鶴見太郎のレビュー一覧
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ユダヤ人の歴史を古代から現代まで、約3000年を1冊にまとめ、この1冊でユダヤ人の歴史の基本的な知識を把握できる。
参考文献に世界史の教科書を使われてることもあり、各時代の歴史の解説は分かりやすかった。
また、私が今まで認識してた歴史用語に齟齬がありそこを丁寧に解説してくれて、新しい発見もかなりあった。
ユダヤ人の歴史という事もあり、現在のパレスチナやイスラエルの紛争に直結する話や、ウクライナ、ロシア戦争にも直結する話が多い。
ニュースで報道される、パレスチナやウクライナなどの中東と東欧について理解するのに、かなり助けになる本だと感じる。 -
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世界史では古代キリスト教との関係とホロコースト、現代史ではイスラエルと中東問題、そして金融と学術に長け、陰謀論とともに語られるユダヤ人について、細切れではなく古代から現代までのユダヤ人の歴史を通史としてコンパクトにまとめた良書。その際、著者は「主体か構造か」という枠組みでの整理を示して、理解を助けている。
中世から近世、近代と、少数民族として各国に存在したユダヤ人が、支配層にとって都合の良い中間集団として同化せず生き残ってきたことで、農民や庶民からは時として怒りの矛先が向けられる対象となってきたことを「反ユダヤ主義を生む三者関係」として示している。
また、近代にはホロコースト以前にポグロムと言 -
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一気通貫でマクロとミクロ、主体と構造という軸でマイノリティのユダヤ人が大国に振り回されつつ、ネットワークや律法(トーラー)を遵守する啓典の民としての高い識字率を、使った官僚や貿易、金融の担い手として生き延びてきた背景を述べる。もちろん農民や貧民も多く、改宗したものも多い。
パレスチナから出たユダヤ人はキリスト教、イスラム教とゾロアスター教(ベルシア)との、間で生き延びドイツ系が、アシュケナージ(イディッシュ語)、スペイン系がスファラディームとして分かれた。
ホロコーストの前に民衆による虐殺ポグロムが東欧各地であり、各地で上記のようなポジションのユダヤ人は差別の的となり、結局1700万人中600 -
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そもそもユダヤ人ということを知らなかったし、日本史派で世界史はほぼ初週だが非常に読みやすい本だった。
ユダヤ人について、アインシュタインしかり、天才が多いというイメージと、ホロコーストの被害者である、というイメージが漠然としてあっただけだった。
前者に関しては、天才が多いのは、ユダヤ教の根底として「律法」「教育」を重視する側面があったから、ということと、各国家において、歴史のマイノリティとして国家の法に適用しつつ、ユダヤ共同体として「うまくわたってきた」から、なのだと理解した。
また、後者に関しては、ホロコーストがすべてではない、ということも理解した。東欧で起こったポグロム然り、ユダヤ人 -
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「全史」と銘打った、ウクライナの歴史に纏わる本で、「上巻」の続きとなる「下巻」である。
「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄が綴られた「上巻」に対し、この「下巻」はそれ以降なので、扱われている期間は短い。しかしながら、本のボリュームは上下共に似たような分量になっている。
「下巻」については、20世紀初め頃の革命や内戦という様相から、戦間期や第2次大戦の頃、その後の様々なこと、更に「ウクライナ」の独立、最近の情勢と、非常に密度が濃い感じに纏まっている。概ね2020年頃迄の事柄が綴られる。
「下巻」の末尾には、「上巻」の部分も含めて、ウクライナの歴史に纏 -
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古い時代から最近に至る迄の経過、挿話を扱う「全史」ということで綴られた本の「上巻」である。
「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄の事柄が綴られる。
本書はソ連産れで、ウクライナで学位を得て研究教育活動に従事し、現在は米国で活動している「ウクライナ史」研究者が綴ったモノということになる。
本書は物語風で読み易くなっているとも思う。かなり古い時代から、興味深い挿話が積み重ねられていると思う。注釈を参照するような面倒な感じでもなく、「ウクライナ史」というようなモノになじみが薄い人達でも普通にさっと読めるような体裁に美味く纏められている。
本書を読んでいて、 -
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ネタバレアダムとイヴの子、セトの子孫がノアで、ノアに乗った者な子の1人がセムで、セムの子孫がアブラハム。アブラハム契約は全人類にとって重要でイスラエルの民が守ることによって全人類が救われる。ユダヤ人とはユダヤ人の母から生まれるか、ユダヤ教に改宗した者。セム的一神教とは、他者や他民族をも支配していると考える。メシアはギリシャ語ではクリストス。ユダヤ教は日常生活で実践、キリスト教は内面重視。ラビは律法学者。イスラム教ではウマラー。ユダヤ教は律法の学習を重視したため識字率が向上し金融や商業で成功。ユダヤ人を金づるとして利用する権力者と、搾られる庶民という構造が反ユダヤ感情へ。イベリア半島で発展。スペインに縁
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何かと話題になりがちなユダヤ人。おおよそ3千年にわたる歴史を経ているが、モーセに従いエジプトを出て以来、世界へ拡散していくプロセス、移り住んだ地での盛衰や影響力、そしてイスラエルでの建国(ようやく1948年)に至るまでが、整理されてわかりやすく纏められている。ユダヤ教とキリスト教では何が違うのか。キリスト教は神との契約であり、形ではなく内面であり神への信仰を重要とする。これに対して、ユダヤ教は律法中心主義であり、偶像崇拝を禁止して、外形的に判断できる日常生活での法律遵守・実践を重視する。その考え方は議論の積み重ねにあり、慎重に解釈するがドグマ化はしない。昔読んだ「日本人とユダヤ人」では印象的な
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19世紀以降、主に20世紀から半年前(2025年9月)までのユダヤ人とシオニズムの変遷を一気に読んだ。これまで、ユダヤ人のイメージと言えば科学者や芸術家、実業家などで抜きん出て成功している人がまず浮かんだが、確かにどの民族というか集団であっても、成功できる人もいれば、貧しさに身動き取れず抜け出せない人もいる。民族ゆえの厳しさが重なればなおさらだ。
これだけニュースで流れてくるのに、未だによく分からないイスラエルについて、初めて少しだけ理解できた気がする。とはいえ、現代に近づけば近づくほど、複雑になり再び理解が追いつかなくなってしまった。