【感想・ネタバレ】現代倫理学入門のレビュー

あらすじ

私はこの本で、現代の倫理学で議論される原理的な問題と応用倫理学で取り扱われる内容を、明確に描き出したい。それには日常生活で出会う倫理問題を考えることが、現代倫理学の中心問題を理解する早道だと思う。難しい術語や学説の違いを知るより、現代の倫理学者達の議論の中身に入ってもらいたいという気持ちで書いた。何よりもまず、読み物として面白く通読できるよう心がけた。(「あとがき」より)

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匿名

購入済み

分かりやすい

とても分かりやすかった。知らないことをどんどん知れて読んでいてとても楽しかった。倫理学は大好きなので繰り返し読みたい。

#深い #タメになる

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2024年12月24日

Posted by ブクログ

児玉先生の功利主義入門のほうに本書から入っちゃったひとはこっちよむんだよって書いてあったから読んでる 読んでると眠

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2019年06月19日

Posted by ブクログ

内容は「最大多数の最大幸福」を原則とする功利主義に批判的検討を加えつつその代案を探っていくというもの。
章ごとに「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」などのテーマが設定されており読みやすい。ただ、必ずしもテーマの問いに答えが与えられるわけではない。判断は読者に半分委ねられている。

「囚人のジレンマ」が示唆するのは民主主義の欠陥である(個々人の欲望に従った選択は本人にも他人にも不利益をもたらす可能性がある)と指摘しているのは興味深い。が、本当にそうだろうか。囚人のジレンマの仮定に登場する囚人たちは互いにコミュニケーションを禁止されている。しかし現実社会の民衆は自由にコミュニケーションをとることができる。まして今はインターネットの時代である。みんなで何か重大な決定をする際には、十分な議論を尽くして合意を形成しておくことはできるはずだ(少なくとも論理的には可能だ)。現代人は社会から独立したアトムではないし、であるべきでもない。

終わりに近い章では、「正義は時代や場所によって変わるもの」という相対主義のもっともらしい言説の矛盾を説いている。相対主義のレトリックは、過去の事件(戦争など)を評価するときに使いがちなので注意しなければならない。

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2014年08月19日

Posted by ブクログ

新書サイズながら常に問いかけられているような感覚で、非常に読みつかれた。しかし、その問いは自分にとって新鮮だったり懐かしかったりするものばかりで、新たな視野が身に付いたと思う。

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2014年03月15日

Posted by ブクログ

倫理学は、人が社会的存在として生きていく上での様々な問題につて、それをどのような規範に基づいて考え、解決していくかを考究する学問である。本書は現代社会にある多くの道徳的な問題やジレンマについて、多くの例を挙げながら解説している。

本書の基になっているのは放送大学の教材として著されたものである。15章それぞれの内容は現代社会の倫理構造の解明を試みており、さらに最も現代的な問題を扱う生命倫理学、環境倫理学についても考察されている。
第1章「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」では、倫理主義であるカントの「誠実の義務は絶対的である」とういう主張を紹介し、我々には常に決断、比較、選好の機会があり、「より大いなる善」または「最小の悪」を選んだつもりになるが、誠実、正義、人命などに共通の尺度がない以上、実際は比較不可能なのであると述べる。
第2章「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」では、生存率最大の原則という単純な功利性の原理だけで生命の問題を扱うと、個人の生存権の絶対性が成り立たなくなることを示す。
第3章「10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない…」では、「最大多数の最大幸福」こそ、あらゆる立法の原理であるとするベンサムとミルの「功利主義」について述べ、「最大幸福原理」と「平等原理」は調和しないことを示している。
第6章「判断能力の判断は誰がするか」では、妊娠中絶、臓器移植、安楽死などの現代社会が直面する問題について、「人格の範囲を定める」事の困難さと生命倫理学の葛藤を述べている。著者は、バイオエシックス(生命倫理学)を日本に導入した主要人物である。
第11章「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか」では、最も現実的な倫理基準であるとされている「自由主義」の原則「①判断能力のある大人なら、②自分の生命、身体、財産に関して、③他人に危害を及ぼさない限り、④たとえその決定が当人に不利益な事でも、⑤自己決定権を持つ」という5つの条件と、その問題点が要約されている。また、人間を個体とみなす「自由主義」に対して、人間をどこかの共同体に帰属するものとみなす「共同体主義」の主張についても述べている。『これからの正義の話をしよう』の著作で人気のサンデルは代表的な共同体主義者の一人である。
第13章「現代の人間には未来の人間に対する義務があるか」では、地球を守ることは、資源や環境に関して一方的な利害関係はあるが共時的相互関係はない未来の世代に対して現代の世代が負う責務であると断言している。
それぞれの章で述べられている身近な問題とそれに対する倫理学的考察は、どれも大変興味深いものであり、読み物としても面白い。「倫理学」などと身構えずに読んでみて欲しい。

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2010年11月12日

Posted by ブクログ

カント倫理学に対してはかなり否定的ですが、功利主義に対しては終始肯定的に書かれています。逆に功利主義には問題点はないのかしら?という疑問が沸いてきます。もしくは本人は批判するつもりで書いている箇所もあるけど、私には批判に見えないということもあるかもしれません。

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2020年06月24日

Posted by ブクログ

マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室』以前の倫理哲学の入門書。
カント・・・義務論「汝の信条が普遍的法則となることを、その信条を通して汝が同時に意欲できる、という信条に従ってのみ行為せよ」
ベンサム/ミル・・・功利主義「個人の効用を総て足し合わせたものを最大化することを重視するものであり、総和主義。「最大多数の最大幸福」」
____________________

1 人を助けるために嘘をつくことは許されるか
2 10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか
3 10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない時、誰に渡すか
4 エゴイズムに基づく行為はすべて道徳に反するか
5 どうすれば幸福の計算ができるか
6 判断能力の判断は誰がするか
7 〈……である〉から〈……べきである〉を導き出すことはできないか
8 正義の原理は純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか
9 思いやりだけで道徳の原則ができるか
10 正直者が損をすることはどうしたら防げるか
11 他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか
12 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか
13 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか
14 正義は時代によって変わるか
15 科学の発達に限界を定めることができるか

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2019年11月24日

Posted by ブクログ

功利主義の立場から、様々な論題を検討し、その中でカントの道徳論などについても論じている。また功利主義自体の中での議論が様々にとりあげられる。功利主義だからなのか、文章的にも内容的にもクールというか淡々としている。

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2017年11月29日

Posted by ブクログ

倫理学については不勉強だったので入門書として読んだ。難しい問題を手際よくわかりやすくまとめていると思う。読むきっかけになったのは昨今の人工知能ブーム。その課題、そして可能性を倫理学的な切り口で考えてみたいと思ったから。倫理学でもまだ明確に答えを出せていない問題に対して人工知能がさきに答えを出す時が近づいている。それは無意識かもしれないという怖さを感じる。倫理学はもっと介入すべきだと思う。

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2017年01月16日

Posted by ブクログ

「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」

良識のある人は、この第2章の命題の議論の土俵に乗るべきではありません。
サバイバル・ロッタリーという、この章で紹介されているたとえ話に違和感を感じるなら、その人は健全な精神のもち主だといえるでしょう。

サバイバル・ロッタリーとは、空想実験上の架空の国で、この国では生存率を最大にすることが正義となります。
すなわち、生存率の増大と死亡率の減少が善であり、死亡率の増大と生存率の減少が悪ということです。
この国では、最大多数の最大生存を実現するために、くじで選ばれた一人の健康な人間から臓器を摘出し、十人の患者に移植することが認められています。

この制度に違和感を覚えるのが普通で、そうであるならばこの章の中核が理解できていると考えてよいと思います。
善悪を測るものさしは、最大多数の最大幸福という一つの原則ではないということです。
この耳触りがよく魅力的な原則は、善悪の判断基準の重要な一つではありますが、それだけでは不健全な結論を導いてしまうということが、サバイバル・ロッタリーのたとえ話で明確になります。

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2013年11月04日

Posted by ブクログ

現代の倫理学についての入門書。以下、理解の及ぶ範囲で要約を試みてみる。

倫理的決定とは「AよりもBの方がよい」という判断を下すことである。
現代倫理の主流はJ.S.ミル『自由論』に見られる功利主義的自由主義である。
自由主義の5つの条件として、
①判断能力のある大人なら
②自分の生命、身体、財産などあらゆる【自分のもの】に関して
③他人に危害を及ぼさない限り
④たとえその決定が当人にとって不利益なことでも
⑤自己決定の権限を持つ
が挙げられる。
ただここから、実際上の様々な問題も提起されることになる。
①子ども、呆けた老人、障がい者にどこまで判断能力を認めるか
②どこまでが自分のものか。例えば自分の生命を自由に扱っていいのか。
③他者に危害を与えなければなにをやってもいいのか。
④愚行を行う権利を与えていいのか。
⑤個人は負荷なき自己か、負荷を負った自己か。

一方カントは厳格な倫理を提示する。
「君の格律が普遍的な立法の原理となるように行為しなさい」という定言命法だ。
例えばある人が「約束を破る」と心に決めたとする。もし皆が同じように「約束を破る」と心に決めたとしたら(普遍化)、誰も約束をしなくなる。これでは最初に決めた格律と矛盾してしまう。よってこの格律は倫理的に間違いだということになる。

しかし人間はカントの考えるような理性的な人間であるとは限らない。カント倫理学が最高線の倫理だとするならば(厳密にはさらにストア派の完全主義があるが)、功利主義は最低線の倫理を提示すると著者は述べる。

「最大多数の最大幸福」を掲げる功利主義は「規制しなければならない最低限の行為に抑止効果を持つ最小限の刑罰」を与えることとする。こうすることで例えば、盗みをしただけで死刑になることはないし、違法駐輪は迷惑行為だが刑罰を貸すほどではない等の判断で人々の幸福度が最大になることを目指す。

こうした数々の理論は一長一短があり、細かい所で対立している。そういった対立を、「人を助ける為に嘘をつくことは許されるか」「10人の命を救う為に1人を殺すことは許されるか」「現代の人間に未来の人間に対する義務があるか」など具体的な問を想定しつつ、分かりやすく紐解いてくれる。

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2011年11月29日

Posted by ブクログ

この本は、応用倫理学では有名な加藤尚武教授が放送大学のテキストとして書かれたものに、本人により加筆されたものである。テキストらしく、古典的な倫理学から応用倫理学までの重要な論点がざっと解説してある。

語り口はやさしく、それぞれの論点が、簡潔ながらとても分かりやすく説明してある。カント、ヒューム、ロールズなどの考え方が端的に示されると共に、新しい論点である生命倫理学や環境倫理学についても触れられており、倫理学の鳥瞰図を示す形を取っている。

また、この本は文庫サイズで、正味250ページを割るというボリュームから推察される通り、個々の論点の詳述に関しては当然期待すべくも無いだろう。分かりやすく鳥瞰図を示し、必要に応じ何を調べれば良いか、何が倫理学の論点として議論されてきたのかを学習者に伝えることができれば良いわけだ。

その点、確実にこの本は目的を達成している。自由主義と共同体主義、愚行権についてなど、一般に倫理学の論点として語られるものはほぼ網羅してあり、次のステップに入ることがこの本を読むことによりとても容易になる。こういう書物は倫理学の分野には以外と無かったのである。

また、それぞれの章(全15章)が「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」のように、設問形式になっており、興味を喚起しやすいのも特徴だ。

著者の結論はかなり唐突に示されることがあるが、気にすることはない。哲学系の世界では、そもそも結論は自分で考えるものだし、きちんと自分なりの結論を見いだすためにはにはもう少し詳しい本を読まなければならない。それはこの本の範疇を超える部分なのである。

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2010年10月10日

Posted by ブクログ

倫理を授業で一度たりとも習った事ない自分でも、面白く読めた。
「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」や「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」など、それこそ千差万別にありそうな解を、古今の倫理・哲学者たちの意見を参考にもっとも正しいと思われう答えを導き出していく。前者の「人を助けるための嘘」については、「誠実は絶対的な義務」といった大哲学者カントは例え、その人を助ける為でも、嘘はだめ!という事らしい。カント曰く、誠実(嘘をつかない)に背く時は、自分もしくく相手を特別視する事になり、例外化が発生する。その事により例外の一般化が発生し論理の矛盾を犯してしまうなどの意見がある。
現代人はおそらく深く考えずに、人の為になる嘘はOK!のような意見が多数だと思うが、論理的に理由を説明できる人は何名いるのだろう?自分は1年ほど前は「この世のすべての人、それぞれの思想は正しく肯定されるべき」と、他人を尊重したいと考えていたのだけど、そうすると、殺人等の犯罪も肯定する事になりかねない。人生を生きていく上で、どうしても間違っている!と思う事がたくさんある。でも、そういった時に、善悪や罪と罰。それらの答えが自分の中で出ていないと、いけないと思う。少なくとも自分が納得できないから…。
この本は一度だけでは、もったいないので何度も読むことにしよう。

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2010年08月06日

Posted by ブクログ

名前のとおり、近代の倫理学事情を諸概念の丁寧な説明と共に紐解いて行く入門書。著者の意見が前面に出ているように思えるところが散見されるが、おそらくほとんどは現代倫理学の前提とされているような内容だろう。そのあたりが気になるだろうと思う人は、あとがきから読むと、たぶん気にならなくなると思うので吉かと。倫理学入門の良書。

J.S.ミルの『自由論』や、カントの『道徳形而上学原論』を読んでいたので、本書にそれらの引用がかなり多かったので、こういうのもあったなーとか、こういう見方もできるかー、など考えながら読んだ。こちらを先に読んでも理解を助けるはずなのでよいと思う。

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2010年06月16日

Posted by ブクログ

「倫理」とは何を指すのか。辞書(大辞林)で引いてみると「人として守るべき道。道徳。モラル。」という説明書きがついていた。ではその道徳とは?モラルとは?「人として守るべき道」とは?この本では「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいのか」「10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない時誰に渡すか」などが例題としてあげられている。社会の中での生活で、このような「選択・決断」を迫られることは多々ある。そのときどのような道をとるべきか?真の「倫理」とは何か?そんなことを考えさせられる本。
大学でとある授業のテキストとして読んだ。一辺倒の答えを教えられるのではなく「考える」ことの深みを味わえたと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

近代・現代で扱っている倫理学のトピックスを門外漢でもとっつきやすいようなテーマを切り口に話してくれる。

本書は元々放送大学の教科書として用いられていたこともあり、入門書と言えど正直難解だと感じた。
(これは学術書あるあるではあるが。。)
特に物理学などと違い、答えを出すのでなく「こういう考え方もできるよね」と紹介ベースで終わらざるをえず、それも尚更ややこしくしていると思う。

また学術書だから仕方ないが、個人の生活のアレコレというよりは立法や政治、社会倫理といった社会システムに関わる内容が多かったのでピンときにくかった。

逆に現代社会が如何に倫理学をベースに創り上げられているかもよくわかったが。

以上の取り組みにくさが個人的にはマイナスだったものの、理解できた内容はタメになるものだった。
自分が漠然と判断していたものを論拠をもって整理してもらった感じ。

章立ては以下。
J.S.ミル の自由論をベースに「功利主義」を適用して主に論じられていく。

1.人を助けるために嘘をつくことは許されるか

2.10人を救うために1人を殺すことは許されるか

3.10人のエイズ患者に対して特効薬が一人分しかないとき、誰に渡すか

4.エゴイズムに関する行為はすべて道徳に反するか

5.どうすれば幸福計算ができるか

6.判断能力の判断は誰がするか

7.・・・であるから、・・・・べきである を導くことはできるか

8.正義の原理は純粋な形式で決まるか、共同の利益で決まるのか

9.思いやりだけで道徳の原則は出来るのか

10.正直者が損をすることはどうしたら防げるか

11.他人に迷惑をかけなければ何をしても良いか

12.貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか

13.現在の人間には未来の人間に対する義務があるか

14.正義は時代によって変わるか

15.科学の発達の限界を定めることはできるのか

以下、いいなと思った内容。

・ 「・・・のために役立つ」という考え方はどこまで行っても終わらない

・人間の悪事には3つがある。他者への危害、他者への迷惑、自分への危害である。

・カントの分類わけ
 自己に対する完全義務
 他者に対する完全義務
 自己に対する不完全義務
 他者に対する不完全義務

・趣味について成り立つ相対性を、正義にまで拡張する事はできない

・我々は先祖が我々にしてくれたことを子孫にすることによって、この借りを返す。

・人々が価値観が変化すると信じていることは、価値判断以外の別の要素の変化であり、価値判断は本質的に変わらない。

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2021年12月04日

Posted by ブクログ

倫理学の概要をさらうにはちょうど良い量です。
内容もわかりやすい。
もともと課題のために買った本で時間に追われながら読みましたが、いま読み返すと興味深い事も書いてありました。

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2012年03月17日

Posted by ブクログ

哲学的な問題に対して、エッセイ的にまとめた短編解説書のような本。
功利主義やカント主義、ロールズの自由主義などを解説してくれているが、
いかんせん短編なので、常に物足りなさを感じてしまう。残念。

入門書なので、政治哲学について知見がない人が読み物的に読むにはいいかもしれない。とくに、サンデルなどに興味をもった人がこの本を読むと、サンデルの議論がオリジナルなものではなく、歴史的に議論され続けてきた不朽のテーマを彼が扱っているのだということがわかる。

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2010年07月02日

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