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私はこの本で、現代の倫理学で議論される原理的な問題と応用倫理学で取り扱われる内容を、明確に描き出したい。それには日常生活で出会う倫理問題を考えることが、現代倫理学の中心問題を理解する早道だと思う。難しい術語や学説の違いを知るより、現代の倫理学者達の議論の中身に入ってもらいたいという気持ちで書いた。何よりもまず、読み物として面白く通読できるよう心がけた。(「あとがき」より)
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匿名
分かりやすい
とても分かりやすかった。知らないことをどんどん知れて読んでいてとても楽しかった。倫理学は大好きなので繰り返し読みたい。
#深い #タメになる
Posted by ブクログ
児玉先生の功利主義入門のほうに本書から入っちゃったひとはこっちよむんだよって書いてあったから読んでる 読んでると眠
内容は「最大多数の最大幸福」を原則とする功利主義に批判的検討を加えつつその代案を探っていくというもの。 章ごとに「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」などのテーマが設定されており読みやすい。ただ、必ずしもテーマの問いに答えが与えられるわけではない。判断は読者に半分委ねられている。 ...続きを読む 「囚人のジレンマ」が示唆するのは民主主義の欠陥である(個々人の欲望に従った選択は本人にも他人にも不利益をもたらす可能性がある)と指摘しているのは興味深い。が、本当にそうだろうか。囚人のジレンマの仮定に登場する囚人たちは互いにコミュニケーションを禁止されている。しかし現実社会の民衆は自由にコミュニケーションをとることができる。まして今はインターネットの時代である。みんなで何か重大な決定をする際には、十分な議論を尽くして合意を形成しておくことはできるはずだ(少なくとも論理的には可能だ)。現代人は社会から独立したアトムではないし、であるべきでもない。 終わりに近い章では、「正義は時代や場所によって変わるもの」という相対主義のもっともらしい言説の矛盾を説いている。相対主義のレトリックは、過去の事件(戦争など)を評価するときに使いがちなので注意しなければならない。
新書サイズながら常に問いかけられているような感覚で、非常に読みつかれた。しかし、その問いは自分にとって新鮮だったり懐かしかったりするものばかりで、新たな視野が身に付いたと思う。
倫理学は、人が社会的存在として生きていく上での様々な問題につて、それをどのような規範に基づいて考え、解決していくかを考究する学問である。本書は現代社会にある多くの道徳的な問題やジレンマについて、多くの例を挙げながら解説している。 本書の基になっているのは放送大学の教材として著されたものである。15...続きを読む章それぞれの内容は現代社会の倫理構造の解明を試みており、さらに最も現代的な問題を扱う生命倫理学、環境倫理学についても考察されている。 第1章「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」では、倫理主義であるカントの「誠実の義務は絶対的である」とういう主張を紹介し、我々には常に決断、比較、選好の機会があり、「より大いなる善」または「最小の悪」を選んだつもりになるが、誠実、正義、人命などに共通の尺度がない以上、実際は比較不可能なのであると述べる。 第2章「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」では、生存率最大の原則という単純な功利性の原理だけで生命の問題を扱うと、個人の生存権の絶対性が成り立たなくなることを示す。 第3章「10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない…」では、「最大多数の最大幸福」こそ、あらゆる立法の原理であるとするベンサムとミルの「功利主義」について述べ、「最大幸福原理」と「平等原理」は調和しないことを示している。 第6章「判断能力の判断は誰がするか」では、妊娠中絶、臓器移植、安楽死などの現代社会が直面する問題について、「人格の範囲を定める」事の困難さと生命倫理学の葛藤を述べている。著者は、バイオエシックス(生命倫理学)を日本に導入した主要人物である。 第11章「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか」では、最も現実的な倫理基準であるとされている「自由主義」の原則「①判断能力のある大人なら、②自分の生命、身体、財産に関して、③他人に危害を及ぼさない限り、④たとえその決定が当人に不利益な事でも、⑤自己決定権を持つ」という5つの条件と、その問題点が要約されている。また、人間を個体とみなす「自由主義」に対して、人間をどこかの共同体に帰属するものとみなす「共同体主義」の主張についても述べている。『これからの正義の話をしよう』の著作で人気のサンデルは代表的な共同体主義者の一人である。 第13章「現代の人間には未来の人間に対する義務があるか」では、地球を守ることは、資源や環境に関して一方的な利害関係はあるが共時的相互関係はない未来の世代に対して現代の世代が負う責務であると断言している。 それぞれの章で述べられている身近な問題とそれに対する倫理学的考察は、どれも大変興味深いものであり、読み物としても面白い。「倫理学」などと身構えずに読んでみて欲しい。
カント倫理学に対してはかなり否定的ですが、功利主義に対しては終始肯定的に書かれています。逆に功利主義には問題点はないのかしら?という疑問が沸いてきます。もしくは本人は批判するつもりで書いている箇所もあるけど、私には批判に見えないということもあるかもしれません。
マイケル・サンデル『ハーバード白熱教室』以前の倫理哲学の入門書。 カント・・・義務論「汝の信条が普遍的法則となることを、その信条を通して汝が同時に意欲できる、という信条に従ってのみ行為せよ」 ベンサム/ミル・・・功利主義「個人の効用を総て足し合わせたものを最大化することを重視するものであり、総和主義...続きを読む。「最大多数の最大幸福」」 ____________________ 1 人を助けるために嘘をつくことは許されるか 2 10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか 3 10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない時、誰に渡すか 4 エゴイズムに基づく行為はすべて道徳に反するか 5 どうすれば幸福の計算ができるか 6 判断能力の判断は誰がするか 7 〈……である〉から〈……べきである〉を導き出すことはできないか 8 正義の原理は純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか 9 思いやりだけで道徳の原則ができるか 10 正直者が損をすることはどうしたら防げるか 11 他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいか 12 貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるか 13 現在の人間には未来の人間に対する義務があるか 14 正義は時代によって変わるか 15 科学の発達に限界を定めることができるか
功利主義の立場から、様々な論題を検討し、その中でカントの道徳論などについても論じている。また功利主義自体の中での議論が様々にとりあげられる。功利主義だからなのか、文章的にも内容的にもクールというか淡々としている。
倫理学については不勉強だったので入門書として読んだ。難しい問題を手際よくわかりやすくまとめていると思う。読むきっかけになったのは昨今の人工知能ブーム。その課題、そして可能性を倫理学的な切り口で考えてみたいと思ったから。倫理学でもまだ明確に答えを出せていない問題に対して人工知能がさきに答えを出す時が近...続きを読むづいている。それは無意識かもしれないという怖さを感じる。倫理学はもっと介入すべきだと思う。
「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」 良識のある人は、この第2章の命題の議論の土俵に乗るべきではありません。 サバイバル・ロッタリーという、この章で紹介されているたとえ話に違和感を感じるなら、その人は健全な精神のもち主だといえるでしょう。 サバイバル・ロッタリーとは、空想実験...続きを読む上の架空の国で、この国では生存率を最大にすることが正義となります。 すなわち、生存率の増大と死亡率の減少が善であり、死亡率の増大と生存率の減少が悪ということです。 この国では、最大多数の最大生存を実現するために、くじで選ばれた一人の健康な人間から臓器を摘出し、十人の患者に移植することが認められています。 この制度に違和感を覚えるのが普通で、そうであるならばこの章の中核が理解できていると考えてよいと思います。 善悪を測るものさしは、最大多数の最大幸福という一つの原則ではないということです。 この耳触りがよく魅力的な原則は、善悪の判断基準の重要な一つではありますが、それだけでは不健全な結論を導いてしまうということが、サバイバル・ロッタリーのたとえ話で明確になります。
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