加藤尚武のレビュー一覧

  • 現代倫理学入門

    匿名

    購入済み

    分かりやすい

    とても分かりやすかった。知らないことをどんどん知れて読んでいてとても楽しかった。倫理学は大好きなので繰り返し読みたい。

    #タメになる #深い

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    2024年12月24日
  • 現代倫理学入門

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    児玉先生の功利主義入門のほうに本書から入っちゃったひとはこっちよむんだよって書いてあったから読んでる 読んでると眠

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    2019年06月19日
  • 戦争倫理学

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    [非熱狂の道標]時代とともに変化する性質とともに発展してきた戦争に関する倫理や思想。その流れを踏まえた上で、21世紀の国際社会が戦争について考えるために土台とすべき共通見解は何かを紡いだ一冊です。著者は、生命・環境等の倫理学を専門とし、ヘーゲルに関する研究で和辻哲郎賞も受賞されている加藤尚武。


    戦争をめぐる思想史にも光を当てながら、なんとも重いテーマを前にして縦横無尽に思想を広げていく加藤氏の筆は圧巻。それだけに、執筆に当たっての時間が限られた中で、過去の作品の加筆・修正版を多く取り入れたためか、切り貼り的なつくりになってしまっているのは残念でした。


    本書の中で特に興味深かったのは、東京裁判、特にパール判事の無罪論の真意を探ったところ。とかく感情論を避けながら、いわゆる「日本無罪論」とは何かについて論じている箇所は戦争倫理学そのものに興味がなくとも一読の価値があるかと思います。

    〜世界中の「世論」が、戦争に向かって走り出したときに、踏みとどまって、世界が狂気に陥っており、自分こそが正気であると言えるために、私たちは自分自身の位置を正確に測定できるような、羅針盤を持たなくてはならない。それが「戦争倫理学」である。〜

    なんとも新鮮な角度からの指摘でした☆5つ

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    2015年07月20日
  • 現代倫理学入門

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    内容は「最大多数の最大幸福」を原則とする功利主義に批判的検討を加えつつその代案を探っていくというもの。
    章ごとに「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」などのテーマが設定されており読みやすい。ただ、必ずしもテーマの問いに答えが与えられるわけではない。判断は読者に半分委ねられている。

    「囚人のジレンマ」が示唆するのは民主主義の欠陥である(個々人の欲望に従った選択は本人にも他人にも不利益をもたらす可能性がある)と指摘しているのは興味深い。が、本当にそうだろうか。囚人のジレンマの仮定に登場する囚人たちは互いにコミュニケーションを禁止されている。しかし現実社会の民衆は自由にコミュニケーションをとることができる。まして今はインターネットの時代である。みんなで何か重大な決定をする際には、十分な議論を尽くして合意を形成しておくことはできるはずだ(少なくとも論理的には可能だ)。現代人は社会から独立したアトムではないし、であるべきでもない。

    終わりに近い章では、「正義は時代や場所によって変わるもの」という相対主義のもっともらしい言説の矛盾を説いている。相対主義のレトリックは、過去の事件(戦争など)を評価するときに使いがちなので注意しなければならない。

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    2014年08月19日
  • 現代倫理学入門

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    新書サイズながら常に問いかけられているような感覚で、非常に読みつかれた。しかし、その問いは自分にとって新鮮だったり懐かしかったりするものばかりで、新たな視野が身に付いたと思う。

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    2014年03月15日
  • 20世紀の思想 マルクスからデリダへ

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    一言で表せるほどの世界の本質を知りたくて、タイトル的に入門のつもりで読み始めた。最後までよんだところで、これまでの思想や哲学は目的に対して失敗だったと結論づけられている。初めて読んだ当時は大変がっかりしたが、率直な意見に好感をもつ。

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    2012年10月30日
  • 脳死・クローン・遺伝子治療

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    ネタバレ

    生命倫理学の基礎として、医学者以外の立場で整理したものとして貴重である。
    医療については、医者が専門家なのだから、医者が決めるという傾向が強かった。
    自己決定権の大切さを提起している。患者の権利の章もある。
    本書は、一つの立場であるので、医者、看護婦の医療従事者の視点での情報も合わせて読むとよい。

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    2011年10月03日
  • 脳死・クローン・遺伝子治療

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    「成人で判断能力のある者は、自分の身体と生命の質について、他人に危険を加えないかぎり、自己決定の権利を持つ」というのが、従来のバイオエシックス(生命倫理学)の原則であった。
    しかし、私の遺体についての決定権を持つのは私なのか家族なのか?
    クローン人間の製造はなぜ規制されなければならないのか?
    等々、最新技術が提起する様々な課題は、もはや、従来の自由主義・個人主義では判断ができない。
    本書では、これらの問題の複雑な論点を整理し、バイオエシックスの新たな枠組みを提示する。

    [ 目次 ]
    序章 バイオエシックスとは何か
    第1章 脳死と臓器移植
    第2章 性と生殖の倫理
    第3章 クローン人間の練習問題
    第4章 患者の権利
    第5章 遺伝子治療と人類の未来

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年04月20日
  • 脳死・クローン・遺伝子治療

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    ネタバレ

    生命倫理学におけるひと通りの議論は網羅できた。主張内容そのものに同意できるというのではなく、議論の叩き台として適切だったように思う。

    最終的には自然主義的帰結になり、またそこに至る過程も腑に落ちない流れであったように思う。

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    2011年02月26日
  • 現代倫理学入門

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    倫理学は、人が社会的存在として生きていく上での様々な問題につて、それをどのような規範に基づいて考え、解決していくかを考究する学問である。本書は現代社会にある多くの道徳的な問題やジレンマについて、多くの例を挙げながら解説している。

    本書の基になっているのは放送大学の教材として著されたものである。15章それぞれの内容は現代社会の倫理構造の解明を試みており、さらに最も現代的な問題を扱う生命倫理学、環境倫理学についても考察されている。
    第1章「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」では、倫理主義であるカントの「誠実の義務は絶対的である」とういう主張を紹介し、我々には常に決断、比較、選好の機会があり、「より大いなる善」または「最小の悪」を選んだつもりになるが、誠実、正義、人命などに共通の尺度がない以上、実際は比較不可能なのであると述べる。
    第2章「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」では、生存率最大の原則という単純な功利性の原理だけで生命の問題を扱うと、個人の生存権の絶対性が成り立たなくなることを示す。
    第3章「10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない…」では、「最大多数の最大幸福」こそ、あらゆる立法の原理であるとするベンサムとミルの「功利主義」について述べ、「最大幸福原理」と「平等原理」は調和しないことを示している。
    第6章「判断能力の判断は誰がするか」では、妊娠中絶、臓器移植、安楽死などの現代社会が直面する問題について、「人格の範囲を定める」事の困難さと生命倫理学の葛藤を述べている。著者は、バイオエシックス(生命倫理学)を日本に導入した主要人物である。
    第11章「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか」では、最も現実的な倫理基準であるとされている「自由主義」の原則「①判断能力のある大人なら、②自分の生命、身体、財産に関して、③他人に危害を及ぼさない限り、④たとえその決定が当人に不利益な事でも、⑤自己決定権を持つ」という5つの条件と、その問題点が要約されている。また、人間を個体とみなす「自由主義」に対して、人間をどこかの共同体に帰属するものとみなす「共同体主義」の主張についても述べている。『これからの正義の話をしよう』の著作で人気のサンデルは代表的な共同体主義者の一人である。
    第13章「現代の人間には未来の人間に対する義務があるか」では、地球を守ることは、資源や環境に関して一方的な利害関係はあるが共時的相互関係はない未来の世代に対して現代の世代が負う責務であると断言している。
    それぞれの章で述べられている身近な問題とそれに対する倫理学的考察は、どれも大変興味深いものであり、読み物としても面白い。「倫理学」などと身構えずに読んでみて欲しい。

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    2010年11月12日
  • 戦争倫理学

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    一読して、「引用とそれに対する是非が多く、筆者の独自の意見が見えにくい」と感じたが、遡ってみれば反戦メールや巻末の詩など、筆者の立場を明らかにする要素は多かった。単に印象に残りにくかったというだけであろうか。
    序盤で小林よしのりの著作が引用されているとのことで、筆者の態度、引いては本書全体の信頼性について警戒したが、いざ読んでみると小林よしのりの著述に対して強く批判的な立場を取っており安心できた。
    戦争(/武力行使)容認派、無差別主義、憲法九条反対派……などなどの立場の者からは批判を受けるであろうが、実在する憲章条約、憲法、既存の反戦論や憲法解釈·意見など、人文学的知の集積や現行の法に立脚して「平和」また本書後半では「憲法(9条)」についても考えられており、評価に値する1冊であったと感じる。
    一点だけ批判するならば、筆者は「現行の憲法では自衛権の言及がなくわかりにくいので(自衛権の有無、有るならばその発動条件について)言及するものに変える(改憲す)べき」と述べているが、改憲に当たっては憲法九条を疑問視する者が手をつける可能性が高く、「自衛権に言及する」だけでは済まないであろうと考えられ、交戦権の否定部分が削られる可能性などが高く危険であるため改憲は避けるべきであると思う。
    全体として難しい単語やわかりにくい言い回しなどもなく、わかりやすく読みやすかった。

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    2025年06月04日
  • 脳死・クローン・遺伝子治療

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    脳死やクローンに関する技術的な話よりも倫理的にどうか?法律的にどうか?という観点で考えさせられる本でした。

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    2024年07月30日
  • 現代倫理学入門

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    カント倫理学に対してはかなり否定的ですが、功利主義に対しては終始肯定的に書かれています。逆に功利主義には問題点はないのかしら?という疑問が沸いてきます。もしくは本人は批判するつもりで書いている箇所もあるけど、私には批判に見えないということもあるかもしれません。

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    2020年06月24日
  • 現代倫理学入門

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    マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室』以前の倫理哲学の入門書。
    カント・・・義務論「汝の信条が普遍的法則となることを、その信条を通して汝が同時に意欲できる、という信条に従ってのみ行為せよ」
    ベンサム/ミル・・・功利主義「個人の効用を総て足し合わせたものを最大化することを重視するものであり、総和主義。「最大多数の最大幸福」」
    ____________________

    1 人を助けるために嘘をつくことは許されるか
    2 10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか
    3 10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない時、誰に渡すか
    4 エゴイズムに基づく行為はすべて道徳に反するか
    5 どうすれば幸福の計算ができるか
    6 判断能力の判断は誰がするか
    7 〈……である〉から〈……べきである〉を導き出すことはできないか
    8 正義の原理は純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか
    9 思いやりだけで道徳の原則ができるか
    10 正直者が損をすることはどうしたら防げるか
    11 他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか
    12 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか
    13 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか
    14 正義は時代によって変わるか
    15 科学の発達に限界を定めることができるか

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    2019年11月24日
  • 現代倫理学入門

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    功利主義の立場から、様々な論題を検討し、その中でカントの道徳論などについても論じている。また功利主義自体の中での議論が様々にとりあげられる。功利主義だからなのか、文章的にも内容的にもクールというか淡々としている。

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    2017年11月29日
  • 現代倫理学入門

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    倫理学については不勉強だったので入門書として読んだ。難しい問題を手際よくわかりやすくまとめていると思う。読むきっかけになったのは昨今の人工知能ブーム。その課題、そして可能性を倫理学的な切り口で考えてみたいと思ったから。倫理学でもまだ明確に答えを出せていない問題に対して人工知能がさきに答えを出す時が近づいている。それは無意識かもしれないという怖さを感じる。倫理学はもっと介入すべきだと思う。

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    2017年01月16日
  • 脳死・クローン・遺伝子治療

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    タイトルになっている脳死・クローン・遺伝子治療について、生命倫理学の基本的な考え方を解説している本です。

    具体的な問題から倫理学的な原則がどのように抽出されるのかを手際よく説明しており、「バイオエシックスの練習問題」というサブタイトルが示すように、読者にとって啓発的な内容になっているように思います。

    脳死・クローン・遺伝子治療といったテーマは、いずれも非常に具体的で私たちの実感に訴えかけてくるような問題であるだけに、小松美彦や森岡正博らのラディカルな生命倫理学批判の議論に感心させられてしまうことが多いように思います。本書には、それらの論者のような派手さはないものの、生命倫理学の基本的な考え方がどのような枠組みに基づいているのかということを一つひとつていねいに確かめていくことのできる良書だと思います。

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    2016年05月28日
  • 世紀末の思想 豊かさを求める正当性とは何か

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    政治哲学、生命倫理学、環境倫理学、そして戦争倫理学など、さまざまな分野にわたる著者の文章を収録しています。

    リベラリズムとリバタリアニズムの対立を整理した諸論考や、生命倫理学と環境倫理学の基本的な問題設定を簡潔にまとめた論考などは、著者自身の主張を強く押し出すことは控えられており、問題の局面を読者に理解させることに重点を置いているように感じました。

    また、戦争倫理学を扱った論考では、センチメンタリズムに流れやすい自称「平和主義」や、危機を煽り立てる自称「リアリズム」をともにしりぞけ、戦争と平和に関する倫理学的な考察が可能だということを示しています。

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    2017年11月30日
  • 現代倫理学入門

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    「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」

    良識のある人は、この第2章の命題の議論の土俵に乗るべきではありません。
    サバイバル・ロッタリーという、この章で紹介されているたとえ話に違和感を感じるなら、その人は健全な精神のもち主だといえるでしょう。

    サバイバル・ロッタリーとは、空想実験上の架空の国で、この国では生存率を最大にすることが正義となります。
    すなわち、生存率の増大と死亡率の減少が善であり、死亡率の増大と生存率の減少が悪ということです。
    この国では、最大多数の最大生存を実現するために、くじで選ばれた一人の健康な人間から臓器を摘出し、十人の患者に移植することが認められています。

    この制度に違和感を覚えるのが普通で、そうであるならばこの章の中核が理解できていると考えてよいと思います。
    善悪を測るものさしは、最大多数の最大幸福という一つの原則ではないということです。
    この耳触りがよく魅力的な原則は、善悪の判断基準の重要な一つではありますが、それだけでは不健全な結論を導いてしまうということが、サバイバル・ロッタリーのたとえ話で明確になります。

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    2013年11月04日
  • 現代倫理学入門

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    現代の倫理学についての入門書。以下、理解の及ぶ範囲で要約を試みてみる。

    倫理的決定とは「AよりもBの方がよい」という判断を下すことである。
    現代倫理の主流はJ.S.ミル『自由論』に見られる功利主義的自由主義である。
    自由主義の5つの条件として、
    ①判断能力のある大人なら
    ②自分の生命、身体、財産などあらゆる【自分のもの】に関して
    ③他人に危害を及ぼさない限り
    ④たとえその決定が当人にとって不利益なことでも
    ⑤自己決定の権限を持つ
    が挙げられる。
    ただここから、実際上の様々な問題も提起されることになる。
    ①子ども、呆けた老人、障がい者にどこまで判断能力を認めるか
    ②どこまでが自分のものか。例えば自分の生命を自由に扱っていいのか。
    ③他者に危害を与えなければなにをやってもいいのか。
    ④愚行を行う権利を与えていいのか。
    ⑤個人は負荷なき自己か、負荷を負った自己か。

    一方カントは厳格な倫理を提示する。
    「君の格律が普遍的な立法の原理となるように行為しなさい」という定言命法だ。
    例えばある人が「約束を破る」と心に決めたとする。もし皆が同じように「約束を破る」と心に決めたとしたら(普遍化)、誰も約束をしなくなる。これでは最初に決めた格律と矛盾してしまう。よってこの格律は倫理的に間違いだということになる。

    しかし人間はカントの考えるような理性的な人間であるとは限らない。カント倫理学が最高線の倫理だとするならば(厳密にはさらにストア派の完全主義があるが)、功利主義は最低線の倫理を提示すると著者は述べる。

    「最大多数の最大幸福」を掲げる功利主義は「規制しなければならない最低限の行為に抑止効果を持つ最小限の刑罰」を与えることとする。こうすることで例えば、盗みをしただけで死刑になることはないし、違法駐輪は迷惑行為だが刑罰を貸すほどではない等の判断で人々の幸福度が最大になることを目指す。

    こうした数々の理論は一長一短があり、細かい所で対立している。そういった対立を、「人を助ける為に嘘をつくことは許されるか」「10人の命を救う為に1人を殺すことは許されるか」「現代の人間に未来の人間に対する義務があるか」など具体的な問を想定しつつ、分かりやすく紐解いてくれる。

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    2011年11月29日