島村菜津のレビュー一覧

  • 世界中から人が押し寄せる小さな村~新時代の観光の哲学~

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    「イタリアと日本の共通点は何か?」と聞かれたとき、どんなことが思い浮かぶか。
     認識は全く無かったが、2018年時点でイタリアは日本に次ぐ世界第2位の高齢化率で、その結果、地方の過疎化が進行していたそうだ。少子高齢社会と空き家問題というイタリアと日本の意外な共通点を示した上で、「アルベルゴ・ディフーゾ」というスタイルの宿泊体験がこの約20年でもたらした様々な変化をこの本はまとめている。
     「アルベルゴ・ディフーゾ」とは、イタリアで始まった、街中や集落の古民家を客室に見立て、一帯で宿泊経営を行う分散型宿泊施設の考え方である。

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    2024年09月04日
  • エクソシスト急募 なぜ現代人が「悪魔祓い」を求めるのか?

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    フォトリーディング。
    高速を交えて熟読。

    題名からはおどろおどろしい内容を想像したが、しっかりと取材してある社会論。悪魔祓いを通して現代社会を見つめるような本。イタリアが中心だが、現代社会一般についても洞察の深い内容だと思った。星五つ。

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    2013年06月07日
  • スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~

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    まちをつくる 一言にいってもやはり難しく複雑で。 コムーネから学ぶことは多い。画一的になりつつあるまちも、あるべき姿に戻る日が来ることを祈るだけでなく自発的に動く力を身につけたいと思います。

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    2013年04月30日
  • エクソシスト急募 なぜ現代人が「悪魔祓い」を求めるのか?

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    「エクソシストとの対話」の続編。「対話」から20年、エクソシズムを取り巻く状況の変化や、「対話」に出てきたエクソシストたちの近況から始まって、現代人がエクソシズムを求める理由を探っている。

    「悪魔」という概念は、エクソシズムを語る上で避けて通れない。しかし、「悪魔」をどう捉えるかは、千差万別だ。どの解釈でも「悪魔」を理解するためにはハリウッド的な悪魔像を頭から追い出さなくてはいけないということは共通している。
    悪魔を「知性を持つ外的存在」ではないかという神父もいれば、「人間の意識できない領域にある何かを表す概念」だという精神科医もいる。
    私は精神科医の意見に賛成。でも、神父の意見にも正直魅力

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    2013年08月13日
  • スローフードな人生! -イタリアの食卓から始まる-

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    スローフード運動とは、個人をがんじがらめにしてゆく「ファーストライフという名の世界的狂気」から、人間性を回復すること。

    それは、食を通じて五感を養い、気づきをもたらすこと。
    つまり素材・味・食べ方・食がもたらす感覚的メッセージ・分かち合う人々に気を配るといった質の高い食生活を実現することからはじまるのだ。

    スローフードという運動の根底にある人間の心・活力の回復を端的に示す話として「山羊神父と風変わりな男たちがつくる山羊のチーズ」は印象に残った。

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    2011年02月22日
  • スローフードな人生! -イタリアの食卓から始まる-

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    スローフード、スローフーダーとは何たるや、難しい言葉を使わず、一気に頭に入ってきて、わかりやすい。イタリア人をさらにイタリア人にしたような人物の魅力たっぷりに、自然やおいしさの感動そのままに書かれていた。すっかり「スロー」に魅力を感じでしまった。

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    2009年10月04日
  • コーヒー 至福の一杯を求めて~バール文化とイタリア人~

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    イタリアのバール文化が簡潔にまとまって良かった。
    世界にコーヒーがあって良かった。
    未来永劫コーヒーが飲める自然環境でありますように。

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    2024年09月25日
  • コーヒー 至福の一杯を求めて~バール文化とイタリア人~

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    イタリアの方々の食に関するこだわり、いいなぁ。
    私はイタリアのおかげで、珈琲が好きになりました。
    スタバに関しては…。
    頑張ったね、という感じです。
    私はイタリアの珈琲文化が大好きたけど。
    最近のあつーい夏にはスタバのアイスコーヒーについつい手が伸びますが。

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    2024年06月12日
  • シチリアの奇跡―マフィアからエシカルへ―(新潮新書)

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    シチリア、イタリア愛に溢れる一冊。
    著者の情熱を感じる前半のマフィアの歴史。
    重たく暗い史実に苦しくなった。だからこそ輝く数々の反マフィアへの取り組み。常識と諦めたくなる霧のように、社会を覆うマフィアの支配。
    人間らしい暮らしを問い続け屈することなく、闘い続けることこそが人間らしく輝かしいことをシチリアの歴史は教えてくれているよう。
    始まっている新時代への指針の一つ。

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    2023年07月03日
  • 世界中から人が押し寄せる小さな村~新時代の観光の哲学~

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    先人たちが作ってきたものを壊す理由は見つけなくてもいいのではないだろうか。
    その地域には、その地域の特色も文化もある。そんな当たり前のことに気づいてない人が多すぎる。
    都心の目新しい均質的なものに憧れて、故郷を捨てる人々。快適さや利便性を求める気持ちはわからなくないが、あなたが住んでいたその故郷には、唯一無二の魅力があるのではないだろうか。
    観光を学んできた者として、これからの観光や地域の形を考えさせられる一冊でした。

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    2023年05月19日
  • スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~

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    2023.08
    ・若者たちが町にいつくために必要なのは教育や医療以上に、文化的刺激なのだ。そして医療、教育、文化を相互に結びつけていく上で大切なのがボランティア活動なのだ。
    ・食というのはただの栄養補給ではない。それは文化であり、環境であり、美意識であり、生命そのものだ。

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    2023年03月07日
  • スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~

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    課題図書。
    でも面白かった。フェラガモの話とか、美観の問題とか。日本人は景観に鈍感って話は良く聞くけど、価値観を共有しんと、気付かんままなのかな、と思った。

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    2015年09月17日
  • エクソシストとの対話

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    「バチカン・エクソシスト」を読んで、もうちょっと読んでみたかったので。

    カンディド神父の話を中心に、
    その死後に周囲の人々にインタビューした内容だが、
    バチカン・エクソシストでもでてきた神父さんが出てきて
    面白かった。

    「宗教」の真空地帯、日本人がくりだす質問のせいか、バチカン・エクソシストより神父たちが身近に感じられた。

    エクソシストを巡る旅、とでも言った感じ。

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    2015年07月12日
  • スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~

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    ある観光地の集客の仕事に携わっているが、ゆるキャラやイベントに走りがちな観光地において、それを否定はしないが、その流れに乗れなかった地域には、この本はヒントとなる事が多い。

    成熟・高齢化を迎える日本においても参考になると思った。

    14/01/04-2

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    2014年01月04日
  • エクソシスト急募 なぜ現代人が「悪魔祓い」を求めるのか?

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    エクソシストの現状や精神病にならない為の防波堤になっているなど軽めながら分かり易くまとまっているので興味のある人には丁度良い本だと思う

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    2013年09月09日
  • エクソシストとの対話

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    「いってみれば、悪魔のおかげでより聖性を高めることができたといえるのです」 ー 153ページ

    たとえばスピリチュアルに代表されるように、悪が不在の「聖」というのももちろん存在はしている。けれど、様々な事例を見ている限り、悪を前提視した「聖」のほうが結束力というか凝縮力があるなと思う。仮想的がいるから仲良くなれる、というのももちろん大きいのだが、悪を意識することで自分の中の正義、聖というものを確固たるものにできるのがその背景にあるのだろう。

    すべてが「聖」であると考えること、あるいは「聖」のものにしか接しない生きかたというのは、「悪」が存在している世界観に比べて構築が難しい。「悪」が存在

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    2013年05月30日
  • スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~

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    イタリアの有名観光地ではなく、小さなコムーネがどのように生き残っていこうとしているかについて書かれた本。
    均質化され、世界のどこにでもある「郊外」に成り下がらないために、地域がどう取り組んでいるかが紹介されている。郊外については、イタリア人自身の言葉で「ただ眠りに帰るだけの街、働く場もなく、人が集まる広場や市街地のような中心もない」ものと書かれている。「工業化された食が溢れ、コピー文化が氾濫するグローバル社会の中で、いかにオリジナルな文化が生き残っていけるか」、そのためには小さな町である必要があると言う。大きな町では、「良いバールは潰れ、職人は仕事を失い、個人店はフランチャイジングの大手に、名

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    2013年04月17日
  • スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~

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    ネタバレ

    グローバリズム〜世界の均質化〜の波は、日本だけではなくもちろんイタリアにも押し寄せている。そんな中で、地方の小さな街や村がどのように生き残りをかけて努力しているのか。スローシティの先進国ともいえるイタリアからのリポート。

    どの街に行っても同じような量販店、コンビニ、ショッピングモールとシネコンが立ち並ぶのは、我が国だけの風景ではないらしい。それらは地元の個人商店や産業を容赦なく駆逐していく。しかし始末が悪いことに、それらの存在は、便利さを求める地元民の要請でもあるのだ。

    そんな中で様々な観点から自分たちの土地を見直し、時間をかけてその魅力を掘り起こし、また新たにつくり出すことに成功した事例

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    2013年04月15日
  • エクソシストとの対話

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    興味本位のオカルト本ではありません。バチカン公認のエクソシスト、カンディッド神父を中心に、その活動の実際と、周辺の人々の証言で構成されたノンフィクションです。もちろん医学者や心理学者など、宗教関係者以外への取材もされています。
    本書を読んで知ったのは、エクソシズムはオカルトとは無縁の、厳格な形式をもった祈りの儀式だということです。エクソシズムとは告解であり、人と向き合い、その心の声に耳を傾けること。エクソシズムの本質は魂の救済にありました。
    悪魔という概念は、クリスチャンでない者にとっては理解しがたいものですが、悪魔憑きと呼ばれた瞬間から、人の苦悩は意味を持ち始めるという一文は印象的でした。

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    2012年06月23日
  • エクソシストとの対話

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    ネタバレ

    エクソシストも神経科医も、方法は違えど、様は依頼者の苦痛を和らげ安定をはかる事に従事している。
    心霊的だの宗教だのといった、色眼鏡を外して見れば、歴史と手法が違うだけで、彼らの目指すものやアプローチの仕方は、一緒なのではないだろうか。
    そう思いつくと、テレビの心霊特集に出て来る霊能者やお祓い師がいかに胡散臭いかが良く解った。

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    2012年04月30日