【感想・ネタバレ】世紀末の思想 豊かさを求める正当性とは何かのレビュー

あらすじ

21世紀を目前に控えた今、焦眉の課題として考察すべき、「民主主義」、「人間の生死」、「平和」、「真の豊かさ」という4つのテーマを、哲学的視野から探求する。 【目次より】●第1章 反省する民主主義(民主主義ってなんだっけ/「不公平感を生み出すもの」とは何か) ●第2章 新時代の学問「バイオエシックス」とは何か(比較される「命の重さ」と「社会の重さ」/死の冒険を避けられなくなった人類/技術革新は「死」を越えられるか/自己決定による生死の選択/すべてを近代化で解釈する危険/脳移植はどこまで許されるか) ●第3章 戦争と平和(「戦争の正義」とは何か/さらば、平和ニヒリズム) ●第4章 豊かさを求める正当性(繁栄の現在・窮乏の未来/豊かさの出発点/「本当の豊かさ」への道/マルクス主義の死滅と歴史の終焉/革命観の革命/可愛い教養人がいっぱい/何かを切り捨てなければ生きていけない世紀)

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Posted by ブクログ

政治哲学、生命倫理学、環境倫理学、そして戦争倫理学など、さまざまな分野にわたる著者の文章を収録しています。

リベラリズムとリバタリアニズムの対立を整理した諸論考や、生命倫理学と環境倫理学の基本的な問題設定を簡潔にまとめた論考などは、著者自身の主張を強く押し出すことは控えられており、問題の局面を読者に理解させることに重点を置いているように感じました。

また、戦争倫理学を扱った論考では、センチメンタリズムに流れやすい自称「平和主義」や、危機を煽り立てる自称「リアリズム」をともにしりぞけ、戦争と平和に関する倫理学的な考察が可能だということを示しています。

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2017年11月30日

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