鶴見太郎のレビュー一覧
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序章 組み合わせから見る歴史
第1章 古代ー王国とディアスポラ
メソポタミア、エジプト、バビロニア、ペルシャ帝国、
ギリシャ、ローマ
第2章 古代末期・中世ー異教国家のなかかの「法治民族」
西ローマ、イスラム世界、ドイツ、スペイン
第3章 近世ースファラディームとアシュケナジーム
オランダ、オスマン帝国、ポーランド
第4章 近代ー改革・革命・暴力
ドイツ、ロシア帝国
第5章 現代ー新たな組み合わせを求めて
ソ連、イスラエル、アメリカ
三千年の歴史!
ユダヤ人の話ですが流浪した先の5大陸の歴史を学ぶことも出来ます。
流浪の民族ユダヤ人は「カスタマイズ」と「組み合わせ」を繰返して民族・組織として生き残り、繁栄もしていく。
現代のイスラエルは”最悪な組み合わせ”なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
最近ユダヤ人に関するニュースをよく見るので、ユダヤ人とは を知りたくて読みました。内容ですが、ユダヤ人の歴史を簡潔にまとめてありました。世界史を全く知らない身としては、かなり難しかったです。
書籍を読んで、ユダヤ人がイスラエルを建国した理由、ユダヤ人でも様々な分類わけできる点、各国のユダヤとの関係を理解できました。
以下は書籍で使われていたユダヤ教についての単語を、GPTでまとめました。
ヤハウェ:ユダヤ教における神の名前。ヘブライ語ではYHWHと表され、ユダヤ教では直接口に出すことを避けることが多い。
カナンの地:聖書で、神がアブラハムとその子孫に与えると約束した土地。現在のイスラエル、パレスチナ周辺にあたる地域。
ラビ:ユダヤ教の宗教指導者・教師。律法や聖書を教え、礼拝や共同体の活動にも関わる。
スファラディーム:主にスペイン・ポルトガル系のユダヤ人。のちに北アフリカ、中東、オスマン帝国などへ広がった。
アシュケナジーム:主にドイツ・東欧系のユダヤ人。ポーランド、ロシア、リトアニア、ウクライナなどに多く住んでいた。
ハスカラー:18〜19世紀ごろのユダヤ啓蒙運動。近代的な教育や科学、世俗社会への参加を重視した動き。
シオニズム:ユダヤ人の民族的故郷をパレスチナ地方に建設しようとした民族運動。のちのイスラエル建国につながった。
ポグロム:ユダヤ人に対する集団的な迫害・暴動・虐殺。特にロシア帝国や東欧でのユダヤ人襲撃を指すことが多い。
シナゴーグ:ユダヤ教の会堂・礼拝所。祈り、聖書朗読、学習、地域の集会の場。
改革派:ユダヤ教を現代社会に合わせて柔軟に解釈する立場。礼拝や生活習慣も比較的自由。
保守派:伝統を大切にしながらも、時代に合わせた変化も認める立場。改革派と正統派の中間的な位置づけ。
正統派:トーラーやタルムードなどの律法を厳格に守る立場。食事規定、安息日、礼拝など伝統的な生活を重視する。 -
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- 歴史の「歪み」と、寄せ集めの民の重力を見つめる
中公新書から2025年に刊行された鶴見太郎氏の著書。
ユダヤ人の通史だが、著者の筆致は客観性に徹している。ラビン暗殺といった歴史的悲劇すら淡々と、簡潔に記述していく姿勢が、歴史の逃れられない冷徹さを際立たせている。
関心を惹かれたのは、生存戦略としての「法(テキスト)」の扱いだ。
申命記にある「外国人からは利息を取ってもよい」という神の言葉の解釈。この宗教的根拠が、彼らに金融という独自の活路をもたらした。一方で、この仕組みが為政者との便宜的な関係を生むと同時に、庶民の怨嗟を買い、外部社会との間に決定的な「金利の歪み」を定着させた。この構造が数千年の流転にどう影を落としたかが、冷静に解き明かされている。
イスラエル内部の複雑な構造も、本書を読んで腑に落ちた点だ。
「欧州の白人ユダヤ人対パレスチナ」という単純な構図ではない。ホロコーストの記憶を持つアシュケナジーム、アラブ圏にルーツがあり右派を支えるミズラヒム、世俗的なナショナリズムを貫くロシア系移民。異なる背景を持つ人々が、「ユダヤ人」という共通のレッテルによって寄り集まっている。
アシュケナジームのエリート層が企図した「理性的」な和平案が、国内の情念や生存本能によって暗殺という形で葬り去られた。この事実を前にすると、中東の平和の遠さを実感せざるを得ない。
あらゆる事象に歪みがあり、それでも成り立っているのがこの世界なのだろう。その歪みそのものを受け入れ、アービトラージ(裁定)を繰り返しながら生きていく。不条理な現実を読み解くための、確かな補助線となる一冊だった。 -
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私のユダヤに関する知識が不足しているが故に、十分に消化出来なかった。長いユダヤ教、ユダヤ人が辿った歴史を丁寧に論ずる学術色が強い本である。古来よりいくつかの派閥があったこと。ニューヨークに住んでいるとき、異様に見える服装、姿からハシディズムは最右翼的な存在かと思っていたが、そうでもないらしい。ホロコースト、ポグロム。ドイツよりも東欧の被害者が圧倒的であること。ロシア・ユダヤ人が多くイスラエルに渡り影響を与えていること、ゼレンスキーはユダヤ系であること、など色々知らないことばかりである。たぶん三分の一も消化出来ていない。他の本も読んで深めたいと思う。
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『ガザとは何か』を読んで非常にショックを受けたので、イスラエル側で起きていること、その根源にある思想についても学びたくて本書を読み始めた。
思った以上に根が深く複雑に入り組んだ問題であり、なかなか読み進めるのに困難な部分もあった。
(世界史が苦手で避けてきた人生だったので…)
印象的だったのは「ネーションに基づく秩序を国際社会ぐるみでパレスチナに押しつけるうねりが生まれた」という一文だ。
都合よく見て見ぬふりをしてきている国際社会にも、大きな責任がある。
双方の状況を知ってなるべく偏りのない意見を持とうと考えて読んだのだが、それでもやはり暴力では何も生まないという気持ちは変わらない。
ユダヤ人が辛い境遇を生きてきたことはもちろん事実だが、それとガザへの攻撃は無関係だ。
緊迫が続く中東に少しでも光がさすことを切に願う。 -
Posted by ブクログ
19世紀以降、主に20世紀から半年前(2025年9月)までのユダヤ人とシオニズムの変遷を一気に読んだ。これまで、ユダヤ人のイメージと言えば科学者や芸術家、実業家などで抜きん出て成功している人がまず浮かんだが、確かにどの民族というか集団であっても、成功できる人もいれば、貧しさに身動き取れず抜け出せない人もいる。民族ゆえの厳しさが重なればなおさらだ。
これだけニュースで流れてくるのに、未だによく分からないイスラエルについて、初めて少しだけ理解できた気がする。とはいえ、現代に近づけば近づくほど、複雑になり再び理解が追いつかなくなってしまった。 -
Posted by ブクログ
本来は「いつかはパレスチナの地でユダヤの国を作りたい」という、とても共感できる理想からはじまったシオニズム。かつて離散を経験し、各地で抑圧され続けてきたユダヤ民族が、結束してカナンの地に国を作るという野望が、イスラエルという国として実現されるというドラマチックな物語の背後で、その主義思想としてのシオニズムがどのように展開していったのかという興味深い内容。
2度の世界大戦を挟む激動の200年の間でシオニズムは様々な思想に分かれ、塗り替えられ、現在のパレスチナとイスラエルの対立構造に陥ってしまう。その過程と因果関係が非常に精緻な文章で語られており、ユダヤ民族の見方が大きく変わった。
わたしたち日本人は東の果ての島国に住む遠い存在と感じがちだが、同じ歴史の只中にある。こうして歴史を学ぶことの大切さが身に染みた。
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2021年7⽉12⽇のウラジーミル・プーチン「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」(⼭形浩⽣ 訳/以下「プーチン論文」という。)に抗して読んだ。/
(1)《ロシア⼈とウクライナ⼈は⼀つの⺠なのだと述べた》(プーチン論文)/
プーチン論文では、ホロドモールについて、次のようにふれている。/
《1930年代初期の集産化と飢餓という共通の悲劇はウクライナ人の虐殺として描かれる。4》/
《4 訳注:いわゆるホロドモールのこと。⼤規模不作による飢饉で⾷料徴発と「富農」弾圧が⾏われたときにはウクライナが特に標的とされ、農業の基盤そのものが破壊された。飢餓の推定死者数も圧倒的にウクライナ⼈の⽐率が多い (諸説あるがおおむねウクライナ 500 万⼈、その他 200 万⼈)。》/
それに対して、この部分に関する本書の記述を見てみよう。/
【一九三二年十二月、スターリンはカガノヴィチと首相の(略)モロトフをウクライナに行かせ、非現実的な穀物徴発割当の達成を強行させた。ウクライナの党幹部はモスクワの全権委員に指導され、(略)飢えに苦しみながら多くが死にかけている農民からむしり取れるだけむしり取った。当局は割当を達成できなかった村に対して、マッチや灯油などの生活必需物資の供給を絶ち、穀物のほか家畜や食糧になりうるあらゆるものを没収して罰した。
─中略─
ウクライナでは一九三二年から一九三四年のこの飢饉で四〇〇万人以上が餓死した。
─中略─
ウクライナの大飢饉(ウクライナ語で「ホロドモール」と呼ばれる)は、ウクライナとその国民に対する計画的なジェノサイドだったのだろうか。二〇〇六年十一月にウクライナ議会はそうであると認定した。世界中の多くの議会と政府が同様に決議したが、ロシア政府はウクライナの主張を切りくずすための国際キャンペーンを開始した。
─中略─
それでも一九三二年から一九三三年の大飢饉の重要な事実と解釈の一部については、広く合意されつつある。公的政策が引き起こした人為的な現象だったことで学者の意見はほぼ一致しているのである。】/
このように、ホロドモールの歴史が存在し、それに対してソ連の後継国家であるロシアが、正当な位置付けも、何らの謝罪も賠償も行なっていないという事実そのものが、(1)のプーチン論文の論旨の欺瞞性を明らかにしている。/
(2)《ロシアはこれまでも、そして今後も、決して「反ウクライナ」にはならな
い。》(プーチン論文)/
以下の二つの点から、プーチンの論旨が単なるプロパガンダ以上のものを出ないことは明らかである。/
◯2014年:ロシア、クリミア半島を併合、ドンバスに軍隊を送り、戦争を開始。2024年:ロシア、ウクライナに侵攻。/
◯ ロシアのウクライナ侵攻における戦争犯罪:
〔2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、ロシア連邦軍と当局による民間人を対象とした多くの意図的な攻撃、民間人の虐殺(大量虐殺)、ウクライナ人女性と子供に対する拷問と強姦、生身及び遺体の切断、ウクライナ人捕虜の殺害、人口密集地での無差別攻撃が行われた。
─中略─
2023年3月、国際刑事裁判所(ICC)は、ウクライナ侵攻中の子供の誘拐という戦争犯罪への関与の疑いで、(略)ウラジーミル・プーチンとロシア連邦児童権利委員会委員(略)であるマリア・リヴォワ=ベロワに対して逮捕状を発行した。〕
(Wikipediaより。)/
以下に、主なもののみを掲げる。
・禁止兵器の使用:
ウクライナ政府によると、侵攻開始から2023年12月までに化学兵器を465回使用。/
・拉致と国外移送:
ウクライナ当局によると、ロシア軍は侵攻開始から現在までの間に12万1000人以上のウクライナ人の子供を誘拐し、ロシア東部の州に強制移送させた。
ウクライナの人権団体は、約8万4,000人の子供を含む40万2,000人以上のウクライナ人がロシアに強制移送されたと発表した。その後、被移送者数は70万人以上とされた。/
・民間人への攻撃(ブチャなどにおける虐殺。)
・民間人への拷問
・性暴力
・捕虜の虐待
・強制徴兵
・ジェノサイド:
ウクライナ、カナダ、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、チェコ共和国、アイルランドの議会は、この侵略はジェノサイドであると宣言した。/
もちろん、今後もプーチン・ロシアやそれに加担する者たちによって、彼らの「大ロシアと小ロシアの物語」は生産され続けるだろう。
だからこそ、僕はもっとウクライナの歴史と物語が読みたい!
「ブラッド・ランド」の血泥の中から花ひらいた美しき蓮の花、ウクライナよ、永遠なれ! -
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[ 内容 ]
民間習俗の由来を調査するに止まらず、研究成果を援用し、現在の生活を改善しようとした柳田民俗学。
だが現代社会で、柳田の姿勢は失われつつある。
「家」「モヤヒ」「故郷」「憲法」「伝承」などの領域で、研究者、画家、作家たちが展開した民俗学の具体例を広く取り上げ、柳田民俗学の実践的な課題を近現代史のなかから掘り起こす。
柳田民俗学が本来目指したものとは何か。
その答えと可能性を追究する一冊。
[ 目次 ]
第1章 『遠野物語』再考
第2章 家
第3章 民俗学が生む“方法”について
第4章 思想への態度
第5章 生活から生まれる論理
第6章 “モヤヒ”の思考
第7章 座談が捉えた思想像
第8章 漂泊と現代
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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[ 内容 ]
柳田国男は、歿後四〇年を過ぎても、いまだに日本の学問・思想界に絶大な影響力を保っている。
しかし、彼が独力で開拓したと言っても過言ではない民俗学は、その後、独創的な継承者を得られず、彼一代の学問として燦然と輝いているのである。
本書は、民俗学の黎明期にあった柳田の詩的な精神が、民俗学者ではなく、むしろ異分野の研究者、思想家、作家などに受け継がれていった経過を、丹念に追跡する試みである。
[ 目次 ]
第1章 柳田がみずからを語る―神秘体験、その他
第2章 郷土会
第3章 柔軟な組織について
第4章 周辺の人々
第5章 古希に集う
第6章 読者群像
第7章 実践者のゆくえ―橋浦泰雄、太地への道
第8章 引き継がれる詩人像―永瀬清子『諸国の天女』
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