高田明典のレビュー一覧
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自分にとっては『現代思想』を理解する上での貴重な経験となる本。
これを読んだお陰で《現代思想》の見通しが一気に良くなった。
著者は現代思想を『世界を良くするためのもの』と捉え、『哲学とは違うもの』と位置付ける。
本書全体を通して通奏低音のように流れるのは『世界を良くするための現代思想』だ。
現代思想を
・目的
・土壌
・誕生
・変遷
・現在
と、順に眺めて行き、最後の「現代思想のこれから」へと至る。
詳しい方から見れば「これは括り過ぎだろ」と思える部分や説明不足がかなりあるのだとは思う。
それは重々承知の上で(よく知りもしないで偉そうなことは言えないのだが…)、現代思想をこれほどスンナリと分 -
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難解な本を読む技術
著:高田 明典
光文社新書 406
最も安価で効率的に知識を取得できる道具である「本」
本を読むための読書の技術、読むではなく、わかるためにどうすればいいのかを伝えてくれます
それも、「難解」な本を対象としているのが本書です
けっこう、論理的で、分かりやすいと思います
気になったのは以下です。
■基本的な考え方
読み方①
同化読み:作者の方針に従って作者の主張を理解しようとする読み方
批判読み:書いている内容が間違っているかどうかを、疑って読む、問題点を発見するための読み方
翻訳について
原著の記述に正確であろうとするが故に、分かりにくくなっているケー -
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読書をするのに技術は必要か?⇒あった方が良い。では、難解本には?⇒必要。
難解といわれる本にも人気があるようで、読み始めて、分からないのでやめてしまう。理解できなかったことが多い。読むための準備をして、スキルを少し身につければ、抵抗なく読み勧めて、理解しやすくなる。
本には「閉じている本」vs「開いている本」、「登山型」vs「ハイキング型」、「外部参照」が必要なホンがあるという。また、読み方にも「同化読み」と「批判読み」があるという。
本を決める。=知りたいことから始めるのが、効率が良い。本読みの方法、一度目:通読、2度目:詳細読み。読書ノートを作り、メモを取りながら通読する。本のタイプを推測 -
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[ 内容 ]
自殺には、「正しい自殺」と「正しくない自殺」がある―「私」の問題を徹底的に考える。
[ 目次 ]
序章 「私」の問題とは何か
第1章 「私」を縛るものは何か
第2章 「私」はどこで、どのように生きているのか
第3章 「私」とは何か
第4章 「私」にとって、「他者」とは何か
第5章 「私」が「生きる/死ぬ」ということの意味
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速 -
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多うくの本を薄く読むのではなく、1つ1つの本をじっくり読む方法が示されている。
難易度「中」の300ページ本を読むのに4(通読)+10(精読)時間かかると著者はしめしている。
p111 通読とは
1.目次を読む
2.その目次で重要なものをざっと読む。
3.さらにそれが重要ならば、その周辺も読む。
4.適当にぱらぱら読み、指の止まった所を読む。
p119・113・115 新刊の9割は署名・著者名がダメで、多くの本を読むため、読まない技術が大切である。
p118入門書に必要な要素
1.参考文献表がある。
2.その表に日本語訳のものがある。
3. 牽引がついいている。
4.300ページ未満。
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Posted by ブクログ
難解な哲学書の読み方について書かれた本ですが、読み進め方や読書ノートの取り方など、様々な分野の学術書を読む上でも非常に役立つ内容だと思います。
「閉じている本」と「開いている本」、「登山型の本」と「ハイキング型の本」といった概念のおかげでより理解しやすくなっています。
個人的には「思想」と「科学」の違いの説明がまさに目から鱗でした。
例えばマルクスの思想を利用するためにはマルクスの思想を学ぶ必要があります。
しかしニュートン力学を利用するのに必ずしもニュートンの思想を学ぶ必要はないのです。
身近な例で言うと、アルバイト先の学習塾の生徒たちは直角三角形の辺の長さを求めるのにピタゴラスの定理を使 -
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「正しさ/正義」は「誰が、どこで、どのタイミングで決めるか」が大きな要素になるので、一般的な認識と乖離してしまうことが多々あるし、逆により多くの人々に共感してもらえる「正しい主張」が響き渡れば「権力者」も「場の空気」をも粉砕するほど力を持つこともある。
自分で「正しさ」や「公平性」などについて熟考する時は、思想や哲学が道具として役立つが、これらは問題の深部にある発生源を直接的に触れようとするあまり、使い勝手が悪いことが多い。痛みが伴うのに体質改善的なアプローチとなりがちで切れ味も悪く、即時性もない。だけに自分の中ですら辛抱しきれなくなって結果的に「正しさ」が負けてしまうのだ。
また中年男性 -
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名著といわれる本の中で、哲学を扱うものは、どうしても難解になってしまう傾向があるのかと思います。現在の世界では未だ知られていない考え方を、現在の世界の言葉で書かなければならない難解さが、著者と読者の間に壁を作らざるを得ないのかと。本書では、そのような哲学の難解な本をどのように読めば良いのかについて詳細に書かれています。その本がどのように書かれているかをタイプ分けし、そのタイプ別に読み方のポイントを説明されています。どのような準備をしたらよいのか、実読の時には何に注意するのかといった手ほどきを受けるように読むことができます。そのような前半部分を読んだあとは、後半に実際の哲学の名著ごとの読み方が書