神田由布子のレビュー一覧

  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    図らずも殺人を犯した黒人少年と、
    中国系アメリカ人女性教師の、
    2人だけの読書会。

    今年No.1だった。
    読み終わり高揚感のせいでやや壮大な気持ちになってるが、まさに人間讃歌。そして教師という職業の神聖さにも感動した。
  • それでも、世界はよくなっている
    「闘うに値する」と信じることのできる希望を持つ本。

    二酸化炭素の排出量を減らすのには、ガーデニングがガチで効果があるらしい。
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    いろいろなことが詰まりすぎていて、何を書いていいのかわからない。
    ヘレナの学校での出来事、パトリックとの出会い、作者がセレナを去った翌年のパトリックの殺人、拘置所のパトリックとの読書会。どこをとっても一つ一つが重く暗く美しく尊い。
    作者自身の個人的な事情、家庭状況も書かれている。作者の心の声も事細か...続きを読む
  • それでも、世界はよくなっている
    ファクトフルネスと似ているな、と思いましたが、こちらの本が2022年出版なので、5年新しい。
    子どもや若者向けに書かれたものでした。

    内容は決して楽観的ではありませんが、希望はあるということを、説得力を持って語ってくれます。

    私も何か小さなアクションを起こしたい、と思える本です。何か自分にもでき...続きを読む
  • それでも、世界はよくなっている
    フェイクニュースだけではなく、様々な差別あるいは環境保護や現在のあらゆることについてどのように改善されてきているか、について書かれている。
     子供向けであるが、わかりやすいので読んでみると自分ができることが明らかになろう。
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    台湾系アメリカ人、家族の期待に応えて勉強して大学進学し、後に司法試験を受け、「成功」している立場の著者が、黒人の権利獲得運動に共感することで、出口のない貧困地域で教員の経験をし、そこで出会った人との深い交流を通して綴ったルポルタージュ

    家族の期待に応えなければいけない、というアジア系特有(?)の息...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    丸の内の丸善でノンフィクションの特集の本棚に置いてあった。

    初めは気づかなかったが、「パトリックと本を読む」というタイトルが目に入った。読書会に関する本かなと思い、手に取って帯に書いてある「自己発見と他者理解」という言葉に惹かれた。

    それは自分にとっての本を読むという行為、読書会をしていて思う、...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    ーむしろ私は信じなくてはならないのだ。
    あるとき、ある場所でふたりの人間が互いに
    大きな影響を与えあえるということを。

    そう、信じなければいけない。
    それこそが、世界を変える。
    いや、それしか世界を変える方法はない。

    そう思える希望の本。

    アメリカの最下層に生きるパトリック。
    救お...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    とても静かで美しい文章。ひとつひとつの文が、撒いた水が土に染み込むように、身体に入ってくるようだった。

    黒人の歴史が横糸となり、自身の将来への希望と不安、家族等との関係を交えた選択が縦糸となって織られていく。そこへパトリックの物語が絡んで立体的な織物となり、時には調和し、時には解れ、ひとつの作品に...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    「参考文献」ページに書かれている「アーカンソー州の子どもと家族を守る会」の情報によると、2013年の時点でも、黒人生徒が校内謹慎処分を受ける頻度は白人生徒の約3倍、校外謹慎処分に至っては5倍以上、黒人生徒が体罰を受ける頻度も2倍。
    警官によって男性が殺害された件をきっかけに、アメリカで大きな抗議行動...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    罪を犯してしまった黒人の少年と、元教師の歩んだ道のり。
    拘置所での面会時に重ねられる授業。
    少しずつ着実に学びを深める少年。
    黒人人種差別問題についての記述も多く、その置かれる状況も奥行きを持って知る事ができる。
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    時代小説は、私にとってよく知った友人みたいなものだ。

    スルスルと流れるように入ってくる文章は

    「読む」行為そのものが楽しい。



    けれど、時折好きか嫌いかわからない「読み物」も

    必要なのだ。

    偶然の出会いの中から、時に後々まで印象に残る

    大切な本当の出会いがある。



    この本は、まさし...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    よかった。貧困と犯罪の世界からどうやったら抜け出せるのか、抜け出すことは可能なのか…などと思いながら読んでいたが、中ほどからは、それよりもパトリックの豊かな読みに驚かされ嬉しくなり、読書の純粋な歓びを再確認することとなった。難を言えば、パトリックの状況は解決されたわけではないし、ここまで献身的な著者...続きを読む
  • 冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート 市場の英知で時代を読み解く
    投資の話だけではなくて、世界をみること旅をすることのすばらしさと楽しさが溢れていて大変刺激になった。
    P15アラバマからイェールに入ったときのエピソード。
    どんな課題をやるときも、ひたすら勉強し、ひたすら仕事し、ひたすら調べ続けるという粘り強いアプローチをするらしい。ここは見習いたいものだ。
    あとは...続きを読む
  • 冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート 市場の英知で時代を読み解く
    相変わらずの語り口が爽快!豪快!
    ただ「持てる人の哲学」満載、というのも

    ・肝心なのは粘り強さ
    ・「創造的破壊」は資本主義に必要書くべからずもので資本主義の本質はそこ
    ・プラトンは「国家」で「社会は独裁制→寡頭制→民主制と進化し混乱に至り、また独裁制に戻る」と書いた。
    ・国の困難な時代には常に外国...続きを読む
  • 冒険投資家ジム・ロジャーズのストリート・スマート 市場の英知で時代を読み解く
    おすすめ度:95点

    爽快。憧れの生き方。
    アメリカの限界と衰退。
    ミャンマーと北朝鮮に注目。
    中国はアメリカよりもよほど自由の国。
    シンガポールの発展の脅威。
    アジアの時代。
    夢見る勇気。情熱を追い求める勇気。失敗してもまたチャレンジする勇気。
    本当の失敗とはただ一つ、やってみようとしないこと。
    ...続きを読む
  • それでも、世界はよくなっている
    ニュースではこんな事件がありましたっていうのが多いけれど、実はこんな良いこともたくさん起こっているんだよ、という話を簡単にしてくれている。

    振り仮名はないけど、文調は子供向けっぽいです。
    でも口語調なので読みやすいし、頭に入ってきやすかったです。

    話題になったFACT FULLNESSを簡単にし...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    教師は生徒をすこやかに生きる力を与られるが、今より明るい未来へ導けるか、そして相互間に信頼関係を結べるか?
    そう言うことを考えさせられた。
    荒れ果てすさんだデルタ、仕事もなく犯罪の巣のような町で生きることに投げやりな人々。根強い黒人蔑視、筆者自身も中国系ということで差別体験はあり、そのような泥沼感に...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    アメリカの黒人差別がどれだけ酷いものかがわかる。
    生まれながらに蚊帳の外に追いやられ、自由がほとんどなかった時代。

    暴力や殺人が当たり前、警察は見て見ぬふり。

    警察が見て見ぬ振りとか意味あるのか?
    当時の話を聞いてるとただの給料泥棒にしか感じない。

    それが親子代々に受け継がれていく。
    というか...続きを読む
  • パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会
    アメリカの人種差別を土台にした、教師と生徒の物語。
    パトリックの側からも主人公側からも共感できる部分もあった。

    1番好きだったのが、p359でパトリックが線を引いていた場面。「抑圧された人々には割く時間もエネルギーもない」という一文に、私も共感した。

    抑圧された人々とは、
    自分がそれを手にできる...続きを読む