岩城けいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2014年本屋大賞にノミネートされていましたが、
ページ数が少ないわりには、中身が濃い作品でした。
言葉もわからない異国の地で、けなげに生きる二人の女性。詳細でわかりやすいレポをこたろうさんが書かれていますので、私は手短に・・・。
アフリカ難民のサリマと日本人「ハリネズミ」(サリマがつけたあだ名)との物語。サリマの日常生活と、「ハリネズミ」が日本の先生に宛てた手紙とが、交互に描かれていました。
言葉がわかれば人とも触れ合える。
生活をささえるために、無我夢中で働くサリマですが、
言葉を勉強するために職業訓練学校で英語を学び始めます。
そこで出会ったのが「ハリネズミ」でした。
サリマの故 -
Posted by ブクログ
たぶんオーストラリアに、難民として移住したアフリカ人女性ナキチが肉や魚の加工場で働きながら第二言語の英語を獲得し、生きていく話。
2日で読んで初日はナキチ頑張れと肩入れして読んだのに翌日にはなんだか第二言語を異国で獲得していく大変さは私にはわからない、となってしまった…ただナキチだけでなくハリネズミ(日本人女性)やそのアパートに住む英語のわからない現地人など、奥行のある人物像でテーマを多角的に描いているとは思う。
先に選評を読んでしまったけれど、サユリ(ハリネズミ)のメタ構造について、小川さんの言うように必須だとも、三浦さんのように登場人物を駒に使うな、とも思えなかった。メタでなくても登場人 -
Posted by ブクログ
ネタバレアフリカ難民の女性と日本人女性がオーストラリアで逆境を克服しながら、力強く成長していく物語。
出だしの文章が非常に暗い感じで数ページ読んで読むのを止めてしまった。
一日おいて再度読み始めたが、アフリカ難民の女性の逞しさを感じながら読み進むことが出来た。
アフリカ難民の女性の物語は普通に表されているが、日本人女性の事は恩師への手紙という形で表されているのが興味深かった。
ただ、日本人女性の1歳の子供が亡くなるというお話は、1歳の孫がいる私にはかなり辛い話だった。物語の中で、母親はかなり落ち込みはしたが、何とか立ち直りはしたけれど。
結果としては、ハッピーエンドだったので読んでよかった -
Posted by ブクログ
ネタバレジョシュア・ファーリー
クイーンズランドに引っ越す。
Masato
安藤真人。父の車関係の仕事の都合でオーストラリタにやってきた。地元の公立小学校の五年生に転入した。
遼子
真人の母。
エイダン
ケルヴィン・チョウ
フラナガン
先生。
ミセス・カー
受付。
翔太
拓也
チロ
真人が飼っている犬。
ノア
ジェイコブ
ジェイク。
ミスター・ガイナン
校長。
ピーター
メンテナンスのおじさん。
松浦さんの奥さん
リチャード
サッカークラブ「オーチャード・クリーク・カンガルーズ」のコーチ。
メイソン
リアム
隼人
山崎さんちの子。
真凛
美羽
津村さんちの子。
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1作目の『Masato』が面白かったので期待してたのですが、少し「読みにくい」と思う文章が多かったと感じました。
オーストラリアに残ることを決めたマットでしたが、父親の生き方に反発したり、日本人を憎む転校生に突っかかられたりと、相変わらず過ごしやすいとは言えない生活を送っています。
カノジョができたり、バイトをしたり、理解のある「ベストフレンド」と触れ合う中で、自分の生き方を考え、また人生の中で「どのような役を演じるか」と葛藤するマットの姿は印象に残ります。
一方で、マットが葛藤し、悩む場面は表現が分かりにくい部分もあり、前作よりも感情移入しづらく感じました。
彼のように悩みながら青春時代 -
Posted by ブクログ
「Masato」 では、父親の赴任でオーストラリアへやって来て言葉もわからず現地の小学校へ入った真人も、高校生。
日本の会社を辞め、オーストラリアで自分で仕事を始めた父親と二人暮らし。母親と姉は東京へ帰っており別に暮らしている。オーストラリアでの生活が長くなりマットと呼ばれ、すっかりオーストラリア人のように暮らしている。そこへ日本人嫌いの英国人のマットが転入してくる。
多民族国家であるオーストラリアで、日本人としてのアイデンティティーを考えざるを得なくなるマット。高校生らしい正義感や家族への思いを抱え、オーストラリアで生きていくマットの1年間。
過去の事、知らなかったではすまされない戦争の傷