あらすじ
オカルト的な興味本位の対象として認識されてきた"エクソシスト"。だが、現在イタリアでは、ヴァチカン公認のエクソシストが人々の精神的な闇を癒す存在として、にわかに見直されている。実際に悪魔祓いの儀式にも参列し、数々の"現代のエクソシスト"たる神父を取材。その真実の姿に迫ったノンフィクション!
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Posted by ブクログ
「バチカン・エクソシスト」を読んで、もうちょっと読んでみたかったので。
カンディド神父の話を中心に、
その死後に周囲の人々にインタビューした内容だが、
バチカン・エクソシストでもでてきた神父さんが出てきて
面白かった。
「宗教」の真空地帯、日本人がくりだす質問のせいか、バチカン・エクソシストより神父たちが身近に感じられた。
エクソシストを巡る旅、とでも言った感じ。
Posted by ブクログ
「いってみれば、悪魔のおかげでより聖性を高めることができたといえるのです」 ー 153ページ
たとえばスピリチュアルに代表されるように、悪が不在の「聖」というのももちろん存在はしている。けれど、様々な事例を見ている限り、悪を前提視した「聖」のほうが結束力というか凝縮力があるなと思う。仮想的がいるから仲良くなれる、というのももちろん大きいのだが、悪を意識することで自分の中の正義、聖というものを確固たるものにできるのがその背景にあるのだろう。
すべてが「聖」であると考えること、あるいは「聖」のものにしか接しない生きかたというのは、「悪」が存在している世界観に比べて構築が難しい。「悪」が存在している世界はよりシンプルであるが故に力強い。ここには否定の持つ作用、力強さが出ていると思うし、「悪」を無視しようとする人、あるいは「悪」を否定しようとする人こそ、それをまず認めるべきなのだと思う。
Posted by ブクログ
興味本位のオカルト本ではありません。バチカン公認のエクソシスト、カンディッド神父を中心に、その活動の実際と、周辺の人々の証言で構成されたノンフィクションです。もちろん医学者や心理学者など、宗教関係者以外への取材もされています。
本書を読んで知ったのは、エクソシズムはオカルトとは無縁の、厳格な形式をもった祈りの儀式だということです。エクソシズムとは告解であり、人と向き合い、その心の声に耳を傾けること。エクソシズムの本質は魂の救済にありました。
悪魔という概念は、クリスチャンでない者にとっては理解しがたいものですが、悪魔憑きと呼ばれた瞬間から、人の苦悩は意味を持ち始めるという一文は印象的でした。
心とは何か?信仰とは何か?ということを深く考えさせられ、聖職者のあるべき姿に感動を覚える一冊でした。
Posted by ブクログ
エクソシストも神経科医も、方法は違えど、様は依頼者の苦痛を和らげ安定をはかる事に従事している。
心霊的だの宗教だのといった、色眼鏡を外して見れば、歴史と手法が違うだけで、彼らの目指すものやアプローチの仕方は、一緒なのではないだろうか。
そう思いつくと、テレビの心霊特集に出て来る霊能者やお祓い師がいかに胡散臭いかが良く解った。
Posted by ブクログ
日本人にはどうしてもなじめない話ばかりだが、島村さんが実体験を通じて一生懸命説明している。
キリスト教がわからないと難しかったが、勉強になった。