加藤尚武のレビュー一覧
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うろ覚えのレビュー。
臓器移植・遺伝子治療・クローンが医療技術の進歩により可能になりつつある中で、それぞれの医療行為が倫理的に許容されうるか議論している内容。
これらの医療行為の問題点として挙げられるのが
・医療を受ける決定を行うのが患者本人で無いことがある(障害を持つと診断された胎児 etc.)
・遺伝子疾患は患者数が少ない物も多く医療費、研究費配分が不平等になり得る(数人しか患者のいない疾患は研究費が集められないetc.)
ということ。
この本の中で何かしらの「結論」を述べているわけではなく、多様な視点から実際に起きた事例を挙げつつ問題を考察している。 -
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この本は、応用倫理学では有名な加藤尚武教授が放送大学のテキストとして書かれたものに、本人により加筆されたものである。テキストらしく、古典的な倫理学から応用倫理学までの重要な論点がざっと解説してある。
語り口はやさしく、それぞれの論点が、簡潔ながらとても分かりやすく説明してある。カント、ヒューム、ロールズなどの考え方が端的に示されると共に、新しい論点である生命倫理学や環境倫理学についても触れられており、倫理学の鳥瞰図を示す形を取っている。
また、この本は文庫サイズで、正味250ページを割るというボリュームから推察される通り、個々の論点の詳述に関しては当然期待すべくも無いだろう。分かりやすく鳥 -
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[ 内容 ]
九・一一以後、世界は戦争に向かって地滑りを起こしているのかもしれない。
こうした状況にあって、ともすると人は、戦争が生み出す悲惨な現実に慣れてしまい、正気を失ってしまう。
まやかしの議論に乗せられないためには、戦争に関する最低限の議論を知っておかなくてはならない。
本書は、そうした重要論点を整理し、戦争抑止への道を探る戦争倫理学の試みだ。
同時多発テロに端を発する米国の軍事行動、ロールズの原爆投下批判、憲法九条問題などが取り上げられており、いま、戦争について冷静に考え、実りある議論をするための、重要な手がかりを与えてくれる。
[ 目次 ]
戦争に関する正気とは何か
戦争の二種類 -
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倫理を授業で一度たりとも習った事ない自分でも、面白く読めた。
「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」や「10人の命を救うために1人の人を殺すことは許されるか」など、それこそ千差万別にありそうな解を、古今の倫理・哲学者たちの意見を参考にもっとも正しいと思われう答えを導き出していく。前者の「人を助けるための嘘」については、「誠実は絶対的な義務」といった大哲学者カントは例え、その人を助ける為でも、嘘はだめ!という事らしい。カント曰く、誠実(嘘をつかない)に背く時は、自分もしくく相手を特別視する事になり、例外化が発生する。その事により例外の一般化が発生し論理の矛盾を犯してしまうなどの意見がある。 -
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名前のとおり、近代の倫理学事情を諸概念の丁寧な説明と共に紐解いて行く入門書。著者の意見が前面に出ているように思えるところが散見されるが、おそらくほとんどは現代倫理学の前提とされているような内容だろう。そのあたりが気になるだろうと思う人は、あとがきから読むと、たぶん気にならなくなると思うので吉かと。倫理学入門の良書。
J.S.ミルの『自由論』や、カントの『道徳形而上学原論』を読んでいたので、本書にそれらの引用がかなり多かったので、こういうのもあったなーとか、こういう見方もできるかー、など考えながら読んだ。こちらを先に読んでも理解を助けるはずなのでよいと思う。 -
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「倫理」とは何を指すのか。辞書(大辞林)で引いてみると「人として守るべき道。道徳。モラル。」という説明書きがついていた。ではその道徳とは?モラルとは?「人として守るべき道」とは?この本では「人を助けるために嘘をつくことは許されるか」「他人に迷惑をかけなければ何をしてもよいのか」「10人のエイズ患者に対して特効薬が1人分しかない時誰に渡すか」などが例題としてあげられている。社会の中での生活で、このような「選択・決断」を迫られることは多々ある。そのときどのような道をとるべきか?真の「倫理」とは何か?そんなことを考えさせられる本。
大学でとある授業のテキストとして読んだ。一辺倒の答えを教えられるの -
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近代・現代で扱っている倫理学のトピックスを門外漢でもとっつきやすいようなテーマを切り口に話してくれる。
本書は元々放送大学の教科書として用いられていたこともあり、入門書と言えど正直難解だと感じた。
(これは学術書あるあるではあるが。。)
特に物理学などと違い、答えを出すのでなく「こういう考え方もできるよね」と紹介ベースで終わらざるをえず、それも尚更ややこしくしていると思う。
また学術書だから仕方ないが、個人の生活のアレコレというよりは立法や政治、社会倫理といった社会システムに関わる内容が多かったのでピンときにくかった。
逆に現代社会が如何に倫理学をベースに創り上げられているかもよくわかっ -
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20世紀の主要な哲学者、思想家についてのコンパクトな解説書です。フッサールに始まる現象学の流れと、構造主義以降のフランス現代思想、英語圏の哲学、社会思想、そして日本の思想から西田幾多郎と丸山眞男がとりあげられています。
単なる概説ではなく、著者自身の評価がかなり明確に示されています。たとえば、意識の内面に還帰することをめざす現象学に対して著者は批判的です。また、西田幾多郎が超克しようとし、丸山眞男が実現しようとした「西洋近代」像が、浅薄なものにすぎなかったことを厳しく批判しています。
この一冊で20世紀の思想の全体像をつかむのは難しいように思いますが、著者自身の観点から大きな枠組みを示して -
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戦争は無い方がいいですか?との問いに、あなたはどう答えるだろうか?「人がたくさん死ぬから無い方が良いに決まってる!!」と答えたあなた。では「目の前で誘拐されそうな友人を、実力で救い出してはいけないと思いますか?」との問いにはどう答えますか?
戦争に関する既存の「まやかし」の議論に惑わされずに議論するために、知っておくべき論点が提示されている。例えば、戦争をする権利やルール、第二次世界大戦における日本の罪、憲法9条の問題点等々、複数の観点から見ると浮かび上がってくる矛盾も示されている。
以下はメモ
12〜13頁:
この章はある引用から始まるが、これを読んで何を思っただろうか。どれほど残虐な -
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ネタバレ[ 内容 ]
生命・環境・地球…21世紀の課題に答え得るのは、どの思想なのか。
20人の思想を再検証する。
[ 目次 ]
プロローグ 思想の二十世紀
第1章 進歩と革命への期待
第2章 人間の意志と欲望を見つめて
第3章 内面性の厳密な記述
第4章 解釈学と構造主義
第5章 科学とは何か
第6章 社会性と正義
第7章 日本の思想
エピローグ クワイン、ガダマー、そして二十一世紀への展望
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