樋口美沙緒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
樋口美紗緒センセの原作を夏乃あゆみセンセが作画。ヴァンパイアものは好物ですが、最近読んだのが「Nightmare Catalog」www
そのせいか、この作品は一服の清涼剤!のようなあふれる胸キュンを感じてしまったのでした。王道の中に乙女心を鷲掴みにする萌えポイントがてんこ盛りです。
俺様ワガママなツンデレ吸血鬼アンリの屋敷で家政婦のバイトをすることになった地味な高校生、湊。ところがアンリはとても俺様でワガママで身勝手。始めはそんなアンリの態度に腹を立てていた湊だけど、だんだん彼の優しさに気付いていくことに。
年の差400歳近くもあって、生まれも育ちも全然違う二人なので、意見の食い違いからのケンカが絶えません。そんな時いつも仲裁役になるのがコウモリのヒナ。この子がものすごくかわいいっ!!キュンキュンしました。湊がいつもヒナの涙にほだされてアンリのことを許してしまう気持ちがわかります。ヒナを見てるだけでもいいくらいかわいいです。
そして、吸血鬼アンリのツンデレぶりがたまりません。これが樋口センセの小説だと痛くて切なくて泣ける話になりそうですが、そうじゃないところがまた面白かったです。傍若無人なアンリがチラリと見せるやせ我慢ぶりがとてもかわいくて。
ストーリーはご主人様の横暴ぶりに苦労しまくる湊と、そんな二人の邪魔をする悪役エルというテンプレ。でも、あちこちコメディタッチになっていて、読んでいてすごく楽しかったです!
…気がついたら、えろシーン一切ナシだという事実。それでも萌えるのは、吸血行為がエロスだからなんでしょうね…
夏乃センセの絵はかわいくてホントにきれいです。 -
Posted by ブクログ
前作「愛はね、」の1年後。俊一と望がどんな選択をしたかが、細やかな筆致で描かれていて、興味津々で読み進みました。二人の関係にじれったくなりつつも、俊一の切実な思いや苦悩を知ることでストーリーに生々しさが感じられて読み応えがありました。
前作では望視点だったので、俊一がどう思っているのかは望を通してしか分からなかったのですが、今回は俊一からの目線なので、彼が何をどう感じていたのかよく理解できます。
望はいろいろな修羅場をくぐってきて確かに成長しています。俊一を好きな気持ちはブレがないけど、彼に依存することがなくなったんですよね。
ところが俊一は相変わらずだな~という印象。望にこれまで関わってきたどの男たちよりも、はるかにエゴイスティックです。
望は自分のもの、という観念が潜在意識にあるから、すごい独占欲と所有欲を露わにしてきます。
けれど、篠原に「抱いてもいないくせに」と、鋭いところを突かれてしまうんです。篠原は、俊一の自分の本心から顔をそむけたままの臆病でずるい心を見抜いているんですよね。
俊一は望を愛しているくせに、性愛の対象として見ることは罪悪であり恥ずかしいことだと思っています。
見た目を裏切る臆病さです…
だから優しくしたと思ったら、突然冷たく突き放したり、心にもない酷い言葉を投げつけたり、気持ちと態度が裏腹でひどく望を傷付けてしまって、気が付けば史上最低男に成り果てていて、読んでいて俊一には腹が立ったり呆れさせられたり。
本当は望に対して欲望があるのにそれをひたすら否定して、そのくせ距離を置かれると不安になって襲ったりととんでもない行動をとるんですよね。
望を愛しているくせに、どうしても自分が「そちら側の人」になることを認めることができない俊一の苦悩がとてもリアルで、心に刺さりました。
たった一言、自分の方から言えばそれでいいのに、その一言が言えないもどかしさがたまりませんでした…
俊一が書いた小説のテーマそのもの、愛情探しの旅なんですよね。だから、最後に自分の心にちゃんと向き合い、望の元にたどり着けた俊一に心から安堵しました。
それにしても、望ってほんとに健気でやさしい子です。やっと両想いになった後のHシーンがすごくよかった。俊一がホモになっちゃう、ってかわいい一言でしたww
「ぼうやの恋人」は、その3年後の二人が描かれています。望に夢中な俊一だけど、相変わらずの独占欲で余裕なし。でも、意外に原因は望にあるのでは?と思ったり。愛するあまり、望の一挙一動に振り回されているかんじです。今までが酷かったので、読んでいて溜飲が下がりますwwただ、ラブラブなのは間違いなし!
それを確証させるSS「愛のありか」は、望視点で彼自身もそうとう俊一の変化に驚いて喜んでいるのがわかる掌編。 -
Posted by ブクログ
ムシ3冊目。同人誌で既読だったので免疫できてるし、と思ったら大間違い。やっぱり涙腺決壊だったのでした…
街子マドカセンセのイラストが入ると、また一段とウルウルさせられてしまいます。
「愛の巣へ落ちろ!」で悪役だった、陶也のスピンオフです。見た目はステキだけど、ロウクラスをバカにしていてものすごく嫌なキャラでしたよね。
そんなタランチュラの陶也と、虚弱で短命だとされているカイコガの郁の切ない恋物語です。
郁がシリーズ最虚弱体質。口がきけません。でも、自分の存在価値や、生きることの意味を求めて一生懸命がんばっている芯の強さがあります。陶也との交流は筆談なんですが、これが心にじんわりきます。書くことで意思疎通することがごく自然に感じられて、後々まで残る文字がただ話すよりも深さ重さがあることに気づかされます。
最初は嫌な奴だった陶也が、郁と関わることによって変わっていくのがとてもよかったです。郁を心から愛するようになって人としてどんどん成長していく姿がいいんですよね。恋ってここまで人を変えるんだ!ってくらい。
生きることの意味すらも考えず、何となく日々を送ってきた陶也が、ちっちゃくてバカにされながらも必死で自分に恋する郁に出会って人生観が一転します。そして、その後、今まで自分のやってきたことの反動のように、胸が張り裂けそうな出来事が次々と押し寄せてきて。
泣きました。
二人に幸せな思い出があるからこそ、悲しくて切ないんです。
郁って、ちっちゃくてかわいいけど、陶也より年上なんですね…そんなところに萌えたりしました。虚弱体質ですぐ熱を出して弱ってしまう郁のことを、義父をはじめ周囲はまるで腫れ物を触るように扱います。それが郁には重荷だったりします。申し訳ないと思う反面、自分が死んだらまわりはほっとするんじゃないかと思い、そんなのはイヤだと淋しさを感じている郁にまた涙です…
今回の憎まれ役は篤郎なんですが、彼にも昔の幸せだった回想シーンがあって切なかったです。篤郎のせいで、郁がとんでもない目に遭う痛いシーンはお約束。直截的には描かれていないけど痛いです。篤郎改心の続編があるんでしょうか?
ショートだけどロマンティックで甘い書き下ろしがあって癒されました。 -
Posted by ブクログ
最高でした!
同人で出版されたものだったそうですが、ここが初読みです。
740円で少しお高い、と思ったら、手に取ってビックリのボリュームでした。本編が前後編に分かれている+描き下ろしついているので、全部で3話入ってます。
「愛の巣へ落ちろ!」で悪者だった、陶也の恋のお話。
前作ではなかなかに悪い奴だったのが一変、さみしがり屋で憎めないキャラになってます。お相手の郁も健気で辛抱強くてかわいかったです。
ネタバレになるので、詳しくは書きませんが…前編の終盤からは、涙が止まりませんでした。
このシリーズは受が病弱なのが共通点。似通った設定のはずが、それぞれ持ち味があってどれもおすすめです。 -
Posted by ブクログ
郁ちゃんが可愛らしくて♡
同人誌で読みましたが絵が加わると感動も一塩です。
黒目がちで微笑む郁ちゃんの可愛い事。
俺様の陶也君が次第に郁ちゃんの純粋な心に惹かれて変わっていく様子もとても良かった。
お互い好きなのに別れなければならず、それでも諦めずに自己中心的だった所は全く消えて、弱いロウクラスの為の弁護士として働きながらいつか、自分が郁に相応しくなったらまた会えると信じていた陶也君が素敵でした。
お話を知っていたので郁ちゃんに起きるだろうあのシーンまで読み進むのが苦しかったです。
慈愛の心で他人に愛を与えられる郁ちゃんが愛しくてたまらない作品。
やはりうるっとしてしまいましたけれど。 -
Posted by ブクログ
再読記録がありますが、これは、もう10回は読んでます。
なんでこんなにツボなんだろう!?www自分でもよくわからない。
たぶん、近親相姦は絶対だめなんで、本当は他人なんだけど、ずっとひとつ屋根の下で育ってきた、ってのが、幼馴染と同列で好きなのかもです、自分。
父親を亡くした主人公は、父と仲のよかった他人に引き取られます。父と同じ職業だったからなのか、親しみを覚え、必死で面倒をみます。
そして、その家には、息子がひとりいました。飾らない態度はときにそっけなく、自分は好まれていないかもしれないと思うことがあったけれど……。
でも、結局自分が好きだったのは、引き取ってくれたひとではなかった。そして、そっけなかった義理の兄こそ、自分の気になっていたひとであることに気がついたー。
これ、逆視点でもおもしろい気がする。
兄貴にしてみてもさ。
こんなかわいい弟ね。
近すぎて手を出せなかったというか、さ。
しかし。
自分の言葉がひどい。
これではちっともおもしろそうな話に見えない。
そんな不思議な一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ鬼門中の鬼門であるNGワード『花嫁』
どんなBLでも花嫁ネタには裸足で逃げる私ではありますが、今回は
『樋口さん』『ファンタジー』『もふもふ』
この三種の神器の誘惑に勝てず、購入。
大当たり。
おばあちゃんとか、家族とかダメなんですよ……。
もう涙腺ゆるゆるで、狗神が本当は人が大好きだったってくだりから
鼻水まで出てくる始末。
おまけに何なんですか、このモフモフ集団。
茜のもふに、狗神のもふ。ついでに藤のもふまであれば鬼に金棒。
何千年も生き続けるふたりの日常で、狗神のもふもふに包まれて
お昼寝とか想像しただけで身悶えしそうになります。
古き良き日本の文化や風俗、田舎の伝統。
そんな空気感が漂ってます。
私の住んでるところも大概田舎で、やっぱり神様信仰あります。
都会ではどうなのかわかりませんが、幼い頃から神様は身近な存在で、
どこにでも宿るものでした。
お風呂で御不浄すると水神様のばちがあたる。
井戸を大事に使わんと、井戸神様に祟られる。
刈り終わった田んぼの籾殻踏むと、穀物神様に目を潰される。
そんな神様は楠の大木ですが、まるで頑是無い子供のようで悶えます。 -
Posted by ブクログ
「愛の巣へ落ちろ!」の2作目。スピンオフ的な今回の主人公はクロオオアリの綾人×クロシジミの里久。澄也もチラッと登場します。
実際に絶滅危惧種になっているクロシジミと、クロオオアリとの共生関係を擬人化ファンタジーに上手く生かしている話だなと思います。
クロオオアリなしでは生きられないクロシジミ。お世話される代償として、甘い蜜を彼らにあげます。好蟻性という生態に興味津々。
綾人と里久も、ずっとそんな関係を続けていくことが出来たら幸せだったはずなのですが。
宿命のせいで誤解が生まれ、想いあう気持ちがすれ違ってしまうところに泣かされました。
体が弱く外の世界を知らずに成長した里久は、恋愛について全く無知なので、女王の命令で綾人を助けるために入学した学園での様々な出来事にも、ただうろたえるばかり。相談する相手も無く自分の力で判断することが、結局全て裏目に出てしまいます。
わからないことだらけで傷ついているそんな里久に、以前ならばやさしくしてくれていたはずの綾人が何故か冷淡な態度なんです。どうして綾人がそうなってしまったのか、後々わかる事になりますが、それにもまた涙。
里久が健気でした。嫌われてると思いながらも、大好きな綾人の役に立ちたいと必死に耐える姿に涙が止まらず。
格差ネタも痛かったけど、とどめは「レイプ&記憶喪失」でした。ここからは、悲劇の矛先が里久から綾人へと変わります。
後悔して、自分を責めて里久と距離を置こうとする綾人も、結局は宿命に踊らされていた一人で、可哀そうです。
ダブルで痛い…
そして、記憶をなくした後の三年前の手紙の場面がまた悲しくて。
ですが、その手紙を再読した後、里久の気持ちが変化して強くなるところはすごく感動しました。里久の想いに読んでいて救われました。自分から行動を起こして、守られてるばかりじゃなく、綾人を幸せにしたいと思えるようになった里久の成長がすごくまぶしかったです。嬉しくてまた号泣。
涙涙で、鼻水もたらしながらイッキ読み。ちょっと痛いですが、読後感は悪くありません。おまけSSがラブラブでほっとします。
想いが通じた後のエロは濃厚。乳首から甘露って、すごい。男のコなのに。で、攻様はHしながら呆れるほど「可愛い」の連発。何回連呼してるんでしょうか…??
でも、街子センセのかわいすぎるイラスト見ていたら、その気持ち理解できます。萌が倍増するイラスト。 -
Posted by ブクログ
絶滅危惧種のクロシジミチョウの里久は保護されていたクロオオアリの女王の命令で子供の頃から想いを寄せる綾人の病気を治すため、生まれて初めて学校に通うことになる。
身体が弱く屋敷で孤独に育った里久の大切な人、綾人。
幼い頃に施設に迎えに来てくれて、その差し出された手を取った時から里久は綾人が好きだった。
二年前、突然別れの手紙が机に置いてあって「もう二度と会わない。」と言われていても。
綾人の病気を治すため、どんなに冷酷な言葉をかけられても無体されても優しかった頃の綾人を見つけようと健気な里久が痛々しかった。
王になる為にはグンタイアリ化を押さえなければならず、それには里久の甘露が不可欠で。
その甘露を出す事でクロシジミチョウはクロオオアリをメロメロにして身を守らせるそうです(笑)
無垢な里久が綾人を助けたい一身でその境遇を受け入れる姿は真の愛でした♡
前作、「愛の巣に落ちろ!」の学園が舞台ですが、屋敷で里久を診察する医師があの澄也君で、なんて立派な大人になったんだろうと感激でした。
虫シリーズ、愛に溢れていて大好きです♫ -
Posted by ブクログ
う、う、泣いてしまった…!
昆虫の擬人化というのでキワモノかと一瞬思ってしまった。全然そうじゃなく、ポイントはそこじゃなかった。
階級化、弱肉強食化が擬人化することによってデフォルメされた、王道学園ものでした。
平民で裕福でもなく、体も弱いロウクラスのシジミチョウの翼が、ハイクラス種が通うエリート男子校に入学しようと思ったのは、憧れの澄也に一目逢いたかったから。でも、ハイクラスのタランチュラ、澄也は想像とは違っていて、幻滅したばかりではなくあっさり食われてしまうことに。
いじめ、暴力、差別など悲惨な目に遭いながらも、健気にたくましく学園生活を送ろうとする翼の強い心に、思わず感動してしまったのでした。
もともと、体が弱く長生きできないと言われて育った翼は、テレビで澄也が「幸せな人間とは、自分の人生を生ききったヤツのことだ」と言うのをきいて、自分の人生に希望を持つのです。
生きる意欲をくれた澄也なのですが、実際の彼は意地悪なことばかりしてきて、翼を悲しませます。翼がほんとにかわいくていい子なんです。いじめられても傷つけられても、強い心でその度に立ち直ります。
でも、好きになった相手に傷つけられて、やっぱり心が折れそうになることも。いつも強気なのに、さすがに心が折れそうになってしまった翼の姿には泣かされてしまいました。かわいそうで、かわいそうで、思わず涙。
しかし、そんな瀬戸際の場面ではしっかり澄也が登場して翼を救い出してくれるのです。非常に安堵します…もっと、早く助けろと言いたくなるのはやまやまだけど、そこが作者さんの腕前。焦らしプレイ?
ものすごいツンデレ。
翼の味方になってくれる、真耶、兜、央太との友情も心にしみるものがありました。仲間のありがたさに心が温かくなった。
そして、理不尽な目に遭いながらも、生きてみたい、生きていることを感じたい、と切実に願う翼の気持ちに、心を打たれました。
澄也の不器用というか、素直じゃないところもだんだん快感になってきたのが不思議。
でも、かわいすぎる翼にもっと振り回されるといいと思います。今まで翼を泣かせた分、いっぱい心配してやきもちをやいて悩みまくっておろおろしてほしいような。
そういう点では、澄也視点のおまけSSは大満足。楽しめました。