西村淳のレビュー一覧
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読書録「面白南極料理人 名人誕生」4
著者 西村淳
出版 新潮社
p96より引用
“「でもさー、東大・京大って言ってもさ、
あいつは自分の研究室で床に段ボールをしい
て寝ているし、今回観測隊に参加したから良
いけれど普段は無色の奴だっているし、何だ
か変な奴多いよ」”
目次より抜粋引用
“観測隊員になった……
出航した……
到着した……
越冬が始まった……”
二度の南極観測隊に参加した著者による、
南極観測に関わる日々や出来事を記したエッ
セイ集。文庫書き下ろし。
第三十次南極観測隊に参加するに至る経緯
から前任者たちとの交代時の別れまで、ユー
モアあふれる書かれ方をしていま -
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南極といえば昭和基地。それと白瀬中尉かな。ドームふじ基地は知りませんでした(みずほ基地もあすか基地も)…いつか行ってみたいな、南極。
それにしても環境が過酷。…なはずなんですが、食材の調達や料理、宴会やみもふたもない隊員紹介(笑)が多いので、極地、それも半端ない地の果てでの生活がどういうものか、を垣間見ることができて貴重です。もう、ほぼSF笑、38次ドームふじ越冬隊。
オゾンホールを見つけた日本隊(原因を突き止めたのはアメリカで、その功績によりノーベル賞。ちょっと悔しい…)。現在は62次隊が、そして今年63次隊が11月に出港します。63次隊では第3期ドームふじ氷床深層掘削の新しいシステムを -
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ネタバレ面白かったです。
著書のおおらかさ、人柄の良さにとても楽しい気分で読むことができました。
想像できないような極寒の地、南極。昼夜の概念がなく、自律神経乱れそう・・・それどころか標高は富士山よりはるかに高く少し作業するだけで酸欠状態になる・・・そんな過酷な状況で1年間過ごす、想像つきません。
著者はそんな過酷な中、隊員のお腹を満たす料理人。
こんな極限状態、毎日の楽しみってお料理ぐらいじゃないでしょうか。
著者は和食・イタリアン・フレンチ等リクエストがあればなんでも作りこなす。
隊員の心の支えになったことは間違いないと思います。
女性陣にも役に立つ“お料理“情報が載っていますので、普段全く -
Posted by ブクログ
ネタバレウイルスさえも生存が許されない地の果て、南極ドーム基地。そこは昭和基地から1000kmかなた、標高3800m、平均気温-57℃、酸素も少なければ太陽も珍しい世界一過酷な場所である。
とにかくこんな場所に住む、ということからして想像を超えるんだけど、そこに一年間も滞在し、料理するとは!
まず設定からもう既に持って行かれ、更に軽妙な文体にまた持って行かれ、気がつけば一気読みしてしまっていた。
さすがにここまでの極地ともなると命に関わる危険とも隣り合わせ、満足にお風呂にも入れず、精神的にも肉体的にも限界ギリギリの生活のはず、なのに筆者の文体はあくまでお気楽、のほほんとした軽妙な筆運び。
この -
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読書録「面白南極料理人笑う食卓」4
著者 西村淳
出版 新潮社
p72より引用
“ ついでに言うと、観測隊では、このボン
ヤリした状態の時は個人が何かの世界にポカ
リと入り込んでいる時で、この時無理に話し
かけたりすると、心のバランスが微妙にくず
れ、後々決して良いことはないので、放心状
態もしくは視線を宙に飛ばしている隊員がい
ても、話しかけるのはやめるようにみたいな
ことを、南極に来る前にロールシャッハ検査
をしてくれたお姉様にしつこく何度も念押し
されたのを思いだした。”
目次より抜粋引用
“シェラスコは別れの味
京大監修手打ち麺
雪上車のわがままリクエスト
楊貴妃の涙
ド -
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南極といえば昭和基地を思い出すが、そこから1000kmかなたの平均気温マイナス57℃、標高3800m、最低気温マイナス80℃にもなる南極ドーム基地で繰り広げられた第38次越冬隊として暮した日々を綴った前作「面白南極料理人」の続編。
前作では想像のつかない南極での生活にまつわる諸々を書いていたが、今回はその時のエピソードも添えたレシピ集。
制限された状況で創意工夫を凝らし、いかに屈強で大食らいの隊員たちの胃袋を満足させてきたかが、またしても力の抜けた文体で書かれている。
筆者は現役の海上保安官で、現在は巡視艦みうらで教官兼主任主計士として海猿の卵たちに囲まれた生活をしているらしい。
映画の海猿