鶴見太郎のレビュー一覧

  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    面白い!!!ユダヤ人の歴史をたどりながら「そうだったのか!」という気付きに溢れてる。世界にはまだまだ私の知らないことがたくさんある、という当たり前のことを鮮烈に教えてくれる一冊。かつ、ちょっとした言い回しが巧みで純粋に「読み物」として再読したくなる。これは売れるわけだ…。

    序章より
    人生は組み合わせである。つまり重要なのは、何と何が組み合わさってそのような結果になったのか、ということだ。組み合わせは、巡り合わせのような偶然によって起こるかもしれないし、自ら特定の組み合わせを狙うこともあるだろう。

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    2026年09月24日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    ネタバレ

    ユダヤ3000年の歴史。
    途方もない、永い時間、その軌跡を終えるだけでも本当に神秘的で筆舌に尽くし難い経験だと感じた。

    遥か昔の古代からこの地球に人間が生きていることを、知ってはいたけど体感として知らしめられた、そんな読書体験だった。

    実際の中身のところでいくと、ユダヤ人に対する見方が変わった。良い悪いではなく、史実を知ることができた。

    特にユダヤ人迫害の歴史は、ヨーロッパ大陸が地続きであるというところをベースに、ユダヤ教の根本である律法主義や、時代、外的環境、様々出来事が複雑にか絡み合い今日に至るんだなと。
    でもとにかく、国を豊かにするためにユダヤ人を利用して、ユダヤ人側もそれを逆手にとり栄えてきた。
    とにかく一筋縄ではいかないものがあるなと。

    島国日本人には、到底理解しきれないな〜
    私もわかってるつもりで本当の体感としてはわからないんだと思う。

    でも一つ言えるのは、これを読んだことによりネタニヤフの根源が知れたというか、とにかくユダヤ人は「奪われてきた」と、そういう想いなんだね。
    でもネタニヤフの性格も影響ありそうだなと。

    今後のニュースの見方が変わりそうです。

    読みやすくて、知らないことが知れて本当に面白かった。

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    2026年09月03日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    ユダヤ人の歴史を、「主体」(自ら意図したか)と「構造」(外的要因に規制されているか)の組み合わせから解き明かす。主に「構造」の視点から描かれる世界史の通史において、ユダヤ人は往々にして一神教が登場する古代もしくは近代以降にしか登場しない(そこではディアスポラやホロコーストなど、往々にして悲劇の民として描かれる)が、それ以外の時代では「主体」として自ら変容し、多様な歴史を辿ってきたことを解説してくれる。ユダヤ人やイスラエルについての一面的な理解を見直すきっかけをあたえてくれる好著。

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    2026年09月02日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    ユダヤの歴史を起源から現代まで一気に読める。著者があとがきの中で、各時代の専門家がいる中で、通史を本にするのは不遜という言葉で謙遜していたのが印象的だった。パレスチナ問題のニュースはいつも歯切れが悪いというか、複雑ですから…というトーンがつきまとう。確かに新書1冊の通読にも苦労しましたし、多分大して理解できていない。
    いつの時代も、1つの国に含まれる土地と住民は、その国の中で階層に分かれていて、緊張や対立を含んでいるものの国としての秩序は保たれている限り国家として存続している。ユダヤ人はその中でうまく渡っていたからこそ、対立が顕在化する時代の変換点に激しい攻撃を受ける。立場が異なる2者でも和解は難しいのにプレーヤーが多い分いよいよややこしい。

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    2026年08月30日
  • シオニズム イスラエルと現代世界

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    パレスチナ問題の入門書として歴史、政治、思想など網羅的に記されていてとても分かりやすかった。
    2周は読む。

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    2026年08月03日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    まえがきに「世界史未履修でも通読できる」と書いてあるけど、履修してから読んだほうが絶対面白い。むしろ、高校世界史Bの補完、「もう一つの世界史」のような側面があると思う。世界史好きからすると、「人類史全てを語る」世界史のダイナミックさにもう一度触れているようで、たのしい。
    ・イスラームとユダヤ教が非常に似ていることを確認。C教と違って両者とも聖職者は不在で、法学者が偉い。バグダードでウラマーとラビがアラビア語で議論してたって。
    ・マイモニデスとスピノザが一つの軸で語られてるのめちゃめちゃ気持ちいい
    ・アシュケナジームとスファラディームの通史を完全に押さえられるから素敵。大航海時代のアムステルダム、最盛期のオスマン帝国、ポーランド=リトアニア王国と、世界をまたにかけてダイナミックな歴史を展開しているユダヤ史の面白さで、満ち足りる。
    ・近現代史の専門家が通史を書くと、近現代の章だけ異様にこみいって特定のテーマに偏った記述になる(しかも中途半端)というのはあるある。
    逆に古代〜中世、近世は適切な距離感で描かれている。

    あとがきで、著者は学部時代にアラブを勉強していたら社会学に出会って、いろいろあってユダヤの通史を書くに至ったと書いてある:なんで?
    視野が広がった。モチベーションが上がった。社会学も気になる。

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    2026年06月08日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    複雑に捻れている現在のイスラエル周りのこと、少しでも知りたいなと思って手に取りました。

    情報の密度がとても濃い文章で、頭から煙を出しながら必死に文字を追いました。
    元々の世界史、地理の知識が乏しいのであまり理解はできていませんが、一応通して読んで良かったなと思っています。
    意図なくキリスト教系の大学に進学し、必修だったためキリスト教に関する授業を受けました。
    その中で安息日の労働はみなさんが考えてるのと違って、電球のスイッチオフとかもそうなんですよと話されたのがとても印象に残っていて、大学の講義以来その話を見る機会となり、読みながら興奮しました。ほんとだ!と。

    ユダヤ教、キリスト教、イスラム教…複雑すぎて全然わからないです。
    印象に残ったのはラビ、ポグロムなどの単語。この本で初めて知りました。
    違う本で、周知の知識として単語が出てきて、知ってる!となれたのが嬉しく、それだけでもこの本を読んで良かったと思ったくらいです。

    『夜と霧』を読んで以来、考えを大事にしているスピノザが出てきて、スピノザのやばいとこ知るの怖い!と思ったら冷静に見ていて、やっぱ最高!となった(p116)
    「神は他の民族を差し置いてヘブライ人たちを神自身のために選び取った(「申命記』第十章十五節を参照)とか、神は彼らの返くにいるが他民族の近くにはいない(『申命記』第四章四〜七節)とか彼らだけに正しい律法を授けてくれた(同書第四章八節)とか、また他の民族を差し置いて彼らだけに自分の存在を知らせてくれた(同書第四章三十二節など参照)とか聖書で言われているのも、すべてはヘブライ人たちを律法に服従させるため、ただ彼らの理解力に合わせてそう語っているだけなのだ(同書、一四六~四七頁。)

    p282
    文化多元主義と多文化主義の話は、色んなことに通じそうだなと思った。
    理解が合ってるかわからないけど、文化多元主義の方が良いなと思ってる。
    マイノリティの言うことばっかり聞いて 多数派が割を食ったり、言うことを聞き続けなければならないという偏った雰囲気ではなく、多様化ならどちらもあって良いよね、という。
    雰囲気としたのは、人々の感情でのことで、数値だけで言えばどうしても多数派が減るとは思うからそこは仕方ないかなとは思う。

    p294 ネタニヤフのお兄さんの話初めて知った。
    イスラエルが行ってることで許せないこともたくさんあるけれど、その行動に出ることについて、許したり認めたりする意味ではなく、仕方ないなという気持ちがはじめて沸いた。だからといって肯定はできないですが。

    憎しみあいの応酬は避けるべきといっても 私はその失う痛みを知らないから綺麗事を言える。
    失った人たちは綺麗事よりも、目の前のことを破壊したくなるくらいに傷ついたって主張するのかな。
    悲しい。



    とてつもなく複雑に絡み合った歴史で驚きました。
    一冊の本に書き上げることは著者も校正も編集も皆さんとても大変だったでしょう。
    全てを理解できるほどの知識が自分にないことが悔やまれますがこの本をきっかけによりユダヤ人や国際情勢について理解を深めていきたいと思えました。

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    2026年05月24日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    3,000年にわたるユダヤ人の通史。ローマ帝国やオスマン帝国、ロシア帝国、イギリス帝国など歴史の強者に翻弄されてきた歴史がよくわかる。

    ホロコーストは必ずしもナチス・ドイツによるものだけではなかったこと、当たり前のことながらユダヤ人は必ずしも一枚岩ではないこと、アメリカとイスラエルは当初から蜜月ではなかったことなど新たに気付かされることも多い。

    そして最も印象に残ったのは同化の難しさだ。為政者が融和的であっても市井では不満が歪みとしてたまり民族対立に至ることもあるし、融和が進むかと思うタイミングで民族主義が過激化することもある。歴史はどうやら融和と対立のグラデーションを行ったり来たりするようだ。これを人類がいまだに乗り越えられていないことは今まさに世界で起こっている対立からも明らかだ。

    その点を踏まえると労働力不足の名のもとに移民的労働者を受け入れる日本は安易すぎるかもしれないし、将来、融和や同化が進まず対立に至るという同じ轍を踏まないでほしい。

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    2026年05月12日
  • シオニズム イスラエルと現代世界

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    なかなか読み応えがある新書で、途中から国家とか民族という概念を考えさせられた。
    イスラエル建国は西欧キリスト教社会の免罪符でもあり、厄介払いの側面もあるという指摘はなるほどだ。しかも欧州から見れば『遅れている』アジアに建国され、痛みを直接感じるものでもなかった。
    現在のイスラエルの国家体制は、エスニック・デモクラシーというよりも、エスノクラシー(特定の民族による独裁体制)という意見を紹介している。ユダヤ人の文化が自生するためには、人口的な多数派の国家が必要で、多少の民主主義の制限は仕方ないと考えているのが、基底にあるらしい。
    著者は、ヒステリックにも見えるイスラエルのナショナリズムを『犠牲者意識ナショナリズム』(これは日本人にもあてはまる可能性がある)と指摘している。ホロコーストを教育に採り上げても、その社会的背景は省略されていることや、ハマスの襲撃をホロコーストの拡張概念で捉えて、背景にある歴史的な経緯には考えが至ってないと、指摘している。著者は一方で、ユダヤ人に対するポグロムやホロコーストに対しての国際社会のケア不足を指摘しているが、パレスチナの人の現状に対して国際社会はどうケアすればよいのだろうか。

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    2026年04月15日
  • ロシア・シオニズムの想像力 増補版 ユダヤ人・帝国・パレスチナ

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    本書は歴史的にあまり着目されてこなかったロシア・シオニズムの成り立ちと特質に光を当てるものだが、その焦点は西欧・アメリカ・更には現代イスラエルにまで届く骨太な論考だった。
    主な個人的発見としては以下。
    ・ナリョナリズムの大家や社会学者にユダヤ人が多いこと。これは間接的にユダヤ人のアイデンティティが影響しているものと推察できる。
    ・シオニズムはむしろディアスポラの中で他民族と対等にふるまいたいための手段と捉えられている向きが強く、パレスチナに行くことが全てではない
    ・ヨーロッパの東西、政治・社会・文化に対する捉え方の違いから、シオニストと言っても多数の派閥が存在していた

    読みながらアリソンの「決定の本質」を思い出していた。意思決定や行動は外からは見えない複雑性に因っている。
    しかし皮肉なのは、ロシア・シオニストもまたパレスチナ現地民を「アラブ人」と一括りにしており、これが現代にまで尾を引いているという事実である。
    長いけど読む価値があった。巻頭の地図や巻末の年表、事典も理解の助けになる良書。

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    2026年04月04日
  • ウクライナ全史(下)――ゲート・オブ・ヨーロッパ

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    「全史」と銘打った、ウクライナの歴史に纏わる本で、「上巻」の続きとなる「下巻」である。
    「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄が綴られた「上巻」に対し、この「下巻」はそれ以降なので、扱われている期間は短い。しかしながら、本のボリュームは上下共に似たような分量になっている。
    「下巻」については、20世紀初め頃の革命や内戦という様相から、戦間期や第2次大戦の頃、その後の様々なこと、更に「ウクライナ」の独立、最近の情勢と、非常に密度が濃い感じに纏まっている。概ね2020年頃迄の事柄が綴られる。
    「下巻」の末尾には、「上巻」の部分も含めて、ウクライナの歴史に纏わる人名録、主な出来事の年表、加えて参考文献リストが添えられてはいる。が、そういうモノを頻繁に参照するような煩わしい読み方は無用だ。物語風で読み易くなっているとも思う。ウクライナで学位を得て研究教育活動に従事し、現在は米国で活動している「ウクライナ史」研究者が、「ウクライナについていろいろなことを広く知らせたい」という強い思いも込めて綴ったのだと想像する。
    20世紀に入って以降も、「ウクライナ」は幾つかの国々に分かれていて、第2次大戦やその後の経過で概ね現在の版図で「ソ連の中の共和国」となり、1950年代に経済上の理由でクリミアがロシア連邦からウクライナに移管ということで現在の版図が確定している。そして1991年にその版図で「独立国」となって行くのだ。
    「ソ連の歴史」というような観点、または「欧州に於ける第2次大戦期の経過」というようなことで、ウクライナの事柄には少しは触れているが、本書のように詳しく説かれている、同時に読み易いモノは類例を知らない。読み応えが在る。
    そして「ウクライナの社会」の変遷というようなことも、広く深く語られていると思う。ソ連体制になってから第2次大戦へ向かって行く間の「人為的な飢饉」と呼ばれるような件も含めて経済への言及も幅広い。
    ソ連時代の様々な経過の後の、「独立」への経過も詳しい。多様な要素を内包する欧州の国であろうとした訳だ。
    やがて初代大統領が去らざるを得なくなった後の、政権の変遷や出来事に関しても詳しく、同時に判り易く纏まっている。
    総じて「下巻」は「ウクライナ現代史」という感で、場合によってはこの「下巻」を読むと現在に至る様々な事柄を網羅することも出来なくはない。と言っても、もと古い時期の諸事項との関連も在るので、「上巻」に在るようなことも知るべきではあるが。
    そして本書が綴られている時点で「第1次ロシア・ウクライナ戦争」と呼ぶべき状況に入ってしまっているが、「ロシア側で唱えている事柄」に関連した「ウクライナ側の観方」というようなことが或る程度整理されている感だ。
    複雑な生い立ちを負い、文化的なモザイクという情況でスタートした「ウクライナ」ということが、本書を読むとよく判る。現在となっては、個々人の文化的出自や母語が如何であれ、「とりあえず“ウクライナ国民”」という、多数派と見受けられるウクライナに住む人達のアイデンティティは動き難いのだと思う。そこに「歴史」として考えて「如何?」ということ迄持ち出して、軍事行動に迄及んでしまう理屈というのは何なのか?そういう「考える材料」を多く提供してくれる本書である。
    本書が登場した後、彼の地では「第2次ロシア・ウクライナ戦争」と呼ぶべき状況に突入してしまい、既に3年目というようになってしまい、事態の収束が読めないようになっている。何を如何言おうと、大規模な軍事行動というような動きは、生命を擦り減らし、社会の中の余りにも多くのモノを損なうばかりである。何とかならないものかと祈るばかりではあるが、それはそれとして「如何いう経過で最近の様子なのか、古い時代に遡って知ってみよう」という程度のことは出来る筈だ。そして本書はそういう「知ってみよう」に好適だと思う。
    偶々眼に留めて入手し、紐解き始めた本書であるが出会えて善かった。モノも知らずに声が大きそうな方に与して、何やら大きな声を出してみれば好い訳でもないと思う。静観して、本を読んで学ぶというようなことも必要なのだと思う。ロシアとウクライナとの問題に関し、ウクライナの側に纏わる様々な情報が詰まった本書は必読かもしれない。殊に「ウクライナ現代史」という様相の「下巻」は価値が高いと観る。御薦めだ。

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    2024年08月14日
  • ウクライナ全史(上)――ゲート・オブ・ヨーロッパ

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    古い時代から最近に至る迄の経過、挿話を扱う「全史」ということで綴られた本の「上巻」である。
    「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄の事柄が綴られる。
    本書はソ連産れで、ウクライナで学位を得て研究教育活動に従事し、現在は米国で活動している「ウクライナ史」研究者が綴ったモノということになる。
    本書は物語風で読み易くなっているとも思う。かなり古い時代から、興味深い挿話が積み重ねられていると思う。注釈を参照するような面倒な感じでもなく、「ウクライナ史」というようなモノになじみが薄い人達でも普通にさっと読めるような体裁に美味く纏められている。
    本書を読んでいて、活き活きとした物語に引き込まれると同時に少し思ったことが在る。「ウクライナ」ということではなく、「他の国」の歴史というようなことで語られている事柄が凄く多いのだ。「他の国」の歴史に纏わる事柄で、現在のウクライナに該当する場所で出来事が発生しているというような事例が実は多い。
    また、国の境界は長い年月で色々と複雑に切り替わっている。今日のウクライナ、ロシア、ベラルーシ、リトアニア、ポーランドというような地域が絡み、ルーマニアやモルドヴァも関わるような感じだ。こういう地域に、オスマン朝、オーストリア、ロシア、ドイツというような帝国、更にスウェーデンのような勢力の動きも在って、ウクライナは揺れ続けていた。現在、「ウクライナ」とでも言う場合の「古い時代のイメージ」ということでは、“ヘチマン”と呼ばれたコサックの統領が統べた自治領的な国になるのかもしれない。その“ヘチマン”の国に関しても、色々と激動の物語が在る。
    本書の終盤の19世紀の終わり頃から20世紀頃の様子には「オーストリア領」、「ロシア領」というような言い方が出て来る。西寄りな地域と、東や南、またはキーウの辺りとでは随分と様子が違ったということが詳しく紹介されている。そして帝政ロシアの時代にウクライナ語による出版等に制限が加えられていた時期が在ったということも詳しく紹介されている。
    序でに、ソ連時代の指導者で、フルシチョフ、ブレジネフ、更にゴルバチョフだが、御本人や一族がウクライナに所縁が在る。工業化が進んで社会が変わって行くという時代に関する叙述の中で紹介されていた。
    本書の冒頭部辺りに、著者による巻頭コメントが在るが、その中に「戦争」と在り、そのコメントが発せられているのが2021年と判る。既に「戦争」は長い、“第1次”とでも呼ぶべき動きは8年近くも続き、昨今話題の“第2次”とでも呼ぶべき動きは既に3年目である。こうした中であるからこそ、「ウクライナ」とは「何なのか」を学ぶ材料を供したいというのが、著者の強い願いなのだと、本書に触れながら思った。
    研究者の世界のモノではなく、一般向けに「ウクライナ」を歴史という事柄を軸に語っている本書である。上巻だけでも読み応えがあったが、早速に下巻も読みたい。否、読まなければならない。

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    2024年08月11日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    ユダヤ人といえばホロコーストだが、ホロコースト以前からポグロムという形の被害、差別があって、それには経緯と構造と時勢など様々な要因があった。ディアスポラにより世界各所で「適応」しながらも、戒律に従うことで一体感を保てたこと。そして「適応」がときに権力側と結びつきを生み、それが市民からの反発を招く構造的な問題があったこと。
    どれもが組み合わせの妙で必然と呼べるものではないが、説得力があり色々な発見があった一冊だった。

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    2026年09月14日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    昨年書評を見て購入
    イスラエルのやっていることが?!?!!で
    でも、むずかしそう……
    本棚の薄い新書を横目で見ながら一年が過ぎてしまった
    やっと読んだ
    やっぱり難しかった
    なんやねん、ユダヤ人!

    〈ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧――。〉

    〈五大陸を流浪した民族〉
    〈3000年のユダヤ史を雄大なスケールで描く〉
    〈受動的な犠牲者というイメージは本書によって塗り替えられる〉

    なんやねん、ユダヤ人!

    本当によくまとめておられると思う
    著者に敬服
    でもモヤモヤはまだすっきりしない
    イスラエルが分からない

    ≪ 全世界 あなたと共に かみさまは ≫

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    2026年09月11日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    私が抱いていたユダヤ人へのイメージを変え、自分は知らないことが多すぎる。。と反省した。もっと世界で何が起こって来たのかを知りたい。

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    2026年09月10日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    世界史どころか日本史さえろくに勉強してこなかったし、今も関ヶ原の戦いがなんなのかすらわからないような人間の感想。

     イスラエルとガザの争いから興味を持って読んだ。
     内容を一部だって理解できたとは言えないけれど、「弱者」「被害者」「少数派」のようなユダヤ人の印象に、少しだけ奥行きが出たように思う。
     また、歴史的な文脈があるにせよ、自分という個人に過去3000年に渡るユダヤ人という物語を接続して、他人を攻撃する理由にしてしまえるのは怖いことだと感じた。多かれ少なかれ誰しも「ナショナリズム」を持ってはいるのかもしれないけれど、タガの外れた様相だと思う。それが宗教の怖さだな、と言ってしまうと言い過ぎだろうか。
     マクロな視点を離れて彼らひとりひとりを見たときには、もしかしたら個人的な理由から敵意を抱いているのだろうか。
     他にも、人種差別やその抵抗運動にもその背景には一概には言えない色々な文脈が潜んでいるのかもな、という気持ちがした。最後の方で語られる、黒人差別とユダヤ人差別の対比に、ハッとさせられるものがあった。

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    2026年09月01日
  • シオニズム イスラエルと現代世界

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    イスラエルという国の動向を考えるときに、より着実な形で触れようと思うと、なかなか人物や出来事が聞いたことのないものも多くなる印象。

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    2026年08月31日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    国を失えば、民族は消えるのだろうか。その問いが二千年を超えて響いてくる。古代に故郷を離れ、各地に散ったユダヤ人は、信仰や律法、共同体の記憶を子へと手渡し、自らが何者であるかを守り続けた。しかし近代、その違いは排斥の理由ともなり、ホロコーストという惨禍に至る。一方、「自らの国を」という願いはシオニズムを生み、イスラエル建国へと結びついた。土地を失っても記憶は残り、やがて記憶が再び土地を求める。だが、その実現は新たな対立も生んだ。ユダヤ人の歴史は、迫害と苦難だけの物語ではない。国とは何か、故郷とは何か、そして人は何を次代へ渡すのかを、私たちに問いかけている。

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    2026年08月25日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    ユダヤ教ユダヤ人全体を理解するためにとても勉強になった1冊。ちょっと世界史の知識が必要なので、そういう意味ではちょっと読みづらさも感じる。社会学的な主体と構造での分析は結構勉強になりました。

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    2026年07月31日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

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    3000年前から今にも及ぶ世界情勢を知ることができる貴重な本だと思う。
    日本の大半の人はこの事実は知らないと思うので、読んで見てほしい。
    うまく纏められていると思うが、時系列が前後して分かりづらい所もあるので、地図と同様に歴史年表も掲載してくれるとより分かりやすいのではないかと感じた。

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    2026年07月29日