井川意高のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大王製紙の社長や会長を歴任した井川氏の自叙伝。
100億以上の金をタイトル通り「溶かす」とはどんなものなのか興味が有った。
まずはそのカジノのパートを読むとギャンブル依存症なのはそうなのだろうが、さらには人間の業というか強さや弱さの様なものも読めて興味深く面白い。あの様な大企業のトップでも非常に人間臭くそういった面もあるものなんだよな。
片やビジネス的な面では非常に有能な方だった事も読める。その面では書いてある事に首肯できるし、今後参考にしたい内容も多々あった。例えばこんな一文。
『自分の頭で考え抜き、そのプランに基づき最善を尽くし、結果がついてこなかったら、それはそれでしょうがないと思ってい -
Posted by ブクログ
大王製紙創業家の3代目にして元会長・井川意高氏の自伝。
伊予三島の豪邸暮らしから、念願叶っての東京生活、子会社社長から本社専務での活躍、派手な交友関係、父との関係、、、そしてギャンブルへ身をやつして行く半生が語られます。
"なんだか物凄いものを読んだな"と言う読後感。
"超優秀だけどクレイジー"。マーティン・スコセッシ監督の映画みたいです。この人は本質的には、純度が極めて高い能力の高い人なんでしょうね。じゃなきゃ大企業の経営を上手く舵取りする一方で数兆円とも言われる負けに堕ちていくなんて芸当は出来ないと思う。
8章の"ギャンブルに向いて -
Posted by ブクログ
筆者の井川意高氏は、大王製紙の創業家の三代目にあたる。東大法学部を卒業した後、大王製紙に入社し、一種の帝王教育を受けたのち、大王製紙の社長となる。経営者としては、有能な人であったようであり、大王製紙在任中には、いくつかの立派な業績をあげている。
井川氏が有名になったのはしかし、大王製紙の経営者としてではなく、特別背任罪で逮捕・有罪判決を受け、懲役刑を受けたからである。井川氏は、ギャンブル依存症であり、マカオやシンガポールのカジノでブラックジャックやバカラにのめり込み、何と106億円の借金をこしらえてしまったのだ。借金返済等、資金をまわすため、井川氏は大王製紙の関係会社から借金を重ねる。最終的に -
Posted by ブクログ
騒動当時の壮絶な内部を暴露した前作の続きのみではなく、亡くなった父への想いを語ったしんみりくる章もあり人間臭さがいいアクセントになっている一冊でした。
性懲りも無く再びバカラに行っていたのはさすがだし、破滅を厭わない張り方をしてこそギャンブラーという考えにはどうしようもないバカだと思いつつ賛同しかできませんが、金持ちだからそれがキャラで活きるのであって、一般市民はお金の破滅と足並み揃えて交友関係が破滅し、人生何も得ず終わりになりそうな気がします。
だだ、人生の幸不幸のプラマイは0であっても、+1-1=0と+1万-1万=0では後者の方が生き応えのある人生なのは間違いない。