鶴見太郎のレビュー一覧

  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    まえがきに「世界史未履修でも通読できる」と書いてあるけど、履修してから読んだほうが絶対面白い。むしろ、高校世界史Bの補完、「もう一つの世界史」のような側面があると思う。世界史好きからすると、「人類史全てを語る」世界史のダイナミックさにもう一度触れているようで、たのしい。
    ・イスラームとユダヤ教が非常に似ていることを確認。C教と違って両者とも聖職者は不在で、法学者が偉い。バグダードでウラマーとラビがアラビア語で議論してたって。
    ・マイモニデスとスピノザが一つの軸で語られてるのめちゃめちゃ気持ちいい
    ・アシュケナジームとスファラディームの通史を完全に押さえられるから素敵。大航海時代のアムステルダム

    0
    2026年06月08日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    複雑に捻れている現在のイスラエル周りのこと、少しでも知りたいなと思って手に取りました。

    情報の密度がとても濃い文章で、頭から煙を出しながら必死に文字を追いました。
    元々の世界史、地理の知識が乏しいのであまり理解はできていませんが、一応通して読んで良かったなと思っています。
    意図なくキリスト教系の大学に進学し、必修だったためキリスト教に関する授業を受けました。
    その中で安息日の労働はみなさんが考えてるのと違って、電球のスイッチオフとかもそうなんですよと話されたのがとても印象に残っていて、大学の講義以来その話を見る機会となり、読みながら興奮しました。ほんとだ!と。

    ユダヤ教、キリスト教、イスラ

    0
    2026年05月24日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    3,000年にわたるユダヤ人の通史。ローマ帝国やオスマン帝国、ロシア帝国、イギリス帝国など歴史の強者に翻弄されてきた歴史がよくわかる。

    ホロコーストは必ずしもナチス・ドイツによるものだけではなかったこと、当たり前のことながらユダヤ人は必ずしも一枚岩ではないこと、アメリカとイスラエルは当初から蜜月ではなかったことなど新たに気付かされることも多い。

    そして最も印象に残ったのは同化の難しさだ。為政者が融和的であっても市井では不満が歪みとしてたまり民族対立に至ることもあるし、融和が進むかと思うタイミングで民族主義が過激化することもある。歴史はどうやら融和と対立のグラデーションを行ったり来たりするよ

    0
    2026年05月12日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自分の無知を改めて認識させてくれる、まさに読書の醍醐味のような本。これほどの研究内容が新書で読めてしまってよいのかと思うほど。

    神話時代のユダヤ教の成立からいかにしてシオニズム(これもひとくくりにできないが)が形成されていったか、が活写されており、さらに途中で世界史のダイナミックなイベントが頻繁に入るので、ものすごく勉強になる。
    著者はユダヤ(これに限らずと思うが)の在り方を「主体と構造」の関わりから一貫してとらえる。社会の状況を構造とし、ユダヤはその構造に合わせる形で主体や思想を様々に変化させながら適応してきた、という意味らしい。
    明確な領土を持たないがゆえに、構造に合わせながらアイデンテ

    0
    2026年04月29日
  • シオニズム イスラエルと現代世界

    Posted by ブクログ

    なかなか読み応えがある新書で、途中から国家とか民族という概念を考えさせられた。
    イスラエル建国は西欧キリスト教社会の免罪符でもあり、厄介払いの側面もあるという指摘はなるほどだ。しかも欧州から見れば『遅れている』アジアに建国され、痛みを直接感じるものでもなかった。
    現在のイスラエルの国家体制は、エスニック・デモクラシーというよりも、エスノクラシー(特定の民族による独裁体制)という意見を紹介している。ユダヤ人の文化が自生するためには、人口的な多数派の国家が必要で、多少の民主主義の制限は仕方ないと考えているのが、基底にあるらしい。
    著者は、ヒステリックにも見えるイスラエルのナショナリズムを『犠牲者意

    0
    2026年04月15日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    同じ著者の近著、シオニズムを理解するための、ロングレンジでの歴史的背景がおよそ理解できた。近著にも書かれていた部分もあったが、ユダヤ人が東欧を中心とする世界に分散(ディアスポラ)していった過程が理解できたし、既にアラブ人が住んでいるパレスチナに国を作った過程、その国が先住民と敵対する理由も知った。ホロコーストだけでなく、東欧でのポグロムが、建国だけでなく現在にも影を落としているという指摘は、納得できた。ユダヤ人は居住国の法の下で自分たちの法に従って代を重ねてきたというところは、この宗教の強さを感じた。アメリカは今やイスラエルに次ぐユダヤ人の居住国であるが、ユダヤ教がカスタマイズされてきていると

    0
    2026年04月16日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    ユダヤ人の特性と「組み合わさ」る事によりユダヤ人の歴史が動いてきたと考える所が非常に興味深かった。むすびの「ダイナミックに動き続ける場所にこそ、ユダヤ人ははまりやすい」という言葉が印象深かった。この本を読むことで、今後のゼレンスキー(ゼレンシキー)とネタニヤフの行動の見方が自分の中で変わる気がした。こういうのが本との出会いの良い所である。

    0
    2026年04月13日
  • ロシア・シオニズムの想像力 増補版 ユダヤ人・帝国・パレスチナ

    Posted by ブクログ

    本書は歴史的にあまり着目されてこなかったロシア・シオニズムの成り立ちと特質に光を当てるものだが、その焦点は西欧・アメリカ・更には現代イスラエルにまで届く骨太な論考だった。
    主な個人的発見としては以下。
    ・ナリョナリズムの大家や社会学者にユダヤ人が多いこと。これは間接的にユダヤ人のアイデンティティが影響しているものと推察できる。
    ・シオニズムはむしろディアスポラの中で他民族と対等にふるまいたいための手段と捉えられている向きが強く、パレスチナに行くことが全てではない
    ・ヨーロッパの東西、政治・社会・文化に対する捉え方の違いから、シオニストと言っても多数の派閥が存在していた

    読みながらアリソンの「

    0
    2026年04月04日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    2025年のサントリー学芸賞。まず、なんと丁寧で誠実な本なのだろう、と思った。先行研究のリサーチと参考文献・論文の読み込みの深さが尋常じゃない。それが素人でもわかるほど、隙のない本だった。しかも、それでいて読みにくくなく、分かりやすすぎない、絶妙なバランスに仕上がっていて、これは新書の中の新書である、と言って良いのではないか。パレスチナとイスラエル、ロシアとウクライナ、イランとアメリカ。現在進行形で行われている国際紛争の根っこにある問題の一端が掴めた、ような気がする。が、まだ一端である。そして、心に残った一節はこちらです。

    差別とは、必ずしも蔑むことだけを意味するのではない。あるカテゴリの人

    0
    2026年04月03日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    理系だったため世界史を習った高校一年の記憶を引っ張り出しつつ読んだ。
    アンネの日記などユダヤと言われるとホロコーストのイメージが強い
    俗っぽい表現になるが、時代や世界情勢、本書でいう組み合わせによってうまく入り込むユダヤ人たちの動きが非常に不運な偶然による産物がホロコーストやポグロムと知った
    最近のパレスチナやイスラエルの情勢もなんとなく揉めてるだけとしか思っていなかったがシオニズムの過激化やネーション化の徹底によるものと学んだ
    また読み直せたらと思う

    0
    2026年03月30日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    ユダヤ人は移住先の環境に合わせて自分たちを変化させ、国を持たずともイスラエル建国まで生きてきた。この苦闘を知らずにして今日のパレスチナ情勢を語ることはできないだろう。民族対立を単なる対立と捉えるだけでは解決の糸口が掴みにくい。当事者が歩んできた歴史を学び、当事者の側に立って解決を目指していくことが必要になってくる。そのことを痛感させてくれる1冊だった。

    0
    2026年03月13日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    三千年もにわたるユダヤ人の歴史を描いた新書。
    聖書の時代から現在にわたるまで、一般の世界史の表舞台にはあまり登場することも少ないユダヤ人の歴史について、このようなかたちで通覧できるものは貴重。
    通常の世界史では、歴史の一部でしか取り扱われることがないため、新しく知ったことも多かった。

    0
    2026年03月04日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    ユダヤ人3千年の歴史。
    旧約聖書の時代から中東戦争まで。
    とても新書には収まらないはずなのに、時代毎の主要な出来事を平易な表現で記述しているので、全体の流れが把握しやすく、とてもわかりやかったです。
    これはなかなか優れた本だと思いました。
    ユダヤ人がこれからの世界の中でどのような存在でありたいと考えてるのか、あるいは、そのような意識の有無などについて、さらに知りたいと思いました。

    0
    2026年03月01日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    イエス生誕前まで「神の国」の担い手はユダヤ人であり、律法だった、しかしイエス以降、人類は律法に変わって、福音(イエスやその使徒たちの教え)より導かれることになる。そして週末と最後の審判を経て「神の国」が到来する、と、
    アウグスティヌス(4世紀5世紀活躍した古代、キリスト教最大の教父)が、神の国の歴史観の中で、キリスト教とユダヤ教の関連を書いている。ユダヤ人はイエスを殺しメシアであると信じなかったために、ローマ人に苦しめられることになったが、一方で世界中に拡散して、ユダヤの教典(聖書)によりメシアなるものがあり得ることがキリスト教徒の捏造ではないことを証言してくれるのがユダヤ人と言う考えのもと、

    1
    2026年03月01日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    以前、Netflixでユダヤ人を特集してるのを見たけど、他の文献で確認された史実と、聖書に書いてある事や人々が伝えている伝承を区別して使い分けているから、分かりやすい。ユダヤ教とイスラム教の類似性が、ユダヤ教とキリスト教の類似性よりも大きいとは知らなかった。ユダヤ人の総本山がロシアであるとは知らなかった。第二次世界大戦までは、一部を除いて、平均的なユダヤ人は、貧困にいた事も知らなかった。

    0
    2026年01月31日
  • ウクライナ全史(下)――ゲート・オブ・ヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    「全史」と銘打った、ウクライナの歴史に纏わる本で、「上巻」の続きとなる「下巻」である。
    「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄が綴られた「上巻」に対し、この「下巻」はそれ以降なので、扱われている期間は短い。しかしながら、本のボリュームは上下共に似たような分量になっている。
    「下巻」については、20世紀初め頃の革命や内戦という様相から、戦間期や第2次大戦の頃、その後の様々なこと、更に「ウクライナ」の独立、最近の情勢と、非常に密度が濃い感じに纏まっている。概ね2020年頃迄の事柄が綴られる。
    「下巻」の末尾には、「上巻」の部分も含めて、ウクライナの歴史に纏

    0
    2024年08月14日
  • ウクライナ全史(上)――ゲート・オブ・ヨーロッパ

    Posted by ブクログ

    古い時代から最近に至る迄の経過、挿話を扱う「全史」ということで綴られた本の「上巻」である。
    「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄の事柄が綴られる。
    本書はソ連産れで、ウクライナで学位を得て研究教育活動に従事し、現在は米国で活動している「ウクライナ史」研究者が綴ったモノということになる。
    本書は物語風で読み易くなっているとも思う。かなり古い時代から、興味深い挿話が積み重ねられていると思う。注釈を参照するような面倒な感じでもなく、「ウクライナ史」というようなモノになじみが薄い人達でも普通にさっと読めるような体裁に美味く纏められている。
    本書を読んでいて、

    0
    2024年08月11日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    最近ユダヤ人に関するニュースをよく見るので、ユダヤ人とは を知りたくて読みました。内容ですが、ユダヤ人の歴史を簡潔にまとめてありました。世界史を全く知らない身としては、かなり難しかったです。
    書籍を読んで、ユダヤ人がイスラエルを建国した理由、ユダヤ人でも様々な分類わけできる点、各国のユダヤとの関係を理解できました。

    以下は書籍で使われていたユダヤ教についての単語を、GPTでまとめました。
    ヤハウェ:ユダヤ教における神の名前。ヘブライ語ではYHWHと表され、ユダヤ教では直接口に出すことを避けることが多い。

    カナンの地:聖書で、神がアブラハムとその子孫に与えると約束した土地。現在のイスラエル、

    0
    2026年06月06日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    高校の教科書には、ユダヤ人がほとんど登場しない中世から近世までの間も含めたユダヤの歴史
    一度読んだだけでは、とても頭に入りきらないし、とても一言では言い表せないのがユダヤ人ですなぁ…
    ウクライナのゼレンスキー大統領がユダヤ人であるということも初めて知りました。

    0
    2026年05月22日
  • ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで

    Posted by ブクログ

    イスラエルの戦争の動機や要因を根本から知りたくて、この本を手に取った。

    イスラエルを形作るユダヤ人は常に他国という構造に挟まれながら生きてきた。構造と主体を筆者は重要視するが、その視点から読み解くと分かりやすくなる。

    悲惨な過去はユダヤ人の戦争動機を肯定する材料にはなり得ない。しかしながら、その背景を考慮せずにただ批判するだけでは建設的な批判にはならない。

    有意義な批判を行うために必要な1冊。

    0
    2026年05月20日