神田由布子のレビュー一覧

  • 権力は噓をつく――ベトナム戦争の真実を暴いた男

    Posted by ブクログ

    多くは映画で知っていたことだが、ニクソンが大統領選で有利になるよう南ベトナム政府に戦争継続の裏工作をしていたことや、主人公を貶めるためにした工作がウォーターゲート事件につながったことなど初耳のことも多く、面白かった

    0
    2025年11月17日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    ミシェルと、彼女が課した「本を読む」という課題に真摯に取り組んだパトリックとの間に実際に起きた出来事を描いた本書は、読書を通じて人はここまで変容し得るのか、思考はこれほどまでに転換し得るのかと、強い印象を残す内容であった。
    同時に、ミシェルのパトリックへの深いまなざしと、パトリック自身の変わりたいという揺るぎない意志にも心を動かされるものがあった。
    一方で、他者が介在できる範囲には限界があり、最終的には本人の意思に委ねられるという、社会の現実の一端を突きつけられたようにも感じた。

    0
    2025年09月28日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    数年に一度しか出会えないであろう素晴らしい本だった。読みながら学び、考え、文学を味わうことができる。

    0
    2025年02月12日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    図らずも殺人を犯した黒人少年と、
    中国系アメリカ人女性教師の、
    2人だけの読書会。

    今年No.1だった。
    読み終わり高揚感のせいでやや壮大な気持ちになってるが、まさに人間讃歌。そして教師という職業の神聖さにも感動した。

    0
    2023年10月06日
  • それでも、世界はよくなっている

    Posted by ブクログ

    「闘うに値する」と信じることのできる希望を持つ本。

    二酸化炭素の排出量を減らすのには、ガーデニングがガチで効果があるらしい。

    0
    2023年04月16日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    いろいろなことが詰まりすぎていて、何を書いていいのかわからない。
    ヘレナの学校での出来事、パトリックとの出会い、作者がセレナを去った翌年のパトリックの殺人、拘置所のパトリックとの読書会。どこをとっても一つ一つが重く暗く美しく尊い。
    作者自身の個人的な事情、家庭状況も書かれている。作者の心の声も事細かに記され、ここまで丁寧に詳しく赤裸々に教えてくれなくてもと思いつつ、作者自身の人間的な魅力に惹かれていく。
    特に最後に「もし自分がデルタに残っていたなら」というのが、わざわざ書かれているのが、私にはとてもうれしかった。「もしあの時こうしてたなら」というのはおそらく誰にでもあるのではないか。私などはあ

    0
    2023年03月11日
  • それでも、世界はよくなっている

    Posted by ブクログ

    ファクトフルネスと似ているな、と思いましたが、こちらの本が2022年出版なので、5年新しい。
    子どもや若者向けに書かれたものでした。

    内容は決して楽観的ではありませんが、希望はあるということを、説得力を持って語ってくれます。

    私も何か小さなアクションを起こしたい、と思える本です。何か自分にもできそうな気がしてくる。
    多くの人が、真剣に、前向きに取り組んでいる。私も、希望を捨てずに行動しなければ。

    0
    2023年01月14日
  • それでも、世界はよくなっている

    Posted by ブクログ

    フェイクニュースだけではなく、様々な差別あるいは環境保護や現在のあらゆることについてどのように改善されてきているか、について書かれている。
     子供向けであるが、わかりやすいので読んでみると自分ができることが明らかになろう。

    0
    2022年07月25日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    台湾系アメリカ人、家族の期待に応えて勉強して大学進学し、後に司法試験を受け、「成功」している立場の著者が、黒人の権利獲得運動に共感することで、出口のない貧困地域で教員の経験をし、そこで出会った人との深い交流を通して綴ったルポルタージュ

    家族の期待に応えなければいけない、というアジア系特有(?)の息苦しさと、自分が善と信じることをしたい、でもそれは本当に善いことなのか、という葛藤

    言葉を信じ、教育によって表現することを学べば、世界は言葉によって開かれるということ

    0
    2022年07月19日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    丸の内の丸善でノンフィクションの特集の本棚に置いてあった。

    初めは気づかなかったが、「パトリックと本を読む」というタイトルが目に入った。読書会に関する本かなと思い、手に取って帯に書いてある「自己発見と他者理解」という言葉に惹かれた。

    それは自分にとっての本を読むという行為、読書会をしていて思う、その本質を言い表しているような気がしたからだ。
    買って一週間もたたずに読んでしまった。

    本書のあらすじとしては、アジア系アメリカ人の作者が大学時代にボランティアとして黒人差別とその抵抗運動が激しかったデルタ地域に赴く。
    しかし、今はそのような名残もなく貧困と諦めが蔓延している学校で、彼女は教師とし

    0
    2021年09月12日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    ーむしろ私は信じなくてはならないのだ。
    あるとき、ある場所でふたりの人間が互いに
    大きな影響を与えあえるということを。

    そう、信じなければいけない。
    それこそが、世界を変える。
    いや、それしか世界を変える方法はない。

    そう思える希望の本。

    アメリカの最下層に生きるパトリック。
    救おうとする作者。
    ブルデューの「ディスタンクシオン」によれば、人生は、置かれている環境によってほぼ決まっている。
    であるならば、一介の教師が生徒を救うことはできないのか?
    置かれた環境に抗って、抜け出せる程の影響を与えることはできないのか?
    この本を読むと、たった一人の生徒を、一生かけてケアしても、救

    0
    2021年01月30日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    とても静かで美しい文章。ひとつひとつの文が、撒いた水が土に染み込むように、身体に入ってくるようだった。

    黒人の歴史が横糸となり、自身の将来への希望と不安、家族等との関係を交えた選択が縦糸となって織られていく。そこへパトリックの物語が絡んで立体的な織物となり、時には調和し、時には解れ、ひとつの作品になっていった。

    著者が多くの本を読んでいたこと、とくに詩に親しんでいたことが、そういった文章に表れているのだと思う。

    目に浮かぶのは、子供たちと車でミシシッピ川にかかるヘレナ橋を渡る場面。大きな川を越えることは、将来への明るい希望を表しているようでもあり、一方で立ちはだかるとてもとても大きな困難

    0
    2020年08月28日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    「参考文献」ページに書かれている「アーカンソー州の子どもと家族を守る会」の情報によると、2013年の時点でも、黒人生徒が校内謹慎処分を受ける頻度は白人生徒の約3倍、校外謹慎処分に至っては5倍以上、黒人生徒が体罰を受ける頻度も2倍。
    警官によって男性が殺害された件をきっかけに、アメリカで大きな抗議行動が起きているが、その背景を垣間見ることができる貴重な本。差別はアンクルトムや、キング牧師の時代とは形を変えて、多くの黒人の前に立ちふさがっている。アジア系から視点で書かれているこの本は入門編として最適。また、学ぶこと、本を読むこと、立場を越えて人と人がつながること、そうした大切さも教えてくれる。

    0
    2020年07月11日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    罪を犯してしまった黒人の少年と、元教師の歩んだ道のり。
    拘置所での面会時に重ねられる授業。
    少しずつ着実に学びを深める少年。
    黒人人種差別問題についての記述も多く、その置かれる状況も奥行きを持って知る事ができる。

    0
    2020年06月21日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    時代小説は、私にとってよく知った友人みたいなものだ。

    スルスルと流れるように入ってくる文章は

    「読む」行為そのものが楽しい。



    けれど、時折好きか嫌いかわからない「読み物」も

    必要なのだ。

    偶然の出会いの中から、時に後々まで印象に残る

    大切な本当の出会いがある。



    この本は、まさしくそうだ。



    初めての執筆となったミシェル・クオは

    台湾からやってきた移民の夫婦の娘。



    夫婦は、それこそ働きに働いて娘に教育を授けた。

    英語もわからず、資格もないまま台湾から移住した夫婦には

    一生懸命働き、後ろ指刺されない生活こそが

    まるで教義のように第一であった。



    そんなミ

    0
    2020年06月10日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    よかった。貧困と犯罪の世界からどうやったら抜け出せるのか、抜け出すことは可能なのか…などと思いながら読んでいたが、中ほどからは、それよりもパトリックの豊かな読みに驚かされ嬉しくなり、読書の純粋な歓びを再確認することとなった。難を言えば、パトリックの状況は解決されたわけではないし、ここまで献身的な著者の関わりも例外的かとは思うけれど、なんにせよ、パトリックが詩を朗読したり詩を作ったりしていくシーンには幸福感と言っていいものがある。

    0
    2020年05月19日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    ミス・クオがパトリックと共に読むことと書くことを通して視角や感性を広げていく。アメリカ南部アーカンソー州のデルタ地帯の現状、クオが直面するアジア系移民とその子世代をとりまくまなざし、ハーバードのエリート達が選びとる進路の揺らぎなど、いろいろな視点から読むことができる。

    0
    2025年05月07日
  • それでも、世界はよくなっている

    Posted by ブクログ

    医療、社会、アート、文化、そもそもの人間、政治
    昔に比べれば、すごく良くなっている。
    自分たちにできることをする。

    0
    2025年04月17日
  • それでも、世界はよくなっている

    Posted by ブクログ

    ニュースではこんな事件がありましたっていうのが多いけれど、実はこんな良いこともたくさん起こっているんだよ、という話を簡単にしてくれている。

    振り仮名はないけど、文調は子供向けっぽいです。
    でも口語調なので読みやすいし、頭に入ってきやすかったです。

    話題になったFACT FULLNESSを簡単にした感じだろうか。そっちを最初の方しか読んでないですが、実は数字で見るとプラスなんだよってところとか似ています。

    自分でも少しずつ何かできるといいな、できそうだな、と思わせてくれます。

    0
    2022年10月17日
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会

    Posted by ブクログ

    教師は生徒をすこやかに生きる力を与られるが、今より明るい未来へ導けるか、そして相互間に信頼関係を結べるか?
    そう言うことを考えさせられた。
    荒れ果てすさんだデルタ、仕事もなく犯罪の巣のような町で生きることに投げやりな人々。根強い黒人蔑視、筆者自身も中国系ということで差別体験はあり、そのような泥沼感に理解がある。だからクオ先生の記録としても興味深い。
    そして何より筆者がパトリックを助けようとキャリアを犠牲にして刑務所に通い本を読みながら共有した時間、会話に感動した。
    最後、あったかもしれない未来に思いを馳せるところ胸に響いています。

    0
    2021年08月17日