神田由布子のレビュー一覧
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作品紹介・あらすじ
「これまでに書かれた最高のビートルズ本」と称賛され、NPR年間最優秀図書賞とヴァージル・トムソン賞(音楽批評部門)を受賞。
彼らの音楽にはなぜこんなにも早すぎる人生が詰まっているのだろう? ローリング・ストーン誌のライターによる、もうひとつのビートルズ・アンソロジー。
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ザ・ビートルズの伝記、でもなければ解説本やデータ・ブックでもない。米ローリング・ストーン誌のコラムニストによるエッセイであり、率直に言えば、一人のザ・ビートルズ・ファンによる「俺はこんなにビートルズが大好きなんだ」的な本、といったところが内容としては一番近いような気がする。僕もザ・ビートルズが大好きなので、読んでいて楽しいことには間違いない。
でも、所々「おいおい」と思う場面もある。例えば僕がそれほど魅力を感じていない楽曲を「すごい作品だ!」と語っていたり、僕が大好きでたまらない楽曲を酷評していたり。ポールに対してかなり辛辣であったり(これに関しては「そうだよなぁ」と納得させられたりもしたけれど)。同じザ・ビートルズ・ファンでもかなり大きな齟齬があるような気がする。
面白く読み進めながらも、気持ちの片隅ではそんな思いを抱きながら最後の「謝辞」を読んでいて「あ、そういうことか」と腑に落ちた。著者自身、実生活で他の評論家とザ・ビートルズに対してさまざまな議論を交わしてきている。そして本書を書いた趣旨を「議論に決着をつけるためではない」「議論を始めるための本だ」と定義づけている。つまり他の評論家と交わしてきた議論を、今度は読者と交わしてみたい、ということなのだろう。そしてそれは決して不愉快な議論ではなく、同じザ・ビートルズ・ファン同士での熱い、だけれどもとても愉快な議論になるだろうな、と思う。本書を読んでいるとそんな議論の輪にぜひとも参加したい気持ちにさせられる。 -
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アメリカの黒人差別がどれだけ酷いものかがわかる。
生まれながらに蚊帳の外に追いやられ、自由がほとんどなかった時代。
暴力や殺人が当たり前、警察は見て見ぬふり。
警察が見て見ぬ振りとか意味あるのか?
当時の話を聞いてるとただの給料泥棒にしか感じない。
それが親子代々に受け継がれていく。
というか、なにが「普通」かわからない。心から。
それだけ当時は黒人差別が酷かった。近年も人種差別に関する運動は過激になっている。
パトリックがミシェル・クオと本を通じて成長していく姿に感動しました。実話なので、リアルに、鮮明に感情や情景が思い浮かびました。
私自身も今年に入って読書をたくさんするようになりました。ジャンル問わず、どんな本からもインスピレーションを得て、成長につながっている実感があります。
そして、本を通じてもっと世界の知らないことや、文化が異なる人々の価値観を知りたいとより強く思えた本でした。 -
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著者・ミシェルは米国生まれの台湾系アメリカ人。両親が台湾からの移民である。ハーバード大学を卒業後、南部アーカンソー州の学校で英語を教える。その学校は公立学校だが、州内で最低のレベルの学校だった。生徒は全員黒人で、卒業できる生徒はわずかしかいなかった。そこでパトリックと出会う。学校をさぼりがちなパトリックだったが、才能を表す。周囲の生徒からも一目置かれるようになる。だが、ミシェルが学校を辞め弁護士資格の勉強をしているとき、パトリックが友人を殺し刑務所に入っていることを知る。面会に行ったミシェルは、パトリックの学力的な変わりようにショックを受け、毎日のように面会に行き二人きりの読書会をする。
米国の抱える深い人種問題。ちょうど今、米国では白人警官が無抵抗の黒人を殺してしまったことから、国中で差別撤廃のデモが続いていいる。まさに、この本に出てくる世界だった。ミシェルは、自分がずっとその学校にいたとしても事態が変わっていたとは限らない事は知っている。それでも少し悔やむ。パトリックは出所後、前科があることでなりたい職業につけない。それでも、家族に囲まれ少しづつ前に進む。わずかな希望を読者に与える。
訳者は、たぶんこだわりを持って「ライオンと魔女と衣装だんす」と訳したのだと思うが、「ライオンと魔女」のほうが良かったのでは。確かに原題には「衣装だんす」までついているのだが、日本人には「ライオンと魔女」がナルニア国だと思っていると思う。訳者のこだわりがわからない。 -
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私は恥ずかしながらアメリカの歴史を知らない。白人の黒人への差別問題もなんとなく学生の頃に授業で触れた程度で詳しくは知らなかった。
アジア人への差別問題も、耳にすることはあっても経験もないため実感は持てないのが現実だ。
アメリカに対しては、世の中の雰囲気的にもどこか「憧れるべき国」だという印象があって、このことと繋がらないこともあるだろう。
この本を読んで1番よかったと思えるのは、今でも根付いているこの問題は、私たちが「差別はよくないよね」「差別はやめよう」と言って通じるほど単純な問題ではないのかもしれない…と言うことに気付いたことだ。
作者のミシェル・クオは台湾系のアメリカ人。その説明だけでも、改めてアメリカには本当に多くの人種が暮らしているのだということが分かる。
ハーバード大学卒業後にTeach For Americaのプログラムに参加した彼女は、アメリカ国内で最も極貧地域のひとつであるデルタ地域に教師として2年間、赴任することになる。
その時出会った生徒の1人がタイトルにも名のあるパトリックだ。
デルタのヘレナで2年を過ごし、ロースクールへ進学するために生徒たちと離れたクオだが、ある時パトリックが殺人を犯して拘置所に入っていることを知り、会いに行く決心をする。そこで拘置所での面会という形で、数年前の授業の続きを行うことになった。
クオは時には厳しくしながらも根気よく、文字の綴り方からパトリックに教えていく。黒人であるパトリックを取り巻く環境や生活の問題、私が普段生きているだけでは見えないことやわからないことがたくさん出てくるのでひとつひとつに衝撃を受ける。
単に「ハーバードを出たアジア系アメリカ人の女性が黒人の貧困層の教え子に無償でずっと教え続けた」などという簡単な言葉で済まされるような美談ではない。
著者自身の、時に迷ったり、猛省したり、もがきながらパトリックに向き合う姿は、読んでいるだけで、ものすごくエネルギーを使う。とてもしんどい本だった。読むだけでは当然理解もできていないことが悔しい。
心に響いたのは、まだ16歳のパトリックの諦めにも似た言葉だった。何となく、頭ではそういう人たちもいるとわかっていたものの、自分の生きていく先に希望を見出せないということがどういうことか、ほんの少しだけ現実のこととして感じることができたように思う。 -
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著者は1966年生まれの英文学者。ビートルズの結成から、ブーム、社会問題化、円熟期、そして解散、ジョン・レノンの死、その後と時系列に4人とその周りの女性たちのことまで詳細に記述している。ジョンとポール・マッカトニーの深いところでの心の結びつきが見事に描かれているように思われるし、ジョージ・ハリソン、リンゴ・スターも含め4人のそれぞれの解散前後の活動にも詳しい。ジョンの死を悼んだポールの「ヒア・トゥデイ」とヨーコの「シルヴァー・ホース」について語る部分はしみじみと読んだ。
ビートルズが活躍したのは1960年代だが、70年代、80年代、90年代、2000年代とそれぞれのビートルズが各世代にとって違う意味があるとの記述。それだけにビートルズは音楽の世界に深い影響を与えてきていると痛感した。著者は90年代がビートルズにとって最良の年だったという。考えてみれば、もう60年程の昔の物語が身近な思い出であると共に、既に歴史になっているのだ。 -
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人々の目を引くセンセーショナルなニュースが強調されるため世界はどんどん悪くなり希望が少ないと勘違いしてしまうが、派手なニュースにはならないゆっくりとした改善や良い行いが着実に進んでいて、世界には希望がしっかりとある。
人は優しく、助け合うことができ、創造性のある存在である。
そして、政治への参加もかつてないほど多くの人に可能となっている。民主主義の普及率も史上最高である。
深刻な地球環境の問題に対しても、温室効果ガスの排出を削減する技術や、風力や太陽光などのクリーンなエネルギーや、電気事業者や、水素エネルギーを活用するためのインフラ整備と技術開発が確かに進んでいて希望が持てる。
医療へのアクセスや清潔な水とトイレへのアクセスは史上最も多くの人に確保されている。そして、先進技術により医療は新たなステージへと入っていく。
世界の貧困層はどんどん減少してきており、女性の教育やLGBTQへの理解と権利の保護も過去から比べると劇的に改善している。
そして、アートはかつてないほどに万人に解放され、無料で芸術を鑑賞でき、学ぶこともでき、発信することもできるようになっている。
世界はまだまだたくさんの課題を抱えてはいるが、希望をもって未来に進もう。 -
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悪いニュースばかり展開される社会で希望の溢れる事柄を集めた一冊。
政治、環境、医療、人権など誰1人残さない
ために希望的な動きや前に進むために自分たちがどんな行動をしていけばいいかが書かれており参考になりました。
よくないことに影響を受けやすい私たちの習性を踏まえたうえで身体障害者や女性などが政治の世界に入り意見を言えるようになってきていることや自分の声を上げることや伝えることが大切であることや今ある環境を守るためにもっと勉強することや行動を変えること、医療や衛生についても誰かが手を差し伸べ途上国の環境も改善していることなどいいニュースが世の中には溢れていることを知ることができました。
フェイクニュースに惑わされず、私たちにできる小さなことを積み重ねて誰も取り残さない明るい社会へ向けて行動していくことが大切だと感じた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
小学校高学年以上の夏休みの宿題にピッタリの一冊。子供版ファクトフルネスといった印象を受けました。ニュースには世界の紛争などネガティブなニュースが毎日溢れています。そういう情報を浴びていると「世界って悪くなっているのかな」と思わされたりします。でも実は悪いことばかりじゃないということを感じられる一冊です。
●クリックベイト
この言葉を子供の頃から知っているのといないのでは世の中を見る目がかなり変わってくるのではと思います。ニュース会社と言ってもクリックされてなんぼなんです。
●アートと文化が今ほど身近な時代はない
アートと言うと絵画のイメージですが映画や小説やゲームもアートの一部とすると納得です。人々は余暇をアートと過ごすことが多くなっていると言えます。それは平和な時代だからこそと言えます。
●小学生高学年向けで各トピックの概要的な本です
本書はふりがなを振ってある点や表現的に小学生高学年以上が読むのにぴったりだと思います。逆に大人の読者には表現がちょっと子供っぽいという印象を持つ方もいると思います。各トピックの概要的な本なので、興味があるトピックを掘り下げた本もあわせて読むと良いです。夏休みの読書感想文には書きやすそうな1冊です。