鶴見太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ユダヤ人を構造から見る視点はとても興味深い考察だった。
そもそもユダヤ人の定義からしていまいちよくわからないとこだが、ユダヤ教徒とその戒律からくる生活習慣や価値観がカギなのはわかる。
なぜユダヤ人が金融や商業に強い理由が戒律重視故の識字率の高さに起因しているのではないか?というのも興味深かった。
国(土地)を追われた後に国の権力者にとっては商業資産を持つものとして、関係性をもちつつ、農民からは高利貸しの搾取者として恨まれやすかった(そう認識されやすかった)というのも興味深い考察だった。
とはいえ、多数のユダヤ人を一つの構造で理解することはできない。あくまで一つの見方として参考になる。 -
Posted by ブクログ
ユダヤ人は役人と農奴の中間職を担っていて、国の発展時は活躍・繁栄し、衰退時は農奴からの恨まれ役になる、という構造的問題を知れたことが一番の収穫でした。
またアウシュビッツの被害がごく一部であることにも大変驚きです。こんなにも虐殺されていたのですね。
「シオニズム」や「セファラディーム」などなど、語彙の意味や帝国などの版図を適宜整理しながら読んでいたので、かなり体力を使いました(笑)世界史を学んだ方はもう少し楽に読めるのかな?
正直なところ大枠しか捉えられてない気はしますが、ヨーロッパ史の整理や地理の解像度も上がって、収穫大アリの本だったなぁと。
もう2,3周したら楽しみながら読めそうです… -
Posted by ブクログ
ユダヤ人の3000年にわたる歴史を書いている。
おそらくユダヤ人の歴史において、もっとも知られているであろう近代以降(ホロコースト以降)は全体の半分から1/3程度である。このあたりは広く言及されがちな歴史なので、ほかにも参考となる書籍は多くある。
本書でよかったのは、古代から近世までの、あまり言及されないユダヤ人の歴史。著者自身も書いているが、ユダヤ人は近代になるまで教科書にもほとんど登場しない。そのため、本書の役割は大きいと思う。
現代のユダヤ人といえば、ホロコーストの被害者からのパレスチナを植民地化する加害者という印象が強い。ただ、そこに至るまでの、近代以前からの過程は直線的ではない。むしろいまのイスラエルは、ユダヤ人の歴史からすれば特異な位置付けになると思う。 -
Posted by ブクログ
イスラエルにもユダヤ人にもロシアナショナリズム等に詳しくない自分には難解な部分も多かったけれど、イスラエルの国民性がどういう流れを辿ってきたのか、うっすらと輪郭を掴むことができた。
ディアスポラ、ポグロム、ホロコースト、シオン主義、福音派、そういった人々が世界に散ったことでむしろ結束が強まる一面があったこと。
ガザの戦争がなかったら一生知る機会のなかったことかもしれない。
⚫︎あらすじ
ハイテク産業で鳴らしているイスラエルは、軍事力が高く、好戦的な国としても知られてきた。なぜか。一般には、あるいは今日のイスラエル人自身にとっても、ホロコーストを二度と繰り返さないためにそうなっているという説明がしっくりくるだろう。しかし、イスラエルをつくったシオニストの自衛への意識は、ホロコーストが始まる前から十分に高くなっていた。ホロコースト以前の世界のユダヤ人口の中心はロシア東欧地域である。シオニスト運動はロシア帝国に始まり、当地出身のユダヤ人が思想的にも人材的にもシオニスト運動やイスラエル建国を引っ張ってきた。では彼らはなぜ自衛の意識を高く持ったのか。 -
Posted by ブクログ
ウクライナの地域とそこに生きてきた人々の歴史。物語風に書かれており読み易い。事件がウクライナのアイデンティティにどんな影響を与えたか、ウクライナ人・ユダヤ人・ロシア人といった住民達が何を経験したかにフォーカスしており今出版されるべくしてされた本だと思った。
上巻は20世紀初頭まで。フルシチョフ・ブレジネフ・ゴルバチョフのファミリーヒストリーを通じて19世紀後半のウクライナ/ロシアの移住事情が語られるのが面白かった。
ただ、一部の例外(ブレスト合同とかコサックとか)を除いた個別の事件や周辺国の状況についての記述に乏しく、また地図もないのでロシア史・ポーランド史が何となくでも頭に入っている人でないと読んで厳しいんじゃないかと思う。注釈、索引、参考文献も上巻にはなかったから一般書の扱いなんだろうけど…上下巻で7,000円超なんだけど… -
Posted by ブクログ
ホロコーストを体験したユダヤ人がなぜ人種主義的で、軍事的な国を作ったのか、あるいはその傾向が強まったのかというのは、謎が多いところ。
そんな関心事で読んでみた。
基本的には、ロシアにおけるユダヤ人という立ち位置が、ヨーロッパにおけるユダヤ人、例えばフランスやドイツとどう違っていて、シオニストの中で、どのような議論のプロセスを得て、軍事的、ファシズム的なものになっていったかということが書いてあって、ほとんど知らなかったことばかりなので、とても勉強になった。
だが、本のタイトルと内容は少しづれている感じもあって、そもそもシオニズムを提唱したヘルツルの思想の解説とか、ロシア以外のシオニストたちの動き、ホロコーストが進展する中での動き、そしてイスラエル建国時の説明などとの関係がもう少し知りたい感じがした。
多分、そうした話しは別途シオニズム関係、イスラエル建国関係の本を読めばわかるのだろうが、やはり大きなところで、そうしたこととロシアのユダヤ人の関係が知りたいと思った。