山で、どんなに悲惨な死に方をしても、決して悲しんでほしくないし、また非難してもらいたくない。登山家は山で死んではいけないような風潮があるが、山で死んでも良い人間もいる。そのうちの一人が、多分、僕だと思う。これは、僕に許された最高の贅沢かもしれない。ある日、突然、山での死が訪れる