西村淳のレビュー一覧
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この本を原作とした映画を観たので、原作の方も読んでみました。
個人的には映画より原作の方が面白いと思います。
南極の寒さが厳しいのは当然ですが、著者にとって2回目の越冬隊として過ごしたドームふじ基地(つまりは本書の主な舞台)は、日本の南極観測基地の中でも特に寒さが厳しく、それゆえの苦労について、面白おかしく書かれています。
また、ドームふじ基地では、家族以上の濃厚な人間関係を構築せざるを得ないのですが、その様子は「自分には耐えられそうにない」と思いながら読み進めました。
ちなみに、南極観測基地には、基本的には娯楽はないわけで、そうなると、最大の楽しみは「食」にならざるを得ないと思うのですが -
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標高3800m,平均気温-57℃、昭和基地から1000km離れた南極ドーム基地。
そんな過酷な条件下で一年間の生活を過ごす南極越冬隊の珍日記。
極限状態で男達5人が、学術的観測をしながらも日々を楽しく過ごすオッサン達の様子が克明に綴られる。
読み物として面白いのは間違いないが、南極越冬隊の暮らしぶりが事細かに知れるので、ぜひ読むことをお勧めしたい。
食生活に関しては恐ろしく豪勢な料理を食べいてあるようである。
しかし、一年間も下界と隔離され、たった9人で毎日を暮らすとなると、そのストレスは想像を絶する。
そんな中で、詳細に記された料理のレパートリーはプロ顔負けの品々だ。
食という -
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再読
テレ東でドラマを放映していたので本棚から引っ張り出して再読。
ドラマは7人、実際は9人。
ドラマみたいにハチャメチャではない。
しかし、平均気温マイナス50℃、ウイルスさえ存在しない環境で、好例が外でのジンギスカンというのが、さすが北海道人といったところか。
有名な昭和基地から1,000kmも内陸に入り、標高も3,800mという環境での料理や生活はすごい経験だと思う。
1,000kmといったら、東京から札幌までの直線距離。
何かあってもすぐには行き来できない。
現在は越冬はしていないとのことだが、過去この基地で科学の進歩に貢献した人を称賛する。 -
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映画とドラマが良かったので、原作も読んでみた。
果たして映画とドラマ、どちらが原作に近いのだろうと期待いっぱい!
当たり前だが、映像化された作品にはストーリーがあるが、原作は一年を通して大きな流れはあるもののひとつひとつのエピソードという感じで、急に話が飛んだり場面や人物が把握できないこともあった。
文章も小説家が書いたものと違い読みにくいところもあったが、それを補ってリアルな南極生活を知れたことはあまりある。
映像ではイマイチ何をしているのかよくわからなかった気球を上げることや観測の様子も理解出来たし、それぞれの仕事やその目的もわかりやすかった。
一番驚いたのはドックのはちゃめちゃな元気っ -
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ネタバレ今、ドラマ面白南極料理人を見ている最中で、本を読んでみる気になりました。昭和基地から内陸に一千キロも入った高地、標高三千八百メートル。富士山より高い場所に小さなドームを設置した基地で男9人だけで1年を過ごす。気温はマイナス80度、半年の間は昼がなくなる。
精神のタフさと「いい加減さ」がないと、できるものではないと思いました。ドラマで面白おかしく描かれているエピソードの写真を見ると思った以上に男臭い。雰囲気が悪くならないように過ごす為に、ひとりひとりの誕生日、季節ごとのイベント。宴会を楽しくする為に限られた材料で工夫をして楽しく過ごせるようにガス抜きをする。
普段、思いやりとか雰囲気を察するって -
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ネタバレ抱腹絶倒極寒南極グルメ日記。
ウイルスさえも生存を許されない極寒のドーム基地で、料理人として生活する日々を描いた日記。極限の閉ざされた環境の中で人はどう生きるのだろう。高尚な哲学や人生論ではなく、適度に緩く、たまにシモく、欲望には忠実で、だからこそリアルな南極の日々が描かれている。
堅物の大人が読んだら眉をしかめるだろうけど、意外とこういう赤裸々な体験談が、越冬隊への夢を膨らませるのではないか。
解説で指摘されていた著者が越冬隊に選抜された理由の推測が興味深い。著者は巡視船勤務の海上保安官で「狭い男の職場」に慣れた人である。メンバーに苦言を呈したことも書かれていたが、確かに彼の言動は(私 -
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男、男、男。
男まみれの本である。
山極寿一先生のゴリラ関係の本(中にオスゴリラだけで構成された群れの話が出てくる)、映画『御法度』(大島渚監督作品)、箱根駅伝の「男だろ」問題、森前会長の失言を巡るドタバタ。いろーんな男社会のうんじゃらもんじゃらが頭の中で煮込まれている私が読むと、まぁ、この本、令和の世では出版に漕ぎ着けるのは難しいだろうなぁ、と思えてしまう。井上ひさしさんの『四捨五入殺人事件』や『吉里吉里人』を読んだ時も同じことを思った。
軽妙洒脱な語り口と美味しそうな料理の話に引っ張られて、するーんと最後まで読んでしまうのだけど、やっぱりこの世界、というか空気感、女性を「銃後の守り」に設定 -
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『面白南極料理人』の著者西村淳さんが初めて第30次南極観測隊に参加した時の回顧録。トラックのドアが強風でもぎ取られ吹き飛ぶような厳しい環境の中であるもかかわらず、観測隊のみなさんとのワイワイがやがやとした日常の生活感あふれる記録が楽しくて、うっかり南極生活って楽しそうと思えてしまいそうでした。でもほんとに登場する観測隊の方々がみな濃いキャラクターをもっていて、コメディタッチでした。隊員の一人が女装してバレンタインに手作りチョコを全員に配るエピソードなど笑えました。厳しい環境のなかで一年以上日本を離れ家族とも離れているからこそ、時にはばか騒ぎするなどいろいろ工夫して南極観測隊としての日々を明るく
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"南極料理人" よりも後に出版された本だが、書かれている内容は時系列的には逆の内容。
"書き慣れた" 感が、冗談の悪ノリ?という形で磨きがかかっており、好みが分かれそう(個人的には冒頭の数ページで結構辛くなった...)。
内容的には、言うまでも無く普通の日常では経験できない様々な極限状態における、人間たち(野郎ども)の生態が生々しくも可笑しい。 面白いとは思う。
偶然の要素はあるにしても、志願して、選ばれた(選ばれるべき必然性のある)スタッフでありながら、「こんなんなんだ...」というギャップで楽しませる。
プロのプロたる部分には触れていない。あくまで、 -
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南極観測隊の料理人として、南極越冬をする部隊をつぶさに、かつ、てきとーに見た料理人の色々な内輪話。
後半は当時の日誌や作った料理のレシピを交えて興味深く読ませてもらえたけど、そこに至るまでが、内輪話過ぎて、ちょっと自分にはついていけなかった。
舞台裏は、表舞台をしっているからこそ楽しめるんだなあと感じた。
個人的には前半は★★で後半は★★★★。これは人それぞれだろうな。
映画化もされているらしく、映画は結構面白かったらしいので、そちらも興味有り。&続編(たぶん、そちらで越冬)も出ているらしいので、そちらは読んでみたいな。
追伸、餃子を作りたくなった。それだけでも料理人としては本望かな。