あらすじ
大王製紙社長の長男として、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、東大法学部に現役合格。27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。順調な経営、華麗なる交遊……すべてを手にしていたはずの男はなぜ“カネの沼”にハマり込んだのか? 創業家三代目転落の記。そして、刑期を終えたいま、何を思うのか――。出所後の独白を加え文庫化!
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頭脳明晰、文章も美しく、井川さんの半生がつまびらかにされている。
YouTubeでもよく言っているが、カジノに行ったら有り金全部失う方がいいと。そうしたら二度とやらないから。この人の場合は、倍になるか、全て失うか、というヒリヒリする感覚がたまらなく、やめられなかったそうだ。依存症と切って捨てるのは簡単だが、おそらく誰もがなるものではなく、はまりやすい資質があるのではと思う。普段感情が動きにくい、冷静沈着に様々な判断ができるという、大会社のトップには最適な資質が、そうした勝負事、しかも半端じゃない額でないと興奮せず、その快感がクセになって、ということか。
自身のことをよく分析していて、なのに自制ができないのか、ということではなく、やめられないことも含めて、わかっている感じがする。普段よくYouTubeを観るので、その人の背景が知れてよかった。
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とても面白かった。人間としてはこの人のことは好きではないけど、庶民の知ることはない富豪の世界と足元にいつでも潜んでいる深い深い穴みたいなものを感じた。クレジットカードの話は興味深かった。
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ギャンブルの恐ろしさもそうだが、どのようにしてギャンブル依存症にまで至ったのかが興味深かった。経営者としては非常に優秀だったと思われるが、ストレスに追い込まれて酒やギャンブルに堕ちていったのであろう。しかし100億を超える金額を溶かすとは、、レベルが違う。日本のカジノに関しても言及があるが、カジノを作っても一筋縄にはいかない、インバウンドも成功するとは限らない(そのような仕組みをうまく作りづらい国なので、他国まで逃げられたら踏み倒される)という意見には納得した。
ギャンブルにはほとんど縁がないが、やるとしても上限を決めてしまって楽しもうと思う。ラスベガスとかは一回行ってみたい。
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大王製紙創業家三代目としての栄光と転落、そしてその後の人生を赤裸々に語る内容で、衝撃的でした。
夢中になればいくらでもお金って使うんだなあと思う本でした。
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井川氏は書物、活字を多く読んでたんだなと感じた。文章での表現が上手だし、読みやすい。
読んでみて、経営者としてかなりの手腕を発揮する天才なんだと思う。会社内の部門など立て直しや商品リブランディングなど当時の若さにして、責務を全うし、結果を出し続ける能力が、ずば抜けている。
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⚫︎感想
ドラマのような展開で知らない世界を垣間見れて興味深かった。
頭のキレる井川氏が、ギャンブルにはまるのはなぜなのか。ある一定の人々に対しては、争いがたい魔力がそこにあるのだろう。バカラの仕組みやハラハラ感はジェットコースターのよう。一方で仕事はとても真面目過ぎるほどにこなしている。井川氏の仕事のやり方や部下への接し方、言い方に一貫性、筋が通っているところが素晴らしいと思った。仕事において「5w1h」ではなく「5w 2h」は必ず心掛けたい。
⚫︎本概要より転載
大王製紙社長の長男として、幼少時代は1200坪の屋敷で過ごし、東大法学部に現役合格。27歳で赤字子会社を立て直し、42歳で本社社長就任。順調な経営、華麗なる交遊……すべてを手にしていたはずの男はなぜ〝カネの沼〟にハマり込んだのか? 創業家三代目転落の記。そして、刑期を終えたいま、何を思うのか――。
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大王製紙の社長や会長を歴任した井川氏の自叙伝。
100億以上の金をタイトル通り「溶かす」とはどんなものなのか興味が有った。
まずはそのカジノのパートを読むとギャンブル依存症なのはそうなのだろうが、さらには人間の業というか強さや弱さの様なものも読めて興味深く面白い。あの様な大企業のトップでも非常に人間臭くそういった面もあるものなんだよな。
片やビジネス的な面では非常に有能な方だった事も読める。その面では書いてある事に首肯できるし、今後参考にしたい内容も多々あった。例えばこんな一文。
『自分の頭で考え抜き、そのプランに基づき最善を尽くし、結果がついてこなかったら、それはそれでしょうがないと思っている。失敗の原因を分析し、次に活かせばいいだけだ。』
他にも多く参考にしたい事が多い。
そして逮捕前後からの収監や懲役の話はなかなか目にする事がないだけに読み物としてなるほとどなと面白かった。出所の話も書き下ろしされていてよかった。
夜の活動の話はちょっと冗長だったかな。芸能人や有名人との話はバッサリ無くてもよかったと個人的には感じた。
井川氏の生い立ちから現在までまさに自叙伝という感じでいい一冊だったと思う。
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お父さんからの厳しい教育を受け、教育されている。とてつもない集中力が東大合格、会社経営に活かされたが、ギャンブルに向いてしまい身を滅ぼしてしまった。
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なかなか興味深い内容だった。ギャンブルにハマったのは井川氏の一面でしかなく、それも「え、いざとなったら返せる額だし、借金も公開もしてるけど?」な態度が面白い。
お金も人脈も経営者一家に生まれたなら当然ついてくるもなんだなと感じた。
苦労した人生だと思う。本人も言ってるけど、それとギャンブルは全く関係ないのがまた面白い。
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一瞬でお金が何倍にも何十倍にもなる快感。はまってしまうのもわかる気がする。そして一瞬で大金を失ってしまう衝撃!それもある意味快感なのだろうか?
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メジャーリーガー元通訳者の事件が連日話題ですが、著者の場合は額が違う。106億円ですもんね。紙を造るどころか溶かしていたということで、個人的には相当スキャンダルな一冊でした。続編も出ていますが、まずはこちらから。ほとんど溶かされたあとの、残り滓状態で書かれた極限の1冊かと思われ、こんなに書いていいのですか。と思わずにはいられない
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youtubeやxのポストで井川さんを知り拝読。
幼少期の父親との関係、大王製紙に入社してから、カジノにはまり、逮捕される一連について。
第4章の家庭紙部門の赤字を黒字にするまでの手腕や考え方・抽象を許さず具体を問う姿勢などは仕事をする上でも参考になった。
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大王製紙元会長井川意高の半生記。
なぜカジノにのめり込み堕ちてしまうのか。
なぜそこまでの借金ができるのか。
それはもちろんのこと、
製紙業界、経営、父からの英才教育、他の経営者、交友録など興味深い話がたくさん盛り込まれている。
井川意高氏の地頭の良さ、カリスマ性を感じる一冊。
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筆者の井川意高氏は、大王製紙の創業家の三代目にあたる。東大法学部を卒業した後、大王製紙に入社し、一種の帝王教育を受けたのち、大王製紙の社長となる。経営者としては、有能な人であったようであり、大王製紙在任中には、いくつかの立派な業績をあげている。
井川氏が有名になったのはしかし、大王製紙の経営者としてではなく、特別背任罪で逮捕・有罪判決を受け、懲役刑を受けたからである。井川氏は、ギャンブル依存症であり、マカオやシンガポールのカジノでブラックジャックやバカラにのめり込み、何と106億円の借金をこしらえてしまったのだ。借金返済等、資金をまわすため、井川氏は大王製紙の関係会社から借金を重ねる。最終的には、借金は全て返済したが、関連会社からの借金そのものが特別背任罪にあたり、約4年間の実刑判決を受けることになってしまう。本書は、井川氏の経験談を書籍の形にまとめたものである。
ギャンブルのために、100億円を超える借金をしてしまうのは、まともではないが、ギャンブル依存であること以外の井川氏は、ごくごく真っ当な経営者であることが、本書を読めばよく分かる。しかし話は逆かもしれない。ギャンブル依存症である経営者は、いかに本業で立派な業績をあげていたとしても、「真っ当な経営者」とは呼べない、そう考えるのが普通の考え方なのだろう。しかし、そういうことは全てわかったうえで、ギャンブルにのめり込んでしまうところに、依存症の怖さがあるのだろう。
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バカラ賭博の資金を大王製紙の関連会社から融資させ、特別背任で有罪となった著者の半生記かつ反省記。本書を読むと学生時代は遊んでばかりのようだが、根っから頭が良いか、勉強で努力したか、かなり知性が高いようで、論理的かつ分かりやすい記述で、読んで面白い。創業家の長男ということで、遊び方も豪快で、交友関係も広く、エスタブリッシュメントに属するのだと分かるが、それが嫌味に感じないのが魅力。それでも、ギャンブルやアルコールに依存してしまい、道を踏み外してしまうのだから、全てに順風満帆とはいかないのだなと感じる。
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おもしろい本だった。大王製紙の御曹司でカジノで106億円損失した人の自叙伝。とても興味深い内容だった。この本を読むまでは、この人のことを名前ぐらいしか知らなかったが、ホリエモンの友だちで今ではホリエモンのユーチューブなどにも出ている。なんとなく憎めないキャラクターというか、けっこうこの人が出ていると見入ってしまう。
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読みながらツッコミが止まらない。会社のお金を横領したことに対して、著者はおそらく反省もしていないし、後悔もしていないように感じる。自身に関する報道内容に逐一ページを割いて弁明を重ねる著者。「すべて失った自分に守るものは何もない。見栄も外聞も捨てて話す。」と冒頭で述べた割には、細かい内容にまだ拘っている。
著者の不祥事により会長を辞任した後、社長に就任した後任の人物については2ページ以上を割き、心配点を挙げている。せっかく著者が築いてきたオンリーワンの良さが埋没してしまうことを憂い、後任にはもっとこだわりを持ってもらいたいとのこと。だが、その数ページ前で著者が父から会社を継いだ際には経営方針を巡って父と対立し、「父のコピーのように同じ方法でリードしようとは思わない」 「時代が違う」と述べたばかりなのだが…。父と同じことをしていると気付いていないのだろうか?過去の経験から後任者の気持ちがわかるはずなのに、なぜ本書の中で言及してしまうのか?
自身と噂になった女性芸能人との関係を否定したり、これこれどのような有名人と何回飲んだ、どれほどの付き合いか、など名指しで詳細に記述している箇所では読んでいて笑った。きっと著者にとっては詳細に書き残しておきたい自慢の思い出話なのだろう。
そして「会社に被害を与えた借入金55億3000万円は利息を含めて完済したのだから、もう少し刑期が軽くなるべきでは?」という著者の考えの甘いこと。たしかに常人に返済可能な額ではない。だが完済したからといって、イコール情状酌量の余地があることにはならない。「殺人をしたわけではないのだから」と著者は言うが、それとこれとは次元が違う。4年の刑期は著者にとってただのペナルティ期間に過ぎず、根本的な更生に繋がったのかどうか疑問が残る。
ただ、著者以外にもギャンブル依存症の患者は世の中にたくさんいるはず。お金をくすねるのが会社からなのか、家計からなのか。規模の差こそあれ、自身が影響力を持つ財源から簡単にお金を動かせてしまう仕組みを改善することで、著者のようなギャンブル依存症の犠牲者を少しでも減らすことができるのではないだろうか。
本書全体から、理想像としてこうありたい、周りからこう思われたい、という著者の願望を強く感じた。批判ばかりになってしまったが、「カジノよりはるかに悪どい」として、パチンコ、競馬、宝くじを挙げた内容については完全に同意する。
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えっ、ちょっと待って!これフィクションでしょ?ギャンブルに使ってるお金の桁が、自分の想像を超えすぎてて、出だしは実話なのかフィクションなのかよくわからなかった。
その後は、お金持ちとしての幼少期、東大、跡取りとしてのビジネスの話、芸能人との交流の話が続くのだけど、いつの間にかスルッとギャンブルでの資金繰りの話になってて、怖い。バカだなぁと思って聴いてたけど、地獄への入り口はこんな風に開いているのだろう。
最後、何気に某政治家からの励ましに助けられる。
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Twitterでたびたび話題になっていた人なので読んでみることに。
冒頭のマリーナベイサンズでの一幕は、自分自身も同じところに行ったことがあったので親近感が湧き没入することがてきた。
ギャンブルの沼にハマる過程を描いていると思いきや、それまでの反省を描いていて意外だった。
特に仕事の部分はとても合理的な考えを持っていて感心する部分が多かった、検察の言うとおり仕事はとてもできる方なのだと感じた。
だが、どんなに優秀な人でもギャンブルにハマると正常な判断ができなくなるものなのだと思わされた。
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海外カジノでのギャンブルのために王子製紙子会社から100億円越えの借り入れを起こし、それをスッてみせた元会長の懺悔録。アルコール、薬物、ギャンブル、なにがしかの中毒になって身を落とした人の作る作品は全体的に好みなので手を出してみた。長距離フライトのお供としては正解。マカオのカジノのジャンケットシステムやカード現金化スキームは面白い。ただ、最もギャンブル中の高揚や興奮、失望や絶望の描写に期待していたので、そういった意味では期待外れではあった。
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ギャンブル依存症はひりつきたいっていう話。
金額の多寡でもなく、最早勝ち負けですらなく、より自分の想像力でギリギリの所で興奮と落胆を繰り返したいんだろうな、と。
偶々、この人にとって¥10680000000が払える額だったから話が大きくなってしまっただけだろうし、収監される前の懺悔録なのでしょうがないとは思うけど、せっかくVIP待遇でカジノでそんな大金を使ったんだから、賭け事してる際の場面や心理の詳細を知りたかったのに、意外にあっさりしてたのは残念だった。
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創業家対サラリーマン叩き上げ社長の話を読みたかったが、それについては触れていない
むしろ後任社長に対する賛辞の言葉だけが記載されている。
あれっ と思いながら最後まで行くと、最後に大どんでん返しが!
犯した罪を償うために、これから私は刑務所に入る。懲役4年の禊を終えた時に、新たな人生がスタートする
いや、これ刑務所入る前かい!
と思ってしまった。
出所後の話や
前述の後任社長との話は「熔ける 再び」に記載があるのかな。
買わなきゃ
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井川意高氏の言動はアレだが、やはり東大出身なので言語化する能力は大変優れてると思う。マカオのカジノでの使ったお金をキャッシュバックするシステム、通称ローリングバックなど大変興味深かった。
一方で自分の批判相手についてネチネチと本作で書き綴っているのは少々かっこ悪いと思った。確かにそうかもしれませんが、我々読みたいのはそこじゃないですし。
Posted by ブクログ
読みやすく面白かった
最後の方に、最終的には自分で返せると思って子会社からのお金を引っ張っていたと書いていたが
そのせいでこんなになってしまったのかなぁと
経営者として大きな金額を普段から扱っていることもあり、記号にしか思えなくなってしまったのだろうか
勉強も仕事も、創業家に生まれたからと甘んじることなく打ち込んでいたところには尊敬の念を抱いた
ギャンブル依存になってしまったことは勿体なく感じる
華やかな生活と刑務所での様子のどちらもを知ることができて面白い
Posted by ブクログ
前から興味はあったものの、某元通訳のスポーツ賭博事件をきっかけに思い出し手に取ってみた。
読みやすい文章で、大王製紙のビジネスの話などもあり面白かった。単に創業家の後継ぎだからというだけでなく、優秀で実績もあり社長のポジションに登り詰めたようだったので、ギャンブルで破滅してしまったのは本当にもったいなかったようにも思う。
が、交遊や遭遇した有名人の話にいくばくかのページを割いていたのは余計に感じ、ギャンブルの詳細(いかにして負けそのときどのような気持ちだったのかなど)をもっと詳しく語ってほしかったとも感じた。
続編もあるようなので近いうちに読みたい。
Posted by ブクログ
2024/04/14
2024年4冊目。YouTubeなどで目にする事が多い井川氏の自伝。まぁ読み物としては面白かったし、文章から賢さと優秀なビジネスマンであった事は伝わった。
Posted by ブクログ
一人の成功者の転落の経緯やギャンブルの恐ろしさが中心と思いきや井川氏の人や仕事に対する姿勢、考え方が書かれてあり、読み進めるたびに発見があった。一人の生き方に学ぶ一冊。あらゆる出来事に対する姿勢は結局その人の人間性だなと改めて思った。勉強になった。
言い訳なのかな
身の上話から色々話が進んで行くのですが、正直なところそこには全く興味が無く、かつ内容もそこそこで、お金持ちの子弟なのはわかったし、父親が厳しい方だというのもわかるが、だからと言ってギャンブルに傾倒して行くところになんの脈絡も無いのであれば、身の上話は正直要らなかった。
終始何を伝えたいのかが掴めずに終わった印象。