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日本を代表するアルパインクライマー、山野井泰史が考える「山での死」とアルパインクライミング。
かつて「天国に一番近いクライマー」と呼ばれた男はなぜ、今も登り続けていられるのか。
「より高く、より困難」なクライミングを志向するアルパインクライマーは、突き詰めていけば限りなく「死の領域」に近づいてゆく。
そんななかで、かつて「天国にいちばん近いクライマー」と呼ばれていた山野井泰史は、山での幾多の危機を乗り越えて生きながらえてきた。
過去30年の登山経験のなかで、山で命を落とした仲間たちの事例と自らの生還体験を1冊にまとめ、山での生と死を分けたものはいったい何だったのか、を語る。
『垂直の記憶』に続く、山野井泰史、待望の書き下ろし第二弾!
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Posted by ブクログ
垂直の記憶に引き続き読みました。垂直の記憶はインパクトのある山行を中心ですが、本書は温度差少なめに半生を平均的に描かれています。そんな中、時折触れている「アルピニズムに対する考え」はわかる気がします。たぶん頻繁に山に登っても(トレッキング)、なんちゃってクライマーでアルピニスト気取りでも、それを体感できないと思います。
トップのアルパインクライマーって、登る目的自体が違いますね。でも「わかる気がする」人達は、潜在的にその要素がありながら、時代の流れに逆らわず、自分に課せられた画一的な業務をこなし、自分に素直になれなかった人なのかもしれません。意地悪な言い方をすれば、山野井さんは自分の生き方に酔っています。山野井さんから学べる事は、素直に生きなさい!でしょうか?それとも「わかる気がする」人達はトップクライマーを目指しなさい!でしょうか?
Posted by ブクログ
チョ・オユー南西壁にソロで挑んだ時の装備は、何と総重量5kgを切っていたという(p56)。ザックもたったの30リットル。一般人には想像も付かないが、昨今の「ウルトラライト」とは別次元の話なのだろう。何せヒマラヤの8,000m峰。
ザックやビバークテントは余分な部分を切り取って軽量化し、クッカーはEPIのカートリッジが入る一個だけ。カトラリーも現地で買った10gのフォーク一本。軽量化のキーとなる食料は、全部で500gほどだったという。
先鋭的な装備も並ぶ中で、マットはただの「銀マット」、水筒はエバニューのポリタンク(たった300cc)というのも面白い。グランテトラ以前の水筒は確かにポリタンだったですね。
ギャチュン・カンに夫婦で挑んだ時も、ザックは一人5kg未満だったとのこと(p138)。極限状態での挑戦の凄さが伝わってくる。
奥多摩でのトレーニング中に親子の熊に襲われたという話(p150)。ヘリで病院に運ばれて顔を70針も縫い、後に鼻の呼吸にも支障を来すという惨事ながら、熊に恨みは持たず、どこかでまたあの熊に会ってみたいという度量。人柄が偲ばれます。
山野井さんの著書は『垂直の記憶』に続いて二冊目だが、本書もとても面白かった。『垂直の記憶』には書かれていない様々な登山記録も興味深く、貴重な一冊。
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