豊島ミホのレビュー一覧
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可愛らしい表紙イラストと相反する過激(!?)なタイトルに惹かれて、読んでみた。笑
傷つけられたこちら側が環境への適応を求められる~っていうのが、自分にも身に覚えのあることで…その悔しさに共感した。当時、私も子ども心に全然納得いかなかったから。
一体どうしてそういう結論になっちゃうのかしら。生徒の疑問に答えるのが教師のつとめなんだから、せめて納得できる理由を説明せんかい!まったく!!
もう(自分を傷つけたやつとは)二度と会わないことが復讐~っていうところに、この人の強さと弱さを感じた。
たぶん、どういうかたち(立場とか)で再会したとしても萎縮してしまって…結局、何年経ってもその相手とは当時の -
Posted by ブクログ
すべてが楽しいわけじゃなかった、あの頃。
あとがきに「しこり」のある話が多くなった、とある。まさに、小学生の頃は「しこり」が何かとあった。子どもの頃は楽しかった。それは否定しないが、何か収まらない、ことばで説明できないもやもやを抱えていたことを、著者に肯定されたことが嬉しかった。
田舎に住むセンリの物語。学級のメンバーは変わらず、妹は病弱。暗いわけではないが、薄暗いものが漂う話。田舎の夕暮れのような、さびしく、また何かに連れて行かれそうな、そんな心もとなさが、この短編集にある。自分と地続きの世界なのに、明らかに自分とは違う世界がある。
行方不明の子のニュースに心がざわめく「ビニールの下の -
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タイトルがどストレートで好き。久しぶりの豊島ミホさんの作品。
読んでてこの人生きづらそうだなと思った。わたしも上手く生きられない人なので良くわかる。傷つきやすくて憎みやすく上手に渡り歩けない。
わたしは幸いいじめや無視にあうことはなく、最近でいうスクールカーストも下位に属したことも下位として扱われることも一切なく、どちらかといえば常に上位にいたのでそこは豊島さんとは違うのですが、スクールカーストの上位も上位なりに大変で、結局は孤立することを選び保健室ではなく学校に通うことを捨て単位ギリギリで卒業した高校時代を思い出した。
嫌なことや憎しみが生まれる気持ちを関係ない、と捨てるのは難しい。それは生 -
Posted by ブクログ
豊島ミホの青春モノである。
彼女の作品はもっと読んでいた気がするが、5年も前に読んだ『神田川デイズ』以来だった。
本書に舞台はとある中学校の2年2組。
35名の中の20人の恋模様が連作短編小説のように描かれている。
一遍一遍の主人公がそれぞれ違う20人の主人公。
教室という空間に閉じ込められた社会は本来教室の生徒一人一人がそれぞれのドラマを抱えており、一人一人が主人公であるはずだ。
読者は本書を読み進めるうちに、リアルな教室模様のような感じで、このとある特定のクラスの人間関係を垣間見ることになる。
20人の視点でそれぞれの恋心が語られると、この中に自分と似通ったキャラクターも発見できる。ボク