岩崎育夫のレビュー一覧
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一人当たりGDPで日本を抜き、アジアでもっとも豊かな国と言われるシンガポール。本書では、シンガポールの英国植民地時代から現代に至る200年の軌跡が描かれている。筆者も文中で述べているように、政治・経済に重点が置かれている面はあるが、そちらの分野に興味がある私にとっては良かった。リー・クアンユーというカリスマ政治家がいかに現在のシンガポールを築き上げたのか、その手法についての解説が非常に興味深かった。経済至上主義で発展を遂げてきたシンガポールでも、民主化の動きが起こるのか。人民行動党の一党独裁はいつまで続くのか。今後もシンガポールから目が離せない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ内容的には、マクニールの時のような感動はなかった。
巻末の引用文献集の中に次に読みたい本が何冊かあったのは良かった。
優位勢力の考え方は著者のオリジナルではないのかもしれないが、それに基づく世界史の整理は面白かった。
内容も各論は飛ばして、極めて概論的なことにしか触れていないので、世界史の知識が無くても問題ないし、
知識が少ない状態で読んだなら、各時代の世界史の中心を意識できて、世界各地の歴史の連動を掴みやすい(歴史を地域と時間の二次元が複数ではなく、空間(世界的な広がり)と時間の三次元で掴める)かもしれないと思った。
最終章の、次の優位勢力(今後の世界)については著者とは完全に意見を異にしている。
著者の並立の世界観は間違っており、・・というより、著者の考え方ではこれまでの優位勢力の考え方を全く踏襲していないと言え、これまでの内容は何だったのか(自分でまとめた内容を理解できていないのか?)となった。
著者の考え方は新たなパワー(技術的ブレイクスルー)の登場を全く考慮に入れておらず、現在の状況が質的には変化しないと思っている。
これではこれまでの優位勢力の奢り(?)と一緒ではないか。観察者たる研究者が同じ穴にはまってどうする。
「陸→海→空と来たら、次は宇宙だろう」と思っていた私としては拍子抜けで、とても残念な気持ちになった。
宇宙空間(まずは衛星軌道)を抑える事になれば、従来のパワーをより高空から抑えることとなる。宇宙空間からの地上攻撃能力があれば、核を搭載した弾道弾でも発射直後に敵の国土内の地表近くで爆発させることもできる。
他国の打ち上げを宇宙からの攻撃により不可能にする事もでき、人工衛星を使ったシステムもすべて手中に収めることが出来るので、衛星軌道を掌握すれば次の優位勢力への道が開けるだろう。
そういった考えから、次はスペース(サテライト)パワーの時代だろうと私は考える。
旧来のパワーが"地球を狭くする"方向で動いていたのとは別の要素が現れてくるだろう。人類は地球を飛び出そうとしているのだから。
現在、宇宙探査に力を尽くし、猛烈に成果を上げているのは中国である。先行するアメリカを猛追しているのは間違いない。次世代の優位勢力は資源的にも恵まれ、単独でマンパワーも内需もすさまじい中国かもしれない。
また、
衛星軌道、月での争いが膠着すれば、次は太陽系内の資源探査、宇宙での大航海時代・他惑星での植民地争奪が起きるだろう。
そういう意味では、サテライトオービットパワー、スペースパワー、やがてはディープスペースパワーへと遷移していくことになるだろうか。
自国に資源が無くても他惑星から供給できるならば地政学的なパワーバランスは崩れる一方、太陽系内で人間が安定して居住できるのは地球だけであるので地球の価値は変わらないはずだ。
人間の「楽をしたい」という欲望が完全に満たされない限り「皆で平等に」などという気持ちにはなるまい。「他人が苦労しても楽をしたい」のが人間の本質で利益がないのに「苦労をともにする」ことはあり得ない。
次のフロンティア(=楽の源)を探す駆動力は消えず、優位勢力に押し上げる力はよほど将来まで消滅しないと私は考えている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトル通りの東南アジアについての近現代史をコンパクトにまとめた新書です。
陳腐ですが、テーマは「多様性」ということでしょうか。
EUがキリスト教という文化的価値観が通底する統一である一方、東南アジアとほぼ同義になったASEANでは、宗教(キリスト教、イスラム教、仏教、他)、民族、政治体制(軍政、独裁制、民主主義)までバラエティに富んでいることが特徴でしょう。
とりわけ政治体制はバラエティに富んでいます。社会主義国を加盟させ、軍政であるミャンマーの軍政を迎え入れる一方、独裁的民主制?とも言われかねないシンガポールやフィリピン、内戦から復興中のカンボジアなども入っています。
こうした政治体制の違いは、ASEANでの全会一致というルールの下、当該組織の限界を規定していると揶揄される一方、現在のミャンマーのように国際社会で孤立した軍政国家へのリンクを確保するという点では非常に貴重であろうかと思われます。こうした緩やかな連携と多様な価値観が混在している様がよく書かれていると思いました。
・・・
もう一つ。
そもそもなぜこうしたASEANが発足したのか、何を目的としているのか。
20世紀の二度の大戦で大国から蹂躙を受けた中小国家群。これが東南アジアでありASEANの核である旨、記載がありました。中小国家が強国・大国に伍する、伍するまでいかずとも立場を確保するためには、やはり結束する、というのが有効なのでしょう。
蹂躙した側の子孫としては心苦しい限りですが、こうした歴史的背景は、こと東南アジアとのつながり・連携が強まる昨今、我々が学ぶべきことであると感じます。
・・・
ということで東南アジアについてのザックリわかる歴史書でした。
2017年初版ということで、時事的な内容はちょびっと古いかもしれませんが、当該地域の近現代史の初歩を押さえるという点では非常にまとまっているものと思います。
参考文献がしっかりまとまっていることから、大学生が東南アジア関連の課題でまず手に取るのには適しているかもしれません。それと、ASEAN圏へ駐在されるような方は事前にこの程度の内容は理解しておくと良いのではないかと思いました。 -
Posted by ブクログ
シンガポールの歴史と国としての簡単な紹介がコンパクトに纏められた一冊。ネットの記事とかで、日本より圧倒的に金持ち、教育レベルが高い、等の声をよく目にしてたので気になってこのタイミングで本を読んでみました。
で、感想ですが、やっぱり天国だけじゃないんだなと。まさに敏腕経営者が創設した毎年高利益を叩き出し続ける巨大企業そのものって印象でした。。。
ぶっちゃけゆとりが全く感じられない。そして予想以上な超格差社会、国民個人のアイデンティティがまさに経済生産能力で評価されてる感じで、トップに逆らったら絶対救われなそう......。
生産能力が低い僕の個人感想ですが、シンガポール、地獄っす。日本は一人当たりのGDPが高いアメリカ、シンガポールを目指すのではなく、デンマーク、フィンランドといった国を真剣に目指してほしい、マジで。 -
Posted by ブクログ
東南アジア諸国と日本との関係が述べられているのかと期待したのですが、日本との関係よりもそれぞれの国の歴史が要約されていたので、すこし物足りなく思いました。とにかく東南アジア諸国はどこも多民族国家だということが改めて分かりました。多くの民族が同じ国に住んでいるので民族間紛争がしばしば生じてきましたが、その人々に同じ国に住むという意識を持たせるには大きな労力を要するでしょう。日本はほぼ単一民族国家に近いのでその苦労はないのでしょうが、沖縄の人々はもう日本から独立したいと思ってるかも知れません。
ナイス! - コメント(0) - 2月28日 - 編集 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
二〇世紀後半のアジア諸国の政治を眺めると、七〇年代に始まる開発独裁の時代と、民主化運動の爆発や民主的政権交替が起こった八〇、九〇年代との対照が際立つ。
なぜ、アジアに開発独裁政権が生まれ、その多くが八〇年代後半以降に終焉を迎えたのか。
「市民」はどのような役割を果たしてきたのか。
韓国、台湾、インドネシア、マレーシア、シンガポールの政治と社会の構造的変容を概観し、アジア政治の今後を展望する。
[ 目次 ]
序章 現代アジア政治への視点
第1章 韓国―軍事独裁から民主化へ
第2章 台湾―国民党一党独裁から政権交替へ
第3章 インドネシア―スハルト開発主義国家の崩壊
第4章 マレーシア―揺れるマハティールの開発主義国家
第5章 シンガポール―開発主義国家維持の懸命な努力
第6章 開発主義国家をめぐる問題
第7章 市民社会をめぐる問題
終章 現代アジア政治の行方
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
アジアの大半の国は第二次世界大戦後に独立したものだが、歴史文化、民族、宗教、産業・経済など実にさまざまで、同じタイプの国は一つもない。
しかし政治をみると、政治混乱が続く国、軍政や権威主義体制の国が少なくないし、民主主義体制の国も欧米諸国の民主主義とはかなり異なっている。
なぜ、アジアには政治が不安定な国や民主主義政治が歪んでいる国が多いのか、その原因は何か、今後どの方向へと進むのか、読者と一緒に考えてみたい。
[ 目次 ]
序章 アジア政治をみる眼(現代アジア政治の諸相;本書の分析視点と手法;分析視点の補足的説明)
第1章 開発体制を巡る問題(開発体制とは何か;アジア諸国の開発体制の実態;開発体制の特徴;アジアの経験にみる開発と政治の問題)
第2章 民主化を巡る問題(民主化とは何か;アジア諸国の民主化の実態;民主化の特徴)
第3章 民主主義を巡る問題(多様な民主主義論;アジア諸国の民主主義の実態;アジア諸国の民主主義の解剖)
終章 アジア政治の課題と展望(アジア諸国の課題と行方;アジアの新たな政治舞台)
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